go!go!vanillas、ホリエアツシを迎えた新曲「おはようカルチャー」リリース!

go!go!vanillas | 2017.01.16

 go!go!vanillasという音楽の中心地から、今こそあらたなカルチャーを発信するためのニューシングル「おはようカルチャー」が完成した。バニラズが大切にするのは、どんなに技術が進化しても、音楽は人間が作り出すものであるという核心だ。今回、そんなバンドの信念を音楽で体現するために力を貸したのが、かねてから親交を深めていたストレイテナーのホリエアツシ。10年以上に渡りシーンの最前線を走り続けるベテランと、今、急成長を遂げつつある若手バンドとの世代を超えたリスペクトは、互いの強い音楽的な探求心の共有によって、刺激的なケミストリーを引き起こした。充実のライブ活動に平行して、水面下で制作中の新曲にも手ごたえを感じているというメンバーに話を聞いた。

EMTG:THE BAWDIESとのスプリットシングルに続いて、今度はホリエアツシさんをプロデューサーに迎えたシングルということで。先輩バンドとのコラボが続きますね。
牧 達弥(vo、g):最初から決まってたことじゃなくて、たまたまですけどね。元々尊敬するバンドの人といつか一緒に曲を作ってみたいなっていうのはあったんです。自分の畑じゃないセンスを持った人と一緒にやれたら、自分たちはどうなるんだろうっていう好奇心もあって。っていうなかで、最近、ホリエさんと仲良くなったんですよ。
柳沢進太郎(g):初めて会ったのは“Sky Jamboree”のときじゃない?
ジェットセイヤ(dr):一昨年の夏やね。
牧:そのときは挨拶をするぐらいだったんですけど、去年いろんなイベントで会ううちに仲良くなったんです。僕は飲み友達として、家に遊びに行ったりもしてて。それで、次にシングルを出すときに、うちの事務所の社長もテナーがすごく好きだから「ホリエくんとやってみたいよね」っていうのでオファーをしたら、「良いよ」って引き受けてくれたんです。
EMTG:コーラスワークを生かしながら、次々に曲の雰囲気が変わっていく展開なんかは、今までのバニラズにはちょっとなかったような新しいフックですよね。
牧:まさに後半の展開は今までのバニラズにはないですよね。ホリエさん節というか。結構僕は終わり方とかもガチッと決めたがるから、ああいうふうにスッと溶けていくようなやり方はすげぇなと思いました。僕にはない余裕を感じましたね。
長谷川プリティ敬祐(ba):ずっと同じメロディが続くところに、コードだけを変えていくっていうやり方も、今まではやってこなかったから新鮮でした。
セイヤ:この曲の魅力は壮大さですよね。出だしのコーラスもそうですけど、ホリエさんが入れてくれたシンセが後ろで鳴ってたりとかもしてるので懐の深さを感じます。
EMTG:“こんな曲にしたい”っていうのは、最初にホリエさんと話し合ったんですか?
牧:僕たちは、特に進太郎が入ってからは、声を楽器にして、声のパワーが感じられるアプローチをめざしてきたんです。まあ、バニラズって有機物なんですよね。人間味というか、アナログ感を持ち続けなきゃいけないバンドだから。それをいちばん出せるのが人間の発する声だと思うんです。それで、今回はそういうものがバコンッてハマるアンセムを作りたいっていうイメージを、まずホリエさんに伝えて、僕が曲を作ったんです。でも、実は曲を作り込みすぎちゃって……。最初にかなりガチガチに固めすぎちゃったんですよ。
進太郎:これでレコーディングしても良い! ぐらいの状態で、ホリエさんと打ち合わせをすることになって。ちょっと問題になりましたもんね。“これ、もう出来てるよね”って。
牧:だから一度解体して、改めてホリエさんと作り直したんですけど。
セイヤ:そこからが長かったよね。
EMTG:プロデューサーとしてホリエさんは、どんなふうにメンバーに接するんですか?
牧:プロデューサーというよりも相談役みたいな感じでいてくれたんです。スタジオに入っても、基本は何も言わない。何か思いついたときだけ、「ここを1回試してみよう」って、僕たちがメンバー間でやりとりするのに近い感覚でアプローチをしてくれたので、僕らもそんなにガチガチに緊張せず、普段どおりにやらせてもらいました。
プリティ:いい距離感でいてくれたから、僕は普段どおりっていうよりも、普段よりも良いテンションで余裕を持ってやれたぐらいなんです。
EMTG:ホリエさんの存在によって劇的に変わったなと思うことはありますか?
牧:今回は♪ウォーウォー♪のコーラス部分にいちばんスポットが当たると思うんですけど、そこでは曲の核になるようなことは歌ってないじゃないですか。そのあとの♪おはようカルチャー 今 君と描きだす夢♪っていう1回しか出てこないところに全部想いを込めてて、それが自分の中でぐっとくるんです。この部分、最初は3回も入れてて。途中で邪魔だなと思ってあえて抜いたんですけど、それもバニラズだけでやってたら3回で通してた思うんですよ。ホリエさんと一緒にやって、客観的に考える余地が生まれた。結局は自分の中で出した判断ですけど、それもホリエさんのおかげだと思ってます。
EMTG:曲作りの最初から深く関わるわけでもなく、レコーディングでもメンバーの一員のような存在。それがバニラズが求めるプロデュースだったんですね。
牧:だからバンドマンとやりたかったんですよね。ホリエさんもバンドマンとして、いろいろ第三者に言われるのは嫌だから、俺がやられたくないことはやらないからっていう話をしてたんです。だから、俺らの気持ちも汲みながら“ここは言われたくねえだろうな”っていうところは絶対に言わなかったし。そこのバランスは仏のようでしたね(笑)。
EMTG:ちなみに前回のアルバム『Kameleon Lights』以降は、先輩バンドとのコラボ作が続いてるっていう意味で、次のアルバムに向けてインプットしてる時期なんですか?
牧:いや、むしろ逆かもしれないです。あのアルバムで全部を出し尽くしてやりたいことがなくなったからインプットを求めてるというよりも、こうやってシングルを出しながらも、今は平行してアルバムも作ってて。それがすごく充実してるので、それ以上のところにも手を出せる。余裕があるから新しいアウトプットをしてる感じですね。
EMTG:それにしても前作で共演したTHE BAWDIESは年齢的には6つ上ぐらいだったけど、ホリエさんだとそれ以上にキャリアも長いバンドだし、得るものも多かったんじゃないですか?
牧:僕はあんまり年上だからえらいとか思ってなかったんですよ。でも、本当に尊敬すべき人たちは、やっぱりそこに差が出るなと思いました。そういう人たちも何年か前に、今の僕と同い年のときを経験してて、答えを出してきたわけだから。そこでもらえるアドバイスは絶対に俺にはないものなんですよね。
セイヤ:しかも、そういう先輩たちって、今でもさらに学んでるんですよ。俺らに「それ、教えてよ」とか言ってくるから、もう、恐れ多いですよね。尊敬できる人こそ、謙虚なところがあるんだなと思いますね。
牧:それこそ年下とか、そういう感覚もないんだと思います。
EMTG:今作にあたってのホリエさんのコメントも“同じバンドマンとしてのマインドをリスペクトし合いながら”って書いてくれてますね。
牧:普通はそんなこと言えないですよね、年がどうとか考えたら。逆の立場だったら、俺は11歳も年下の人に対して「リスペクトしてる」とは言えないんじゃないかな。
EMTG:そこは牧くんなら11年後には言えるようになってると思いますけどね。曲に話を戻すと“おはようカルチャー”という言葉には、どういう意味を込めたんですか?
牧:僕たちがライブで、その場所だけのカルチャーを作り出せてるのかっていうことを考えたんです。それはさっきも言った有機的な音楽っていうものですけど。今は技術が発達して、音楽がどんどん無機質になっていくなかで、僕らは真逆なんですよね。結局、人間は有機物だから。それが音楽の核にあると思うんですよ。そういう感覚を引き戻せるバンドでありたい。聴いてくれる人がそこにほかのバンドにはないものを感じて、僕らを求めてくれてた瞬間に、そこでカルチャーが出来上がったら最強だと思うんです。
EMTG:バニラズが音楽シーンに新しいカルチャーを起こしたいっていうこと?
牧:いや、でっかくシーンを変えてやるっていうより、いろんなカルチャーに目を向ける環境が大事だと思うんです。流行りものを聴かないと周りと共有できないとか、音楽以外でも多いじゃないですか。でも、本当に好きなものを自分の耳で選んで聴くことが、今の日本の音楽シーンには絶対に必要だって感じてて。そうすることで、もっと人生を豊かに送る方法があるはずだから、それを歌うっていうことなんです。
EMTG:なるほど。で、2曲目の「12:25」は初めて進太郎くんが作詞・作曲を手がけたスイートで温かいポップソング。ボーカルも進太郎くんが担当してます。
プリティ:元々(進太郎は)曲をすごくたくさん作ってるんですけど、今回のシングルのために試聴会をして、その中から選ばれた感じですね。
進太郎:「デッドマンズチェイス」(シングル「カウンターアクション」、アルバム「Kameleon Lights」初回盤収録)では、プリティさんが曲も作って歌ってたんですけど。さっき牧さんが言ってた「声を武器にする」っていうのにも全部繋がるんです。“全員が歌えるんだよ”ってやったほうが面白いと思うから。
牧:日本は変わってて、ひとりのソングライターを中心に曲を作ることも多いけど、海外のバンドはメンバー全員ができるじゃないですか。ザ・ビートルズをはじめとして。そういう人たちが集まるから、すごい曲ができる。だから、バニラズでも、僕が表現しないところを、進太郎とかプリティ、セイヤが出せば、もっとあらたな音楽が見えると思うんです。
EMTG:そうですね。シングル恒例のカバーは「あの素晴しい愛をもう一度」。オリジナルはザ・フォーク・クルセダーズですけど、私はこの曲、音楽の授業で歌った記憶が強いかも。
牧:あ、俺もです。
プリティ:俺は歌わなかったなあ。24時間テレビのイメージですね。
セイヤ:俺もそれやな。
EMTG:シングルでは、これまでも浜田省吾、泉谷しげるっていう70年代から歌い続けている日本のミュージシャンを取り上げてますけど、この世代の曲が好きなんですね。
牧:この世代の人たちの曲が良いんですよね。(この曲を書いた)加藤(和彦)さんって、「帰って来たヨッパライ」みたいなハッピーでアホっぽいイメージもあると思うけど、すごく繊細な人だと思うんです。だから、「あの素晴しい愛をもう一度」も曲調はハッピーなのに、歌ってることは悲しい。そこがフォークソングだったり、あの時代の人たちに多い感性だと思ってて。でも、こんな悲しいことを歌ってるのに教科書に載ったり、先生も「あの素晴しい愛を~」とか言ってる。それも、まあまあな(普通はあり得ない)ことだと思うんですけど。それを大人になってから、“あ、こういう人たちがやってた音楽なんだ”って再認識したときに、より深く感銘を受けた曲でもあって選びました。
EMTG:今回もバニラズらしいアレンジになったんじゃないですか?
プリティ:リズム隊はそんなにオリジナルとかけ離れたことはしてないんですよ。
セイヤ:サンバな感じとかも、フォークルに近づけようとしたんです。
進太郎:ただ、僕は異常に弾き倒してます(笑)。俺が入ったあとに出したカバーが、意外とギターが大人しかったんじゃないかっていう話もあって、今回はバニラズ節を入れてます。右からずっと鳴ってる人がいるのを聴いてもらえればと思います(笑)。

【取材・文:秦理絵】

tag一覧 シングル 男性ボーカル go!go!vanillas

リリース情報

おはようカルチャー

おはようカルチャー

2017年01月18日

ビクターエンタテインメント

01.おはようカルチャー
02.12:25
03.あの素晴しい愛をもう一度

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2017/01/26(木) 福岡 DRUM LOGOS(w: THE ORAL CIGARETTES)
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2017/01/29(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM(w: 夜の本気ダンス)

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