LAMP IN TERREN、4人体制後初となるアルバム『fantasia』で掴み取った自らの音楽的“確信”。

LAMP IN TERREN | 2017.04.10

 LAMP IN TERRENが4人体制になって初のアルバム『fantasia』を完成させた。「innocence」(劇場第2部「亜人-衝突-」主題歌)、「pellucid」(映画「何者」劇中歌)を含む本作は、ギターロック、カントリー、エレクトロなどの要素を取り入れたバンドサウンド、そして、「鎧を脱ぎ捨て、本当に着たい服を着ている感覚がある」(松本大/Vo・Gt)というリアリティをまとった歌をたっぷりと体感できる作品に仕上がっている。デビュー以来、音楽性、活動スタイルの両面において試行錯誤を繰り返してきた彼らは本作によって、自らの音楽的な確信をようやく掴み取ったのかもしれない。このアルバムを作り上げたことで、バンドの未来が楽しみになってきたという4人に聞いた。

EMTG:3rdアルバム『fantasia』が完成しました。サウンドの広がり、リアルとファンタジーが交差するような歌を含め、LAMP IN TERRENの音楽が大きく飛躍したことを証明する作品だと思いますが、みなさんの手応えはどうですか?
松本大(Vo・Gt):そうですね…。20曲近くあった曲の中から選ばれた10曲という感じなんですけど、聴いた人がどう思うかはまだわからないかな。
大屋真太郎(Gt):作ったものに対する手応えはあるでしょ?
松本:いいものを作ったとは思うけど、その反面、「受け入れてもらえるのか?」「もっと広がるのか?」「新しい人たちと出会えるんだろうか?」という心配もあるんだよね。
EMTG:お、ちょっと予想と違ってました。てっきり「素晴らしいアルバムが出来た!」というテンションなのかなと。
松本:みなさんそう言うんですよ(笑)。
中原健仁(Ba):(笑)。
松本:いや、もちろんいいアルバムだなとは思うんです。ただ、「1年9カ月ぶりのアルバムです」って言われたときに、ちょっとショックを受けてしまって。自分たちで発信しているというよりも、「この1年9カ月はこういう感じでした」と答えを出された感じがしたというか。それも不安要素なんですよね。
EMTG:前作以降、本当にいろんなことがありましたからね。アルバムの制作が始まった段階では、どんなことを考えていたんですか?
松本:サウンドに関しては、僕がやりたいことをやってみたという感じがあって。「innocence」でピアノを弾いたのもそうだし、あとは「シンセがたくさん入った曲をやりたい」とか「カントリー調の曲をやりたい」「カーペンターズみたいなコード進行の曲を作ってみたい」とか。それはもともと自分の中にあったものだし、新しいことを吸収しながら作ったという感じではないんですけどね。
中原:大から送られてきたデモを聴いたときは「すげえ!」って思うことが多かったけどね。新しく挑戦したことも多かったんですよ、自分的には。たとえば(カントリーのテイストを取り入れた)「オフコース」でふだんとは違うベースを使ってみたり、「不死身と七不思議」みたいな明るい曲を演奏するのも楽しくて。いままでは暗い感じの曲が好きだったんですけど、この1年9カ月のライブのなかで、お客さんと一緒に笑い合って、いろんな感情を共有して。その経験があったから、明るい曲もしっかり演奏できたんじゃないかなと。
川口大喜(Dr):それは僕も感じました。ずっと「自分はネガティブだから、心をえぐるような表現がしたい」と思い込んでたんだけど、今回のアルバムでいろいろな曲を演奏して、「実はそんなに暗い人間じゃなかったのかも」と思って。このアルバム、ふだんもずっと聴いてるんですよ。
大屋:僕もよく聴いてますね。自分としてはバンドに加入して初めてのアルバムだし、いろいろと思うところがあって。「このバンドに何を与えられただろう?」「どんな手助けや提案ができただろう?」っていう。「ここは上手くできた」という自信だったり、「この部分はどうかな?」という不安もあるという感じなんですよね。それを含めて、いまのLAMP IN TERRENが出ているアルバムだなって思います。 
EMTG:サウンド面は明らかに広がってると思いますけどね。華やかさもあるし、スケール感もアップしていて。
松本:サウンドを作るのはめちゃくちゃ楽しかったんですよ。「こんなビートのアプローチはどうだろう?」「このギターにこんなシンセが絡んだらいいだろうな」みたいなことを考えるのがとにかく楽しくて。「歌詞を書かなくていいなら、無限に曲が出来る」って言ってたくらいなので。
中原:そうだね。
松本:完全に二分化してたんですよね。サウンドと作る自分と詩人としての自分が。
EMTG:歌詞を書くのはきつかった?
松本:かなりしんどかったですね。いまだから言えるんですけど、歌ってることと自分自身がずっとズレてたんですよ。「本音を書けてないんじゃないか」「誰かの焼き増しじゃないだろうか」みたいなことがずっと心の中にあって。去年の11月にやった赤坂BLITZのライブで、そのズレが決定的になってしまったんですよ。
大屋:作詞作曲に関しては、ずっと大に頼り切ってましたからね。僕らも支え切れてなかったし、バンド全体が悪循環になっていて。確かにBLITZの頃って、バンドの内情はかなりやばかったと思います。
中原:…暗くなってきた。
松本:俺はさっきからネガティブなことを笑顔で話してるけどね(笑)。BLITZのライブの後、自分が感じていたズレをひとつひとつ戻す作業をやったんですよ。何て言うか、いままでは自分自身が見えないようにフィルターをかけて歌詞を書いてた気がするんです。まあ、それも自分なんですけどね。背伸びしたり、カッコつけてた自分がそこにいたわけだから。いまは自分を受け入れて、本当の自分を歌詞にできるようになってきたんじゃないかな、と。鎧を脱ぎ捨て、本当に着たい服を着ている感覚があるので。
EMTG:その作業を通して、良くないサイクルを抜け出した?
松本:このアルバムが出来たことできっかけを掴んだ感じですね。それを言葉で説明するのは難しいんですけど、「この先、もっとおもしろくなるはずだ」という実感があるので。どれくらい時間がかかるかわからないけど――もちろん、なるべく早く結果に結び付けたいですどね――未来に対してすごくワクワクしている自分がいて。それはメンバーも同じだと思います。
中原:うん。淀んでいた空気を新しいアルバムが洗い流してくれたというか。
EMTG:『fantasia』というタイトルはいつ決めたんですか?
松本:アルバム制作の序盤からありました。新曲のフォルダーに名前を付けるときに、パッとこの言葉が浮かんできて。作っていくうちに、少しずつ辻褄が合ってきた感じですね。僕らは以前から「日常が一番のファンタジー」っていう言い方をしていたし、音楽にはそういう力があると思っていて。好きな曲を聴くとふだんの景色がぜんぜん違うものに見えたり、「こういうところに行きたい」という夢を思い浮かべたりするじゃないですか。盾にも矛にもなるし、背中を押してくれたり、癒してくれたり。魔法みたいなパワーで日常を変えてくれるのが音楽じゃないかなって。
EMTG:『fantasia』はLAMP IN TERRENの本質を示すワードでもあるんですね。 
松本:そうですね。やっとスタート地点に立てた気がしています。
EMTG:5月から6月にかけて行われる全国ツアー「in“fantasia”」もいいテンションで臨めそうですか?
中原:もちろんです!
松本:うん。今回のツアーは“自信あり”なんですよ。いままでのツアーはアルバムのタイトルに合わせていく感覚があったんだけど、今回はベクトルがハッキリしているし、やるべきことがわかってるので。会場はいろいろですけど、とにかくいいコンディションでライブに臨みたいですね。その日だけではなくて、ライブが終わった後のお客さんの人生が楽しみなんですよ、僕は。みんなに「これからの人生が楽しみだな」と思ってもらえるようなツアーにしたいし、いまの自分たちだったら、そのハードルを越えられると思うんですよね。

【取材・文:森 朋之】


LAMP IN TERREN「涙星群の夜」Music Video

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リリース情報

fantasia

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2017年04月12日

A-Sketch

1.キャラバン
2.地球儀
3.涙星群の夜
4.heartbeat
5.innocence
6.at (liberty)
7.pellucid
8.オフコース
9.不死身と七不思議
10.eve

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■ライブ情報

Ivy to Fraudulent Game 2nd mini album "継ぐ" release tour "告ぐ"
04/08(土) 千葉LOOK
04/09(日) 横浜Baysis

サイダーガール presents 「CYDER LABO」
04/22(土) 渋谷CLUB QUATTRO

VIVA LA ROCK 2017
05/03(祝) さいたまスーパーアリーナ

NIIGATA RAINBOW ROCK 2017
05/04(祝) 新潟市で開催されるサーキットイベント

Eggs presents FM802 Rockin’Radio! -OSAKA JO YAON-
05/20(土) 大阪城音楽堂

ワンマンツアー2017「in "fantasia"」
05/07(日) 札幌COLONY
05/13(土) 名古屋CLUB QUATTRO
05/20(土) 岡山LIVEHOUSE IMAGE
05/28(日) 仙台HooK
06/02(金) 高松DIME
06/03(土) 福岡BEAT STATION
06/11(日) 新潟CLUB RIVERST
06/18(日) 心斎橋BIGCAT
06/30(金) LIQUIDROOM ebisu

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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