OKAMOTO’Sが2016年ラストに放つのはバンドのあらたな道を開いた『BL-EP』。

OKAMOTO’S | 2016.12.16

 OKAMOTO’SのNEW EP『BL-EP』が面白い。映画「にがくてあまい」主題歌に採用された「Burning Love」を含む4曲(プラス、リミックスとインストゥルメンタルバージョン)は、ストレートアヘッドなロックンロールのイメージも強い彼らにしては異色な、ファンキーでダンサブル、あるいはシティポップやAORにも通じるソフト&メロウな一面も窺わせるようなソフィスティケイトされたサウンドを展開。最近の英米のポップミュージックのトレンドにも通じる、彼らにとっての新境地とも言える作品に仕上がっているのだ。  さらにTシャツ付きアナログ盤と配信のみで、CDは発売されないという思いきったリリース形態なのも話題を呼びそうだ。

EMTG:今作はOKAMOTO’Sにしては少し異色の作品になっていますね。
オカモトショウ:そもそも1曲目の「Burning Love」という楽曲は今年の頭には完成していて。(オカモト)コウキが書いたのですが、いつものOKAMOTO’Sらしい、ギターがきっちりと鳴っているような音楽性とは違う一面が出せた。すごくいいけど、これを今までと同じ様な曲調の楽曲とドッキングしてシングルでリリースするのはどうなのか。これはこれでひとつにまとめてパッケージングしたほうがいいのではないか、との話になりまして。
オカモトレイジ:それじゃそういう曲を4~5曲集めてEPにしてツアー終わりの12月ぐらいに、クリスマスのスペシャルダンスEPというイメージでリリースするのはどう、という提案がコウキからありました。
EMTG:つまり今作は“ダンスミュージック”がひとつのキーワードだった。
オカモトコウキ:「Burning Love」はそんなに高くない温度でダンスフロアでかけても成立するような曲で、僕ら4人の編成でロックとしてもうまく表現できた楽曲が初めて出来たという手ごたえがありました。エンジニアの渡辺省二郎さんと初めて一緒にやれたのも大きかった。
ハマ・オカモト:個人的に星野 源さんのレコーディングでお会いして、素晴らしい仕事をされる方だなと。「Burning Love」のデモが出来たときに渡辺省二郎さんで絶対にハマると思って、みんなに提案しました。そうしたら最高の音が録れた。
ショウ:ドラムの音がいちばん違う。ロックバンドのドラムの音というより、ダンスミュージックとしてのドラムの音作りが格別だなと思いました。それが渡辺省二郎さんとタッグを組んで、いちばん変わったところです。
ハマ:なので今回のEPも全部お願いしようと。
EMTG:「Burning Love」を渡辺さんとやることで、OKAMOTO’Sの新しい道が開けた。シティポップやAORの感じもありつつ、ファンキーでダンサブル。
コウキ:まさに。このバンド編成でそういうファンキーなものをどう表現するか、ずっと考えていて。今回いい感じにファンキーでノレる曲が出来たと思います。
EMTG:ちょっと肩の力が抜けてる感じが、今までのOKAMOTO’Sにはなかったですよね。
ショウ:今回はコウキの曲が多いのですが、俺の場合は力んで、こういう構成にしたらライヴでこういう景色が作れるからこうしたい、というような曲の書き方が多いんです。力づくでもっていくというか。でもコウキはもっと自然に聞こえる曲を書ける人なので。今回はツアーに出て、戻ってきてまた録音する、ということを繰り返してて制作していましたが、だからこそスタジオでは遊び心を出しながらやれたんです。ライヴで必要なものはライヴで出して、レコーディングではもっと別のものを出せた。
EMTG:ああ、ライヴではロックなOKAMOTO’Sを出して、それ以外の部分を今作で出してみた。
ショウ:そうです、だから確かに肩の力が抜けてますよね。
EMTG:OKAMOTO’Sのガツンとくるロックな面に惹かれていた人からすると意外性があるかもしれない。
コウキ:そうですね。ただ元々すごく音楽性の幅広いバンドですし、いつも“おやっ”と思われるような作品を出してきたと思っています。ファンキーな要素もすごくありますし。
EMTG:今の時代の気分にあってますよね。ちょっとソフト&メロウな感じもありつつ。
ショウ:3~4年前だったら、出せなかった気がします。今だからこそ受け入れてもらえるかなと。最近US/UKのインディシーンの音楽を聴くようになって、どんどん肩の力が抜けていると感じます。簡単に言うと、ロックらしいものから離れてギターが小さくてビートも抑えて音数も減らしてキレイな声で歌うのが主流になりつつある。それが日本のシーンでも徐々に浸透してきている気がしていて。それはEDMや、バンドで言うと速い4つ打ちの反動なのかもしれない。俺らも今回それをうまく表現できているのではないかと思います。
EMTG:今作はOKAMOTO’Sのロックな面を好きな人には新しい体験だと思います。お客さんをそういう新しい世界に導いていこうという気持ちはあるんですか?
ハマ:昔はサムいと思っている節がありました。踊り方がどうだなどと、こちら側から言うのはどうなんだろうと。でもここ1~2年ぐらい、むしろそういうふうに巻き込んでいかないとダメだと思いまして。そういう意識は少しあるかもしれないです。
EMTG:お客さんの需要に応えるだけでなく、ちょっと先に行って導いてあげるみたいな。上から目線でなく。
ショウ:全員がそうする必要もないですが、俺らはみんなが求めてるものをいかに安く早く提供するか、というタイプではないので。
EMTG:早い安い美味いの吉野家じゃないと(笑)。
ショウ:俺らもちろん吉野家は大好きですよ(笑)。でも吉野家はほかの人がやってくれていると思うので。そこに飽きた人が駆け込んでくれる場所になれればいいなと思います(笑)。俺たちがその先に続く鍵は持ってるよ、という。

【取材・文:小野島 大】

tag一覧 シングル 男性ボーカル OKAMOTO’S

リリース情報

BL-EP[Tシャツ付きアナログ盤]

BL-EP[Tシャツ付きアナログ盤]

2016年12月21日

アリオラジャパン

[SideA]
1.Burning Love
2.Border Line
3.NEKO
[SideB]
1.Phantom(By Lipstick)
2.NEKO(Remix) feat.呂布/MUD
3.Burning Love(Instrumental)

お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

PUFFY 20th THE FINAL「PAPAPAPA PARTY 2016」
2016/12/04 TOKYO DOME CITY HALL
※オカモトコウキ出演

年末調整GIG 2016
2016/12/25 Zepp Nagoya

FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY
2016/12/28 インテックス大阪

rockin’on presents COUNTDOWN JAPAN 16/17
2016/12/30 幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホール

おはようカルチャーツアー2017 〜カルチャーショック編〜
2017/01/22 仙台 JUNK BOX

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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