Halo at 四畳半が放つ渾身の信号。あなたはどう受け止めるか?新EPインタビュー!

Halo at 四畳半 | 2016.11.08

この原稿にまるで収まり切らないくらい、本当にたくさんの想いを4人は語ってくれた。真摯で、まっすぐで、熱くて、何より彼らから出てくる言葉と伝えたいという意思に宿った前のめりな勢いこそが、今のHalo at 四畳半を物語っているのだとインタビューしながら肌で感じた。11月9日リリースの、彼らにとっては初となるEP作品「万有信号の法則-EP」を聴いていただければ、きっとうなずいてもらえるだろう。タイトルの“万有信号”とは渡井翔汰(Vo&Gt)いわく「万人が有する信号=感情」。Halo at 四畳半が放つ渾身の信号をどうぞ受け止めて、そしてあなたの信号をぜひ投げ返してみてほしい。

EMTG:今回はどうしてEPにしようと思ったんでしょう。
渡井翔汰(Vo&Gt):もともとはひたすら曲を作ってただけなんですけど、歌詞を書き上げて完成してみたら“あれ? 一貫性があるな”って。結果、意図せずしてコンセプチュアルな4曲が出揃ったんで、後付けだけど、この4曲でパッケージするのが美しいだろうと。
EMTG:いちばん最初に出来たのは?
渡井:「メル・ユース」ですね。でも、ほとんど間を空けずして「カイライ旅団と海辺の街」が出来て、「ユリーカの花」、最後に「モールス」っていう。
EMTG:そして「モールス」。1曲目である「モールス」がいちばん最後にできたんですね。
渡井:「モールス」はリードトラックを書こうと思って書いた曲だったんですよ。他の3曲がわりと冒険というか、個性的な一面を持っているので、改めてHalo at 四畳半の真ん中にいるような“らしさ”がある曲、それでいて新たなところにも踏みだせる曲がほしいなって。しかもこれ、初めて遠征先で書いたんです。大阪に1日滞在する日があったんですけど、ホテルでカンヅメになってホントに死ぬ思いで作りました(笑)。さすがに出来たのは原形だけでしたけど。
白井將人(Ba):“リードトラック来た!”って感じでしたね。この曲が出来たことで途端に今回の作品の全貌が見えたなって。
片山 僚(Dr&Cho):渡井さんのメロディの良さ、まっすぐな感じもすごく出てたし。
齋木孝平 (Vo&Gt):しかも新しいことにも挑戦してて、“これは勝ったよね”みたいな(笑)。あとは、どこまで歌を伝えられるかをアレンジの中心に置いて考えていきました。
EMTG:「モールス」ってモールス信号のことですよね。歌詞にもモールス信号がそのまま使われていますし。
渡井:はい。モールス信号の曲を作ろうと思って書きました。普段から歌詞のネタになるようなことを書き溜めていて、その中に“モールス”っていう言葉があって。それをサウンドでも表現してるんです。おそらく一回聴いただけじゃ気づかないと思うんですけど、最初の“・・・---・・・”のところは落ちサビの裏で鳴ってるギターが実はこの譜割で。
EMTG:“SOS”を意味する信号ですよね、めっちゃ集中して聴きました。わかった瞬間のうれしさったらなかったですもん。
渡井:ありがとうございます(笑)。で、“・-・-・-”は“ピリオド”の意味で、この部分はバンド全体の演奏を“ズチャー、ズチャー、ズチャー”という譜割で終わらせることで表現していて。そういうアイディアも初めて取り入れられたんですよ。
EMTG:歌詞にあるものを歌ではなく音で表現してるのが素敵だなと思いました。
渡井:新しいですよね。今後こういうのができるかな? って不安になるぐらい(笑)。
EMTG:この曲はタイトルどおり“交信すること”をすごく求めてますよね。信号を放ちたいし受け止めたい、みたいな。「モールス」のみならず、EP全体からそれは感じることですが。
白井:前作の2ndアルバムを制作したのが去年の11月ぐらいで、そのあと12月くらいから大きい会場でのライブやフェスに出させてもらうことが多くなったんですよ。大きい会場でやったからこそ感じるお客さんのエネルギーみたいなものがあって、それを受けて今回の作品のアレンジの期間があったので、その大きなエネルギーに正面からぶつかっていけるものを作りたいなって。そういう想いがアレンジにも反映されてるんじゃないかなって思います。
渡井:特に「モールス」は大きな会場を経験したからこそ書けた曲だと思います。サウンドも歌詞も、すべてにおいて。例えば歌詞では“伝える”っていう、言ってしまえばちょっと漠然としたテーマをどうしても使いたかったんですよ。もともと漠然とした曲はそんなに好きじゃなくて、万人に伝わるものより自分の個性を出してちょっと伝わりにくいぐらいがいいんだと思ってたんですけど、たくさんの人に聴いてもらう機会をいただいたことで、相手に伝わらなければ歌の意味は何もなくなってしまうと思い至って。だからこそ、このストレートな歌詞を書こうと思えたし、それがちゃんと形になった曲です。
EMTG:“伝える”はこのEPの軸でもありますね。
渡井:曲順にも意味があって。「モールス」の“伝えたい”から始まって、でも「カイライ~」で書いたように、人に伝えることで時に“衝突”したりもして。「メル・ユース」はそうした中での自分にとっての大事な始まりや自分自身を“顧みる”ことがテーマだし、それによって最後に「ユリーカ~」で“気づく”ことにたどり着ける。そういう想いの道筋を曲順で表わすことができた気がしてて。
EMTG:ちなみに私、「カイライ~」の“衝突”という言葉にかなりドキッとしたんですけど、例えば歌詞にあるような衝突を恐れてしまうこととか、4人の間でもあるんですか。
渡井:今でこそなんでも言い合える4人ですけど、2年前ぐらいかな、4人の間でお互いに遠慮し合ってしまって意見を言いづらい時期があったんですよ。このままだとやりたいことがやれなくなってしまうんじゃないかっていう懸念が4人それぞれにあって“じゃあ一回、飲み会をしよう!”と(笑)。
白井:あったね~!
齋木:あった、あった!
片山:プリクラもあったよね(笑)。
白井:それまで4人だけで飲むって実はあんまりなかったんですけど。
片山:そんなにみんなお酒を飲まないから、そういう感じにもならないし。
EMTG:そのときは特別に。
渡井:そう、ここは一回、腹を割って話そうって。
白井:付き合いは長いので冗談を言い合えたりはするんですけど、改めて“いや、俺はこう思ってるんだよね”みたいなことは言ってこなかったんですよ。でも、このときはけっこういろいろ言ったよね。
渡井:あんまり覚えてないけど、たぶん(笑)。その日を境にお互いに言いたいことを言い合えるようになったので。
EMTG:まさに“衝突を僕らは重ねて 互いを許し合うのさ”なんだ。すごい説得力! でもホント1曲1曲が大事な信号ですね。
渡井:そうなんです。聴いてくれた人にもこの4曲を通して、生活のいろんなタイミングで僕らの信号を受け取ってもらえたらうれしいですね。

【取材・文:本間夕子】





Halo at 四畳半「モールス」MV

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リリース情報

万有信号の法則-EP・【CD+DVD(ライブ映像・17曲収録)】

万有信号の法則-EP・【CD+DVD(ライブ映像・17曲収録)】

2016年11月09日

SPACE SHOWER MUSIC

【CD収録曲】
01.モールス
02.カイライ旅団と海辺の街
03.メル・ユース
04.ユリーカの花

【DVD収録曲】
01.ep
02.春が終わる前に
03.アメイジア
04.天文薄明の街へ
05.トロイメライ
06.硝子の魔法
07.水槽
08.アンドロイドと青い星の街
09.ウユニの空へ
10.孵化
11.ペイパームーン
12.海鳴りのうた
13.リバース・デイ
14.アストレイ
15.箒星について
16.飛行船
17.怪獣とまぼろしの国

お知らせ

■コメント動画

■ライブ情報

Halo at 四畳半 1st E.P Release ONEMAN TOUR「途絶えた交信の捜し方」
2016年12月03日 渋谷CLUB QUATTRO
2016年12月09日 Music Club JANUS(大阪)
2016年12月11日 CLUB UPSET(名古屋)
2016年12月13日 FLYNG SON(仙台)
2016年12月17日 CLUB RIVERST(新潟)
2016年12月18日 DYVER(前橋)
2016年12月25日 Sound Stream sakura(千葉)

Halo at 四畳半 1st E.P Release TOUR「途絶えた交信の捜し方」
2016年01月05日(木)福岡 graf(対バン有り)
2016年01月07日(土)広島 BACK BEAT(対バン有り)
2016年01月08日(日)高松 DIME(対バン有り)

Halo at 四畳半 1st E.P Release TOUR
「途絶えた交信の捜し方」追加公演 "万有信号の発見”

2016年01月15日(日)渋谷WWW X

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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