BUMP OF CHICKEN新作『Butterflies』、「今までで一番4人が顔を付き合わせて作った(直井)」

BUMP OF CHICKEN | 2016.02.10

 前作『RAY』から1年11ヶ月。BUMP OF CHICKENのニューアルバム『Butterflies』が完成した。「You were here」、「ファイター」、「パレード」、「Hello,world!」、「コロニー」という既発曲を含む全11曲。この2月に結成20周年を迎える今のBUMP OF CHICKENだからこそ作り上げることができた、雄大で、強靭で、美麗なアルバムである。ここにある楽曲群は、結成20周年記念日に幕張メッセで開催されるスペシャルライブでも、そして今春からスタートするバンド史上初のスタジアムツアーでも堂々と響き渡るだろう。

EMTG:アルバムが完成した率直な思いから聞かせてください。
直井由文(Ba):今までで一番4人が顔を付き合わせて作ったアルバムだと思います。まず、藤原(基央 /Vo&Gt)くんが曲を書くペースがかつてないほど早かった。そこに驚きとうれしさがあって。象徴的なのが「GO」の制作で。最初に藤原くんとプロデューサーが送ってくれたのが、「GO」のデモだったんですね。デモを聴いた瞬間に、“これはアルバムのなかでも重要な曲になる!”と確信しました。それからすぐに僕と升(秀夫/Dr)くんと増川(弘明/Gt)くんの3人でスタジオに集まって、それぞれの楽器のイメージをPro Toolsに流し込んで、デモのアレンジと照らし合わせていって。おおまかなイメージができた時点で、別のスタジオにいる藤原くんに電話して、深夜に僕らのいるスタジオに来てもらったんです。そこでまたフレーズやアレンジの意見を話し合って曲の方向性を固めていって。今までだったら藤原くんがデモを丁寧に温めたうえで僕らにプレゼンテーションしていたんですけど、今回は早い段階で曲を共有するというスタイルだったんです。その変化は大きくて。
升:今作は一番古い曲である「You were here」でも2014年8月にリリースしているので、アルバム曲との時差を感じないんですよね。今作は「ray」で使った打ち込みの手法を半分以上の曲で取り入れているんですけど、曲によって細かくアプローチを変えていて。「GO」も生音と打ち込みの中間くらいのサウンドの質感があって。そういう意味でも、いちドラマーとしてのチャレンジも多かったですね。
増川:スケジュールを振り返ったときに、ずっとスタジオにいたなと思いますね。本当に濃厚な制作でした。さっきチャマ(直井)からもありましたけど、どんな些細なことでも曲に関することは“ここはどうだろうね? どう思う?”という話し合いをして。そういう時間がとても長かったのが印象的です。
EMTG:アルバムリード曲であり、『Butterflies』というアルバムタイトルを引き寄せた「Butterfly」は、いわゆるEDMを彷彿させるアレンジで。でも、トレンドを意識してこういったサウンドデザインを施したわけではないと思うんですけど。
藤原:弾き語りで歌っているデモの段階では、ギターは8分(音符)で弾いていて、最初は16ビートのノリはなかったんです。アレンジを進めていくうちにキックが4つ打ちになり、それに合うハットとして16のハットを採用したんですね。そうしたらギターも16のストロークになり、どんどんパーカッシブになっていって。この曲に合うフレーズをピアノで考えたら、いろんな音色が混ざったものになり、そこに表情がどんどん変わるエレキギターも加えていって、結果的にこういうアレンジになったんです。
EMTG:「Butterfly」や「GO」のような楽曲と、アメリカンロックな開放感に満ちている8曲目「大我慢大会」やブルーグラス然としたアレンジが印象的な「孤独の合唱」のような楽曲がナチュラルに共存しているのもバンプらしいなと思います。
藤原:ありがとうございます。アレンジのさじ加減ひとつでゴージャスにもシンプルにもできるから。それはやっぱり曲がそう望んでるとしか言えないんですけど。
EMTG:美しい3連バラッド「流星群」のアンサンブルもたまらないです。この曲のスケール感を増幅されているコーラスが、直井さんの声に聴こえたんですよね。
直井:それね、よく言われるんですよ。でも、違うんです。
藤原:俺の声なんですけど、俺自身もよくそう思うんですよ(笑)。エンジニアさんも言ってました。
直井:俺はあんな高い声は出ないです。
藤原:プリプロのときに録った声をそのまま使ってるんですけど、そのときのコンディションでチャマのような声色になったんでしょうね(笑)。プリプロのテイクがちょうどよくて。あれよりもちょっとがんばって歌うと雰囲気が変わっちゃうし。
直井:絶妙な温度感なんだよね。なので、書いておいてください。あの声は俺じゃないって(笑)。
EMTG:あらためて、この11曲の連なりにどんなことを感じますか?
藤原:既発曲が違うニュアンスを伴って聴こえるというのはありますよね。イントロから違う表情を見せてくれるというか。
直井:最終的に選んだこの並びが一番いいと思いますね。
EMTG:「GO」で始まり「ファイター」で終わるところがいいですよね。曲調や内容的には「You were here」で終わるのもありだと思うんですが。
直井:俺もそう思ったんですよね。最後にまた奮い立つ感じがあって。「You were here」で終わっても「最高だ!」ってなるとは思うんですけど(笑)。
藤原:そうだね。まだ客観的には捉えることはできないけど、今はそういうアルバムを作れたことが幸せだなと思いますね。

【取材・文:三宅正一】

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リリース情報

悲しみが消える頃

悲しみが消える頃

発売日: 2020年10月21日

価格: ¥ 232(本体)+税

レーベル: イドエンターテインメント

収録曲

01.悲しみが消える頃

リリース情報

Butterflies(初回限定盤A)[CD+DVD]

Butterflies(初回限定盤A)[CD+DVD]

2016年02月10日

トイズファクトリー

[CD]
1. GO
2. Hello,world!
3. Butterfly
4. 流星群
5. 宝石になった日
6. コロニー
7. パレード
8. 大我慢大会
9. 孤独の合唱
10. You were here
11. ファイター

[DVD]
【Music Video】
1. You were here
2. ファイター
3. パレード
4. Hello,world!
5 . コロニー
【Special Live 2015 at Yokohama Arena】※全編収録
1. パレード
2. Hello,world!
3. ハンマーソングと痛みの塔
4. 才悩人応援歌 5. morning glow
6. ファイター
7. 太陽
8. ギルド
9. ハルジオン
10. embrace
11. 虹を待つ人
12. 乗車権
13. supernova
14. ガラスのブルース
15. ray
EN1. コロニー
EN2. メーデー

お知らせ

■ライブ情報

BUMP OF CHICKEN 結成20周年記念 Special Live 「20」
2016/02/11(木・祝)千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール

BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016 ‘’BFLY’’
2016/04/09(土)大阪府 京セラドーム大阪
2016/04/10(日)大阪府 京セラドーム大阪
2016/05/08(日)愛知県 ナゴヤドーム
2016/05/22(日)福岡県 ヤフオク!ドーム
2016/07/16(土)神奈川県 日産スタジアム
2016/07/17(日)神奈川県 日産スタジアム

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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