急成長を続けるgo!go!vanillasが、多幸感溢れる会心のロック・ナンバー「平成ペイン」をリリース!

go!go!vanillas | 2017.05.16

 2017年の一発目に開催した全国ツアーでは、ついにZepp Tokyoのステージに立つなど、ロックバンドとして急成長を遂げているgo!go!vanillas。ライブだけでなく、リリースもハイペースに重ねる彼らが、前作シングルから4ヵ月ぶりとなるニューシングル「平成ペイン」を5月17日にリリースする。ゆとりと呼ばれ、もはや悟りすらする平成世代の痛みと主張を歌いあげるナンバーは、今だからこそ歌わなければならないものだったという。ジェットセイヤ(Dr)が作詞・作曲・メインボーカルをつとめた「Ready Steady go!go!」のほか、今作は初めてアコースティック・セッションに挑戦した8,200枚完全限定生産盤のDVDも見逃せない。いまミュージシャンとしての器を大きく広げ、あらゆる角度から自分たちを成長させようとするバニラズの試みは、現在制作中だという新楽曲にもつながっていきそうだ。

EMTG:ハッピーで多幸感のあるロックンロールっていう、バニラズの原点がギュっと詰まったシングルになりましたね。
牧 達弥(vo、g):結果的になんですけどね。前々回の「ヒンキーディンキーパーティークルー 」(「Rockin’ Zombies」)と前回の「おはようカルチャー」で、いわゆる巷でバニラズらしいって言われる曲を2枚続けてリリースしてきたんです。「おはようカルチャー」は、純度の高い俺らとホリエ(アツシ/ストレイテナー)さんの融合っていうところだったし……。
EMTG:その前はTHE BAWDIESとの対比のなかでバニラズらしさを見出してたし。
牧:そう。だから今回は3部作の終わりとして、ちゃんとバニラズらしいもので締めようと思ったんです。でも、ここ最近はずっと共通したことをやってきたから、曲調として一貫性があるぶん、それでまかり通らせるのは(自分が)飽きちゃうというか。悪い言い方をすると、こなしちゃってるんです。っていうなかで、新たな自分の刺激がないと、曲は作れないっていうのがあって。今回は歌詞を追求しようと思ったところが大きいですね。
EMTG:歌詞を追求するというのは?
牧:言うなれば「ヒンキーディンキー~」は、“細かいことを言わずに遊ぼうぜ”っていう、きっかけの曲だったんですよね。そこに「おはようカルチャー」っていう、何か共通する意識を持つためのつなぎの曲があって。そこでしっかり掴み合えた人と、“もっとディープに話そうぜ”っていうところに落としたのが「平成ペイン」なんです。
EMTG:“はじめまして”では、いきなり話せないことを歌詞にした。
牧:そうですね。僕は今年で28歳になるんですけど、この年になってくると、他業種でも平成生まれの人が大きな仕事を任されてたり、生き残ってるやつはけっこう有名になってるんです。この世代がいまの社会の前線で戦う時期なんだなって思ってる矢先に、平成が30年で終わるっていうニュースを見て。「あ、これはもうヤバいな」と思ったんですよ。平成しか生きてない俺たち……っていうか、俺が書けることを、いまのうちに書いておかなきゃなっていうところから、テーマが始まったんです。
EMTG:平成世代って、いわゆる“ゆとり世代”で、それは歌詞にも出てるけど、いままでバニラズは、そういうふうに自分たちの世代を背負うような歌はなかったと思うんですよ。
牧:そうなんですよね。俺らは途中からゆとり教育が導入された世代なので、そもそもゆとり世代っていう意識はなくて。昭和と平成の両方を見てるんです。自分の意見を言う前に空気を感じ取っちゃうとか、面倒くさい衝突は生みたくないとか、平成生まれの特質もあるんですけど、俺らは運良くバンドに出会えて、結局やりたいことしかやってないし、人とのつながりを大切にすることもわかってる。だから、この曲の歌詞には、自分には当てはまらないところもあるんです。中学とか高校の友だちと会ったときに話すことも盛り込んでて。上司とか、全然興味のないやつとの飲み会を繰り返してるから、大変そうなんですよ。でも、そういうやつらの言葉のなかに、リアルな平成生まれの苦痛があって。この曲は「俺たち、ゆとりです」って言いたいんじゃなくて、何て言うんだろう……コメンテイター的な感じというか。
EMTG:ちょっと客観的に平成世代のことを歌ってる。
牧:そうそう。俺らの下の世代は、たぷたぷにゆとりに浸ってるやつらもいるし、そいつらを鼓舞する気持ちが強いんです。サビの最後も“暗闇に目が慣れているのは僕らだ……な?”っていう。実際には歌ってないけど、気持ちとしては、“な?”がある。このままじゃ絶対に日本がヤバいから。「ここから狼煙を上げんかい!」って言いたかったんです。
EMTG:ちなみに進太郎くんは、牧くんたちの3つ下だから、ゆとり世代ど真ん中?
柳沢進太郎(g):俺も小学校3~4年生ぐらいまで土曜日は授業があったので、半分ゆとりみたいな感じですね。
長谷川プリティ敬祐(ba):そのあとになると、円周率が3とかになるんだよ。
牧:3.14じゃないの!? 簡単すぎじゃん(笑)。でも平成って言っても、いま学生の子たちは、逆に厳しいですからね。ゆとりだからって苦しんでるのは、俺らぐらいで。
EMTG:そういう世代が次にくるからこそ、鼓舞する曲を歌う意味もあるんでしょうね。
牧:そう。しっかりしないと、マジで終わるよっていうところなんです。
EMTG:ところで、さっき「新しい刺激がないと、曲が作れない」って言ってたのが気になったんですけど。それは最近感じてることなんですか?
牧:『Kameleon Lights』のときにも思ってたところはあるけど、さらにって感じかな。そこは曲がどうこうと言うよりも、自分の人生だと思うんですよね。かっこいい未来を送るための今にちゃんと向き合えてるかを、より考えるようになってるんです。付け焼刃じゃない曲を作りたいというか。もちろんCDを出して、すぐレスポンスがあって、評価されるのはうれしいし、大切なことなんですけど、そこで終わってしまうのはダサいから。やっぱり10年後でも、20年後でも、ずっと聴き続けてもらいたいんですよね。
EMTG:それは、ずっと言い続けてることですよね。
牧:うん。曲を出せば出すほど、バンドの深みが増すことが重要なんですよ。その器を早いうちに広げておかないと、さっき言ってたような「バニラズらしさ」だけで押し切ってたら、そのうち息切れして何もできなくなる。ちゃんと呼吸するっていうか。自分の生活に見合った曲をフラットに出していきたいって、最近はより感じてるんです。
EMTG:なるほど。カップリングの話も聞ければと思います。「Ready Steady go!go!」はメンバーの作詞作曲シリーズで、ついにセイヤくんの番ですね。
ジェットセイヤ(dr):この曲は自分らが毎年5月5日に「READY STEADY go!go!」っていう自主企画をやってまして、そこで2年ぐらい前から言ってたコール&レスポンスを元に作ったんです。自分がパンクとかパワーポップとか、日本の古き良きロックンロールが好きだから、そういう曲にしようと思ってたんですけど。みんなでやったら、洋楽的な要素とか、長崎弁とかも入って、2017年の……現代の音で攻めるような感じになりました。
EMTG:ギターウルフから始まったセイヤくんのルーツが色濃く出てますよね。
セイヤ:そうなんです。だから音も普段よりノイジーというか、ローファイな感じで。ベースもエグい感じを出したくて、新しくエフェクターを買ってね。
プリティ:買った。みんなで牧んちに行ってデモを作ったんですけど、そのとき、牧がパソコンで作った音がかっこよかったんですよ。それをライブでも再現したいなと思って。
牧:まだ他に使う曲はないけどね(笑)。
セイヤ:いつものバニラズと真逆なんだけど、それがバニラズになっちゃうのが面白いなと思いますね。歌詞は、ライブのお客さんをイメージしてて。ライブに行くまでのお客さんと俺ら……バンドマンのぶつかり合いみたいな感じです。
EMTG:シングル恒例のカバー曲「カントリー・ロード」は、「Rockin’ Zombies」のツアー(THE BAWDIESとのスプリットツアー)のときにもカバーした曲ですね。
牧:この曲はジョン・デンバーが作ってるとはいえ、日本語の歌詞が好きなんですよ。だから、今回は全部日本語でやりたいなと思ったんです。けっこう有名なシンガーの人がカバーしてますけど、今の若手のバンドにやられる前にやろうと思って(笑)。俺たちにしかできないだろうっていうところが出てる気がします。
EMTG:アコースティックに寄せたアレンジというのはチャレンジだったんじゃないですか?
セイヤ:この曲のためにバンジョーと12弦ギターを買ったんですよ。
進太郎:バンジョーは弾いてて気持ちよかったですよ。めちゃくちゃ練習しました。最初はピックで弾いてたけど、指のほうが良いって言われて、弾き直したりして。
牧:そこの響き方が全然違うんです。エレキだったら、あんまりわからないと思うんですけど。民族楽器を使ってワールドミュージックをやってるような人たちは、思ってた以上にシビアなことをやってるんだなって思いましたね。上手いのは当たり前だって。
進太郎:いままでのカバーのなかでは随一で良いです!
EMTG:アコースティックと言えば、8,200枚完全限定生産盤付属のDVDには初のアコースティック・セッション映像が付きますけど。これ、良いですね! バニラズの曲の良さを改めて感じるし。
牧:本当に良いよね。
進太郎:これのために買ってほしいもん。
セイヤ:プリティはアコべ(アコースティックベース)も買ってますから。
EMTG:今回はいろいろ楽器を買ってますね(笑)。
セイヤ:いまは、そういうのを習得する時期なんでしょうね。器を広げてるから。
牧:最初、俺らがこういうことをやるのは、まだ無理かなと思ってたんですよ。さっきの話で言うと、生鳴りはめっちゃシビアだから。ずっとバンドでやってたことを、急にアコースティックでやるのは難しいと思ってたんですけど、やってみたら意外といけたっていう。
セイヤ:今年の夏フェスはこのバージョンでもいいんじゃない? ぐらい良いです。
EMTG:無理だと思ってたのができたのも、知らずにバンドが成長してる証拠ですね。
牧:そうなんですよ。普通にライブの音でやるより、お互いの息づかいまで感じてやらないと合わないから、間違いなく自分たちの練習にもなるんです。
セイヤ:1回ぐらいやってみたいですよね、夏フェスで。
牧:夏フェス押すなあ(笑)。
EMTG:今日のインタビューでは、いまのバニラズは器を広げてる時期っていうのがすごく伝わったから、次回のアルバムが楽しみになりました。作ってるんですよね?
牧:作ってますよ。良い曲ができてるから、次は本当にヤバいと思う。
セイヤ:でもまずは「平成ペイン」を買ってください(笑)!

【取材・文:秦 理絵】

tag一覧 シングル 男性ボーカル go!go!vanillas

リリース情報

平成ペイン

平成ペイン

2017年05月17日

ビクターエンタテインメント

1.平成ペイン
2.Ready Steady go!go!
3.カントリー・ロード

お知らせ

■マイ検索ワード

牧 達弥(vo、g)
松井秀喜
ファンの人のTwitterで「自分たちの野球チームでバニラズのユニフォームを作った」っていうのを見て、55番だったから、「松井秀喜」って返したんです。どんな顔だったかな?と思って調べました。

ジェットセイヤ(Dr)
世界堂 新宿本店
昨日、いま着てるTシャツを作りました(「JETT SEIYA」ブログ/2017年04月10日(月)参照)。世界堂で文字の型枠を買って、Tシャツ用のインクを垂らして。みなさんも自分で作ってみてください。

長谷川プリティ敬祐(b)
都内 レバー
こないだ朝起きたら、進太郎から「レバー食べたいっす」ってLINEがきてて。「どういう感じのがいい?」って聞いたら、「レバー専門店が良い」って言うから、とりあえず調べてみました。

柳沢進太郎(G)
腹筋 1日 目安
回数は種類によって違うみたいです。姿勢が悪くなってるので、ちゃんとやろうと思ってます。


■ライブ情報

go!go!vanillas TOUR 2017
09/09(土) 横浜 Bay Hall
09/10(日) 水戸 LIGHT HOUSE
09/16(土) 熊谷 HEAVEN’S ROCK VJ-1
09/17(日) 高崎 club FLEEZ
09/23(土) 神戸 Chicken George
09/24(日) 滋賀 U-STONE
09/28(木) 浜松 窓枠
09/30(土) 長野 CLUB JUNK BOX
10/01(日) 金沢 EIGHT HALL
10/06(金) 仙台 Rensa
10/08(日) 秋田 Club SWINDLE
10/09(月・祝) 盛岡 Club Change WAVE
10/21(土) 高松 MONSTER
10/22(日) 高知 X-pt.
10/26(木) 米子 laughs
10/28(土) 広島 CLUB QUATTRO
10/29(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
11/09(木) 宮崎 SR BOX
11/11(土) 熊本 B.9 V1
11/12(日) 福岡 DRUM LOGOS
11/18(土) 札幌 PENNY LANE 24
11/19(日) 札幌 PENNY LANE 24


Eggs presents FM802 Rockin’Radio! -OSAKA JO YAON-
05/21(水) 大阪音楽堂

百万石音楽祭2017 ~ミリオンロックフェスティバル~
06/03(土) 石川県産業展示館

BROKEN SCENE TOUR 2017
06/09(金) 青森 Quarter
06/18(日) 神奈川 横浜 BAY HALL

夜の本気ダンス ” No rain , new days o’ scene ” ツアー
06/22(木) 名古屋CLUB QUATTRO

MURO FESTIVAL 2017
07/23(日) 東京都 お台場野外特設会場

rockin’on presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017
08/05(土) 茨城県 国営ひたち海浜公園

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO
08/12(土) 北海道 石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ

MONSTER baSH 2017
08/19(土) 香川県 国営讃岐まんのう公園

WILD BUNCH FEST. 2017
08/19(土) - 08/20(日)
山口きらら博記念公園

RUSH BALL 2017
08/26(土) - 08/27(日)
大阪府 泉大津フェニックス

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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