高校生RAP選手権で一躍注目を集めたちゃんみなのメジャーデビュー作『未成年』

ちゃんみな | 2017.03.10

 昨年出場した高校生RAP選手権で一躍注目を集めた18歳のフィメールラッパーでありシンガー、ちゃんみな。ものすごいスピード感でそのスキルと活動のステージを上げている彼女がメジャー1stアルバム『未成年』をリリースする。多様なビートをバックに自身の今を鮮烈な様相で映し出すラップと歌が濃厚に刻み込まれた本作をきっかけに、ちゃんみなはさらなる注目を集めるだろう。質問に対する答えもストレートで、実に痛快だった。

EMTG:ちゃんみなさんは、小学校2年生のときに BIGBANGの曲を聴いてラップに興味を持って、そこからヒップホップにハマっていったということですけど。ラップのどんなところに惹かれたのか言葉にできますか?
ちゃんみな:正直、BIGBANGの曲もひとつの音楽として捉えていたので、それがラップだと気づいたのはここ最近なんですよね(笑)。高校1年の終わりくらいにラップというものを認識したというか。
EMTG:ということは、無自覚な状態でここまでスキルを磨いたということですよね?
ちゃんみな:上達したという実感もなくて。変な話、元々できてたんだと思うんですよね。歌は上達するのに苦戦しましたけど、ラップは何が上手いか下手かもわからなくて。正直、今でも私のラップを聴く人の感想ってバラバラだと思うんですよね。
EMTG:いや、間違いなく上手いと思う。
ちゃんみな:でも、私自身は上手くなろうというよりは自分らしい表現を追求しようと思ってます。私も曲を聴いていて“こいつのラップは下手だな”って思うときもありますけど、それはだいたい誰かのマネをしているからで。
EMTG:別のインタビュー記事で“音痴だった”とおっしゃってて、にわかに信じがたいなと思ったんですよね。
ちゃんみな:ホントに音痴でしたよ。お母さんにも真剣に「歌は諦めてダンスや作曲に専念しなさい」って言われたし、周りにもバカにされましたし。学校のダンスの先生がダンスボーカルチームに所属していて、その人に歌を教えてもらったんですけど、「あなたは歌に向いてないよ」って言われたんです。
EMTG:それでも音痴を努力で克服して歌唱力を身につけたわけですよね?
ちゃんみな:歌に関しても「上手いか?」って聞かれたら人並み以上には歌えますけど、それも純粋なシンガーと比べるものではないと思ってます。元々シンガーになりたかったけどラッパーと呼ばれている状況なので。でも、先にラップで注目されてよかったなと思うんです。私がやりたい音楽を見つけられたから。
EMTG:裏を返せば、自分ではラッパーだとは思ってないということ?
ちゃんみな:ラッパーだとは思ってないです。なんでも屋さんのような感じですかね。だから、シンガーでもなくアーティストって呼ばれたいですね。ダンスも作詞作曲もやってますし、今後はいろんな楽器を演奏できるようにもなりたいと思ってるんです。ピアノは小さい頃から弾いていて、ギターとバイオリンとハーブもちょっと習ってたんですよ。演技にも興味があって。そう考えると、今の職業はいろんなことが結びつくんですよ。曲を書いて、歌って、ラップして、MV撮影で演技して、ライブしてっていうのが全部入ってるから。
EMTG:総合的なエンターテイナーになりたいと。
ちゃんみな:そういうことだと思います。
EMTG:昨年出場した高校生RAP選手権が今の立ち位置を引き寄せた部分が大きいと思いますけど、フリースタイルバトルに挑戦したあの日を振り返ってどのような思いがありますか?
ちゃんみな:バトルには二度と出たくないですね(笑)。はじめましての人とお互い何も悪いことをしてないのに即興でディスり合うというスタイルは自分には合わないと思いました。だから、あれが最初で最後のバトルになると思います。
EMTG:今、ライバルと思える存在はいますか?
ちゃんみな:そのことについてちょうど1週間くらい前に考えたんですけど、いないんですよね。前まではライバル心や闘争心が芽生えるような相手がいたんですけど、今はいなくて。私はライバルって一生いるものだと思ってたんですよ。でも、今は私と同じようなスタイルで音楽をやっている人もいないし、フィメールラッパー自体も少ないじゃないですか。だからといって、男性ラッパーがライバルになるとは思えなくて。
EMTG:ライバルと思えるような人に現れてほしい?
ちゃんみな:現れてほしいです。メラメラさせてほしいです。
EMTG:日本の音楽の歴史を見ても、自分で作詞作曲もやって本格的に成功したフィメールラッパーってまだいないじゃないですか。その最初のひとりになってやるという気概も持ってますよね?
ちゃんみな:それは思ってます。何かの記事で読んだんですよ。“日本には本格的なフィメールラッパーの席が空いていて、そこに座るべきなのはちゃんみななんじゃないか”って。それを読んでなるほど、と思って。なので、とりあえず私がフィメールラッパーで一番を取りたいと思ってます。でも、何をもって一番とするかは正直まだわからないですね。
EMTG:自分のスタイルを完全に貫いて、大衆を巻き込みながら結果もしっかり出すということになるんじゃないですか?
ちゃんみな:そう考えると、私のライバルは私自身しかいないなってなるんですよね。
EMTG:1stアルバム『未成年』は過去を見つめ直している視点も含めて、まさに18歳の今だからこそ作れたアルバムだと思います。
ちゃんみな:そうですね。1曲1曲頑張って作って、1曲1曲が濃いから、それぞれの曲に5時間くらい話せる思い出がありますね。結果的に攻めの曲が多くなりました。
EMTG:ハンパじゃない熱量が注がれていることは曲を聴けば十二分に伝わっています。
ちゃんみな:メジャーデビューするとはいえ、自分らしさはなくしたくないと思ってたので、本当にたくさんの時間がかかりました。結果、トラックメイカーさんとのやり取りもすごく勉強になったので、18歳でこのアルバムを作れてよかったと思います。
EMTG:このアルバムの次のビジョンって見えてますか?
ちゃんみな:ありますね。まだ周りには伝えてないんですけど、私のなかではすでに動いていて。次はマジで“No.1フィメールラッパー”の座を獲りにいきます。
EMTG:今後、客演のオファーもいっぱいくるでしょう。
ちゃんみな:客演も楽しそうですよね。今、一緒にやりたい人が何人かいて。
EMTG:例えば?
ちゃんみな:ももいろクローバーZさんにも興味がありますし、ラッパーで言ったらT-Pablowさんやぼくのりりっくのぼうよみ君ともコラボしてみたいですね。

【取材・文:三宅正一】

tag一覧 シングル ちゃんみな

リリース情報

未成年

未成年

2017年03月08日

ビクターエンタテインメント

01.未成年 Feat. めっし (NEW MIX)
02.FXXKER
03.BEST BOY FRIEND
04.She’s Gone
05.LADY
06.ナニモコワクナイ
07.Princess (NEW MIX)
08.Wonderland
09.OVER
10.UR like ME
11.ダイキライFeat. ちゃんみな / TeddyLoid

お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

ちゃんみな 1st Live 未成年~To be QueeN~
03/27(月)代官山UNIT

MUTANT CAMP supported by MUTANT LABEL & MEETIA
03/30(木)梅田CLUB QUATTRO

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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