SUPER BEAVER、6月1日、ニューアルバム『27』発売

SUPER BEAVER | 2016.05.27

 2016年1月から、3カ月連続で3枚のシングルをリリースしたSUPER BEAVERから、早くもフルアルバムが到着した。
タイトルは『27』。メンバーの年齢が由来である。
 今をリアルとするならば、彼らほど時間をかけて“リアル”を追求してきたバンドはなかなかいないだろう。何が自分たちにとって正しいのか。葛藤や挫折を繰り返しながら、己から目をそらさずに向き合い続けた、今(リアル)の集大成がここにある。
 ポジティブなメッセージをリスナーと共有し、一緒に発信することで、彼らは“今”を “次”につなげていく。
 SUPER BEAVER、4人揃って登場だ。

EMTG:フルアルバム『27』が完成した率直な感想を。
上杉研太(Ba):毎回そうなんですけど、今をすべてちゃんと出せたな、と。結構リズムとか攻めてるです。ここにきて、いい感じに攻めていくアルバムが出来たのが嬉しかったですね。
藤原”27才”広明(Dr):僕らは歌詞、言葉をすごく大事にやってきたバンドなんですけど、その部分で、説得力がひとつ広がって深くもなったように思います。デモの時から“歌詞、いいなぁ”と思う曲ばっかりだった。だから歌詞を生かすアレンジのアイデアも本当にいろいろ出たし、いいものになったなと。本当に、ちゃんと届けたい、届けばいいなって思ってます。
EMTG:突然、話が変わりますけど。藤原さん、ライブ中、ずっと歌ってらっしゃるじゃないですか。ある曲でサビまでは主メロを歌っていたのに、サビからコーラス歌い始めるっていう。びっくりしました(笑)。
上杉:よくわかりましたね?(笑)
EMTG:すごく大きな口あけて歌ってますもの。
藤原:それ、俺、自分でも途中で気が付いて。歌い切るタイミングが、柳沢と一緒ってことですよね?
渋谷龍太(Vo):その方が気持ちいいんだろうね(笑)。
藤原:(柳沢の)コーラス見て歌ってるわけじゃないんだけど、気持ちいいのかも。うん、気持ちいいんだな。
EMTG:話を戻しますね。アルバムを作っていく中で、自分たちの意識の変化を感じる場面はありました?
柳沢:自分らとしては、圧倒的に意識を変えたっていうわけではないんですけど、毎回毎回、積み重なって来たものの上に今があるっていう意味で、その突き詰め方がより研ぎ澄まされてきたなっていうのはありましたね。ロックバンドとして歌っていること、表現の仕方っていうのが、SUPER BEAVERじゃなきゃ出来ないものになって来た。今回の『27』ってアルバムが出来たことによって、ロックバンドの新たな側面を提示できたんじゃないかという気はしますね。今のシーンにおいて、SUPER BEAVERはSUPER BEAVERだねっていうところに、成りえるっていうか……そう言える作品が出来たなと思ってます。
渋谷:これまでずっと体現できることを歌ってきて、そこに伴う説得力には、自分たちとしても、すごく自信がついてきているんです。で、『27』に関しては、僕個人の印象ですけど、随分重たいアルバムが出来たなぁ、と。
EMTG:重たい? 内容がヘヴィってことですか?
渋谷:そういう意味もありますけど、重心の低いアルバムになったなと。でもだからと言って、その重圧に潰されるようなことは絶対ない。
EMTG:この内容で、説得力を出せるかどうか、そういう重圧ってことですかね? 同じことを歌って説得力がなくて潰される人たちもいるのではないか、と?
渋谷:そういう意味もありますね。でも、これまでの自分たちを振り返ると、納得させる自信もあるし、聴いてくれる人は納得してくれている。手応えとしては結構ヘヴィな作品だけど、それを堂々と届けられるようになったんだって。そういう自負はすごくありますね。
EMTG:今作は曲毎の表情も豊かですね。「まっしろ」はシティソウルのようなアプローチだし。「赤を塗って」はカントリーだったし。
上杉:「赤を塗って」は、大変でした、個人的に(笑)。アップライトベースを初めて弾いて。アレンジを決めていく中で“アップライトベースいいんじゃない?”アイデアが出てきて、弾いてみたら、これがいい、これで録ろう、と。正直、“マジでやるのか!”と思いましたけど、もう本当に死ぬ気で1カ月練習して、録りました。
柳沢:そんぐらいのノリでいいっていうかね。
上杉:その時の反射神経で決めるっていうか。
柳沢:どう考えたって、こっちの方が面白い、だからやろうっていう。そこが僕らにとっての正解なんですよね。ちょっと(音も)粗くなっちゃうし、レコーディングだからやめておこう、みたいなのは無い。まぁ、初めてって言っても、弾けますからね、上杉も。でも腕つるってずっと言ってたけど(笑)。
EMTG:そんな3人の様子を、渋谷さんはどんな思いで見てるんですか?
渋谷:演奏、アレンジに関しては、自分の基準でカッコいいかカッコ悪いかしか言わないし、言えないから。何をどうして欲しいみたいなのは特にないんですね。3人に対して、そこに関しての絶対的な信頼があるので、好きにやってくれたらいい。でも今回は、シンガロングを多くやりたいっていうことは、言いましたね。なるたけ聴いてくださる方が全員、一緒に歌いたくなるようにするには、どうしたらいいかっていうのを考えて。昨今のSNSとかの普及を見ててみんな発信したいんだろうなっていうのは、ずっと思ってて。立場や場所は違えど、声にして何か言いたがっているんだなっていうのは、ひしひしと感じていたんです。だからシンガロングするパートがあって、意思を共有できれば面白いなって思ってた。(詩曲を手掛ける)柳沢にも“シンガロングするところを作って欲しい”って、お願いしましたね。
EMTG:渋谷さんが歌うにあたり、新作『27』の中で、歌詞と“ヘヴィ”に向き合った曲をあえて選ぶとしたら?
渋谷:頭と最後。「27」と「すばらしい世界」ですね。「27」はすごく今の俺ら感があると思うし、同時に新しい一歩って思う。“大人”ってワードが出てきたりとか、いろんなところに付随する責任感をすごく感じる曲だった。だからすげぇ覚悟がいるなと思ったんです。「すばらしい世界」は、もう単純に……感動しまくって! デモの段階からめちゃいいなと思ってたんです。だから向き合ったというよりはなんか……。
柳沢:単にお気に入りだったんだね(笑)。
渋谷:うん、それもある(笑)。でも本当、すげぇなって。僕は歌詞の前にまず泣けるメロが好きなので。そういう意味では、この曲が1番だと思っているんです。歌詞もいいから、聴き手のどんな部分の琴線にどう触れていくのか、ちょっと想像できないんですけど。だから向き合ったと言ったら「27」かな。
EMTG:やっぱり“27=今”という要素がかなり大きい。
渋谷:そうですね。1年前だったら歌いづらかったと思う、確実に。それなりに向き合って歌うことも出来たと思うんですけど、でも、この曲と向き合うのが、今のタイミングで本当に良かったと思うんです。むしろ今だからこそっていうのが強いですね。遅くてもダメだったと思う。1番フレッシュな状態で向き合っている段階で、その歌を放てる……タイミングもスピード感も抜群だし。これは本当、すごく嬉しいことですよね。
EMTG:最後にツアーについての意気込みを。
上杉:いいアルバムが出来たので、しっかり演奏して、深みを増した形で届けたいなと思います。自分自身、今すごい練習してるし、全員、そういうモードなので楽しみにしていてください。
藤原:今回、とてもありがたいことに、チケットの売れ行きも前に比べてすごくいいみたいで。そういう状態で全国を回れるツアーだから、本当にシンプルに、1本1本大切に、いいライブにしたいなと思います。
柳沢:僕ら、本当にまだまだだと思うんですよ。最近知ってくれて、初めてライブに来てくれる人もいるだろうし、ずっとライブに来てくれている人ももちろんいる。だから来てくれた人に“やっぱSUPER BEAVER、カッコいい、思った通りだったよ”って思ってもらいたいし、そう思い続けてもらえるようなバンドになっていきたい。例えば、後で振り返った時に、意味のあるツアーになってくれればいいな思うし、絶対にそういうツアーにしたいと思ってます。っていうか、そういうツアーになるとしか思えないです(笑)。

【取材・文:伊藤亜希】

tag一覧 男性ボーカル バンド SUPER BEAVER

ビデオコメント

リリース情報

27

27

2016年06月01日

[NOiD] / murffin discs

01.27
02.秘密
03.ことば
04.うるさい
05.赤を塗って
06.ひとつ
07.じぶんまかせ
08.本音
09.まっしろ
10.運命
11.青い春
12.人として
13.素晴らしい世界

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お知らせ

■ライブ情報

「MUSIC APPLE LIVE 2016」
2016/05/29(日)神戸VARIT
百万石音楽祭 2016 ~ミリオンロックフェスティバル~
2016/06/04(土)石川県産業展示館 1~4号館

Eggs presents SAKAE SP-RING 2016
2016/06/05(土)名古屋界隈ライブハウス

SUPER BEAVER 『 27 』Release Tour 2016 ~27こぶ、ラクダ~
2016/06/16(木)千葉LOOK
2016/06/18(土)横浜F.A.D
2016/06/19(日)越谷EASY GOINGS
2016/06/24(金)長崎STUDIO DO!
2016/06/25(土)熊本Django
2016/06/26(日)鹿児島SR HALL
2016/07/09(土)水戸LIGHT HOUDSE
2016/07/10(日)宇都宮HEAVEN’SROCK VJ-2
2016/07/13(水)神戸太陽と虎
2016/07/14(木)広島セカンドクラッチ
2016/07/16(土)松山サロンキティ
2016/07/17(日)高知-pt.
2016/07/18(月)高松DIME
2016/09/02(金)静岡Sunash
2016/09/03(土)京都MUSE
2016/09/10(土)金沢vanvan V4
2016/09/11(日)長野LIVE HOUSE J
2016/09/16(金)高崎club FLEEZ
2016/09/18(日)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE※ワンマン
2016/09/22(木・祝)仙台MACANA※ワンマン
2016/09/24(土)札幌COLONY ※ワンマン
2016/10/08(土)岡山CRAZY MAMA 2nd room ※ワンマン
2016/10/09(日)福岡BEAT STATION ※ワンマン
2016/10/15(土)名古屋CLUB QUATTRO ※ワンマン
2016/10/22(土)大阪BIGCAT ※ワンマン
2016/11/05(土)東京Zepp DiverCity ※ワンマン

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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