ついにその個性が爆発!メジャー2ndフルアルバム『女の46分』は、チャラン・ポ・ランタンにしか作れない大傑作。

チャラン・ポ・ランタン | 2015.12.21

 11月のシングル「メビウスの行き止まり」のインタビューで、チャラン・ポ・ランタンの2人はいつになく自信満々。自分たちでもアルバムのリリースを待ちきれない様子だった。
 そしてリリースされるメジャー・セカンド・フルアルバム『女の46分』 は、彼女たちの自信そのままの大傑作。ついにその個性が爆発して、他の誰にも作れない“チャラン・ポ・ランタンのアルバム”が誕生した。
 アコーディオンとボーカルという珍しい編成の姉妹デュオは、大道芸のテイストと民俗色豊かな音楽性で早くから注目を集めていたが、その特殊性がかえって災いしてなかなか広いファン層を獲得できずにいた。
 それが本作では間口が格段に広がって、チャラン・ポ・ランタンならではのポップに到達。初めて聴く人にとっても、面白くてかわいい歌が“一般リスナーの耳”を待ち受けている。
 自爆傾向(失礼!)を吹き飛ばして完成した“出世作”について、早速、小春とももに根ほり葉ほり聞いてみた。

EMTG:すっげえいいアルバムじゃん!!
小春:えっ?!
もも:もう一回言ってください。
EMTG:すっげえいいアルバムじゃ~ん!!!
小春:あははは。
もも:そうでしょ(笑)。
EMTG:「メビウスの行き止まり」のインタビューで怪しいと思ってたんだよね。なんか今まででいちばん自信満々で、「アルバム、待ってろよ!」って雰囲気が充満してた。
小春:だから「メビウスの行き止まり」には“はらぺこシングル”って書いてあったでしょ!前菜感たっぷりだったでしょ、「これを聴いて、お腹空きなさい」っていう。
EMTG:前回のインタビューで、小春さんが「私の歌詞の世界は、意外と共感を呼んでない。私の人生って、けっこう特殊なのかな」って言ってたけど、このアルバムの曲を聴くと、その悩みから解放されたように感じる。
小春:そうなんだよ。解放っていうよりは、開き直りに近いんだけど(笑)。
EMTG:自信たっぷりに開き直ったんだ(笑)。 たとえば「テイラーになれないよ」は?この歌、面白くて好きだなあ。テイラー・スウィフトのことだよね。
小春:どうかね~?みんなそれぞれのテイラーを思い浮かべてもらいたいんだけど。美人で、スタイルがよくて、歌もうまくて・・・って、ずるい!(笑)。
もも:この歌のMVをアップしたら、今までとは全然違う層が反応したんですよ。
EMTG:どんな人たち?
小春:JKとか。絵文字の人たちが「バカワロタ」とか(笑)。
EMTG:それは今までと全然違うね。
小春:今まで歌を作ってきて、自分の主張がちょっと出過ぎてたかなと思ったの。「私は、私は」って言ってきて、でもあんまり届いてなかった。
EMTG:っていうか、小春さんはけっこう特殊な人生を生きてきたと思う。
小春&もも:あははは。
小春:なので、たとえば「テイラーになれないよ」は、テイラー・ファンの人たちの世代まで、しゃがんでみたっていう。あ、しゃがんでみたって言っても、全然“上から目線”っていう意味じゃなくて。
EMTG:ちょっと客観的に下の世代をながめて歌を書いてみたっていう感じ?
小春:そうそう。そうしたら、意外な人たちが聴いてくれるようになった。狙いどおりというか、面白いというか。
EMTG:たぶん、客観的に歌作りをするようになったから、歌に登場する主人公のキャラのバリエーションが増えたんだね。そのせいで、チャラン・ポ・ランタンに今までとは別の楽しみ方が出て来た。
もも:そうなんですよ。だから歌い方も、歌の主人公に成り切るっていうより、自分の持ってるいろんな引き出しから出したっていう。
EMTG:いちばん好きなのは「ミルクティー」で、いちばん笑ったのは「ちゃんとやってるもーん」かな。“ゆとり世代”が開き直ってるのが、ももさんの歌に見事にハマってる。
もも:「ちゃんとやってるもーん」は、まったく悩まずに3回歌ってオーケーだったですもん。あんまり早く終わったから、「お昼、出前、取ろうかな」なんて。余裕ですよ。
小春:そうなんです。ももさんは、実はこんな女だったんです。
EMTG:♪会議中くらい ちゃんと起きてるもーん♪っていうフレーズが、ももさんに限りなく似合ってる(笑)。
小春:ももさんがさっさと歌入れするのを見てて、こいつ、こんな奴だったんだと思ったね。家で寝ても起きても、こんな奴がいつも横にいるかと思うと・・・イヤだよね(笑)。
EMTG:がははは。どっちもどっちだけど。
小春:私が歌を作ってももさんが歌うと、ほとんどの人は歌の主人公をももさんに重ねて聴く。そのことに気が付いたことも、今回、客観的に歌を作るキッカケになったかもしれない。今まで自分がカッコつけてる部分があった。「私はこういうことを伝えたいんだ」って、自分のキャパシティから言ってて。そうすると、小春はこういう性格ですって知ってれば面白がってもらえるけど、知らない人には伝わりにくい。今回は、私のことなんて知らない人にも伝わる歌が作れたと思う。そこにももさんの声とビジュアルのイメージが、うまく重なってる。今までの小春を捨てて「テイラーになれないよ」を書いたし、「ちゃんとやってるもーん」なんてアコーディオンを弾いてないもーん。
もも:私なんて、目を半開きでダラーって歌ってるもん。
EMTG:だははは。
小春:「ちゃんとやってるもーん」をあんまり上手く歌ってもらっても困るし(笑)。ゆとり世代の仕事の歌だから、バックは間抜けなゲーム音楽みたいなのをコンピュータの打ち込みで作った。アコーディオンを弾かなくても、どの曲も小春らしさが出てると思う。
EMTG:出てる、出てる!
 
小春:アコーディオンって、あんまり先輩がいないんだよ。だから先輩から盗むとしたら、楽器のプレイじゃなくて、真面目に不真面目やってる先輩の精神を見習った。
もも:ユニコーンとか氣志團、先輩方のシャレ心を学びましたね。それと、ツアー中のレコーディングだったから、歌もメンバーもすごくいい状態でやれました。
EMTG:「ちゃんとやってるもーん」の打ち込みも面白かったけど、サウンド面では「好き同士」がよかった。チャラン・ポ・ランタンにしかできない音楽だと思う。
小春:「好き同士」は前からあった曲で、ライブでもやってたんだけど、今回アレンジを変えた。もともと私とももさんとドラムの3人でやってたのに、バイオリンやフルートを入れて。
もも:小春さんはアレンジするのが好きなんですよ。メンバーもすごく対応力があるから、すぐに変えられる。
小春:アルバム1曲目の「時計仕掛けの人生」では、初めてビッグバンドっぽいアレンジに挑戦しました!
もも:小春さんは、そういうのも好きだからね。
EMTG:あのう、いちばん好きな「ミルクティー」なんだけど、歌詞がすごくいいよね。♪貴方いつも 突然誘うのに 私を待たせる♪って、短いフレーズで2人の関係の在り方がよくわかる。
小春:ありがとうございます。
もも:私だったら、相手が遅れるのがわかったら、帰っちゃうか、買い物してるけどね。
EMTG:あはは、歌の設定と全然違う発言じゃん。
もも:だって「ミルクティー」は、小春さんの歌ですもん。
EMTG:まあ、そうだけどさ。「ミルクティー」の最後は♪ティーカップの底を眺めた♪ってなってるけど、よくこんなロマンティックな歌詞が書けるね。聴いてて恥ずかしい~(笑)。
小春:こういう終わり方をする歌も欲しいじゃん(笑)。
もも:小春さんて、まさにこういうタイプなんですよ。乙女っていうか、ピュアっていうか。私も「ここまで出してもいいの?」って思ったけ ど、それを歌うのは楽しいし、面白かった。
EMTG: 面白いって、ドSな発言だぁ(笑)。
小春:「テイラーになれないよ」の主人公の、何年後かの歌っていうつもりで書いたの。
もも:他にもいろんなキャラがいるアルバムですよ。聴いてる人だって、こんなにいろんな主人公を一人の女が歌ってるって思ったら、ギョッとするでしょ。しかも一人の女が作ってるって思ったら、もっとギョッとするでしょ(笑)。
小春:(笑)いろんなキャラの歌を入れることができて、今の私たちをコンプリートできたアルバムだね。
もも:だからみなさんに早くアルバムを通して聴いてもらって、早く感想を聞きたいです。
EMTG:2016年のチャラン・ポ・ランタンは?
小春:まずは2~3月にツアーをやるよ。
もも:そこで、早くお客さんの顔を見てみたいですね。
EMTG:JK とか?(笑)
小春:そうそう、意外な層というか、新しいお客さんというか。
もも:そこで何かをしでかしたいです!
EMTG:楽しみにしてまっす!

【取材・文:平山 雄一】

tag一覧 アルバム 女性ボーカル チャラン・ポ・ランタン

リリース情報

レイラ「goodbye.」

レイラ「goodbye.」

発売日: 2019年07月26日

価格: ¥ 1,000(本体)+税

レーベル: -

収録曲

01.SEASIDE
02.戦争が起きたら
03.bitter
04.音楽のある風景

ビデオコメント

リリース情報

女の46分 [CD ONLY盤]

女の46分 [CD ONLY盤]

2016年01月06日

avex trax

1.時計仕掛けの人生
2.メビウスの行き止まり
3.アダム
4.私間違ってた
5.男のサガ
6.テイラーになれないよ
7.この先のシナリオはあなた次第
8.ミルクティー
9.好き同士
10.欲
11.ちゃんとやってるもーん
12.貴方の国のメリーゴーランド
13.ハバナギラ

お知らせ

■ライブ情報

チャラン・ポ・ランタンと崩壊バンドツアー2015“Shiwasu de Gowasu”
2015/12/23(水祝)【東京】浅草公会堂
2015/12/27(日)【名古屋】名古屋CLUB QUATTRO

チャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカン ツアー2016“女たちの120分”
2016/02/20(土)【神奈川】川崎 CLUB CITTA’
2016/02/21(日)【新潟】GOLDEN PIGS RED STAGE
2016/02/26(金)【北海道】札幌 PENNY LANE24
2016/02/28(日)【宮城】仙台 MACANA
2016/03/05(土)【兵庫】神戸 Varit.
2016/03/06(日)【広島】広島 CLUB QUATTRO
2016/03/12(土)【東京】新宿文化センター 大ホール
2016/03/18(金)【大阪】心斎橋 BIGCAT
2016/03/19(土)【福岡】福岡 DRUM Be-1
2016/03/21(月祝)【愛知】名古屋 BOTTOM LINE

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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