ABEDONリリース特集(第二弾/スペシャルレビュー)。新作を全曲解説!

ABEDON | 2015.05.22

ファンキーで(ノリノリで)モンキーで(面白くて)ダンディーな(かっこいい) ABEDONの新作秘話を徹底解析!

 前作アルバム『BLACK AND WHITE』のツアー・ファイナルは、2月3日のビルボード東京。そこでABEDONは「俺たちは終わらない。このメンバーでレコーディングをやる!」と爆弾宣言したのだった。
 終演後、楽屋を訪ねると、バンドの八熊慎一(主にベース)、奥田民生(主にドラム)、木内健(主にギター)、斎藤有太(主にキーボード)はその宣言を事前に知らなかったものの、「曲はABEDONが書くんだから、いいんじゃないの」と涼しい顔。ツアーを経て、完全にお互いの手の内を知り尽くしているので、自信たっぷりの様子だ。
 とはいえ、曲を書くのは簡単ではない。しかしABEDONは全9曲を書き上げた。そのスピードは驚嘆に値する。しかも、ハードロック、ブルースから湘南ポップスまでと音楽性の幅は広く、どれもいい曲ばかり。ノッてるアーティストとは、こういうものなのか。宣言からわずか3カ月で、ニューアルバム『ファンキーモンキーダンディー』は完成したのだった。
 50才を目前にして、この音楽絶倫ぶりを見せつけられては、たまらない。早速、プライベート・スタジオにお邪魔して、全曲爆音試聴会の現場でその真相を聞いたのだった。

1「ファンキーモンキーダンディー」
カウベルが鳴り響くと、ロックンローラーABEDONの登場だ。と、完全に条件反射してしまうのは、あなたがABEDON中毒の証拠。ハードなギターがリフを刻んで、「ワォ! ワンチュー」とシャウトが聴こえたら、もうそこはファンキーでモンキーなダンディーの世界なのだ。ポップなハードロックは、ABEDONが青春を過ごした70年代から80年代に確立された。それを踏襲しながらも、まったく古さを感じさせないのが“ABEDONマジック”だ。「当時と今では、低音の処理とかがまったく違う。そこはちゃんとやってますよ」とABEDON。ただの“懐かしがり”じゃないアップデートされたサウンド作りは、さすがだぜ。

2「ことば」
アコースティック・ギターで突き進むABEDON流ブギー。“言霊(ことだま)”という言葉がある。自分の口から出た言葉を、最初に聴くのは自分の耳だ。その言葉は、自分に大きな影響を与える。そう、言葉は魂を持っているのだ。だからABEDONは、普段の口癖を前向きに変えようと提案する。「そういう物の考え方は、おじいちゃんから習った」と、前作アルバム『BLACK AND WHITE』のインタビューでABEDONは語っていた。つまりこの歌は“阿部家”伝来の家訓的ブギーというわけ。バックに流れるコーラスは、メンバーが勝手にパートを考えてやってくれた。「みんな、よくわかってるよね」とABEDON。さすがにツアーを共にしてきたメンバーでのレコーディング。この不動のメンバーは、全員歌えるのが強みだ。

3「WAKEUP! STANDUP!」
ドラム八熊、ベース民生のリズムセクションならではのグラムロック。グルーブがぐりぐりドライブするぜ。でも曲のタイトルは、ABEDONのリスペクトするボブ・マーリーから来ているから、笑っちゃうぜ。テーマはダンディズム。見た目を意識したヤセ我慢系のハードボイルドではなく、あくまで自分に対して美学を貫くのがABEDONのダンディズムなのだ。♪絵になる男よ世界を塗りつぶせ♪というリリックが、それを表わしている。途中の豪快な笑い声など、一切手抜きなしがダンディーABEDONの身上だ。

4「ときどき雨」
微妙なテンポは、ドラムの民生の得意技。エレキギターのアルペジオが美しくメロディーを彩る。穏やかな心情を丁寧に歌うABEDONではあるが、この曲のレコーディングの際、アルバムで唯一、声が枯れてしまったという。そうは聴こえないけどな。そして、曲の中盤のコーラスがいい。「このメンバーのコーラスの真骨頂は、この曲にあるね。でもね、みんなコーラスをよく知ってるから、“歌いやすいパート”を我先にレコーディングしていっちゃうんだよね。先着順。後になればなるほど、難しいパートが残っちゃうから(笑)」とABEDON。

5「みみそうじをしよう」
ABEDONのライブでのハッチャケぶりはハンパない。特に八熊がリズムボックスを抱えたら、要注意。まるで小劇団のコミカルな芝居を観るような、笑いに満ちた音楽が展開される。それも、毎回内容が違うから、驚きだ。その絶妙な呼吸を、ツアーを通して完成させてきた。「だから、これをやっとかなきゃいけないでしょ」とABEDON。「でも、何度もやるもんじゃない」と、スタジオで2回だけパフォーマンスして、この曲が完成した。もちろん、台本は無し。順番にパフォーマンスして、最後に登場するのは斎藤有太。“耳”を“ear”とアドリブで言い換えた技の切れが聴きモノだ。リズムボックスも、完全に“6人目のメンバー”と化している。

6「三角系」
アルバム中、最も完成度の高い曲。とにかく、聴くべし!

7「バ・バ・ヌ・キ」
「三角系」とは対照的に、ノリ一発のブルース。「歌詞? 何も考えちゃいないよ」とABEDON。偉大なブルースマン、マディ・ウオーターズも真っ青の、ディープな世界が展開される。ABEDONはマウスハープ(ブルース・ハーモニカ)でも大活躍だ。聴きどころはサビ。歌謡コーラス・グループを彷彿とさせる“うわわわ・コーラス”が絶品。「みんなで内山田洋とクール・ファイブのビデオと か観て研究しましたもん。リード・ボーカルの前川清の歌もね」とABEDON。曲の随所で聴ける、これでもかと揺れるビブラートは、爆笑モノだ。それにしてもこれをマディが聴いたら、大笑いするだろな。

8「SEA SIDE STYLE」
ABEDONの住む海辺の街の匂いがする歌。21世紀の“湘南サウンド”ってヤツ。その核となるブライトなギター・サウンドは、12弦ギターのように聴こえるが、「いやいや、あれは2本のギターを左右のチャンネルに分けて録ってるの」とABEDON。いちいち凝ってます。細部にこだわりながらも、たった3カ月でこのアルバムを作っちゃったんだから凄いです。「いつも使ってるカメラの“ライカ”が出てきたり、歌詞は身の回りのことですね」。2分4秒あたりから始まる斎藤のオルガン・ソロは、絶品だ。

9「森ノ中」
「これがアルバム・タイトルでもよかったくらい大事な曲」とABEDON。2006年にリリースされた、ABEDONのライフワークであるコンセプチャルな作品『四ツ葉の森(上)』に繋がる曲。「今、オレの中で、“四ツ葉の森”がまた動き始めた」とABEDONは語る。今回の『ファンキーモンキーダンディー』は『四ツ葉の森(中)』に当たるという。なので、やがて(下)も発表されることだろう。彼が音楽をやる意味や、その音楽をどう社会に位置付けるのか。“四ツ葉の森”は、アーティストの本質に迫るチャレンジなのだ。そしてこの曲が、たとえば「みみそうじをしよう」と同列に並んでいるのが興味深い。「森ノ中」の演奏は、すべてABEDONが一人で行なっている。一方、「みみそうじをしよう」は、バンドのメンバーがいるからこそ生まれた作品。つまり今のABEDONは、孤独でありながら、信頼できる友に囲まれてもいる。だからこそ、絶好調だと言えよう。ABEDONの原点の一つである楽器、ムーグ・シンセサイザーのスリリングな響きは、森に佇む哲学者の言葉のようだ。

【取材・文:平山雄一】






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リリーススペシャル企画として、「帰ってきたビルボード」ライブ記念グッズ<ABEDONロゴ入りばんど黒・白色2色セット、ポーチ付き><ABEDON wpi:SKULLばんど>、それぞれサイン入りポストカードをセットにしてプレゼント。どちらのグッズが当たるかはお楽しみに。

【応募締切:2015年6月15日(月)12:00】
※プレゼントの応募はしめきりました

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リリース情報

ファンキーモンキーダンディー

ファンキーモンキーダンディー

2015年05月15日

abedon the company

1.ファンキーモンキーダンディー
2.ことば
3.WAKEUP! STANDUP!
4.ときどき雨
5.みみそうじをしよう
6.三角系
7.バ・バ・ヌ・キ
8.SEA SIDE STYLE
9.森ノ中

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お知らせ

■ライブ情報

SUPER ROCK’N ROLL SHOW
「ファンキーモンキーダンディー」

2015/07/01(水) 【大阪】大阪BIGCAT
2015/07/02(木) 【広島】広島クラブクアトロ
2015/07/06(月) 【東京】EX THEATER ROPPONGI
2015/07/08(水) 【宮城】仙台Rensa

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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