BLUE ENCOUNTインタビュー! ブルエン的Jポップバラード「さよなら」とは?

BLUE ENCOUNT | 2017.04.26

EMTG:現在はワンマン・ツアー「TOUR 2017 break "THE END"」真っただ中ですよね。まずは幕張メッセ公演(3月20日)の感触から聞かせてもらえますか?
辻村:フェスで何度も幕張メッセに立ったことがあるけど、やっぱり緊張するんですよ。あの舞台でどう自分らしいライブをやるのか・・・それは意識しました。なので、ブルエンらしいライブはできたし、反省はあるけど、自分を出し切ることができたので良かったです。
田邊:ELLEGARDENがワンマンをやった伝説の場所なので、神聖な気持ちになりますね。日本武道館は目的の場所、幕張メッセは神聖な場所なんですよ。その扉を開くというより、やっと叩けたワンマンでした。これからブルエンと幕張メッセの壮絶な闘いが始まるんだなと。
EMTG:ああ、そういう位置付けなんですね。ELLEGARDENが幕張メッセでライブ(2007年3月24日)をやったのは5thアルバム『ELEVEN FIRE CRACKERS』ツアーで、あれから今年でちょうど10年経ってるんですよね。
辻村:あっ、そうなんですね!
江口:時期的にも同じですからね。幕張メッセでは自分たちの力不足も感じたので、これから先どんな曲を作ればいいのかを考えさせられました。あの日を境目に気分も一新して、その後のツアーもいい感じですからね。あそこでワンマンをやれたことで自信はつきましたね。
EMTG:なるほど。
田邊:『THE END』を出して以降、割れんばかりの声が聴こえてくるし・・・幕張メッセもそうでしたからね。自分たちの曲の強さを信じられるようになりました。
高村:今回のツアーはいままでと違う世界にいけているなと。それは幕張メッセをやったことが大きくて、何とは具体的に言えないんですけど(笑)。伝える手段を得てきているのかなと。
EMTG:そして、今回は『THE END』の後に、ニューシングルが「さよなら」って、どんだけ悲しみ野郎なんですか(笑)。
田邊:『THE END』の前は「LAST HERO」ですからね(笑)。まあ、『THE END』で完結させて、第二章のブルエンが進む中での、今回のシングルですね。日本武道館、幕張メッセでも思ったけど、ブルエンにとってバラードは大事だなと。世の中的にはまだブルエンは勢いがあるバンドと認知されていると思うんですけど。僕らはインディーズ時代の1stアルバムからバラードはやってますからね。ただ、「はじまり」以降はバラードを出してなかったので、ここに来ていいタイミングで、タイアップの話をいただけたなと。
EMTG:『THE END』の後に、この「さよなら」を出すのは、すごく腑に落ちました。『THE END』を挟まずにいきなりこのバラードが来たら、違和感を覚えたかもしれませんが。
田邊:ああ、なるほど。バンドの色がちゃんと見える形で、Jポップをやりたくなったんですよ。俺らがやったらどうなるかなと。「はじまり」はバラードというより、パワーポップ寄りだったし、今回はむしろ"さよなら"という絶望的な言葉に一度浸ってほしくて。浸ることで、見えてくる第一歩があると思うから。
EMTG:ブルエン的にもJポップ、バラードにどっぷり浸ろうと?
田邊:そうですね。お話をいただいたときに、僕は映画大好き人間なので、映画音楽の気持ちいいところはわかってるつもりで。ここだよな!って、それをやりました(笑)。バラードの良さはメロウ、切なさだと思うので、それを出したいなと。サウンド面ではそこまでJポップに寄せてないし・・・幕張メッセで歌ったときにもいままでと違うバラードになったと思うから。アコギの部分が際立っているし、同期が入ってるだけでも印象は違いますからね。結果、新しいことができたなと。
EMTG:楽器陣はどうですか?
江口:アレンジ的にはシンプルにして、細かな音作り、雰囲気作りを考えました。よりセクションを活かすためのフレーズ作りを心がけようと。
高村:ミックスにも一番時間をかけました。Jポップ、ロック、どちらにも寄り過ぎない僕ららしい音を作りたくて。キックとスネアの配置にも気を遣ったし、ドラムにも時間をかけました。
辻村:"大切な人を忘れないでほしい"というメッセージのある曲だから、演奏を含めてそれを伝えられたらいいなと。シビアで繊細な曲だからこそ、繊細にやり過ぎると、曲が大きく見えなくなるので、ブルエンらしく全力かつ壮大にやろうと。決して暗い曲ではないんだぞ、と。
EMTG:ええ。
田邊:最終的にメロディをどう際立たせるかを意識しました。エンドロールで流れたときに、ちゃんとみんなが耳を傾けてくれるようにしたくて。今回の「さよなら」の歌詞テーマが死だったり、決別というものがあるから・・・重すぎないようにしようと。自分が聴いても涙を流しつつ、大声で歌える曲にしたくて。僕らもこの話をもらったときに、長くいたスタッフが部署を移動したり、親戚の人が亡くなったり・・・さよならを告げる機会が多かったんですよ。なので、テンションが上がるバラードにしたくて。それは歌詞や音にも出てると思います。
EMTG:「さよなら」は別れを描きながらも、「あなたと歩いて行くから」という歌詞がポイントですよね?
田邊:はい。そういう一歩を踏み出さなきゃいけないんじゃないかと。大切な人との思い出と歩き続けていくとか・・・いろんな解釈ができると思うので。
EMTG:カップリングの2曲に関しては?
田邊:「Wake me up」は『THE END』に入れるつもりだったけど、ここで蔵出ししようと。この曲はバラードの真逆を行きたかったんですよ。サビはポップなので、壮絶な息抜きみたいな曲ですね。
EMTG:はははは。「さよなら」がシリアスですからね。
辻村:ブルエンらしさもありつつ、新しいこともやってますからね。
江口:ソリッドさも出しつつ、楽器の絡みの面白さも出せてるし。自由度高く、やりたい邦題にやれました。
高村:ほかの4つ打ち系の曲とは違うというか。辻村に「ダラッとした感じでやってほしい」と言われて、結果ダラッとはならなかったけど(笑)、ビシッとした気持ちでやるとはまた違う4つ打ち曲になったので、楽しかったですね。
EMTG:そして、「The Chicken Song」は江口さん初の作詞作曲ですよね?
江口:田邊以外のほかのメンバーの曲を入れようという話になって。それぞれ作ってきたけど、ほかの2曲との兼ね合いで、僕の曲が選ばれて・・・作った人が歌詞を書くみたいになってたんだよね?
田邊:なんか、我が家のルールみたいになってる。
全員:ははははは。
江口:なので、僕が歌詞も書かせてもらいました。この曲は歌詞も構成もシンプルですね。
辻村:もっとブルエンぽくもできるけど、江口の未完成な感じもいいなと。
EMTG:未完成な感じとは(笑)?
辻村:いや、田邊の曲で作り慣れてるから、それと比べると、シンガーソングライターが書いた曲ではないけど、江口の人間味が出ているなと。
江口:曲の偏差値はものすごく低いと思います(笑)。
EMTG:かわいらしいポップ感が出てますね。
田邊:ですよね? 歌ってもこの感覚は初めてでした(笑)。自分のメロディに足りないところも感じたし、勉強になりました。
EMTG:なるほど。それで今回は3曲通して、"朝"がキーワードになってますよね。朝って、物事の始まりだったりするじゃないですか。
田邊:確かに3曲ともそうですね・・・初めて気付きました。
江口:それは次の取材から使わせてもらいます(笑)。言われてみたら、そうですね。
EMTG:あと、3曲ともあなたの存在について歌った曲ばかりで。「さよなら」は既に別れた人を自分の心に入れることで、動き出す気持ち。「Wake me up」はあなたの反応を待っている自分、「The Chicken Song」はあなたがいるから、自分は行動に出ます、という内容で。
田邊:めっちゃ深い! その通りですね。
EMTG:いろんな人のシチュエーションに当てはまる3曲だなと。
田邊:僕らも気付かされたところですけど・・・そういうワードを使いたい時期だったんでしょうね。
江口:『THE END』で一度終わらせたからこそ、新たな始まりに向かおうとしているというか。
田邊:さよならと言いながらも、夜明けを歌っているということですよね? 自分たちでも考えてない、本能の部分が出たんでしょうね。
EMTG:「とどめを刺して」(「Wake me up」)と歌詞でも言ってるんですよね。要するに終わりにして、俺は次に行きたいんだと。
全員:ああー!
田邊:ストレートすぎるバンドなので、今意見を聞いて考えることができたので・・・いい時間になりました(笑)。
辻村:自分たちでは出ない意見ですね。
田邊:俺らも聞いちゃうかもね。どう思いました?って。
江口:共通点をちょっと探してもらってもいいですか?って(笑)。
田邊:『THE END』でちゃんと終わらせることができたからこそ、今回は"日の出"という意味のシングルになったんでしょうね。

【取材・文:荒金良介】

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リリース情報

さよなら

さよなら

2017年04月26日

Ki/oon Music

01.さよなら
02.Wake Me Up

お知らせ

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■ライブ情報

TOUR 2017 break “THE END”
04/26(水) Zepp Nagoya
04/27(木) Zepp Nagoya
05/07(日) 福岡国際センター

VIVA LA ROCK 2017
05/03(水・祝)さいたまスーパーアリーナ

rockin’on presents JAPAN JAM 2017
05/05(金・祝) 千葉市蘇我スポーツ公園

METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2017
2017/05/14(日)METROCK大阪特設会場
2017/05/20(土)新木場・若洲公園

06/03(土) 広島 BLUE LIVE HIROSHIMA

百万石音楽祭 2017~ミリオンロックフェスティバル~
06/03(土) - 04(日)石川県産業展示館 1~4号館

サンボマスター「今年は何かとはっちゃけたい!~2017全国ツアー~」
06/08(木) 帯広REST
06/09(金) 旭川CASINO DRIVE
06/11(日) 函館club COCOA

マキシマム ザ ホルモン「耳噛じる真打 TOUR」 06/12(月) 福岡DRUM LOGOS
06/14(水) 熊本B.9 V1

JAPAN CIRCUIT vol.56 WEST ~山崎死闘編~
06/18(日) Zepp Osaka Bayside

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017
08/05(土)・6(日)、11(金・祝)・12(土)
ひたちなか海浜公演

SUMMER SONIC 2017
08/20(日)ZOZO マリンスタジアム&幕張メッセ

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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