a flood of circle結成10年、「清水の舞台から飛び降りる系の“飛ぶ”」をイメージした新作ドロップ

a flood of circle | 2016.11.22

 結成10周年イヤーの締めに重くドライな一撃「FLYER’S WALTZ」を表題とする5曲入りシングルをドロップするa flood of circle。今作は、ベストアルバム『THE BLUE』を引っ提げ開催したツアーのファイナル公演を収めたDVD作品の10thアニバーサリーパックに収録されていた新曲「BLUE」同様、イギリスの辣腕エンジニア、グザヴィエ・ステファンソンを迎え、ロックンロールの固定観念に縛られない録り音やアレンジが止まることを知らないAFOCの意志を具現化した印象を強く与えてくれる一枚。表題曲は、リリース日に開催される主催フェス「A FLOOD OF CIRCUS 2016」のテーマソング。“羽根がなくても飛べ”と言わんばかりのメッセージは、曲折に曲折を経てきたバンド自身の覚悟とも、今や決して音楽シーンの中心ではないロックンロールの事にも受け取れる。だからこそ、AFOCは自分自身を更新していくのだろう。11年目を見据えながら、新曲の手応えを感じさせる表情の佐々木亮介(Gt / Vo)と渡邊一丘(Dr)に話を聞いた。

EMTG:「BLUE」に続いてのロンドンレコーディング作品ですね。
佐々木:正直、ロンドンに行ったのは完全に飛び込みで。メトロポリス・スタジオ(ザ・ローリング・ストーンズやクイーンから、最近ではアデルも使用)ってとこを選んだのも、別にそこのスタジオで作られた音源を聴きまくってとかじゃなくて。ロンドンのスタジオはアメリカと違って、文化とか歴史がある中で最新の機材も入ってるんです。俺たちがやろうとしてたのは伝統的な70年代のイギリスのパブロックっぽいものじゃなかったので、ガレージっぽいスタジオじゃなくて、ちゃんと新しい機材が入ってるとこにしようってだけでメトロポリスを選んで。で、飛び込んで行ったら向こうがザブ(グザヴィエ・ステファンソン)を紹介してくれて、すごいラッキーでしたね。
EMTG:現代のクオリティのあるサウンドを作るエンジニアなんですね。
佐々木:それはほんとに良かったなと思って。ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインとかすごいヘビーな音もやってれば、リアーナとかR&Bやヒップホップもやってるし、それこそマイルズ・ケイン(ザ・ラスカルズ / ザ・ラスト・シャドウ・パペッツ)みたいな今の新しいイギリスのロックのサウンドもやってて「何でもいけるよ」って人で、それがやりやすかった。俺たちが古いロックにこだわってるだけじゃなくて新しいことをしようってのをとても理解してくれたし、「あ、こいつらの音は色々実験していいんだな」と思ってくれていろんなトライをしてくれたので、俺らもそれで心が開けたというか、「あ、もっとやっていいんだ」って。むしろ俺らの方が、新しいことやろうって言いながら閉じてたなと気付くぐらい自由にやらせてくれました。
EMTG:10周年イヤーの最後に出るシングルですけど、どういう位置付けですか?
佐々木:俺たち的には10周年のまとめとは実は思ってなくて(笑)、10周年はベスト盤を出したときにまとめ的なのはすでに全部やっちゃったんですよね。年内に新しいシングルを出す意味っていうのは、この10周年で燃え尽きてないぜ、10周年のケツにもう次のことやるぞって姿勢を見せたかったんです。
EMTG:“青さ”の真骨頂みたいな「BLUE」の次に、もっとしたたかな曲が来たなと思いました。
佐々木:そうかもしれないですね(笑)。「BLUE」は天然で書いてた曲というか。去年の「花」が結構でかくて、その時にもう1曲書いてたのが「BLUE」だったんですよ。すごい自分と向き合いまくって作ったのが「花」で、その後グツグツ煮込んだものの全部アクが抜けて綺麗なものだけが残ったのが「BLUE」(笑)。で、今回の「Flyer’s Waltz」と、もう1曲録ってる曲があるんですけど、その辺の曲はもうちょっと考えてるっていうか、新しいロックンロールってなんだろう? って気持ちの部分では、リズムもサウンドもリフも細かいことにこだわって作ったので、そういうしたたかさは狙ったところはあるかもしれない。
渡邊:「Flyer’s Waltz」はリズムパターン的には形式張ってるというか、新しいパターンじゃないんですけどザブと一緒にやることで他の音を重ねたり、今までになかったことがリズム的に追加されてて、それは結構目からウロコ的なところでした。
EMTG:「Flyer’s Waltz」には飛べない鳥たち=ご自身や同志的なバンドマンに♪羽根なんていらない♪飛べ♪と歌っている印象的なフレーズがあって、これは青春期みたいなものを総括してさらに出てきた歌詞なんでしょうか。
佐々木:そうですね、20歳の時の“飛べ”とは違うから。ここにきてマジで清水の舞台から飛び降りる系の“飛ぶ”だと思ってますね(笑)。ま、イベントの「A FLOOD OF CIRCUS」もイメージしてたので、空中ブランコのテーマとすぐに結びついた感じなんですけど。ナベちゃん(渡邊)とは「まだまだぬるいじゃん、俺たち」って話すぐらい、まだ行けるなって感じもあって。
EMTG:それは自分たちの中でってことでしょう? 何かと比べてじゃなくて。
佐々木:つい何かと比べがちだけど、何かと比べられないからここまで続けられてきたし、俺たちの音があれば、どこのフィールドに出ても勝負できる。ロックンロール界にいるんじゃなくて、ロックンロールで勝負してきたと思ってるから。せっかく流されないで生きてバンドやってるんだから、流されない曲、覚悟決める曲を書きたいって、いつも思ってるんで。ま、これもそのひとつっていうか、今バージョンの曲って感じですね。
EMTG:ああ、この空中ブランコの設定もリアリティを持って響きますね。
佐々木:やっぱり10年分の思いは曲に反映されてると思います。まぁそれは “飛べ”って一言についてもあるのかな。空中ブランコって一人ではできないんですよ。俺がポーンと飛んだ時にナベちゃんと姐さん(HISAYO/ BASS)が受け止めてくれないとダメで。空中ブランコを生で見て感動したのは、飛ぶ側は華やかな女性のフライヤーもいるし、こっちでキャッチャーがいて、さらにキャッチャーを支えてる人がいるんですけど、その人は飛ばないんですよ。でもその人がいないと絶対成り立たないのが「めっちゃバンドだ!」と思って(笑)。すごい華やかなんだけど、そういうところは、バンドと一緒だなと思ったというか。PVもポップサーカスっていう本物のサーカス団と撮れて、「あ、このテーマにして良かった」って。ま、結果なんですけどね。
渡邊:ロンドンもそうだし、サーカスもそうだけど、わかったつもりだったってことがすごい怖いことっていうか。色々経験してきたこの歳でちゃんともう1回見つめ直せることっていっぱいあるんだなと思って。そこが今とても楽しめているところです。
EMTG:2曲目の「Rock’N’Roll New School」は特にギターアンサンブルが “ニュースクール”なのかな? と。
佐々木:ああ、それはそうですね。シンプルなロックンロールなんですけど。作った時はヴァンパイア・ウィークエンドとか、アメリカのインディーズバンドのロックンロールを継承しながらちょっと新しいことをやろうとしてる人たちの動きが面白いなと思ってたので、それがベーシックにありましたね。その部分をちゃんと音楽で研究して応用したかったんで、別にどれの何を参考にしてるとかわかんなくていいけど、ちょっとでも新鮮な響きを混ぜようとこだわってやりました。
EMTG:そしてシングルとは思えない5曲入りというボリュームもすごい。
佐々木:このシングル、ちょっと複雑で最初の2曲はザブと作ったやつなんですけど、「Flyer’s Waltz」はロンドンレコーディングで、「Rock’N’Roll New School」は日本で全部作ったやつなんです。
EMTG:あとの3曲は聴感がまた違いますよね。
佐々木:スタジオはザブと録ったところと一緒だけど、日本の池内(亮)さんってサニーデイ・サービスをやってるエンジニアと録ったやつなんです。なんで、録った場所も人もバラバラで、そういう意味ではアルバムじゃなくてシングルの意味があるというか、1曲ずつ楽しんでくれって感じなんです。
EMTG:しかも今回、山下達郎さんの「クリスマス・イブ」のカバーも収録していて。毎回、超強力な人のカバーばかりで(前回は中島みゆきの「ファイト」)勇気あるなぁと思います。
佐々木:俺的にはカバーは入れるか入れないか迷ったぐらいだったんです、今回。でも「クリスマス・イブ」を練習して録音したことによって「あ、この曲すごい」みたいな発見もあって。「恥ずかしくないのかな」と思われそうだけど、好きだしほんとに名曲だし、自分がザ・ビートルズから音楽に入っちゃってるんで。もう、世界で一番じゃないですか? ほんとに名曲が好きだなと思ってやってるから、そこの恥ずかしさはないんですよね。ま、録る時は正直ドキドキしてましたけど(笑)。
EMTG:でもこの曲の歌い出し、♪きっと君は来ない♪ですからね。
佐々木:そうなんですよ、悲しい歌なんですよ、超ブルースなんです。

【取材・文:石角友香】

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リリース情報

FLYER’S WALTZ

FLYER’S WALTZ

2016年11月23日

Imperial Records

1.Flyer’s Waltz
2.Rock’N’Roll New School
3.Christmas Time
4.オーロラソング(X’mas Carol ver.)
5.クリスマス・イブ

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