音×AiR 初の全国流通盤、最新アルバム『ハートフルレボリューション』

音×AiR | 2017.02.07

 2011年、大阪で結成。精力的なライブやインディーズ作品のリリースを重ね、2015年からJOL原宿で行っているお笑い芸人さんとのコラボ企画『音×AiR JOL原宿でLove Me Do♪』も好評な音×AiR。彼らが初の全国流通盤『ハートフルレボリューション』をリリースする。代表曲の数々の他、初音源化の曲も収録した1枚だ。幅広い作風が発揮されている今作に彼らがこめたものとは? 制作エピソードや、バンドに懸ける熱い想いなどを、楓(Vo)、MASAYA(B)、竜之介(Dr)に語ってもらった。

EMTG:初めての全国流通盤ですね。
楓:はい。全国流通するCDを出したいとずっと思ってたので、すごく嬉しいです。バンドを続けて5年で、やっと実現することができました。
MASAYA:これで、全国どこでもCDを手にすることができますね。
竜之介:いろんな人に聴いて頂きたいです。
楓:全国各地にファンがほしいので、このアルバムが、そういうきっかけにもなったら嬉しいです。
EMTG:代表曲が満載ですし、集大成的な作品でもあるんじゃないでしょうか?
楓:そうですね。高校生の時に作った曲もありますから。マスタリングの時に聴きながら、「結構やってきたんやな」って思いました。
EMTG:「ネバギバソウル」と「Catch Your Dream」は、未発表曲?
楓:はい。この2曲も、ぜひ聴いて頂きたいです。「ネバギバソウル」は、スポ根魂みたいな僕らの熱いところ。「Catch Your Dream」は、キラキラしたところを感じて頂ける曲だと思います。
EMTG:作風が幅広いですよね。時々、ファンクとかソウル的な要素が香るのも、バンドの味になっていると思いました。
竜之介:ファンクとかソウル、好きなんですよ。
EMTG:みなさん各々の音楽のルーツって?
竜之介:僕はもともとエレクトーンをやってて、小学校の頃からフュージョンを聴くようになったんですよ。ファンクっぽいリズムは、そこから来てるのかも。流行ってるJ-POPとかも好きだったんですけど、1人でいる時はフュージョンをよく聴いてました。
EMTG:フュージョン好きの子供って、なかなか渋いですね。
竜之介:はい(笑)。ドラムはその後、13、14歳頃に始めました。「ドラムをやったらリズム感が良くなってエレクトーンも上手くなる」って言われて始めたんですけど、ドラムの方が楽しくなったんです。
EMTG:楓さんのルーツは?
楓:B’zです。小っちゃい頃からおかんが聴いてて、その影響です。バンドを始めた16歳の頃に、ライブハウスのスタッフさんに「B’z好き?」って言われたことがあって、稲葉さんが僕にとって大きいことに気づきました。「ロックスター」っていう感じのシンガーに憧れます。でも僕は稲葉さんとはタイプが違うと思いますから、面白いロックスターになります(笑)。
EMTG:(笑)MASAYAさんのルーツは?  MASAYA 親父がミスチルとスピッツを聴いてたので、そこが原点ですね。どちらのバンドもベースが素晴らしいので、僕が楽器を始めたのも、それがきっかけです。
EMTG:みなさん、洋楽は聴きます?
竜之介:洋楽もめっちゃ聴きますよ。エド・シーランにハマった時期もありましたし。
MASAYA:車の中で、ずっとかけ続けてましたから。
竜之介:「楓とMASAYAに聴かす!」と思ってました(笑)。あと、バンドだとワンリパブリックが好きです。
EMTG:そういう音楽的なルーツがいろいろ融合した結果、サウンドの多彩さが生まれているんでしょうね。月1回、JOL原宿でライブイベントもやってますが、あの経験も大きいのでは?
楓:はい。まずはテレビで見ていたお笑い芸人さんとコラボしてイベントをやれていることが経験値としては大きいですね。「Catch Your Dream」は、2015年から月イチのライブをJOL原宿でやるようになったことがきっかけの曲なんですよ。フードコートでの無料イベントをやらせて頂くようになったご縁で、「JOL原宿のテーマソングを作ってください」ということになったんです。JOL原宿は女子中高生くらいの人たちが集まる場所なので、みんなの背中を押せるキラキラした希望にあふれた曲を作りたかったんです。スケッチブックを用意して、JOL原宿のお客さんに「今、考えてることや夢とかを自由に書いてください」って言って、それを集めたものをもとにして歌詞を作りました。
竜之介:JOL原宿での月イチのイベントは、いろんな面で僕らにとって、良い刺激になってます。僕らの曲を聴いてほしい人たちがどんなことを感じてるのかを、身体で感じる機会になってますから。
楓:フードコートはご飯を食べる人が集まるところじゃないですか。そういう点でも新鮮ですね。ライブのやり方という点でも勉強になってます。
MASAYA:「どうやったら振り向いてくれるんやろ?」って、めっちゃ考えるようになりました。
EMTG:こうしてお会いするとMASAYAさんは大人しいですけど。ライブではハイテンションに喋ったりするんですか?
竜之介:ライブではまったく喋らないですよ。
楓:だから、ふとした時にちょっと喋ると、お客さんがすごく喜ぶんですよ。「ありがとう」って言うだけで盛り上がりますから。
MASAYA:おいしい役です。
竜之介:こっちは、いつもMCで何を喋るか一生懸命考えとるのに(笑)。
EMTG:関西のバンドだと、面白さを求められているのを感じることもあるんじゃないですか?
楓:そうなんです。「ハードルどこかな?」って見上げると、すごく高いところにあるんですよ(笑)。でも、「人を笑わせるなら音楽じゃなくてもいいやん」って言われることもあるんですけど、そこは違うと思ってます。バンドでやるからこその意味もあるのかなと。音楽と面白さをいいバランスで組み合わせて、たくさんの人に届けたいです。バンドとしての芯の部分はちゃんと持ちつつ、これからもどんどん楽しいことをやっていきたいですね。
EMTG:今作の曲から挙げるならば、例えば「叱ってサディスティック」は、踊れるサウンドの気持ちよさと、面白い歌詞が絶妙に融合していますね。
楓:これはかなり前からやってる曲なんですけど、誰もが持ってる「ちょっとさぼりたい」っていう部分を面白おかしく歌ってます。関西弁の語りも入ってたり、ライブでは振り付けもあるので、いろいろ楽しんで頂けると思います。
EMTG:この曲の歌詞、ナマケ者な様子が伝わってくるんですけど、楓さんは実際にナマケ者なんですか?
楓:はい。今年からうそっぷと命名されました(笑)。
竜之介:ほんと、ひどいもんです(笑)。分かりやすいところで言うと、遅刻が止まらないですし。
MASAYA:ちょっと遅れて、焦った感じで来るんです。
竜之介:その焦ってるのが、ほんまなのかどうかわからんと思ってるんですけど。
楓:演技で汗までかけるようになったら、たいしたもんや(笑)。まあ、「叱ってサディスティック」は、「俺はこうして歌ってるけど、ほんまはこんなやで」っていう曲です。
EMTG:「オトコボンバー」も、かなりアクが強いですね。
楓:高校生の時に作った曲です。
竜之介:楓の家で、俺と一緒に作ったんですよ。
楓:最初これ、《オトコボンバー》ってところが《パパパパンティー》だったんですよね(笑)。
竜之介:そこ、変わってくれて良かった(笑)。まあとにかく「パンチのある言葉を入れないと始まらへん」って言いながら作ったんです。
楓:パンチがありますけど、「立ち上がれ!」っていう熱いものも感じて頂けると思います。
EMTG:「ダントツ☆YOU」も熱いですね。
楓:この曲はMASAYAのお気に入りです。
MASAYA:大好きです。ベースを弾いてても楽しいですし、心に響くラブソングですね。僕はこの曲みたいに男らしいですし。
楓:そうなんや?
竜之介:……。
MASAYA:なんや、その反応(笑)。
EMTG:(笑)みなさんの曲は甘酸っぱい青春の香りが漂ってくるのも魅力だと思います。「純愛バイセコー」や「バンソウコ」は、そういう風味をまさに感じました。
楓:「純愛バイセコー」は、清涼飲料のCMみたいなことを勝手にイメージしながら作りましたから、甘酸っぱい恋愛を描こうと思ってたんですよ。曲のテンポも、うまいこと自転車っぽくなったのかなと(笑)。そして、「バンソウコ」は、僕らには珍しいどバラードです。全12曲入ってる今回のアルバムの中で、こういう面も知って頂きたくて収録しました。
竜之介:ライブでも、急にこういう曲が来ると気持ちいいですからね。
楓:MASAYAのMCくらいの頻度で来るのが、音×AiRのバラードです(笑)。今回は「あの頃のままで」も、じっくり聴いて頂けるものになってると思います。
EMTG:10代から20代へ突入した頃の気持ちを歌っていますね。
楓:はい。そういう人生の分岐点を曲にできて良かったです。
EMTG:「なんちゃってヒーロー」に関しては、いかがでしょう?
楓:「誰でもヒーローになれる」っていうことを感じて頂きたくて作った曲です。ナマケ者の僕ですけど、それでも誰かに対して何かができると思うんです。音楽をやってるっていうのは、まさに僕にとってのそういうことですね。
EMTG:なるほど。みなさんの曲は、バンドをやることに対する強い想いも感じますよ。
楓:やっぱりバンドが好きですから。
MASAYA:僕も高1の時に竜之介に誘われてからずっとバンドをやってるんですけど、他のことをやるのは考えられないです。
竜之介:バンドやってなかったら何やってたんやろ? 釣りが好きだから漁師?
MASAYA:そうなの?(笑)。
竜之介:バンド車じゃなくてバンド船でツアー回ったらかっこいいでしょうね。
EMTG:海に面してない県もありますが。
竜之介:あっ……。やっぱ、車で回ります(笑)。
EMTG:(笑)ライブといえば、3月12日に渋谷TSUTAYA O-CREST、3月17日に梅田Shangri-laでワンマンがありますが、意気込みはいかがでしょう?
楓:この2つのライブをぜひ成功させたいです。まずは、それが今の目標ですね。「楽しませることできて、グッとくる曲も届ける」っていう音×AiRとしてやっていきたいことが、今回のアルバムに反映できたので、それをライブでもどんどん伝えていきたいです。
MASAYA:3月のワンマンは、チケットをソールドアウトさせたいです。
竜之介:いいライブにしたいですよ。自分たちが抱く理想のバンド像を実現するために、ここからさらに頑張っていきます。

【取材・文:田中 大】

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リリース情報

ハートフルレボリューション

ハートフルレボリューション

2017年02月08日

ヤマハミュージックパブリッシング

1.純愛バイセコー
2.叱ってサディスティック
3.ドジっ娘モーニング
4.オトコボンバー
5.あの頃のままで
6.ダントツ☆YOU
7.抱きしめたいハグトゥナイ
8.波乗りトコナッツ
9.バンソウコ
10.ネバギバソウル
11.なんちゃってヒーロー
12.Catch Your Dream

お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

GLARE NOISE Presents『IDECHS』Release tour FINAL
2017/02/12(日) 堅田BIRTHDAY

『NOW ON AiR リリース記念ワンマン』
~届け!あなたの街までハートフルレボリューション~

2017/03/12(日) 渋谷TSUTAYA O-CREST
2017/03/17(金) 梅田Shangri-la

※※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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