EDMをお茶の間へ!JMC最新作は「食べ物の歌だけど深く心に刻まれる」曲

JMC(ジュミッチ) | 2016.02.22

 お茶の間に誰もが楽しめるEDMを広げることを目標に掲げるエレクトロポップユニット、JMC(ジュミッチ)。昨年(2015年)8月に『さよならチャンキー、納豆PARTYで御座います。』でデビューした彼らの楽曲は、「食べ物の歌、あるいは心に何も残らない歌が9割を占める」と言い切るほど痛快なノリの良いパーティソングが中心だ。そんな彼らが2月17日に心あたたまるミディアムソング「みそしるママ らいすパパ」をリリースした。今作では、JMCのふたりが尊敬するKREVAがプロデュースに参加。前作のイメージを覆すように「食べ物の歌……だけど深く心に刻まれる歌」が誕生したいきさつをJUMPEIとMicchiyに訊いた。

EMTG:デビュー後のワンマンライブでもずっと披露してきた「みそしるママ らいすパパ」がついにリリースされますね。
Micchiy:それこそ“みそ汁”だけにライブの締めで歌うことが多くて(笑)。いつも応援してくれるファンのに、やっと音源として届けられるのがうれしいです。
EMTG:まさに「みんなのうた」みたいな雰囲気の曲だから、昔は“歌のお兄さん”になりたかったっていうMicchiyらしい曲だなと思いました。
Micchiy:もともと宮崎から福岡に出たのも保育士の専門学校に行くためでしたからね。子どもがすごく好きだから、昔から一度こういう曲を作ってみたいと思っていたんです。お父さんとお母さんと子どもがみんなで聴ける曲っていうのを。でも、自分たちだけで作ると、どうしても子ども寄りなデモに仕上がっちゃって。もっとエレクトロにしたり、横にのれる感じにしたいっていうイメージがあったんですけど。そういう部分で子どもだけじゃなくて大人も聴ける曲にしてくださったのがKREVAさんなんです。
EMTG:KREVAとの曲作りは、どんな感じでした?
JUMPEI:緊張しました。初めての作業だったので。
Micchiy:KREVAさんのスタジオでレコーディングをさせていただいて。「とりあえず落ち着け」って言われて、「はいっ!」みたいな(笑)。ガチガチになっちゃいましたけど、すごく楽しかったです。さすがだなと思いました。録りながら、「ちょっとこのフレーズ変えてみる?」って、さっと変えてみたり。で、録ってみて、「やっぱり戻そうか」とか。ギリギリまで良い作品にしようっていう意識が詰まった良い空間でした。
JUMPEI:同時にレコーディングのやり方とか、音の重ね方も教えてくださったりして。音の厚みを出すためにこうしたほうがいいとか。すごく勉強になりました。厳しくもあったんですけど、優しくもあって。すごく面白かったです。
Micchiy:すごすぎて真似できないことばかりでしたけどね。すごく耳が良くないとできなかったり。KREVAさん自身も自分でやりながら培ってきた能力なんですよね。
EMTG:歌詞からは、家族の絆も書かれていますけど、“君は君でいいんだよ”っていうような温かいメッセージも伝わってきます。これをテーマに書こうと思ったのは?
Micchiy:まず家族の愛みたいなものを歌いたいなと思ったんです。でも、ふつうに書いたら歌えなかったんですよね。それで、食べ物のフィルターを通したときに、みそ汁とご飯が出てきて。いまの子どもたちは、自分たちもそうですけど、外食というか……パスタとかピザとかハンバーガーとか、そういうのばっかり食べるじゃないですか。でも、結局、みそ汁とご飯を食べたときにほっとする感じ。「やっぱりこれだよね」っていうのは、お父さとお母さんがいる実家に帰ったときに、「やっぱりこの空間だ」ってほっとするのと一緒だと思って。まず、そこからアイディアが浮かびました。そこから、自分の幼少期だとか、いろんなことを想像して、歌詞にしたのがスタートでしたね。
EMTG:よくJMCって、自分たちの音楽を「中身のない曲」って言うじゃないですか。
Micchiy:そうですね。
EMTG:でも、いまメジャー1stシングルのタイミングで、ちゃんとメッセージを持つ「中身のある」曲を選んだのはどうして?
JUMPEI:たぶん、よりJMCを知ってもらうためには、ノリだけじゃない部分をちゃんと見せたいと思うようになったんです。キャンペーンをまわってると、本当に人がいないインストアライブもあったりして……。そこで初めてのお客さんを引き込むためにはどういう曲がいいか、どういうMCがいいか、ずっと考えながらやってたんです。
Micchiy:そういうときに「みそしるママ らいすパパ」を歌うと、子どもたちも普通に聴けるし、お父さんお母さんからも「良かったよ」って言ってくださって。それで、「みそしるママ らいすパパ」っていう曲が、自分たちのことをちゃんと知ってもらったり、エレクトロの音楽だったり、EDMを聴くきっかけになるといいなと思ったんですよね。
EMTG:子どもも楽しめるって意味で、JMCの音楽って本当に敷居が低いと思うんですよ。でも遊びの要素も強いぶん、逆に敬遠しちゃう人もいる気がしてて。
Micchiy:うん。本当にそうだと思います。
EMTG:そういう部分との闘いのなかで、この曲が必要だったんじゃないですか?
Micchiy:そうですね。まだシングルとかアルバムには入ってないんですけど、「We gotta run」っていう曲がありまして……。
EMTG:1stワンマンのときにも「大切な曲」って言って披露された曲?
Micchiy:そうです、僕が泣いちゃった曲(笑)。すごく想いのある曲で、おふざけなしで真面目な曲なんですけど。ああいう曲をライブでやると、特に自分たちの気持ちをストレートに伝えられるし、お客さんもすごく好きになってくれるんです。だから、方向性は変わってないんですけど、そういう面も必要なんだなっていうのを感じたんだと思います。いま作ってる曲もそういう真面目な曲が少しずつ増えてきてはいますね。
JUMPEI:だから、このシングルには「TOKYO DOG STORY 2 feat.綿引さやか」っていう曲も入っていて。その二面性というか、「なんだ、食べ物系か」って思われるだけじゃなくて、「ちゃんと音楽やってる」っていうのを見せたいと思ったんです。ちょっとマニアックだけど、自分たちはこういうこともしたいんだっていうのを含めて。
EMTG:この曲は、昂揚感のあるEDMですごくかっこいい!
Micchiy:サウンド面では、イントロで耳に入ってくるシンセの気持ち良さは追求しましたね。みんなで全力で飛び跳ねて遊ぼうっていうのをイメージして作った曲なので。でも、歌詞はいま自分で見てもびっくりするぐらい中身がないんですけど(笑)。
EMTG:これは、犬がモチーフ?
Micchiy:犬の鳴き声って日本ではワンワンじゃないですか。でも、いろんな国だと、バウワウとか、ホンホンとかいっぱいあるんですよ。で、「犬ってなんて言ってるの?」っていうところで、「What does the dogs say?」って歌ってるんです。そこから広げた曲ですね。あんまり考えずに楽しむだけのEDMの犬ソングを作りたいなと思って。
EMTG:フィーチャリングで参加してる綿引さんの透明感のある歌声が、またこの曲の昂揚感みたいなものを煽るんですよね。
Micchiy:もともと女性ボーカルを入れたいなとは思ってたんです。崖の上で、女王様みたいな犬が満月の夜中に遠吠えを叫ぶみたいなイメージがあって(笑)。それでお願いしたんですけど。綿引さんはミュージカルで常に歌ってるから、自分たちが思いつくメロディとは違うメロディを生み出す方なんですよ。だから、一応メロディは伝えてあったんですけど、「それは1回忘れて自分なりに歌ってみてください」って頼んで。それがこれなんです。面白いなと思いましたね。
EMTG:あと、今回のシングルにはアゲアゲのパーティソング「ひなParty!」という曲も収録さてますが。どうして「ひなまつり」をテーマに書こうと思ったの?
Micchiy:それはですね、先輩のKICK THE CAN CREWさんもそうですけど、クリスマスソングには定番曲はあるじゃないですか。いろんなシーズンごとのイベントに、先輩たちの素晴らしい曲が溢れてるなか、「ひなまつりの曲ってあんまりないな」みたいな(笑)。そういう軽いところから入って、女性に向けたEDMを作ろうと思ったんです。ひなまつりの日にクラブイベントがあって、DJが「これだ!」ってかける、そんなイメージですね。だから、最初に《イエーイ!パーティピーポー!》って、チャラいDJのセリフがあるんですけど、あえてダサいフレーズを入れてみました。
EMTG:完全にスキマ産業だね(笑)。
Micchiy:あはははは!たしかに。いまのところ、こういうジャンルだったら、そこまで日本ではライバルはいないかもしれない。あっ、でもこの曲は日本っぽさを表現したので。1stの「日本全国PARTY音頭」とか「ございまスタイル」もそうですけど。日本独特の文化みたいなものは表現できたらなと。それを最初に言わなきゃでした(笑)。
EMTG:JMCには時々そういう曲が出てくるけど、日本っぽさに惹かれるものがある?
Micchiy:海外の方に聴いていただくと、やっぱりそういう曲に食いついてくださるんですよ。だから「これは、やっぱり自分たちのカラーになるのかな」っていうのは思います。琴とか尺八とかは独特の音じゃないですか。アジアでも中国系とは似ても似つかないようなサウンドがあるので。そのあたりは面白いなと思いますね。

【取材・文:秦理絵】

tag一覧 シングル 男性ボーカル JMC(ジュミッチ)

リリース情報

kobore『風景になって』

kobore『風景になって』

発売日: 2020年08月05日

価格: ¥ 2,800(本体)+税

レーベル: 日本コロムビア

収録曲

01.FULLTEN
02.るるりらり
03.HAPPY SONG
04.HEBEREKE
05.イヤホンの奥から
06.夜に捕まえて
07.なんにもないの
08.君とじゃなくちゃ
09.二人だけの世界
10.ボクタチノアシタ
11.当たり前の日々に

ビデオコメント

リリース情報

みそしるママ らいすパパ

みそしるママ らいすパパ

2016年02月17日

ビクターエンタテインメント

1. みそしるママ らいすパパ
2. ひなParty!
3. TOKYO DOG STORY 2 feat.綿引さやか
4. みそしるママ らいすパパ(Instrumental)
5. ひなParty!(Instrumental)
6. TOKYO DOG STORY 2 feat.綿引さやか(Instrumental)
7. みそしるママ らいすパパ(アカペラ)

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お知らせ

■ライブ情報

~JMC(ジュミッチ) メジャー1stシングル「みそしるママ らいすパパ」リリース記念ワンマンライブ~『ただいま福岡!バリカタ豚骨EDM PARTY 2016』
2016/03/06(日)DRUM Be-1

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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