コブクロ ニュ-・アルバム『TIMELESS WORLD』完成

コブクロ | 2016.06.14

 コブクロのニュ-・アルバム『TIMELESS WORLD』が完成した。「KOBUKURO LIVE TOUR 2014 "陽だまりの道"」と「KOBUKURO LIVE TOUR 2015 "奇跡"」を経て、その間に育まれたものや、さらに文字通り、アルバムで明らかになった“取って置き”の作品が収められている。そしてファンの人達なら気づくだろうが、今回のアルバム・タイトルは「桜」や「ここにしか咲かない花」を収録した2005年の『NAMELESS WORLD』と関連がある。さらに地球を思わせる円形を配したジャケットも共通するのだが…。

EMTG:まずそのあたりのことを教えてください。確か「未来」をリリ-スした時も、「桜」との関連について話してましたよね。
小渕:そうですね。そして『NAMELESS WORLD』といえば、「桜」が1曲目だったし、徐々にアルバムも完成に近づいて、“そういやあのアルバムと今回のアルバムとの間には、何かがあるような気がするよね…”みたいなことを、黒田と話をしてたんですよ。なんかこのふたつは紐でつながれているようだ、というか、そんな感じがしたんですよ。
黒田:「未来」が主題歌となった『orange-オレンジ-』という映画自体、今から10年前の自分、そこから10年後の自分を描く内容だったのもあって、あの曲を作りつつ、自分らの10年前を思い起こしていたのもあったんですけどね。しかも「未来」には“こんなにか細く 折れそうな”っていう歌詞があって、それもふと、「桜」を連想させるものだったし…。
EMTG:「未来」はシングルのジャケットも、あれから成長した桜の木と自分達、でしたからね。
小渕:でも10年前に対抗しようとか、越えようとか、そんな気持ちではなくて、むしろお互いを引き立てあうというか、実際『TIMELESS WORLD』が完成してみると、そんな関係になったと思ってるんです。でもそう思えるのも、10年という時間が経って、様々なことが“一周”したからかもしれないですけど。
EMTG: “TIMELESS ”という言葉をどう捉えてますか?
黒田:“NAMELESS”の中には、その後、“コブクロの代表曲”だと言ってもらえるようになった作品も入ってて、今もそれをステ-ジで歌えば、まるで時が止まったかのようでもあってね。そんな時は、まさに“TIMELESSやなぁ”って感じがする。そして新しいアルバムの中の曲もね、そう名付けたからには、そう感じられるものにならなければいけない。例えば10年経ったあとに…。「2016年にまた一枚、新しいアルバムを出しました。はい終り」、ではダメなんですよね。
EMTG:さてここらでアルバムの具体的な内容なんですが、核となる曲とか、あったのでしょうか。
小渕:最後の曲である「STAGE」へと至る、全15曲なんですが、改めて聴いみて、“一番言いたかったこと歌っているのは、「陽だまりの道」かもしれないな”って思ったんですよ。
EMTG:それはどうして…。
小渕:実は『One Song From Two Hearts』を作ったあと、布袋寅泰さんのお招きで、布袋さんが住むロンドンへ行ったんですよ。僕自身、ずっと憧れていた場所でしたけど、布袋さんが車で、いろいろ街を案内してくださってね。その時、カ-ステレオで『One Song From Two Hearts』を聞いてみたら、日本であのアルバム作ってた時と、ぜんぜん違う聞こえ方がしたんです。
EMTG:向こうは電圧が違うから、とかじゃなく(笑)。
小渕:あはは。そうではなく(笑)。自分の作った曲を聴いてみたら、“しみったれたこと歌ってるな”とか思って、ぜんぜん違う聞こえ方だった。満足するものが出来たからこそ出したアルバムなのにね。その時、“どうすれば同じように聞こえるんだろう”って、そんな体験をして、日本に帰ったら出来たのが「陽だまりの道」なんですよ。それもあって、一番言いたかったことを歌ったものになったのかもしれないですけど。ともかくもっと旅をしよう…、そう思ったんですよ。 
EMTG:「NO PAIN, NO GAIN」という、布袋さんとの共作も旅に関係ありますよね。
黒田:ただ、最初に小渕が書いた詞は、布袋さんが歌ってしっくりするような言葉が多かったんですけど、そうじゃなくて、もっとコブクロが歌ってしっくりするもののほうが…、みたいなこと、僕も布袋さんも小渕に言って、それで完成したんですけど。
EMTG:今回、アルバム作る上での基本方針とかって、どんなことだったんでしょうか?
黒田:“こういう曲にしよう”と、最初に話して決めたことは、途中で余計なもの加えず、初志貫徹しましたね。あとから“どぉ~しても足りない!”というところだけは足しましたけど。あと歌に関しても、無駄なところを削ぎ落として、機能性を重視というか、発声にしても音色よりは音量というかね。その意味ではストリ-トで歌っていた頃の原点に還った気はしてます。
EMTG:今まで以上に曲ごとの色彩がハッキリしてると感じましたが、それはおそらく、いま黒田さんが言った初志貫徹ゆえ、だったからかもしれません。
小渕:足し算というより引き算だったんですよね。「未来」だったら、もともとアコ-スティック・ギタ-で作ったし、その音は最低限入れるだろうと思うのが普通じゃないですか? でもレコ-ディングの途中で、黒田が“必要ないだろ”って言い出して、抜きましたからね。でもそのことで、“要らない温かさ”みたいなものが無くなった。だから、“固定概念を覆すことでいい方向へ行く”みたいな、そんなことも起こったんです。
EMTG:そこまで大胆な“引き算”は、なかなか出来ないものなんでしょうけどね。
黒田:あと「STAGE」なら、ハナから少ないコ-ドで作ろうってことでやってみて、一緒に演奏してくれるバンドのメンバ-に対しても、「音楽教室で楽器を習い始めた人の演奏みたいにしてください」って、最後までそうしましたから。
EMTG:そういう成り立ちだと、ステ-ジで演奏する時、また別の考え方で臨めそうですよね。
小渕:そうなんですよ。ツア-はそこからの足し算になるし、どんな表現が出来るのか、僕ら自身も楽しみです。
黒田:『TIMELESS WORLD』のなかの曲は、“どうしたら10年後も歌えるような曲になるんかな?”っていうことを考えて、これからの1年、伝えていかなければならないわけで、このアルバムを引っ提げてのツア-は、そのこともひっくるめての活動となるんでしょうけどね。

【取材・文:小貫信昭】

tag一覧 コブクロ アルバム 男性ボーカル

リリース情報

TIMELESSWORLD(初回限定盤)[CD+DVD]

TIMELESSWORLD(初回限定盤)[CD+DVD]

2016年06月15日

ワーナーミュージック・ジャパン

[CD]
M-1 SUNRISE
M-2 未来
M-3 何故、旅をするのだろう
M-4 tOKi meki
M-5 SNIFF OUT !
M-6 サイ(レ)ン
M-7 hana
M-8 星が綺麗な夜でした
M-9 Twilight
M-10 Tearless
M-11 陽だまりの道
M-12 42.195km
M-13 奇跡
M-14 NO PAIN, NO GAIN feat.布袋寅泰
M-15 STAGE

お知らせ

■ライブ情報

KOBUKURO LIVE TOUR 2016
“TIMELESS WORLD”supported by Ghana

2016/08/27(土) 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
2016/08/28(日) 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
2016/09/10(土) 広島グリーンアリーナ
2016/09/11(日) 広島グリーンアリーナ
2016/09/21(水) 日本ガイシホール
2016/09/22(木・祝) 日本ガイシホール
2016/10/01(土) 日本ガイシホール
2016/10/02(日) 日本ガイシホール
2016/10/08(土) 愛媛ひめぎんホール・メインホール
2016/10/09(日) 愛媛ひめぎんホール・メインホール
2016/10/24(月) 日本武道館
2016/10/25(火) 日本武道館
2016/11/02(水) 仙台サンプラザホール
2016/11/03(木・祝) 仙台サンプラザホール
2016/11/09(水) 新潟県民会館
2016/11/10(木) 新潟県民会館
2016/11/19(土) さいたまスーパーアリーナ
2016/11/20(日) さいたまスーパーアリーナ
2016/11/26(土) マリンメッセ福岡
2016/11/27(日) マリンメッセ福岡
2016/12/05(月) 宮崎市民文化ホール
2016/12/06(火) 宮崎市民文化ホール
2016/12/17(土) 京セラドーム大阪
2016/12/18(日) 京セラドーム大阪

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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