Ms.OOJA、2年5ヶ月ぶりとなるオリジナルアルバム『AGAIN』で、新たなフェーズへ。

Ms.OOJA | 2016.11.15

 Ms.OOJAの、2年5ヶ月ぶりとなるオリジナルアルバム『AGAIN』が完成した。昨年デビュー5周年を迎え、ベストアルバム『Ms.OOJA THE BEST あなたの主題歌』をリリースしてそれまでの活動を総括し、また様々なセッションやカバーアルバムなどを経てさらに成長を続けてきた彼女が、自分の足跡を見つめ返しながらも、新しい感性や新しい感情で、新たなる目標に向かって歩み始めた、その第一歩ともいうべき新鮮な楽曲と歌声が詰め込まれた作品になっている。そんな彼女の、『AGAIN』というタイトルに込められた思い、そして現在の、歌やライブに対する思いなどを語ってもらった。

EMTG:ニューアルバム『AGAIN』には、全体的なテーマのようなものはあったのですか?
Ms.OOJA:今回のアルバムは、2015年にミニアルバム『翼』をリリースした後から制作を始めて、その後に“ALIVE TOUR”というタイトルのツアーをやって、アルバムも『ALIVE』というタイトルにするつもりだったんです。でも結局2015年はオリジナルアルバムは出さず2016年に出すことになったので、どうしようかと考えた時に、3月にベストアルバムも出したし、再デビューというか、新たに一歩踏み出すという気持ちも込めて、今作を『AGAIN』というタイトルにしました。
EMTG:ベストアルバム『Ms.OOJA THE BEST あなたの主題歌』が、ちょうどデビュー5年の区切りのように形になったわけですね。
Ms.OOJA:そうですね。デビューから5年経って、もう一回デビューの時の気持ちに振り返ってやっていかなきゃいけないなって思う瞬間がたくさんありました。デビューの頃は右も左もわからずに、5年間がむしゃらにやってきたけど、それを一旦リセットして、今回は自分はどういう音楽が好きで、どういうメロディが好きで、どういう歌詞が好きかっていうことと純粋に向き合ってみようと。そういう意味では、とてもフラットな状態で作れたアルバムだなと思います。
EMTG:楽曲は、すべて『翼』の後に制作したものですか?
Ms.OOJA:『翼』を制作した後、自分の中に何もなくなっちゃったというか、自分は何が作りたいのか、何がやりたいのか、何が歌いたいのかが、わからなくなっちゃったんです。だから曲は作ってはいたんですけど、うまくいかなくて。でも2016年になって、このままではダメだ、自分を変えなきゃと思って、それまではインプットを全然しない、家が大好きな人だったんですけど(笑)、一歩踏み出して表に向かうようにして、今までやらなかったこともいろいろとやるようにして、人にも会うようにしていくなかで、少しずつ自分が変わっていくのがわかったんです。最終的には引っ越しをしたりとか、ロサンゼルスに行って制作をしたりとか。そういう変化の中で、本当に好きなものを純粋に追い求めていく気持ちが湧いてきて、そこからがスタートでしたね。
EMTG:アルバム全体を聴いて、すごく吹っ切れたような印象を受けました。
Ms.OOJA:その通りかも知れないですね。今までは自分の中で勝手にルールを作って、こうしなきゃいけない、ああしなきゃいけないっていうのにがんじがらめになっていたようなところがあって、自分で自分をすごく窮屈にしていたのかもしれません。だけど自分が“これが好きだ”っていう気持ちで提示しないと、聴いてくれる人もきっと面白くないと思うし、そこに気づいて本当に吹っ切れた、ということだと思います。
EMTG:「I’m ALIVE」「サンシャイン」「My Darling」など、前向きで明るい曲が多いなと感じました。
Ms.OOJA:前向きで楽しい曲というか、アップテンポの曲を意識的に増やしています。最初制作していた楽曲はけっこうバラード系が多くて、このまま行くと、すごく重たくて暗いアルバムになっちゃうぞと感じて(笑)。毎年、札幌芸術の森スタジオで制作合宿をするんですけど、今回3曲プロデュースしてくれているRyosuke"Dr.R"Sakaiさんと、1日1曲のペースで作っていって、そこで自分を思いっきり解放できて、自分がいかにしびれるかどうかというのを重要視して曲作りをしていきました。そこからアップテンポの曲が多くできましたね。
EMTG:ライブで歌うことを前提とした曲も多いのかなと感じました。
Ms.OOJA:そうですね。さらに大きな規模のライブ会場を想定して、曲を作っていきました。まだ自分はそこまで行き着いてはいないですけど、自分がそうありたいという希望のライブ感を想像して曲を書いています。去年のライブで「I’m ALIVE」を歌った時にメチャクチャ盛り上がって、みんなこんなに盛り上がるんだ、こういうアップの曲を歌ってもいいんだ、って感じて。そこからアップの曲も増えていきましたね。
EMTG:今回の楽曲の中で、新たなるチャレンジだった、というような曲はありますか?
Ms.OOJA:全部そうなんですけど、例えば「Lights」という曲なんかも、大きなライブ会場を想定した4つ打ちの今時っぽいサウンドを取り入れているので、今までのファンの方からすると意外なイメージかも知れませんね。「パーフェクトボーイ」は、赤裸々にリアルな実情を歌ったというか、女子にはこういうことはきっとあるんです(笑)。悪い男に引っかかって、でもそういうのを経て成長していくという、そういう皮肉っぽい歌詞をあえて書いてみたり。「サンシャイン」は、お酒を飲みながら2時間半ぐらいで作った曲で(笑)、自分の枠を超えてみようという、これもひとつのチャレンジですね。あと「ONE WAY~on my own~」は自伝的な要素を歌った曲で、自分のことをここまで歌った曲というのは今までなかったので、それを歌ってみようと思ったのも、新境地と言えるかもしれないですね。
EMTG:Ms.OOJAさんの歌声も、今まで以上に伸び伸びと歌っている印象を受けました。
Ms.OOJA:Sakaiさんに、“Ms.OOJAは、ライブではあんなに歌えるのに、レコーディングではどうして自分を抑えるんだ?”って言われたんです。確かに自分の中で、ライブとレコーディングを分けてしまっているところもあって。それだったら伝わらないところもたくさんあるんじゃないかと気づいて、今回はレコーディングに対する意識も、やり方も変わりました。今まではマイクに向かって歌っていたんですけど、マイクの向こうにいるファンの人たちを想定して歌わなきゃいけないなって。
EMTG:「あなたに会えなくなる日まで」や「ONE WAY~on my own~」などは、すごくパーソナルな内容になっていますね。
Ms.OOJA:インプットを増やしていって、いろいろと充実していく過程で、もっと楽しんでいいんだというマインドになってきて、もっと自分を見せていいんだ、もっとさらけ出していいんだって、すごく思いましたね。カッコ悪いところも見せている人って、すごくステキだなって。
EMTG:さらに限定盤には、昨年のツアーの東京でのライブがフル収録されたDVDも付いてきますね。
Ms.OOJA:ライブをほぼ完全収録してて、トークも入ってるし、歌詞を間違えてやり直したところも入っています(笑)。あと今回初めて副音声コメンタリーも入ってて、ずっと喋りっぱなしでメチャクチャ素というか、家で飲みながらDVD見ているような裏話がいっぱい入っていますので(笑)、こちらもぜひ楽しんでいただきたいです。
EMTG:ではこのアルバムを通じて、ファンの方に伝えたいメッセージは?
Ms.OOJA:大人になるほど生きにくくなる世の中ですけど、だけど楽しくなってくる世の中でもあると思います。そんな大人に向けて、背中を押せる1枚にしたいなと思って作りました。自分も背中を押してもらいたい1人でもあるし、弱い人間ですけど、こうやって言葉を歌にして届けることで、私もすごく救われていますし、そういう思いが共有できるアルバムになっているんじゃないかと思います。私もさらけ出しているので、みんなも裸の心で聴いて欲しいです。『AGAIN』というタイトルどおり、何度でも何度でもスタートできるという気持ちで、心の励みになる曲があると思いますし、音楽としてのポテンシャルもすごく楽しんでいただけると思います。

【取材・文:熊谷美広】

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リリース情報

AGAIN

AGAIN

2016年11月16日

ユニバーサルシグマ

1. I’m ALIVE
2. Footprint
3. You are Beautiful
4. 花
5. ここにいるわ
6. パーフェクトボーイ
7. My Darling
8. サンシャイン
9. サイレントティアーズ
10. Lovin’ you
11. あなたに会えなくなる日まで
12. Lights
13. ONE WAY~on my own~
Bonus Track:Fun Fun Christmas

お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

Ms.OOJA LIVE TOUR 2016 AGAIN
2016/11/09(水) 仙台Rensa
2016/11/13(日) 赤坂BLITZ
2016/11/16(水) 愛知県芸術劇場大ホール
2016/11/18(金) 広島クラブクアトロ
2016/11/25(金) 札幌わくわくホリデーホール
2016/11/30(水) 天神イムズホール
2016/12/02(金) NHK大阪ホール

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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