結成11周年を迎えたTHE NOVEMBERSが、自らの手でまた新たな扉を開く。

THE NOVEMBERS | 2016.06.11

 独自の道を歩んできたバンド“THE NOVEMBERS”。結成11周年を迎えて、バンド側から毎月11日にライブイベントなどの情報が発信されるなど動きが活発化し、多方面から注目が集まっている。
 そんな折、タフな洋楽専門レーベル“HOSTESS”と国内レーベルの雄“MAGNIPH”がタッグを組んだ“MAGNIPH/HOSTESS” からのリリースが決定。また自主イベント“首”のキャスティングが発表された。
 6月に東京と大阪で開催の“首 Vol,11-12 ?Deeper Than Abyss-”では、インストバンドの雄“MONO”と、サンフジンズとの対バンにも指名された“ROTH BART BARON”とジョイントする。その後も“ART-SCHOOL”や“acid android”など、まさにTHE NOVEMBERSならではの組み合わせのイベントが次から次へと待ち受ける。 そうしたライブ展開の意図や、“MAGNIPH/HOSTESS” レーベルについて、ボーカル&ギターの小林祐介にインタビューしてみた。小林はこれまでのバンドの歴史と変化を交えて、赤裸々に語ってくれた。

EMTG:“THE NOVEMBERS”のこれまでの11年間を振り返ると、どうですか?
小林:短かったですね。気付いたら11年経っていたっていう。
EMTG:初期の頃はライブで大暴れしてたこともあったよね(笑)。
小林:はい、ひたすらイラだってました(笑)。今、あの頃の精神状態を振り返ってみると、矛盾だらけですね。だってわざわざ人に聴いてもらいたくて自分でステージに立ってるのに、暴れ回ったり。楽しみのはずのライブなのに、イラだってた。ツジツマが合わない。どうしてそうなっていたのか、あまり思い出せないんですけど。不健全で危ない精神状態でした。でも、それが自分にとってのリアルだったんですよ。
EMTG:確かに見ていてもイラだっているのがわかった。今は?
小林:今はそんなことはないです。作品を世に出すことはコミュニケーションだということもわかってますから。
EMTG:いつ頃、イラだちは解消されたんだろう?
小林:『Misstopia』(セカンド・フルアルバム/2010年) あたりから、人との向き合い方が変わったかな。あの頃からはっきりと歌詞を歌うようになって、「日本語を届ける」っていう意識が出てきました。ただ、相手から受け取ることは考えていなかった。こっちから投げるだけっていう。キャッチボールでいえば、“一人遠投”です(笑)。
EMTG:あはは、遠投かあ。次の変化は?
小林:“次”というより、いちばん変化したのが『To (melt into)』と『(Two) into holy』 を同時に出したとき。モノを創る人間として、群れの中にいることを意識しました。
EMTG:つまり一人の“社会人”になった。
小林:はい。
EMTG:社会人になったのが早いのか遅いのか、よくわからん(笑)。
小林:(笑)。たぶん初期の頃のイラだってた感情には、根拠がないことに気付いたんですよ。自分の好きなものをただ疑っていなかった。でも自分のために一度疑ってみて、自分に合っていたら信じ直すことにしたんです。あらゆるものを。それと、『To (melt into)』の頃は死ぬのがとても怖かった。今、死んだら、いろんなことが実現できない、作りかけの作品がそのまま発表されてしまうんじゃないかっていう恐怖。せめてあと一行書いてから寝ようと思ってたら、不眠症になってしまいました。
EMTG:その不眠症は、ある意味、すごく美意識が高い!
小林:でも、もしその頃の自分に会ったら「心身の豊かさを表現することを目指してるなら、 まず自分の体を大事にしろ!」って言ってやりたいです。
EMTG:その後は社会人として大きな変化はあったのかな?
小林:やっぱり独立して自主レーベル“MERZ(メルツ)”を立ち上げたことですね。それまで作品を作ることだけで満足してたんですが、「作ったものをどうしたいのか」を考えるようになりました。実際、独立してみたら、「大丈夫か?」って手を差し伸べてくれる人がたくさん現れた。そういう人たちが僕たちの良さを引き出してくれたので、とても感謝してます。たとえば大きなフェスに出してもらえるようになって、そこで歌ったら素敵だろうなって思いながら曲を作るようになったり。
EMTG:それは大きな変化だね。聴いてくれる人とのキャッチボールが始まったんだ。ところでそういうキャリアの中で続けてきた自主イベント“首”は、どんな意味を持つものだったの?
小林:“首”も変化してきました。昔は単純に友達のバンドや好きなバンドを招いてライブをやるっていうだけでしたが、去年の末あたりから「自分たちがリスペクトできて、カッコいいバンドと一緒にやるのが“首”だ」ってはっきり 思うようになりました。今、“首”は、自分がお客さんだったらずっと見ていたいなと思うようなイベントを目指してます。
EMTG:間もなく行われる“首 Vol,12 ?Deeper Than Abyss-”は、どんなイベントになりそうかな?
小林:一緒にやるMONOとROTH BART BARONはセットで出てきたアイデアなんです。どちらか一つとの対バンでは成立しない。THE NOVEMBERSとの3バンドで、初めて3バンドともにフォーカスが集まるイベントになってます。深遠でスケール感のあるイベントにしたかったので、サブタイトルに“Deeper Than Abyss(= 深遠より深い)”と付けてます。
EMTG:MONOは どんなバンド?
小林:世界規模で活躍してるインスト・バンドです。わかりやすい感情、嬉しいとか悲しいとか淋しいとかを通り越して、感情そのものが泡立つような音楽をやっている。大好きなバンドです。ただ日本にいないかもしれないので、ダメ元でオファーしたら、オーケーしてくれました。
EMTG:ラッキーだったね!! ROTH BART BARONは?
小林:三船雅也(Vo&Gt)と 中原鉄也(Dr)の二人組で、とても映像的な音楽をやっている。特に三船くんの歌詞が凄い。日常の描写ではなくて、素晴らしい非現実が、現実を覆していく。正直に生きて、正直に怒る力を持っている。豊かに生きるために、正しい感情の使い方をしてるっていうか。彼らは、活動の仕方も録音の仕方(海外レコーディングなど)も美意識が徹底していて尊敬してます。
EMTG:最初のアイデア通りの組み合わせが実現してよかったね。
小林:はい。これは絶対に見た方がいいですよ。
EMTG:ART-SCHOOLとのイベント“ART-SCHOOL&THE NOVEMBERS presents 「KINOSHITA NIGHT x首」”は?
小林:ART-SCHOOLはすごく好きなバンドです。子供の頃、BLANKEY JET CITYやTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTが好きだったけど、同じアウトサイダーでも彼らとは違う強さがアートにはある。とらえようのないネガティブさを抱えながら、それを美しい音楽にしてしまう。なんでこんなに救いようのない歌詞を、美しく聴かせられるんだろうと思ってました。あらかじめポジティブなことをポジティブに歌うのは簡単だけど、ART-SCHOOLはネガティブをポジティブに昇華してしまう。そこが好きですね。言葉の新しい楽しみ方を教えてくれたバンドです。で、一緒にやりたいなと思っていたら、向こうも同じことを考えていたんで、このイベントが成立しました。
EMTG:もう一つのacid androidとの“acid android in an alcove vol.8 x THE NOVEMBERS PRESENTS 首”は?
小林:言うなれば僕はラルクアンシエル育ち。ドラムのyukihiroさんのソロプロジェクト“acid android”で僕はギターを弾いてます。 「一緒にイベントをやらないか?」って言われて、巡り合わせがよくて実現しました。ゲストDJの石野卓球さんはニューウェーヴのバンド“デペッシュ・モード”が好きなので、スペシャル・カバー・バンドのギタリストはイギリスで活躍した土屋昌巳さんにお願いして。これも楽しみなイベントです。
EMTG:とても賑やかな11周年だね。そして次のリリースは洋楽専門のレーベル“MAGNIPH/HOSTESS”からに決定した。
小林:“HOSTESS”にはRadioheadとかのビッグネームもいるし、メジャーがサジを投げちゃったようなバンドがいたり(笑)。本当にいろんなアーティストがいる。世界中のフェスのヘッドライナーになるバンドのほとんどを日本で扱ってると言ってもいいレーベルなんです。僕らも海外に出ていきたいし、“MAGNIPH/HOSTESS”も新しい風を求めていたので、そこが一致した。“MAGNIPH/HOSTESS”は、主に日本で活動している日本人アーティストの新しい動きを探していたんです。THE NOVEMBERSも独立して海外に行きたいなと思っていたら、3年が経ってしまった。“MAGNIPH/HOSTESS” から話をいただいたとき、決断する時期が来たなと思いました。このレーベルを通じて、今まで自分たちだけじゃ届けられなかった人たちにTHE NOVEMBERSの音楽を届けられる。違うチャンネルを持つことができる。新しいパートナーとして、お互いにとって良いことがあるといいなと思ってます。
EMTG:リリースはいつ頃?
小林:今年の秋ですね。
EMTG:そしてNOVEMBER=11月には何かあるのかな?
小林:11周年の11月11日に新木場スタジオコーストワンマンを行います。
EMTG:“しかるべき日ですね”(笑)、楽しみにしてます。ありがとう。

【取材・文:平山雄一】

tag一覧 インタビュー 男性ボーカル THE NOVEMBERS

リリース情報

Hallelujah

Hallelujah

2016年09月21日

MAGNIPH/Hostess

1.Hallelujah
2.黒い虹
3.1000年
4.美しい火
5.愛はなけなし
6.風
7.時間さえも年老いて
8.!!!!!!!!!!!
9.ただ遠くへ
10.あなたを愛したい
11.いこうよ

お知らせ

■ライブ情報

THE NOVEMBERS presents【首 Vol,12 ? Deeper Than Abyss -】
2016/06/24(金)梅田AKASO
GUEST:MONO

ART-SCHOOL & THE NOVEMBERS presents「KINOSHITA NIGHT×首」
2016/7/10(Sun) 恵比寿LIQUIDROOM
w/ ART-SCHOOL / polly / Burgh

逃げ水を映した青
2016/07/27(水) 青山 月見ル君想フ
※小林祐介ソロ出演

acid android in an alcove vol.8×THE NOVEMBERS PRESENTS 首
2016/08/11(木祝) 川崎CLUB CITTA’
w/ acid android / 石野卓球 / special session(Depeche mode Cover) Vo:KENT(Lillies and Remains),Gt:土屋昌巳,Ba:高松浩史(THE NOVEMBERS),Key:TOM(PLASTICZOOMS),Dr:yukihiro(acid android)

Re:mix 2016
2016/08/27(土) 名古屋CLUB DIAMOND HALL & APOLLO BASE & SPADE BOX

11th Anniversary & 6th Album Release Live “Hallelujah"
2016/11/11(金)新木場STUDIO COAST

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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