Hilcrhyme 結成10周年第一弾シングル「パラレル・ワールド」で、壮大なドラマの幕開けを飾る。

Hilcrhyme | 2016.06.28

 Hilcrhymeが今年結成10周年を迎え、その記念年間の幕開けとなるニューシングル「パラレル・ワールド」がリリースされる。「パラレル・ワールド」とは“並行世界”という意味だが、エミネムやピットブルなどを手掛け、グラミー賞も受賞したプロデューサー、ジャスティン・トラグマンを起用したこの新曲では、“自分の考え方次第で、未来は違った世界になっていく”というテーマの歌詞が、最先端のサウンドをバックに歌い上げられていく。またこの曲は、彼らのライブを3D映像にして、この秋に公開される映画作品の主題歌にもなっている。

EMTG:Hilcrhymeの結成10周年第一弾シングル「パラレル・ワールド」がリリースされますが、この曲はどういう経緯で制作されたのですか?
DJ KATSU:L.A.のスタジオで、ソングライトキャンプを行おうという提案がレコード会社からあって、ぼくも、L.A.のクラブ・ミュージックをずっと聴いてきたので、ぜひやりたいな、と。それでスタッフの紹介で、ジャスティン・トラグマンと一緒に制作することになりました。
EMTG:曲のメロディはとてもHilcrhymeらしいんですけど、バックのトラックは、これまでになかったようなサウンドになっていますね。
DJ KATSU:アメリカのトラック・メイキングは、基本的にはループものが多いので、日本的なコード進行の曲を持って行って向こうのプロデューサーと一緒にやると、いい化学反応が生まれるかなと思って、あえてAメロ、Bメロ、サビ、ブリッジがあるような、イメージとしては1990年代後半から2000年代のJ-POPのような感じのラフを日本で最初に作って持っていきました。それを向こうで仕上げていったんですけど、最初は、“この構成はどうなってるんだ?”ってすごく揉めて (笑)、その結果、無駄なところは省いて、いいところは残してという、絶妙のバランスになりました。
TOC:特にビートが素晴らしいですね。このビートだったから、フロウの幅も広げられました。
EMTG:歌詞はどういうコンセプトで書かれたのですか?
TOC:このトラックから最初に受けた印象は、ちょっと内向的な人が、自分をもっと好きになろうとする、というようなイメージだったんです。例えばSNSなんかで写真をアップしている女子とかの中には、下を向いていたり、顔を半分隠したりしている人をけっこう見かけるんですけど、これは何なんだろうって。ちょっと自虐的というか。だから歌詞の一節で、“何故 下を向く、何故 目を隠す”ってあるんですけど、もっとちゃんと前を向いて、ちゃんと顔を見せて欲しいなって。それで“「私なんか」じゃなくて「私だって」”という風に誇れるように、自分を好きになっていこうという歌詞を書いていきました。これは、自分にも言えることなんですけど、でもそれに抗っていこうとするパワーが好きなので。
EMTG:そこから、「パラレル・ワールド」というテーマには、どういう風に繋がっていったのですか?
TOC:元々は、ライブを撮って映画化しようという話があって、ライブと映画の二つの世界ということで、ライブに「パラレル・ワールド」というタイトルを付けたんです。そうしたら、スタッフのほうから、シングルも「パラレル・ワールド」というタイトルにしたいという強い要望があって、そこから「パラレル・ワールド」というイメージの歌詞に発展させていきました。
EMTG:「私なんか」と考えた先の未来と、「私だって」と考えた先の未来は、きっと別の世界になるだろう、と。
TOC:ぼくも、過去を振り返らないようにはしているんですけど、過去に、もし違う決定をしていたらどうなっていたんだろうって、考えても意味はないかも知れないんだけど、考えてしまうんですね。それを「パラレル・ワールド」という言葉にしたという感じですね。書きたいことが書けたし、すごくポピュラリティのあるものができたし、最近ではいちばん手応えのある歌詞になったと感じています。
EMTG:一方カップリングの「ソウサ」は、L.A.的なループものですね。
DJ KATSU:せっかくL.A.でやるんだったら、そういう曲もやりたいなと思って、ラフの段階からそのイメージで作りました。ジャスティンも面白いと思ったらしくて、けっこう元のラフの音も活かされてます。でもやっぱり彼のブラッシュアップで、メチャクチャいけてる感じになりましたし、Hilcrhyme的にも、かなり新しい感じになったと思います。
TOC:比喩表現だったり、ラップの妙などは、けっこう楽しんで表現できました。
EMTG:「ソウサ」というタイトルも、カタカナだから、いろいろな意味で受け取れますね。
TOC:そうですね。いろいろな意味で、自由に感じ取ってほしいです。このトラックが来たら、やっぱりこういうラップのほうが、絶対にいいものになりますから。
EMTG:そして、先ほども話が出ましたけど、4月に行われたライブが、3Dの映画になるということですが。
TOC:人がやっていないことをやるのが好きなので(笑)。ライブ映像にCGを加えて、ものすごくかっこいい映像というか、面白いものになると思います。いいライブだったから、それもちゃんと映像になっていますし、会場がとんでもなく広い感じで撮れていて、ここは東京ドームかと思うくらい、規模感が大きい(笑)。
DJ KATSU:ぼくらの登場シーンもカッコいいですよ。
EMTG:“ドルビーアトモス”という、音響の新技術も導入されるそうですね。
TOC:音が上から降ってくるらしいです。これを劇場上映のLIVE映画で使うのも、日本アーティストとしては初めてだそうです。ライブのステージを360度の円形にしたのも、それも理由のひとつです。歓声が全方向から降ってくるというか、ぼくがあのステージで聴いたものと一緒なので、映画を見てくれる人も、自分がステージに立っているような感覚になると思います。
EMTG:では、これらの作品を通じて、ファンに伝えたいメッセージはありますでしょうか。
TOC:ファンのみなさんに支えられてきた10年でした。この1年間は、みんなに10周年を祝ってもらいつつ、自分たちもそれに応えるものを見せていきたいと思っています。まだHilcrhymeのことをよく知らない人も、映画を見てもらえれば、Hilcrhymeというのはライブ・チームなんだよ、ライブがメインのアクターなんだよというのがわかってもらえると思うし、きっとライブに来たくなると思うので、ぜひ足を運んでみてください。
DJ KATSU:今回、シングルも映画も、新しいことづくめで、10年間聴いてくれてきた人はもちろん、初めての人も、いろいろと入りやすいきっかけになると思うので、これでぼくらを知ってくれた人も、ぜひライブにも来て欲しいです。この10年間、ライブにかける姿勢というのはずっと変わらないし、満足していただけると思っています。

【取材・文:熊谷 美広】

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ビデオコメント

リリース情報

パラレル・ワールド[初回限定盤]

パラレル・ワールド[初回限定盤]

2016年06月29日

ユニバーサル ミュージック

1. パラレル・ワールド
2. ソウサ
3. パラレル・ワールド-Original Instrumental-
4. ソウサ-Original Instrumental-

お知らせ

■ライブ情報
【Hilcrhyme TOUR 2016】
2016/10/13(木)新潟・新潟県民会館
2016/10/22(土)北海道・帯広 MEGA STONE
2016/10/23(日)北海道・Zepp Sapporo
2016/10/29(土)広島・HIROSHIMA CLUB QUATTRO
2016/10/30(日)福岡・福岡国際会議場
2016/11/1(火)大分・DRUM Be-0
2016/11/3(木・祝)香川・高松オリーブホール
2016/11/5(土)岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
2016/11/6(日)京都・KBSホール
2016/11/12(土)宮城・仙台PIT
2016/11/13(日)岩手・盛岡 CLUB CHANGE WAVE
2016/11/19(土)大阪・Zepp Namba
2016/11/20(日)愛知・Zepp Nagoya
2016/11/23(水・祝)静岡・静岡市民文化会館 中ホール
2016/11/26(土)栃木・栃木県総合文化センター
2016/11/27(日)群馬・高崎 club FLEEZ
2016/12/3(土)富山・MAIRO
2016/12/4(日)岐阜・club-G
2016/12/11(日)東京・TOKYO DOME CITY HALL

10周年スペシャルワンマンライブ決定!
2017/03/25(土) 新潟 朱鷺メッセ

第29回上田平和音楽祭
2016/07/31(日) 丸子文化会館セレスホール

BIKINI FES 2016 in OSAKA
2016/08/28(日) 大阪 舞洲スポーツアイランド

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください

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