RPG系バンド、魔法少女になり隊が立ち向かう新展開「革命のマスク」の謎

魔法少女になり隊 | 2017.01.18

2017年、要注目のバンドといえば 魔法少女になり隊。ヴォーカル 火寺バジルが魔女にかけられた呪いをとくために、歌という魔法を使って冒険をしているという、ラウドでポップでファンタジーなRPG系バンド。“?”マークが頭に浮かんだアナタ! まずは下記チュートリアル映像でこれまでのプロフィールをチェックしてみてください。火寺バジル(魔法少女見習い/ヴォーカル)、gari(妖精/VJ&ヴォーカル)、ウイ・ビトン(スナイパー/ギター)、明治さん(女剣士/ギター)、あだるとゆうくん(開発者/ベース)の出会いが『ドラ○ンクエ○ト』や『ファ○ナルファン○ジー』風に見事にまとまっております。


そもそも『RO69JACK 2014』という、日本最大級の夏フェス出演をかけたコンテストで見事優勝した彼女たち。メロディックなゴリゴリのハードコアでありながら、アニソン要素も織り交ぜ、テンション高めのユーロビートなダンスミュージックを繰り広げる快楽ポイント高いサウンド&ライブ・パフォーマンス。“わたしは革命を起こすの 言葉を失くしても”というキャッチコピーも秀逸な、エンタメ性優れまくりなバンドの最新シングル『革命のマスク』が2017年1月18日にリリースされます。戦いにおいて傷つくことで気がついた仲間との絆を描いたナンバー。音楽シーンにイノベーションを起こす(かもしれない)コンセプチュアルな新しい才能を感じさせる逸材に話を聞いてきました。


EMTG:いや~、すごい特殊なバンドですよね。
一同:そうなんですよ(苦笑)
EMTG:経緯の説明が必要だと思うので、まずは自己紹介からお願いします。
ウイ・ビトン:ギターのウイ・ビトンです。職業はスナイパーです。
明治:ギターの明治と申します。女剣士です。
gari:VJとヴォーカルのgariです。妖精です。よろしくお願いします。
gari:(※火寺バジルによる手書きフリップを読み上げる)“おはようございます。魔法少女になり隊のヴォーカル、火寺バジルです。魔女の呪いによって喋れません。筆談で話します。よろしくお願いします。”という事で、火寺バジルは魔女の呪いによって喋れないんですけど、よろしくお願いします。
EMTG:お~。gariさん、読み上げありがとうございます。そもそも、魔法少女になり隊が面白いなと思ったのが、ネット時代、オーディエンスが主役な時代になりつつあるなか、エンターテイメントに関してすごい批評的な距離感を持っているバンドですよね。セックスピストルズがパンクという思想があったとしたら魔法少女になり隊はゲームが思想の一部にありますよね。元々、2014年1月に結成されて5回ぐらいにライブ後に『RO69JACK 2014』のコンテストで優勝してメジャーデビューという。意識的にいろいろ考えられたバンドなのかなって思うんですけど。
ウイ・ビトン:考えてたというよりかは“これ面白そうじゃない?”って思える仲間を集めって“あ~そうだね!”って納得しながら作り上げていった感じなんですよ。
EMTG:いまってすごい良いバンドむちゃくちゃいっぱいあるじゃないですか? いい曲もいっぱいあって、でも目立たずに埋もれちゃうバンドが多くて。
gari:それこそ最初はヴィジョンとかあまりなくて、ワ~ッて面白いことやろうってはじまったんです。いまとなっては、魔法少女になり隊のライブはハピネスを集める場所になっていて、ハピネスっていうのは観てくれている人の嬉しいとか楽しい気持ちのことで。そんなハピネスが集まる空間を自分たちで作っていけたらと思って、ここまできてます。
EMTG:RPG的というと、いろんなグッズ展開も考え易い設定だし、ほんといまの時代にぴったりなコンセプトですよね。あ、そういうリアルな話はダメですか?
gari:いやいや大丈夫です。今でも火寺バジルのマスクを初期装備として1,000円で売ってますから。
EMTG:すごいなぁ。でも、ファンとしてもグッズは嬉しいですよね。
gari:楽しくやってます。
EMTG:サウンドはいろんな要素が込められていて、ひたすら高揚感の塊みたいで。皆さんどんな音楽を食べてきたらこんなバンドになるんだろうって思いました。
明治:もともとアニメやゲーム文化に触れていて好きだったんです。音楽には一番最後に出会いました。それも入り口はPlastic Treeなど、ヴィジュアル系バンドだったんですよ。
ウイ・ビトン:僕は、普通にテレビで流れていたり、街を歩いていると流れてくる音楽が好きでした。テレビゲームも好きでした。でも、何より好きだったのがパンテラとか・・・メタルやパンクで。今作っている楽曲にはそれが全て出ちゃってますね。
EMTG:パラパラ感というかエレクトリックな要素は誰が持ってくるんですか? サウンドで取り込んでいるユーロビートって世代的に違いますよね?
ウイ・ビトン:世代的な話で行くと、3曲目の「Believe」はユーロビートを通ってるサウンドですね。エレクトリックな部分っていうのは僕がバンドに持ち込んでいますね。
EMTG:パンテラ好きなのに?
ウイ・ビトン:パンテラ好きで、LUNA SEAが好きでユーロビートも好きなんですよ。
EMTG:クラクソンズなど、ちょっと前のイギリスで起きた音楽ムーヴメント、ニューレイヴあたりの影響って受けてはないんですか?
ウイ・ビトン:そういうのはないですね。
EMTG:あああ、やっぱり独自な感じなんですね。
gari:ガラパゴスなんです。
一同:(笑)。
ウイ・ビトン:J-POPってシンセがキラキラしてるじゃないですか? そんな影響が出てるんですよ。
gari:僕が通ってきたものっていうとアニメですね。00年代くらいを一番観てました。この前カバーした「ハレ晴レユカイ」もアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』だし、影響受けたといえば「もってけ!セーラーふく」など、いわゆる電波ソングが好きで影響受けてますね。
EMTG:それこそ、かつてファッションとアニメ文化が融合した『電刃/DENPA!!!』というクラブイベントなどありましたが影響は?
gari:いえ、VJは魔法少女になり隊からはじめたんですよ。天のお告げがあったんです(苦笑)。
一同:(笑)。
EMTG:あ、火寺バジルさんがいま書いてくれたフリップを読み上げますね。“みんな好きなものがバラバラだからこそ、それがサウンドにも出てるのかなと思います。魔法少女もアイドルも、1人の少女がある日突然キラキラと輝くことにすごく憧れと夢を持っていました。”
gari:おおお、まとめてるね。
EMTG:なるほど、こういう風にインタビューが進んでいくんですね。
一同:(笑)。
EMTG:今回、ニューシングルとして『革命のマスク』がリリースされますが、ポップでオルタナティブな勢いがあるナンバーに仕上がってますよね。
ウイ・ビトン:まず僕が楽曲の骨組みを作って、そこでメンバーみんなに聞かせたんです。その時にメンバーからの感想として“ストリングスを入れてみてはどう?”って提案をもらって今回挑戦しました。
EMTG:なるほど。バジルさんにとってはこの楽曲はどんな存在な曲になるんでしょうか?っていうのは、……また追って書いて頂きつつ。
gari:「革命のマスク」は、もともと明るいポップパンクみたいな感じだったんですけど、“もうちょっと魔法フィルターを通してみよう、エモくしたら面白いんじゃね?”って、アレンジを突き詰めていきました。
EMTG:魔法少女になり隊の音楽性のキモって、足し算というか、よりエモく高揚感いっぱいにって感じですよね。
ウイ・ビトン:そうですね、なんて言うんだろうな。そんな欠片をみつけた瞬間に突き詰めろ!みたいな感じで。
EMTG:それは、ライブにおけるお客さんとの一体感が理想的な目標になるのでしょうか?
gari:それこそがハピネスなんです。そんなハピネスを探し求めているバンドなんですよ。
明治:「革命のマスク」は、バンドにとって曲調として幅が広がった曲ですね。ただアッパーなだけではなく、エモさもあり、リズムパターンもサビごとに変わるんです。自分で弾いてても入りやすい一番好きな楽曲ですね。
EMTG:そしてバジルさんの感想を読み上げます。“歌詞から受ける影響は、人によって抱えているミッションを乗り越える力になると思いますよね。”という。音楽のチカラですね。そして2曲目が「テッペン伝説」ということで、歌メロはポップながらもかなりのメタルなハードコア・チューンという。
ウイ・ビトン:スラッシュメタルでいきたかったんです(苦笑)。もともと、ギター好きになったきっかけがメタルだったんです。なかでもスラッシュメタルが大好きで。今回ちょっとアクティブな曲になったんですけど、メタリカの影響が強いです。メタリカの楽曲って構成が多かったりドラマティックだったりするじゃないですか? 曲サイズが長くてでも飽きずに聴けるっていう。最初それを目指してすごいサイズ感のものをメンバーに投げたんですけど、長すぎるよねってなって(苦笑)。
一同:(笑)。
gari:長かった。
ウイ・ビトン:怒られてしまって(苦笑)、コンパクトにJ-POPよりに仕上げました。イントロのオケヒへのこだわりですね。オーケストラヒットっていう、“ジャンッ”って音。そこが聴きどころかな。
EMTG:なるほど。そして、3曲目「Believe」がハイエナジーかつメロコア的なミクスチャーというか、魔法少女になり隊ならではのナンバーですよね。
gari:「Believe」は、アニメ『ONE PIECE』のカバーで、もともと観ていたアニメだったんです。好きな曲でおもしろかったですね。シャウト入れちゃいましたけどね(苦笑)。
ウイ・ビトン:シャウトは本当はギターソロなのに無理やりねじ込んだんですよ。ちょっと本当、何言ってるかわかんないと思うので、わかった人には何かプレゼントをあげたいレベルなんですけど。
一同:(笑)。
EMTG:魔法少女になり隊はRPGバンドとのことですが、現時点ではゲーム的にどのぐらいまできている状況なのですか?
gari:仲間の結成力を築いたくらいですかね。ゲームで言うとどんぐらいかな? マリオでいうと?
ウイ・ビトン:マリオはシングルプレイだから。
一同:(笑)。
gari:あ、マリオでたとえられないか(苦笑)。RPGで言うと、ボスが4体ぐらいいて5体目がラスボスだとしたら、1人目のボスの手前ぐらいじゃないですかね?
一同:うんうん。
gari:なんとなくイメージですけどね。
EMTG:となると、今後、魔法少女になり隊の、更なる目的というか野望っていうのは2017年どんな感じになっていきそうですか?
gari:2017年は2回目のワンマンツアーやりますから、それをやりきるのが最初の目標ですね。
EMTG:お、バジルさんコメントがフリップできた。“リリース後だからこそ、ワンマンで幅広い私たちの曲を聞いてより知ってもらいたいなって。より羽ばたいていきたい、鳥のように。”素晴らしいなぁ。
gari:酉年だけにね(苦笑)。
ウイ・ビトン:ぜひライブに遊びに来てください!

【取材・文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】

tag一覧 シングル 魔法少女になり隊

リリース情報

革命のマスク

革命のマスク

2017年01月18日

Sony Music Records

1.革命のマスク
2.テッペン伝説
3.Believe

お知らせ

■ライブ情報

魔法少女になり隊 ワンマンツアー 2017~メロディア王国にさよならバイバイ ワタシはみんなと旅に出る~
2017/01/21(土) 名古屋APOLLO BASE
2017/01/27(金) 梅田Shangri-La
2017/01/29(日) 渋谷TSUTAYA O-WEST

フリージアとショコラ2017×WEST ROCK MUSEUM
2017/02/13(月) TSUTAYA O-WEST

打首獄門同好会「やんごとなきツアー」
2017/02/18(土) 広島4.14
2017/02/19(日) 福岡 BEAT STATION

TENJIN ONTAQ 2017
2017/03/11(土)
LIVEHOUSE CB / Early Believers / graf / LIVE HOUSE HEART BEAT/ Kieth Flack

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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