Anly 自身2枚目のシングル「笑顔/いいの」をリリース

Anly | 2016.03.22

 昨年11月にフジテレビ系ドラマ『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』の主題歌「太陽に笑え」でデビューした現在19歳のシンガー・ソングライター、Anly。沖縄の離島・伊江島で生まれ育ち、伸びやかな歌を聴かせる彼女が、2ndシングル「笑顔/いいの」をリリースする。荒々しいロック・チューン「太陽に笑え」とは異なり、あたたかさや切なさや懐かしさが混ざり合って胸に響いてくるスローなこの2曲。そこに込めた思いを聞いた。

EMTG:最近も沖縄と東京を行き来しながら活動されているんですか?
Anly:はい。東京が中心ですが、2ヶ月に1回くらいは必ず沖縄に帰ってます。
EMTG:デビューする際のインタビューで東京の印象を訊いて「空が狭い」と答えていたのが印象に残っているんですが、今もそう思います?
Anly:「狭いな」って思っていたんですけど、Coccoさんの言葉で「本当は狭いんじゃなくて、見上げるのを忘れているだけなんだよ」というのがあって、「なるほど」と思って。それからは自分が空を探せばそこにあるものなんだなって思うようになりました。
EMTG:東京にいるときと沖縄にいるときで、自分のスイッチを切り替えたりはしますか?
Anly:曲作りのスイッチは東京にいるときと沖縄にいるときとで違いますね。
EMTG:その違いを言葉にすると?
Anly:東京だと新しいマンションの電気のスイッチみたいな感じで、沖縄は民家にさがってる電球みたいな感じ。東京はパッとスイッチが入るけど、沖縄はフワ~っと灯りがつく感じです(笑)。
EMTG:なるほど、その譬えは面白いですね。それによって、できる曲も変わってくる。
Anly:はい。沖縄で曲を作っていたときは、BPMで言うと80とか90の曲が多かったんですよ。リラックスしているので自然にそのくらいのテンポになっていた。でも東京は音の刺激が多いし、歩くスピードもみんな速いので、BPMが上がってくる。東京に来てから書いた曲はBPMが140とか150の曲ばかりで。劇的な変わり具合に自分でもビックリしたんですけど。
EMTG:街のテンポ感に、自然に曲のテンポが合ってしまうんですね。
Anly:はい。でも、それはいままで自分が作りたいと思っていた曲のテンポだったりするので、いい影響だと思ってます。あと、歌詞に使う言葉も前より鋭くなったりしてますけど、いまはそういう曲を作りたい時期なんだなと自分で思いますね。
EMTG:では2ndシングルの話をしましょう。今回は「笑顔」という曲と「いいの」という曲のダブルAサイドということで。まず「笑顔」はバラードで、荒々しいロック・チューンだったデビュー曲「太陽に笑え」とはだいぶ向きが違いますね。
Anly:違いますね。これはドラマ(読売テレビ・日本テレビ系スペシャルドラマ『ぼくのいのち』)の台本をいただいて書き下ろした曲なんです。4歳の男の子が癌になって、病と闘いながらも笑顔を絶やさず生きていく。お母さんは初めはショックでいつも泣いていたけど、その男の子の笑顔に救われて……というお話で。その主題歌なんですけど、男の子は私にはできない経験をしているので、その子の気持ちになって書くのは難しい。じゃあ、私とその子の共通点を探して書こうと思ったんです。自分の回りには笑顔にさせてくれる人がどれぐらいいるのかな、とか、自分がいままで当たり前だと思ってたことは当たり前なんかじゃないんじゃないか、とか考えて。例えば私にはいま歌える場所があるけど、それだって当たり前のことではなく、特別なことなんだと気づいたんですよ。あと、島の長閑な風景や人々のあったかさも、東京に出てきて改めて気づいたところがあった。だからそういうことも歌詞に入れて書けばいいんだって思って。
EMTG:ドラマの台本をきっかけに、自分がこれまで経験してきたことを思い出したり、いろんな人の思いに気づけたりした。それがこの歌になったわけですね。
Anly:はい。「あの人がいなかったら今の自分はいなかったな」とか考えたりして。何年か経って聴いたときに、そのことを思い出せる曲にしたかったんです。ドラマの主人公の男の子もきっと「自分が生きているのは誰より自分のことを思ってくれる家族がいるからなんだな」って、ふと思うときがあるんだろうなと、そんなことを想像しながら書きました。
EMTG:この歌の主人公は「辛くても笑顔でいなきゃ」と頑張って笑顔を作っている、というわけではなくて……。
Anly:ではなくて、自分は強く生きているから一緒に笑っていよう、笑顔でいようよって、大切な人のことを励ましている感じですね。そういう力強さを音でも表現できたらなと思って壮大な雰囲気にしたんです。バラードにもいろんな種類があって、重たいバラードとかもありますけど、この曲は聴いた人がそこから歩きだせるようなバラードにしたかった。だからバックの音でダダダダダってドラムが入っているんです。一歩踏み出していくような音を入れようと。あの音はすごく大事ですね。あれがないと成立しないくらい。あと、ギターのリフで16ビートを刻んでいたりもするので、バラードだけど元気になれる。癒されるというよりは、元気になれる曲にしたかったんですよ。
EMTG:すごく肯定的で力強い曲ですよね。またそれだけでなく、Anlyさんが住んでいた島の風景も描かれているので、どこか懐かしさも漂う。でもAメロには切なさもあって。
Anly:そう、Aメロはちょっと切ないですよね。“笑顔”がテーマの曲だけど、裏のテーマとして“命”というのもあったので、やっぱり全部を明るめにはできなかった。重みのあることだというところをなんとなく感じてもらえたらいいなというのもあったので。
EMTG:なるほど。“強く強く脈打つ鼓動”というのは、まさに命のことですもんね。
Anly:はい、そうです。
EMTG:わかりました。続いて「いいの」という曲ですが、これはいつ頃作ったんですか?
Anly:高校2年のときですね。だから2年前くらい。私にとっては、珍しく恋の歌で。弱気な恋の歌なんですけど(笑)。実体験を書いているので、ライブでなかなか歌えなかったんですよ。とにかく恥ずかしくて。今年2月にShibuya eggmanで、バンドでライブをやったんですけど、それがこの曲を人前で歌った最初ですね。それまでは隠していました(笑)。
EMTG:なんでそんなに恥ずかしかったんですかね?
Anly:この曲のモデルになってる人が聴いたら、すぐ自分のことだとわかるだろうなって思って。それぐらい、その当時のエピソードを正直に書いたから。
EMTG:これは高校2年のときにつきあっていた相手のことですか?
Anly:相手というか、私の片想いですね。この人は私のことを友達としか思ってなかったから。それがわかっていたし、その人が誰を好きなのかもわかっていた。だから関係を崩したくないという気持ちがあって、それを書いた曲ですね。
EMTG:だからこんなに健気な歌詞なんですね。
Anly:はい。今のこの距離を保ちたいけど、でも本当は踏み出したいという気持ちもあって、その葛藤がサビに入ってます。
EMTG:日記を書くように歌詞を書いたと。
Anly:そうですね。まるでテイラー・スウィフトかのように(笑)。
EMTG:「でもそばにいたい だから歌おう 君には聞こえないように」というフレーズがありますが、それもやっぱり恥ずかしいから相手の知らないところで声に出そうという。
Anly:そうですね。私の気持ちに気づいてほしいような気づいてほしくないような、微妙な感じ。だからあからさまに歌うんじゃなくて。
EMTG:なるほど。そして「誰かにとられちゃってもいいの 君が笑顔ならいいの」というフレーズがまた、なんとも切ないというかなんというか。
Anly:相手が誰を好きなのかわかっていたので、「その人が楽しそうに笑ってくれてるんだったら、私はそれでいいの」って自分に言い聞かせていたんです。本当は嫌なんですけどね。本当は全部嫌なんです。「いいの」って言ってるけど、全然よくない。強がってるだけなんですよ。
EMTG:そういう心と裏腹なことを言ってしまう感じ、女の子ならすごく共感するんじゃないかな。まあ、強気で自分の気持ちをカンガン言うタイプの人もいるでしょうけど。
Anly:いるでしょうね。私はこの歌詞の通り、言えないタイプ。こういう私の気持ちを代弁してくれてる歌ってあるのかなと思って、いろいろ探したんですけど、見つからなかったんですよ。「私は明日告白するわ」みたいな恋の歌ばっかりで。じゃあもう、自分で書くしかないって思って、で、書きました(笑)。自分と同じようになかなか本心を言えず踏み出せないままいる人が聴いたときに、「ああ、すごくわかるね!」って友達と共感し合ってくれたら嬉しいな。
EMTG:この曲はアコースティックギターの弾き語りで始まって、途中から激しいバンドサウンドへと展開していきますよね。それは感情の高まりを意味しているわけですか?
Anly:そうですね。サビに向かって気持ちがどんどん膨らんでいくというか。謙虚なようだけど、「失いたくない」と言ってる時点で意外と強い気持ちが出ている。気持ちを抑えたいけど抑えきれなくなって、その感情がサビでバーンって広がっていってる感じですね。
EMTG:Anlyさんのアコースティックギターの音が生々しくてまたいいですね。
Anly:ガシャガシャ弾くような感じが、なんか青春っぽくて気に入ってます(笑)。アレンジはほぼ根岸(孝旨)さんにお任せしてますけど、このアコギの部分は自分なりにこだわって。
EMTG:「笑顔」も根岸さんがアレンジを手掛けてるんですよね?
Anly:そうです。2曲とも。どっちも私の思いと根岸さんの思いがいいバランスで混ざってますね。根岸さんにはインディーズのときの「This Town」という曲からやっていただいてるんですけど、いつも私が自然体でいられるようにしてくださるんです。
EMTG:さて、今後のライブの予定は?
Anly:5月の「METROCK2016」に出演します。野外フェスで歌うのは念願だったので。すごく楽しみですね!

【取材・文:内本順一】

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リリース情報

VIVID VICE

VIVID VICE

発売日: 2021年02月17日

価格: ¥ 1,250(本体)+税

レーベル: SME

収録曲

01.VIVID VICE
02.The master mind
03.VIVID BANG
04.Enough Is Enough
05.VIVID VICE (Instrumental)

ビデオコメント

リリース情報

笑顔/いいの(初回生産限定盤)[CD+DVD]

笑顔/いいの(初回生産限定盤)[CD+DVD]

2016年03月23日

ソニー・ミュージックレコーズ

[CD]
M1:笑顔
M2:いいの
M3:Teacher
M4:夢をあきらめないで
M5:笑顔 -instrumental-
M6:いいの -instrumental-

[DVD]
M1:Don’t give it up! Music Video
M2:Anly Debut Live「太陽に笑え」@Shibuya eggman
M3:カロリーメイトCMレコーディング風景

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お知らせ

■ライブ情報

NO BORDER
2016/04/01(金)北海道 cube garden
w / Softly / NakamuraEmi / Rihwa

METROCK2016
2016/05/22(日)東京 新木場 若洲公園

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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