Czecho No Republic、3rdアルバム『Santa Fe』メンバー全員インタビュー

Czecho No Republic | 2015.09.07

 Czecho No Republicが3rdアルバム『Santa Fe』を完成させた。1stシングル「Oh Yeah!!!!!!!」で見せたシンセポップの流れから進化したリード曲「Firework」をはじめ、ポール・マッカートニー来日をきっかけに八木が書いたサイケポップ「Fun, Fun, Fun, Fun, Fun」、さらにバリ島で武井が体感したケチャ(インドネシアの伝統芸能)をモチーフにした「Empty Your Mind」など、チェコらしい賑やかでハッピーなサウンドが、これまで以上に幅広い音楽性と、柔軟な視野によって、さらに補強されている。流行りにのることは「恥ずかしい」と語り、変化を恐れず、好奇心の赴くままに音楽を謳歌するCzecho No Republic。彼らにとって音楽とは何なのか?内に秘めた想いを語ってもらった。

EMTG:今回の『Santa Fe』、いちばんの特徴はシンセポップを突き詰めたことだと思いますけど、やはり去年のシングル「Oh Yeah!!!!!!!」から見えてきた流れが大きかったですか?
武井優心(Vo・B):実は「Oh Yeah!!!!!!!」を作ったときに、同時に4曲目に収録している「Beautiful Days」もできてたんです。そこでまずシンセポップ的な気持ちが1個走ってたんですね。で、それとは別にサイケをやりたいっていう気持ちが生まれ始めてて。いま日本のインディー界隈で、洋楽嗜好のバンドが増えてきたなかで、シティポップも盛り上がってる。でも、そういうのじゃなくて、サイケポップ、サイケロックみたいなのを、俺らはやるべきだと思い始めたんです。その頃は、八木ちゃんもサイケにハマってたので。「これで(次の方向性が)見えたね」ってなって。でも、曲も溜まって、事務所の人たちと一緒に聴いたときに、「ちょっと遠くにいきすぎちゃったよね」って言われたんです。「For You」と「Oh Yeah!!!!!!! 」も入るなかで、その2曲が浮いちゃったんですよ。それで、ふたりで「ちょっとハメ外し過ぎたね」ということになって。今回はサイケは半分以上消すことにしたんです。
EMTG:なるほど。それでサイケの片鱗も少し『Santa Fe』に残ってるんですね。
武井:「クワーキーワールド」と「Fun, Fun, Fun, Fun, Fun」は、なんとかねじこんだね。
八木類(G・Cho・Syn):あとは「Empty Your Mind」は相当サイケだし。
武井:だから、最初に思い描いてたのは、そういうもので構築していこうかなと思ってたんですけど。でも、サイケ部門をけっこうなボリュームで落としたので、当初からの予定してたシンセポップを育てつつ、あとはいままでのチェコっぽい「For You」「Oh Yeah!!!!!!! 」と同居できるようなテイストを出して、1枚のアルバムとしての固まりにしようって切り替えたんですよ。だから、けっこういろいろありましたね、今回。
EMTG:アルバム2枚分を作ったくらいの制作だったと?
山崎正太郎(Dr):曲数的にはそうですね。
武井:サイケ的な曲は次にもっとやれたらなと思います。
EMTG:ではサイケは次の楽しみにするとして。まず、武井さんがシンセポップに走っていった理由は何だったんですか?
武井:うーん……単純に気持ち良いから。
EMTG:特に今年のサマソニは顕著でしたけど、海外のシンセポップのバンドにまた人気が出てきてて、そのあたりは意識しましたか?
武井:ふつうにサマソニは見たいなと思ってますけど。ウォーク・ザ・ムーンとかスモール・プールズとか。それを意識……というより、単純に出音が好きなんですよ。
山崎:基本的に好きなものを取り入れてやってるから、チェコの音楽性って型にとらわれずに幅広くなっていってるところがあるんです。だから、もしかしたら4枚目を出すときに、サイケを残してるって言ってますけど。サイケの気分じゃなくなってる可能性もありますから。また、なんか全然違うものになってるかもしれないんです。
タカハシマイ(Cho・Syn・Per):そうだね。
EMTG:なるほど。野音でも披露された1曲目の「Firework」は、このシンセポップのアルバムを象徴する、特に力強いの曲ですね。
武井:アルバムを引っ張るような強い曲が1曲ほしくて作ったんです。けっこう集中してたのか、かけらができてからゴールは近かった感じですね。いま思うと、結局この曲がないと締まらないんですけど、当時はこの曲がなくても何とかなってたし、逆に最初は「これ、聴いてどう思われるんだろう?」って思ったんですよ。
EMTG:「どう思われる」とは?
武井:いや、EDM色があったので、チャラいと思われそうで。照れ臭さかったというか。
タカハシ:デモの段階では、もっとすごいEDM感があったんですよね。明らかに「え?チェコ?」ぐらいの。それはそれで面白かったけど。
武井:正直、EDMは絶対に過去のものになるってわかってるので、やりたくなかったんです。テクノとかトランスみたいなものじゃないですか。こんだけ流行ったら。EDMもいつかそこにいくと思うので。だから、僕らがいまEDMばっちりのアルバムを出しちゃったら、何年か経ったらその曲を演奏できなくなりますから。恥ずかしくて。
EMTG:それはEDMを批判するわけじゃなく、自分の性格として……。
タカハシ:流行りにのっかった感じが嫌なんだよね。
武井:俺がやるとチャラいく見えるかなって。
EMTG:天邪鬼なんでしょうね。
武井:うん。ど真ん中に投げ込むのはちょっと照れくさいんです。
砂川一黄(G):だからフェスとかで、いまは4つ打ちダンスロックみたいなものが流行ってるじゃないですか。そういうバンドが人気だし。「踊ろうぜー!」「歌おうぜー!」みたいなことをやってて良いなと思うんですけど、そういうのはうちは無理なんですよ。
タカハシ:それ、砂川さんが言うんだ(笑)。
八木:「踊ろうぜ」って言ってない?
EMTG:チェコのなかでは砂川さんがそういうことを言う役割ですよね?
砂川:僕は言う人ですけど、武井さんはそういうことを言うのは得意な人ではないんです。それも別に反骨心とかではないと思うんですね。向いてないだけというか。
武井:だから、フェスに出ると、「まだまだだな」と思っちゃいますよね。BPMも流行りからしたら、20ぐらい遅いかもしれないし。俺らでちゃんと手を差し伸べてあげるパフォーマンスができないとやっぱりダメだし、ただの自己満足だなって。
EMTG:BPMの話で言うと、『Santa Fe』では、「エンドルフィン」が面白くて、最初はテンポが速いのに、サビで落として、逆に高まっていく、すごい曲じゃないですか。
武井:すごいですよね。俺も思います。これ、事故みたいなもんでできたんですよ。家でDTMで作ってて、BPMを決めるんですけど、サビで間違えてBPMを落としちゃったんです。そしたら、シンセがドルルドルルってなって、それにディレイをかけたらめっちゃ面白そうだなって。で、サビ終わりにまたBPMを戻したら、すげぇ!みたいな(笑)。
砂川:偶然の産物ですね。
EMTG:そうなんだ(笑)。だから流行りとか、盛り上げ方とかは関係なく、チェコのライブって、こういう曲の昂揚感で音楽をちゃんと楽しませてくれるバンドですよね。
武井:今回のアルバムではその遊び方をライブでもちゃんと提案してあげたいです。
EMTG:ちなみに前回のインタビューでは、もう自分に飽き飽きしてるとか言ってましたけど、今回新しいサウンドにも取り組んでみて、そのあたりは解消されました?
武井:ああ……今回は歌の録音にすごいこだわってて、リヴァーヴ感とか、タカハシとユニゾンしてるメロディが多かったりするんです。極力ひとりで歌わないようにしてて。それで、聴こえが良くなった部分はありますね。
山崎:ま、もともとボーカリストじゃないからね。
武井:ほんと俺になったらわかりますよ(笑)。乗りこなしにくいな、この身体って。
タカハシ:一生わかんないよ(笑)。
EMTG:あいかわらずですね。そんな鬱屈した武井さんから、『Santa Fe』みたいな、ハッピーな音楽が生まれる理由が知りたい。
武井:それは不思議ポイントなのかな。でも……音楽しか信じてないみたいなところはあるんじゃないですか、極論。音楽ありきで考えてるというか。うーん……いち音楽ジャンルじゃなくなってきてる、道徳に近い感じ……? たとえば、ロックは音楽ジャンルですよね。だけど、人に対して、たとえばバンドをやってる人でも、サッカー選手でもそうだと思いますけど、「こいつロックだな」みたいな、そういう感覚がありますよね。そういう感じで、すべて真ん中にある価値観が音楽からできあがったものになっちゃってるんです。これ、サイケだね、ロックだね、とか。すべてが音楽ありきなんですよ。わかります?
EMTG:…うん。すべての価値観を音楽で捉えてる……もう少し噛み砕けますか?
武井:えーっと、宗教みたいな感じ……。いや、これ以上説明するの無理ですね。
EMTG:つまり、武井さんにとって音楽とは?
武井:中心地、全部。
EMTG:そんな感じします。意外とチェコって、作り手の熱さが伝わりづらい部分があるんですけど、いま言ってくれた武井さんの想いは大きいと思います。
武井:でも、みんなそうだと思いますけどね。八木さんはそうじゃない?
八木:うーん……好きです、音楽。
山崎:難しいよね、音楽とは?って言われると。
八木:うん。言うとなると恥ずかしい。好き、で終わりたい。
武井:いや、俺は愛してる(笑)。やっぱり音楽は憧れの対象じゃないですかね。だって絶対に100点のものを作れないじゃん。現役のロッカーなんて、音楽に憧れて、追い続けてるから、ずっとやれてるんでしょ?ローリングストーンズとか。ロックキッズなんだよ、あの人たちは永遠に。そういうことだと思います。
EMTG:だからチェコも同じように、好きなことやって変化し続けていく、と。
武井:その点においては超ピュアなんです。

【取材・文:秦 理絵】




★予告★
Czecho No Republic初の動画連載、

『Czecho No Republicの1分間1問1答!!』

近日スタート予定! お楽しみに!!


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リリース情報

SOUP

SOUP

発売日: 2019年04月03日

価格: ¥ 1,204(本体)+税

レーベル: ポニーキャニオン

収録曲

1. 鯨工場
2. 長い夜が明けて
3. まんげつのよるに
4. 鯨工場(instrumental)
5. 長い夜が明けて(instrumental)
6. まんげつのよるに(instrumental)

ビデオコメント

リリース情報

Santa Fe(初回限定盤)[CD+DVD]

Santa Fe(初回限定盤)[CD+DVD]

2015年09月09日

日本コロムビア

[CD]
01. Firework
02. Heart Beat
03. Oh Yeah!!!!!!!
04. Beautiful Days
05. Fun, Fun, Fun, Fun, Fun
06. エンドルフィン
07. クワーキーワールド
08. イメージ
09. Empty Your Mind
10. For You
11. オルゴール

[DVD]
「日比谷野音ワンマンドキュメンタリー」映像を収録

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お知らせ

■ライブ情報

『Santa Fe』リリース記念 聖なる行進TOUR
2015/09/20(日) 仙台CLUB JUNK BOX
2015/09/21(月) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
2015/09/24(木) 高松DIME
2015/09/26(土) 福岡DRUM Be-1
2015/09/27(日) 熊本B.9 V2
2015/10/02(金) 大阪なんばhatch
2015/10/03(土) 広島CLUB QUATTRO
2015/10/09(金) 金沢AZ
2015/10/10(土) 名古屋BOTTOM LINE

『Santa Fe』リリース記念 聖なる行進TOUR
スーパーファイナル×一夜限りの結成5周年スペシャル

2015/10/17(土) 東京Zepp DiverCity

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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