スガ シカオがスペシャルバンドkōkuaで新アルバムを発売!「愛と希望を俺が書くとこうなる」

kokua | 2016.05.30

 ドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」(NHK総合)の主題歌「Progress」は、あの前奏を聴いた瞬間、番組名やタイトルバックまでもがすぐざま脳裏に浮かんでしまうほど、多くの人たちに浸透している主題歌と言っていいだろう。番組の放送がスタートして10年。「Progress」を手がけたスガ シカオ(Vo)、武部聡志(プロデュース、Key)、小倉博和(G)、根岸孝旨(B)、屋敷豪太(Dr)といった日本を代表するトップミュージシャンが集結したバンド・kōkuaが、再び「プロフェッショナル」のために書き下ろした新曲「夢のゴール」を収録した1stアルバム『Progress』を6月1日にリリースする。

EMTG:kōkua結成から10年の時を経て、遂に1stアルバム『Progress』がリリースされます。
スガ:「Progress」という曲は知っているけど、K?kuaはまだそこまで浸透していないと思うんですよ。「プロフェッショナル」が10周年なので、これを機にkōkuaにも注目してもらえたら嬉しいです。
EMTG:もともとkōkuaは「プロフェッショナル」の主題歌を作るために生まれたスペシャルバンドでした。
スガ:事の始まりは武部聡志さんが「プロフェッショナル」側から番組内で使う曲を依頼され、その曲をやるバンドのために集められたメンバーだったので、CDも「Progress」のシングル1枚しか出してないし、ライブもイベントに何回か出たくらいで。この約10年間、持ち曲が「Progress」とシングルのカップリング曲しかないバンドだったんだよね(笑)。
EMTG:なぜ10年の時を経てkōkuaを再始動させようと?
スガ:まず「プロフェッショナル」が10周年を迎えるので、「Progress」から10年経ったアンサーソングを書きませんか?という話になって。「Progress」は“自分ひとりで頑張っていく”という自分に向けた歌なんだけど、そこから10年経った時には“誰かと生きていこう”に変わるんじゃないか、そういう曲を書いてほしいっていう“お題”が、いきなり武部さんから俺に無茶ぶりされまして。しかも、その様子を番組で密着されてたという、ね。
EMTG:カメラに撮られていたら逃げられません。
スガ:でしょ? そこから「夢のゴール」の歌詞を完成させるまで苦悩の日々を過ごすことになっちゃった(苦笑)。
EMTG:「Progress」があまりにも浸透し過ぎているだけに、じゃあどこから始めるんだってところで悩まれたのでは?
スガ:「Progress」からの、“共生”の歌詞ってなんだろうってところで悩みまくりましたね。
EMTG:それこそ10年前とは時代の様子も代わり、環境も変わり、音楽の聞き方も変化した。
スガ:いちばん変わったのは、2011年に震災があったことだと思う。震災以降のみんなの心に芽生えたものは、誰かと共に生きる“共生”なんじゃないか、と。もともとkōkuaは(ハワイ語で)“協力する”“協調する”っていう意味だし。
EMTG:スガ シカオのアルバム『THE LAST』で書いた歌詞とkōkuaのスガ シカオとして書く歌詞は、自分の中でハッキリ分けてますよね?
スガ:そこは完全に住み分けてましたね。kōkuaでは俺は一切自己主張をしないと決めていて。自己主張をちょっとでも出しちゃうと、『THE LAST』にどんどん近づいていっちゃうから、みんなが感じていることを自分の言葉で書くことに徹したんですよ。『THE LAST』を作ってこれ以上削る身がなかったので、ソロと住み分けた書き方ができて良かったし、やりきった感がすごくあります。
EMTG:とはいえ、スガ シカオが書くと、言葉選びひとつにしてもスガ シカオの匂いがあるというか。
スガ:愛と希望を俺が書くとこうなるなっていうのは確かにあるけど、やっぱり『THE LAST』を作ってなかったら、このアルバムの詞は書けなかったと思う。歌詞に限らず、歌い方もソロとは息継ぎひとつにしてもまったく変えているし、ロックな感じで歌っているんだよね。
EMTG:メンバーそれぞれのプロデュース曲が収録されていますが、中でも屋敷豪太さんが在籍していたシンプリー・レッドの「Stars」を、スガさんの訳詞でカバーしているのはトピックではないか、と。
スガ:メンバーからシンプリー・レッドのカバーをやりたいと提案されたから、俺、英語の歌が苦手なんだけど~って言ったら、豪太さんからも「日本語で訳詞すればいいじゃん! ミック(シンプリー・レッドのボーカル)にも許諾とってあげるよ」って言われて、あっさり決まっちゃった(笑)。訳詞は、以前「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」(舞台)で14曲くらいやったことがあるんだけど、あの時と同じく直訳ではない日本語詞を付けました。
EMTG:岡林信康さんの「私たちの望むものは」をカバーしようと提案したのは誰ですか?
スガ:洋楽と邦楽1曲ずつカバーしようってことになった時に、この曲をずっとカバーしたいと思っていたこともあって、俺から提案しました。今の時代に響く歌だと思ったんだよね。これは70年代に生まれた曲だけど、革新的な真理を突きつけている曲って、たぶんどの時代においても当てはまるんですよ。
EMTG:百戦練磨なミュージシャンが集結したスタジオはどんな雰囲気でしたか?
スガ:売れっ子ミュージシャンばかりなので、なかなかスケジュール調整は大変だったけど、この曲はどういう音で、どう弾こうっていうのがイメージが見えて演奏しているから、ほぼワンテイク、やっても2テイクでOKでしたね。
EMTG:6月にはバンド初のホールツアーが開催されます。
スガ:みんなレコーディングで使ったのと同じ楽器を持ってくるから、アルバム『Progress』で聞こえる音が、ライブでもそのまま聞けると思う。ご期待ください!

【取材・文:松浦靖恵】

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リリース情報

Progress

Progress

2016年06月01日

ビクターエンタテインメント

01.夢のゴール
02.幼虫と抜け殻
03.砂時計
04.1995
05.BEATOPIA
06.Blue
07.Stars
08.道程
09.kokua’s talk 2
10.黒い靴
11.私たちの望むものは
12.Progress

※表記について…「kokua」の「o」の上にはマクロン(長音記号)がつきます。

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DTM ドラム
相変わらず音楽系ばっかり検索してます。音楽系以外だと、「浅草」を検索しました。浅草の三社祭りが、今年は伊勢志摩サミットの影響でいつもよりも前倒しの日程になったと知って検索をしました。


■ライブ情報

2016/06/04(土) 福岡国際会議場メインホール
2016/06/14(火) 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
2016/06/17(金) NHK大阪ホール
2016/06/24(金) NHKホール

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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