SUPER BEAVER、1月から、3カ月連続でニューシングルをリリース

SUPER BEAVER | 2016.02.01

 SUPER BEAVER。昨年、結成10年を迎えた4人組。全員20代後半ながら、シンプルな言葉に命を吹き込み、人間の本質を力強いメロディーにのせ放つロックバンドだ。葛藤や自己否定、挫折を経てたどり着いた“肯定”は、今、聴き手の心を揺るがし、1人1人のエネルギーになっている。
 彼らが、3カ月連続でシングルをリリースする。
 「ことば」。「うるさい」。「青い春」。
 フロントマンの渋谷龍太(Vo)、作詞・作曲を手掛ける柳沢亮太(Gt)に、シングル3曲について聞いた。
 3曲ともライブで、シンガロングが起こりそうなアップチューン。SUPER BEAVER、2016年、鮮やかなスタートダッシュです! そのまま行け!

EMTG:昨年11月。大成功を収めた赤坂BLITZのワンマンは、どんな意味を持つライブになりました?
渋谷:ライブをしたいという気持ちだけで始めたツアーのファイナルに、どれだけの人がライブだけを楽しみに集まってくれるのか。僕はそこが知りたいと思っていたんです。それがソールドアウトという形になって、あんなすばらしい景色を観られて。楽しかったって意見もたくさんいただけたし。本当にやって良かったと思いました。このワンマンに関しては、動機があまりにも純粋すぎると、正直思ってます(笑)。
EMTG:ライブをやりたいからやる。お客さんはライブを観たいから来る。とてもシンプルな関係ですよね。
渋谷:そうなんですよね。そういう純粋な中で“つながることができた!”って実感はすごくあったし、自分の中では達成感も…こう…… “ピュアな気持ちで、ここまで来てくれた!”みたいな気持ちは強かったですね。
EMTG:今回、1/27「ことば」、2/24「うるさい」、3/23「青い春」と3カ月連続シングルリリースが決まっていますが、全3曲、赤坂BLITZでも演奏してましたね。
柳沢:今、渋谷も言ったように、アルバムが出たから……みたいな、特別な理由の無いライブだった。だから下手したら、アルバム『愛する』(2015年4月発売)のツアーに近い内容になるんじゃないか、と。それは違うって。そこよりもさらに前、さらに次って部分をちゃんと提示できる1日にしたかったんです。新曲は3曲とも出来上がっていて、リリースも決まっていたのもあって、3曲全部やるべきだろうっていう。単純にSUPER BEAVERの最新の状態を観てもらいたかった。これは、ライブに対して、いつも思っていることなんですけどね。だからわりと自然に決まりました。
渋谷:やるのが当然、みたいな流れでしたね。
柳沢:僕らは、もともと、歌詞を大事にしているバンドだと思うんですけど、今回の「ことば」「うるさい」「青い春」は、どれもそこをどんどん突き詰めていっている段階の曲だと思うんですよ。
EMTG:1曲ずつ、伺っていってもよろしいですか?まずは、1月27日発売された「ことば」。
柳沢:「ことば」っていう曲は、渋谷のMCがそのまま曲になったような楽曲です。ライブのMCで“言葉なんて信じない”って、放ったんですよね。言葉を大事にしているからこそ、言葉っていうもの自体、じゃあ何なのかっていう。ただの音じゃなく、やっぱり気持ちが先行しているものだろう、と。そういうことを、最新のSUPER BEAVERが曲にするのは、非常に大事だと思った。改めて曲にすることによって、これまでの作品でずっと1本筋を通してきたものがあるけど、そこがさらに強固なものになるんじゃないかって思ったんです。
EMTG:渋谷さんのMCからインスパイアされて曲を作るパターンは多いんですか?
柳沢:前はいろんな作り方をしてたんですけど、ここ数年はMCからという形が多いですね。
EMTG:それだけ強烈ってこと? MCを覚えてるってことですか?
柳沢:強烈、覚えてるってよりも……彼(渋谷)が放つ言葉……ライブ中はもちろん、例えば今日みたいに、2人で取材を受けることも多いんですけど、その時の彼の言葉と、僕が考えている曲や言葉、感情とか。その微妙なズレが年々、どんどん無くなって来てる感覚があるんです。僕らは、元々、作り手と歌い手が違うバンドで、感覚や思考のズレとかは絶対にあったと思うんです。それが、今、無くなってきた。例えば歌詞では、二人称はずっと“君”だったんですけど、渋谷がMCで“あなたたちじゃなくてあなたに向けて歌っている”って言ってから、二人称は“あなた”になった。そういうサイクルが出来て来て、曲が出来るようになって。今は、自然に渋谷の放つ言葉から曲が出来ていくようになりました。
EMTG:ちょっと……ミラクルなシンクロ率ですね。作り手と歌い手が違うバンドでの、ひとつの理想形かも。
柳沢:だったら、いいなと思います、本当に(笑)。
EMTG:次に「うるさい」(2月24日発売)。4人のアカペラ&ユニゾンから始まる、大胆なアレンジ。
渋谷:元々、普通にイントロがあって。ギターのアルペジオからの曲だったよね。
柳沢:そう。で“もっとインパクトを出したい”ってところで“じゃあ、4人で歌えばいいんじゃないの”ってアイデアがふわっと出てきて。
渋谷:後半のサビを頭に持ってきたらいいだろうって。
柳沢:そこに最初はバッキングコードとかもつけようと思ったんですけど、いや、もうこれは無しだ!
渋谷:絶対無しだ!って。冗談みたいな感じもあってやってみたら“うわ、これ面白い”って。“これはこれでありだ、絶対楽しいから”って。あぁなりました(笑)。
EMTG:最初、ライブで聴いた時、びっくりで……。
渋谷:そう、びっくり、なんですよね(笑)。
柳沢:赤坂BLITZで最初やった時に、お客さんが、思わず笑っているのが見えて。その様子を見て、僕も嬉しくて笑ってっていう(笑)。
EMTG:確かに。フロア全体、一瞬、ポカーンみたいな感じありましたよ。でもすぐ拳に変わったけど。
柳沢:“お、お? え~!?”みたいなね(笑)。しかも結構、アカペラのパート長いじゃないですか。
渋谷:一文章終わっても、まだ続く。“あ、あれ、まだやるんだぁ?”みたいな(笑)。
EMTG:「青い春」(3月23日発売)は?
柳沢:最初、渋谷は、この曲をリリースすることを、ちょっと嫌がっていたみたいで(笑)。曲を出した時、彼から若干の戸惑いを感じたんですよね。
渋谷:まぁ、端的に言ったら、ちょっとダサいじゃないですか、この曲(笑)。
EMTG:そうですか? 違和感があった?
渋谷:なんか……正直に言うと、俺らが歌う曲じゃねえだろと思ったんですよね。でも、10年経過して、当時のことやいろんな経験を踏まえて、今の自分がいる。だから、その時と同じスタンスじゃない自分たちが、こういう曲を歌えるのは、すごく魅力的なんじゃないか、と。みんなからいろいろプレゼンされて、そう思ったんですよね。それならそういうつもりでやってみようと思って。そしたら結果は、連続リリースの3曲の中で、1番いい曲になったんじゃないかと思うぐらい(笑)。
EMTG:そう思う理由は?
渋谷:この曲は、俺らの曲を聴いてくださる皆さんたちと、距離が1番近い曲だから。これはあくまで僕個人の感覚なんですけど、これまでのSUPER BEAVERって、若干シリアスになりすぎるようなところもあると、自分は思っていたんですね。でも、この曲で、ただ説教している人から逸脱ができるような気がして。僕自身、しゃべってて、そういう人になりがちなんですけど(笑)。
EMTG:(笑)。冷静ですね。自分とバンドの個性をすごくわかっている。
渋谷:主観的だと、世界が狭まっちゃうような気がするんですよね。本当はそれでいいんだと思うんです。でもあくまで人前に立たせていただいて、歌を歌っているわけで。そういう自分を自分が観た時に、どう思うかなっていう視点っていうか。人の目っていうのは、否が応にも気にしなきゃいけないと思ってますね。
EMTG:人前に立ち言葉を放つ者としての、責任ということになりますか。
渋谷:そうですね。ホントは、そんなの関係ねえやってやっちゃうのが、世間一般がイメージするロックバンドなんでしょうけど。
EMTG:そうでしょうね。いつの時代も、なぜか、そこがデフォルトになってしまっている不思議(笑)。
渋谷:(笑)。でも僕は確実に、そこには当てはまらない。だからどう見えているのかっていうのを考えるし、すごく客観的に自分をイメージしますね。「青い春」は、最初は反対してたけど、自分が歌っている姿をイメージした時“あ、これは形になるな”って思ったんです。この年齢で、こういう曲をやる。アレンジにしたって何にしたって、ちょっと古いようなことを、今、胸を張ってやれるってところに、すごく意味を感じた。
柳沢:渋谷が、優しい言葉や、柔らかい言葉、そして一種のノスタルジーを歌うって、すごくカッコいいと僕は思っていて。10代の頃からバンドやっていて、20代後半に差し掛かっている自分たちが、今、やるべきことだという気がするんです。そういう意味で、今回の3枚は、連動性もあるし、次のSUPER BEAVERが向かうべき入口。そこをしっかり表せた3曲だと思います。

【取材・文:伊藤亜希】

tag一覧 シングル 男性ボーカル SUPER BEAVER

リリース情報

ユメミグサ

ユメミグサ

発売日: 2020年09月02日

価格: ¥ 1,136(本体)+税

レーベル: Ki/oon Music

収録曲

01.ユメミグサ
02.1%
03.ポラリス(TOUR2019「B.E. with YOU」@Zepp Tokyo2019.11.21)

ビデオコメント

リリース情報

ことば

ことば

2016年01月27日

[NOiD] / murffin discs

1.ことば
2.歓びの明日に(LIVE ver.)
3.わたくしごと(LIVE ver.)
4.サイレン(LIVE ver.)

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うるさい

うるさい

2016年02月24日

[NOiD] / murffin discs

1.うるさい
2.言えって(LIVE ver.)
3.それでも世界が目を覚ますのなら(LIVE ver.)
4.あなた(LIVE ver.)

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青い春

青い春

2016年03月23日

[NOiD] / murffin discs

1.青い春
2.ルール(LIVE ver.)
3.→(LIVE ver.)
4.361°(LIVE ver.)
5.東京流星群(LIVE ver.)

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お知らせ

■ライブ情報

SUPER BEAVER10周年記念〆 「都会のラクダSP ~スーパーフィーバー~」
2016/04/10(日)Zepp DiverCity

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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