夜の本気ダンス、新体制でのニューシングル「Without You / LIBERTY」リリース!

夜の本気ダンス | 2016.12.08

 西田一紀 (Gt)が10月に加入し、新体制となった夜の本気ダンス。両A面シングル「Without You / LIBERTY」は、この4人のエネルギーが力強く迫って来る一枚となった。艶めかしいグルーヴ、硬派なブルースフィーリングが魅力的な「Without You」。彼らならではのダンスロックを鮮やかに提示する「LIBERTY」。どちらも刺激的なサウンドの結晶だ。この2曲に込められているもの、制作エピソードなどについて、米田貴紀(Vo、Gt)、西田一紀 (Gt)、マイケル(Ba)、鈴鹿秋斗(Dr)に語ってもらった。

EMTG:この編成になってから初の音源ですね。
米田貴紀(Vo、Gt):はい。「Without You」は、西田くんと一緒にゼロから一緒に作りました。彼はただ感覚的に弾くのではなくて、ちゃんとした音楽的な理由があってフレーズを考えるギタリストなんです。そういうところがすごいなと、一緒に作ってみて感じました。“実は知的”みたいな。
西田一紀 (Gt):“実は”なのか(笑)。
米田:(笑)ジャズとかブルースとかのバックボーンも見えるギターかなと思ってます。
マイケル(Ba):華があるギタリストですし、自分の根っ子を持ってやっているところが僕も好きです。弾くギターに説得力があるんですよ。
西田:僕は60年代とかのトラディショナルなロックとかブルースとかが好きなんです。自然に出てくるものを弾いてます。
鈴鹿秋斗(Dr):僕は、誘うんなら西田くんしかいないと思ってました。対バンとかしたことがあって5年くらいの付き合いなんですよ。「西田くん、何してるかな?」ってInstagramとかTwitterを見たら暇そうだったので、「ああ、こいつや」と(笑)。
EMTG:西田さん、すでにすごく夜の本気ダンスに馴染んでいる感じがします。
米田:“前からいた感”があるんですかね?
EMTG:まさにそういう雰囲気ですよ。
西田:くつろぎ過ぎてます?
鈴鹿:もうちょっと緊張感を持ってほしい(笑)。
西田:良い先輩しかおらんかったので、助かってます。
鈴鹿:先輩やと思ってないもんな。
西田:僕、1つ下なんです。だから敬ってますよ(笑)。
EMTG:(笑)では、曲の話に移りましょう。まず「Without You」は、哀愁の漂うハードボイルドなテイストが気持ちいいです。
米田:この曲はギターリフとリズムパターンのアイデアを西田くんが持って来てくれたところから始まりました。ギター2本の重なりのアプローチに関しても、いろいろ考えながら作った曲です。
西田:「夜ダンは大きなステージでもやるようになってるから、こんな感じの曲があったら良いな」って浮かんだのが、「Without You」のリフです。リズムに関しても「こういうのも似合うやろな?」というのを考えて、シンプルでドン! とくるものをイメージしました。でも、僕の作ったそういうプロトタイプは、「まだ何かが足りないな」という感じだったんです。みんなと一緒に作っていったことで、すごく良いものになりました。
マイケル:「ラストサビの前のところでエモーショナルにしたいな」とか考えたりしながらベースを考えるのが楽しかったです。今までの感じを踏まえつつ、新鮮な感じになったと思います。
EMTG:歌詞に関しては、どんな想いを込めました?
米田:今の自分の中の自問自答ですね。メジャーデビューしてからいろいろなことがあって、今、自分自身がもがいてる姿を素直に出した結果、こういう歌詞になりました。
EMTG:♪馬鹿のモノマネだけやってちゃ SHOWじゃない♪とか♪不確かなもんで イメージを判定♪というフレーズは、バンドマンとしての本音を感じました。
米田:それも自分自身に言っているイメージですね。最近、「ほんとにそれでいいのか?」とか、迷うことがあるので。
EMTG:音として気持ち良い仕上がりにもなっていますね。♪脱したくて♪の“だー”や♪どうしたって♪の“どー”が、ものすごく気持ち良いです。
米田:響きを大事にして、いろんな音を試してます。リズムの譜割りも大事です。この曲の“だー”も“ほかの音だとどうなのかな?”とか試して、これになりました。音選びは難しいです。聴いていて楽しいものにしたいんですよね。
西田:リズムとか響きの良さは、僕も夜ダンに入る前から感じてました。
鈴鹿:米田は、最初は歌詞なしで、歌メロだけで作ってくるんですけど、その時点でかっこいいんですよ。“乗れる曲になる”っていう前提がしっかりあって、最終的に歌詞も良いものになるから、メンバーとしても1人のリスナーとしても、毎回すごく楽しめてます。
マイケル:「Without You」の中だと、♪所詮また Ride on Ride on... 続く最終レース♪も、リズムが気持ちいいですよね。
米田:仮歌の段階では歌詞のことは置いておいてリズムを考えるんですけど、そのあとに当てはまる言葉を探すのは、いつも苦労してます。
鈴鹿:歌詞考えてるとき、米田はどこかに籠って作業をしてるので、僕らは邪魔しないようにしてます。「あ、個室入ってる」と。
EMTG:歌詞を書いてる部屋を覗くと、鶴になって飛んでっちゃうとか?
米田:はた織りはしてないです(笑)。でも、歌詞はひとりになって考えるようにしてますね。
EMTG:メンバーに意見を求めることはないんですか?
米田:ほぼないです。今までにあったっけ?
鈴鹿:昔、何回か意見を求められたことがありましたけど、僕ら側から特に参考になるものは出てこなかったらしく、求めてこなくなりました(笑)。
EMTG:(笑)リズムや音の響きを重視する作風は、2曲目の「LIBERTY」でも発揮されていますね。これはライブで、すごく盛り上がれそうな曲だと思いました。
米田:今までの曲にあった夜の本気ダンスっぽさが、「LIBERTY」には出てるかなと思います。
EMTG:この曲を聴いて改めて思ったんですけど、夜の本気ダンスの“ダンス感”って独特なんですよね。今のロックバンドのダンスの感じはタテノリが主流だと思うんですけど皆さんの場合は“クネクネ感”。腰にくるフィーリングがありますから。
米田:ジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスとか、岡村靖幸さんとか、そういう感じの動きですよね。そういうのに憧れて、かっこいいと思って、自然とこうなっていったんです。腰で踊るようなこういう部分も、どんどん伝わっていけばいいなあと思ってます。
鈴鹿:“腰”は大事ですよ。僕ら、四国を拠点に活動をしようかと。
EMTG:え?
鈴鹿:“腰”って言葉がさっきからたくさん出てきてたので、讃岐うどんが食べたくなりました(笑)。
EMTG:(笑)西田さんとマイケルさんは、夜の本気ダンスの“ダンス感”について、どのように分析しています?
西田:バシバシ踊るというよりも、クニャっていう踊り感ですよね。
マイケル:派手に踊るというよりかは、体を揺らすような感じなんですよね。派手に“ウェーイ!”じゃなくて、“ちょっと暗さがあるけど、かっこいい”っていうような。
米田:夜の本気ダンスは“ウェーイ!”っていうようなことはやってこなかったですし、そういう部分では硬派なのかなと。“夜の本気ダンスは、そういうバンドなんだ”ということをわかってもらいながら、僕らの音楽を広めていけたらいいなと思ってます。今年の夏フェスでは、1stアルバム(3月にリリースしたメジャー1stアルバム『DANCEABLE』)に入ってる、ハンドマイクで歌うような曲も歌ったんです。そういうセットリストを通じても、夜の本気ダンスの、今お話したような部分を伝えたいと思ってました。
EMTG:米田さんがハンドマイクになると、「あのダンスとステップが観られるぞ」というワクワクがありますよ。
米田:ありがとうございます。踊れる要素があるバンドはたくさんいますけど、自分自身が踊るっていうのは、なかなかないのかもしれないですね。自分たちも踊りながら、お客さんにも踊ってほしいんです。“一緒に踊る”っていうことを重視してます。
西田:僕はライブ中にギターを弾きながら、「良いステップやなあ」と、いつも見ておりますよ。今まで、踊る人とやる機会は、あんまなかったですから。
EMTG:西田さんも踊りたくなるんじゃないですか?
西田:僕のダンスは、もうちょっとお時間をいただけますでしょうか(笑)。
EMTG:4人がいきなり一斉に踊りだしたら、お客さんはびっくりでしょうね。
鈴鹿:打ち込みの音を流して踊るとか?
米田:ドラム叩かへんのか(笑)。
鈴鹿:そうなると、僕、いらなくなりますよね(笑)。
EMTG:(笑)では、そろそろまとめに入りましょう。今回のシングルに関して、改めてどのようなことを感じています?
米田:夜の本気ダンスの二面性が出た両A面シングルになったと思います。サウンドの感じも、それぞれ違うものになってますので、そういう部分も楽しんでもらえたらなと思っています。あと、今回、ライブ音源も入ってるんですよ。この前のワンマンツアーでやってた「Only Seventeen」から「夜に本気ダンス」への展開が気に入ってたんです。「夜に本気ダンス」は、元々のものと比べるとアレンジがかなり変化しているんですけど、次のツアーでもどうなるのかわからないので、今回、ぜひ入れたいと思ってました。
鈴鹿:初回限定盤のDVDにはライブ映像も入るので、これもぜひ観ていただきたいですね。僕のMCも入ってます。
EMTG:鈴鹿さんのMCは、夜の本気ダンスのライブに欠かせないですからね。
鈴鹿:ありがとうございます。僕もこんなに喋るようになるとは思ってなかったです。
EMTG:「あんたライブでは喋るのね」ってご両親に言われたことがあるんでしたっけ?
鈴鹿:はい。僕、家ではあんま喋らへんので。おかんと妹が喋ってる感じを、自分なりのフィルターを通してステージで出してます。
マイケル:「自分なりのフィルターを通して表現してます」って、なんか曲を作った人のコメントみたいになってるけど(笑)。
EMTG:最近、マイケルさんのMCの頻度も増えていますね。
マイケル:はい。鈴鹿くんひとりで喋ってもらうと大変そうですから、僕も喋るようになりました。でも、MCは難しいです。僕はまだ自分なりのフィルターを通せてないみたいで(笑)。
EMTG:(笑)この新編成での初ツアーも楽しくなりそうですね。来年の1月でしたっけ?
米田:そうです。お披露目みたいな“新しいギターが入りました”という意味合いの全国ツアーでもありますので、僕らも楽しみにしてます。

【取材・文:田中 大】

tag一覧 シングル 夜の本気ダンス

リリース情報

Without You / LIBERTY

Without You / LIBERTY

2016年12月07日

ビクターエンタテインメント

1.Without You
2.LIBERTY
3.Only Seventeen (Live at Ebisu Liquidroom_2016.07.15)
4.夜に本気ダンス (Live at Ebisu Liquidroom_2016.07.15)

お知らせ

■マイ検索ワード

●米田貴紀
オールドスパイス

アメリカのデオドラントとかのメーカーです。ORANGE RANGEさんのイベントに呼んでいただいたときに沖縄のスーパーで見つけて、試しに買って使ってみたらいいにおいだったんですよ。僕はジュースのドクターペッパーとか、アメリカンな感じのものが好きなんです。オールドスパイスをまた買おうと思って検索したんですけど、日本だと沖縄とかでしか展開してないみたいですね。

●西田一紀
日本 渡来人

この前、“日本人のルーツは、どこにあんねん?”っていうことを調べました。それで見つけたのが“日ユ同祖論”という、“日本人とユダヤ人は共通の先祖を持っているのかもしれない”という説でした。僕、神社とか日本神話とか歴史が、学生の頃から好きなので、検索をして調べることがよくあります。

●マイケル
ARROW/アロー

「グリーンアロー」っていうDCコミックスのアメリカンコミックが原作のドラマです。最近、このドラマのシーズン1を観終えました。“こういうことあったな”ってエピソードを振り返ったり、出演してる俳優さんのこととかもネットで調べてます。“この人、実は俺より年下なんだ”とか、いろいろ発見がありますね。

●鈴鹿秋斗
夜の本気ダンス 米田

似顔絵を描くために米田の写真を探しました。本人に頼んでモデルになってもらったりすると、「なんやねん」ってことになりますから(笑)。そういえば……僕、今、下の髭を伸ばしてるんですけど、その参考にするためにも検索をしましたね。「どう伸ばしてはんのやろ?」と思って調べたのは、フレデリックの三原康司です。「フレデリック 三原康司 髭」で検索しました。

■ライブ情報

<夜の本気ダンス 全国ワンマンツアー
"Too Shy A key TOUR 2017”>

2017/01/09(祝月) 札幌PENNY LANE 24
2017/01/13(金) 大阪なんばHatch
2017/01/14(土) 広島CLUB QUATTRO
2017/01/15(日) 福岡BEAT STATION
2017/01/20(金) 名古屋DIAMOND HALL
2017/01/21(土) 仙台Rensa
2017/01/22(日) NEXS NIIGATA
2017/01/27(金) Zepp DiverCity

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る