THE ORAL CIGARETTES、初の両A面シングルに込めた強い想いとメッセージ

THE ORAL CIGARETTES | 2017.06.13

 今年2月にリリースしたアルバム『UNOFFICIAL』では、潔いサウンド・アプローチでポップ性を高め、ひと皮むけた感のあるTHE ORAL CIGARETTES。初の日本武道館でのワンマン公演(6月16日)を控え、たたみ込むように両A面のニューシングル「トナリアウ / ONE’S AGAIN」をリリースする。タイプの違う2曲が並んだこのシングルは、『UNOFFICIAL』のさらに上をいくメロディーとメッセージが印象的な仕上がりに。「トナリアウ」はアニメのEDテーマにも選ばれ、なんとゼロから制作したという意欲作。今回はどんな部分を伸ばしてきたのか、さっそく4人を直撃してきた。

EMTG:6月14日リリースのニューシングル「トナリアウ / ONE’S AGAIN」ですが、「トナリアウ」はアニメ『サクラダリセット』のエンディングテーマですね。この曲、かなりアニメのストーリーに寄った内容だと思ったんですが、意識されました?
山中拓也(Vo・Gt):こんなに完全な書き下ろしをしたのは、初めてな気がします。今までのタイアップは、書き溜めてきた素材の中から選んで完成させる感じだったんですけど、今回はゼロからのスタートで。だからまず原作を読ませてもらって、単純にそこから出てきたものを作ろうっていう感覚でした。
EMTG:やはり! 歌詞の世界観が完全にストーリーとリンクしていたので、そうなのかなと思ってました。ストーリーはメンバー全員で読まれたんですか?
中西雅哉(Dr):最初、本で読んだんですけど、俺は絵がないと本質がつかめないタイプなので(笑)。そのあと、アニメを見たらすごく内容が入ってきましたね。文章だけだとSFっぽい印象だったのが、アニメで見たら、SF要素は主軸というよりスパイスっぽく感じました。歌がメインになる楽曲に関しては、アニメの内容云々よりも、毎回拓也の歌ありきのドラムっていうアプローチを意識してますけどね。
鈴木重伸(Gt):僕はよくライトノベルを読んだりしていたので、抵抗なく読ませていただきました。人間関係もちゃんと描かれていて、登場人物の持つ“能力”っていう表現がSFっぽく捉えられるけど、なんか切ない話だなっていう印象です。曲の中にも軽快さと切なさがあるので、それぞれの部分が引き立つようにレコーディングでは気を遣いました。
EMTG:アルバム『UNOFFICIAL』でクリアなギターに挑戦されてましたけど、この曲でもしっかり活かされてますね。
鈴木:昔だったら考えられなかったですね、こういうギターは(苦笑)。
あきらかにあきら(Ba):僕も原作を読ませていただいたんですけど、半分くらいまで読んだところで拓也が歌詞をあげてくれたんです。僕自身はあまりアニメを見ないんですが、『サクラダリセット』は面白いと思ったし、曲を作っている時は、みんなが普段あまり追求しないところまで考えてるんですよね。この感覚ってあまりなかったなって。
EMTG:アニメによって引き出されたんでしょうね。
あきら:概念的なものを考え始めたというか。アニメでも自分達は当然だと思っていることに関して、別な角度の意見をキャラクターが発言していて、毎回発見があったんですよ。曲を作っている時も拓也から「ラスサビでこのメッセージを強く伝えたいから、その直前は少しテンションを落としたい」って言われて、いろんなパターンを考えたり。最終的には歌詞やメロディーを活かすアレンジになったと思います。
EMTG:ところで、ゼロからタイアップの曲を作るのって荷が重たそうですが、どうだったんでしょうか。
山中:そうですね。しかも、『サクラダリセット』側のスタッフさんが「オーラルに任せます」って言ってくれたんです。それぐらい信頼を置いてくれてたので、これは頑張らんとなって。でも、ストーリーを読んでいく中で、僕が詞を書く時の感覚に近いものを感じたんですよね。何か、悲しみとかマイナスなことありきで、そこに喜びや希望があるみたいな。人間の複雑な感情の交わりみたいな部分は、これまでも自分の歌詞で書いてきたことだったから、そこはすごく共感するところが多くて。結果、すごく自然に曲を作らせてもらいました。
EMTG:どこかに闇があるような世界観って、オーラルらしい部分でもある気がします。
山中:運がよかったんだと思いますね。偶然にもそういうアニメに出会えて、お話をいただいたのは。
EMTG:ここでちょっとヌルめの質問をしたいんですが、『サクラダリセット』にはいろんな“能力”を持ったキャラクターが出てきますよね。もし自分が特別な能力を持てるとしたら、どんな力がいいですか?
あきら:基本的にそんな能力はいらないんですけど、アニメの中で“人に自分の心の声を聞かせる”みたいな能力があったんですよ。メンバーのことを思うと、遅刻したり場所を間違えたりする人が1人いるんで、“今日の集合場所はここやで。起きや!”って言ってあげる能力は欲しいかな。な、まさやん(=中西)。
中西:そうやね、俺はそういうヤツのところに入りこんでいって、出かける準備をしてあげたい……ですよね、シゲさん(=鈴木)。
EMTG:話が巡ってますが(笑)。
鈴木:僕じゃないですよ、その矛先は(笑)。で、僕自身が欲しい能力は、いつも自分のことで精一杯なので、コミュニケーション能力が欲しいです。
中西:それ、“特殊能力”じゃないし(笑)。
鈴木:でも、コミュケーション能力があったら、自分らしくない人生を歩みそうで怖いですよね(苦笑)。
EMTG:先ほどからずっとアタマを抱えている拓也さんはどんな能力が欲しいですか?
山中:謝る能力が欲しいです……。あと、みんなに心の声を飛ばしたいです。“ごめん……今起きた”“場所間違えた、ごめん!”って(笑)。
EMTG:(笑)。話を戻しまして、両A面のもう1曲、「ONE’S AGAIN」は、しっとりしたイントロからグワッと展開する変化球じゃないですか。サウンド的にはオーラル節がありつつ、進化した部分も感じます。
山中:「ONE’S AGAIN」は「トナリアウ」の延長線上っていうか……曲の雰囲気は全然違いますけどね。「トナリアウ」の歌詞を書いている時は、自分を俯瞰的に見たり、『サクラダリセット』のストーリーを踏まえながら書いたので、「ONE’S AGAIN」ではもっと主観的に表現したい欲が出てきたんです。しかも、書きたいと思っていたことが、ちょうどオーラルがリアルにお客さんに伝えたかったこととも被っていて。2016年までは“まわりに流されないように自分自身を持とう”ってことをずっと伝え続けてきたんですけど、今回はもうひとつ上のレベルの話で“自分を信じることには責任も伴うけど、人のせいにはしないで”っていう。これは僕ら自身が感じていたことだったので、お客さんにも伝えたくて歌詞を書いたんです。やっぱり自分達が言葉を発している先はファンやし、やっぱりファンありきのオーラルなので。ファンと隣り合うっていう意味でも、「トナリアウ」の延長で出来た曲やから、やっぱり両A面で出さなきゃいけないかなって思ったんです。だからこそ「ONE’S AGAIN」はすでにライブでもやっているし、予約してくれた人には先行ダウンロードで配信してるんですよ。
EMTG:しかも、ライブでの高揚感は間違いない曲ですもんね。
山中:「ONE’S AGAIN」って新曲なのにライブ中に泣いてる子もいたりするんですよ。ちゃんと伝わっているんだなっていう言葉の強さを、僕ら自身も再確認させてもらってます。
EMTG:ここではシゲさんらしいギターフレーズも炸裂してますし、雅哉さんのドラムも爽快っていう中、あきらさんのベースがいい感じで引き算されていて新鮮でした。
あきら:ベースに関しては、出どころ、引きどころがわかるようになったのかな。やっぱり歌を聴いてもらいたい時は、直感的にそういう弾き方になるんですよ。
EMTG:そして3曲目の「Uh...Man」ですが、うまいタイトルをつけましたね! 曲調は完全なるオーラル節だし、歌詞にはちゃんと男性目線と女性目線があるし、ピッタリなタイトルだと思います。タイトルはどういう経緯で浮かんできたんですか?
あきら:歌詞と一緒にすぐあがったよね。
山中:結構勢いで作りました。この曲、シゲのギターリフから作ったんですよ。ずっと自分のセンスだけで歌詞を書いていると、時々シゲのセンスに触った瞬間、別の角度から生まれる歌詞もあるんですよ。その感覚が楽しくて、自分でも楽しみながら書きました。まぁ、自分でも“うまいこと言ったな、俺”って思いましたけどね(笑)。
あきら:大枠は一瞬でできたし、やっぱりシゲのリフから作るとスピード感ありますね。
山中:この曲の歌詞では、結局男の人の方が弱いんやなと。自分の歌詞にも昔から女の人は強いなっていうものが多かったんですけど、改めてそんな内容になりました。
EMTG:そうなんですよ。“私、もう決まってるから!”っていう。
山中:そうそう、“私、もう決まってるから!”感ね(笑)。
EMTG:シングルのリリース後、6月16日にはいよいよ日本武道館公演ですが……って、何度も聞いてきたので、もう言うことはない……ですよね(苦笑)。
山中:でも、武道館に関しては最近、前と思ってることが違うんですよ。日にちが近づくにつれて、感情がメッチャ変わっていくんです。前はあまりリアルじゃなかったので、“余裕やろ”って思っていたのが、演出とか映像の打ち合わせを重ねるに従って、だんだん緊張してきました。 
中西:俺も余裕かなと思ってたんですけど、春に東名阪でワンマンがあった時、なんでかわからないんですけど、名古屋(ダイアモンドホール)でステージに上がったら、客席が武道館に見えた瞬間があって。その瞬間メッチャひよったんですよ。それをキッカケに心を改めてちゃんと向き合おうかと。名古屋で喝を入れられた気がしました。
鈴木:僕は会場のステージに立った瞬間に一番緊張するタイプなので、今は純粋に楽しさが膨らんでいってる感じです。
あきら:俺も緊張してるし、ステージに上がった瞬間もさらに緊張すると思うんですけど、みんなが緊張してたらそれが伝染するから、普通にしていたいかな。
EMTG:いずれにしても楽しみですよね。もちろん、これがゴールではないし、夏はフェスもあるし、秋以降もワンマンツアーが発表されていて目まぐるしい!
山中:すでに春フェスに出た時点でライブに対する気持ちが変わってきてますからね。武道館をやったあとの夏フェスでも絶対に変化はあると思います。
EMTG:今年後半も止まりませんね! 期待してます!

【取材・文:海江敦士】

tag一覧 J-POP シングル インタビュー 男性ボーカル THE ORAL CIGARETTES

リリース情報

トナリアウ/ONE’S AGAIN

トナリアウ/ONE’S AGAIN

2017年06月14日

A-Sketch

1.トナリアウ
2.ONE’S AGAIN
3.Uh...Man

お知らせ

■ライブ情報



■ライブ情報

唇ワンマンツアー UNOFFICIAL DINING TOUR 2017
06/16(金) 東京 日本武道館

THE ORAL CIGARETTES唇ワンマンツアー2017 AUTUMN(仮)
11/01(水) 大阪・Zepp Osaka Bayside
11/08(水) 名古屋・Zepp Nagoya
11/09(木) 名古屋・Zepp Nagoya
11/17(金) 北海道・Zepp Sapporo
11/24(金) 広島・LIVE BLUE HIROSHIMA
12/05(火) 東京・STUDIO COAST
12/06(水) 東京・STUDIO COAST


DEAD POP FESTiVAL 2017
07/02(日) 神奈川県川崎市 東扇島東公園特設会場

JOIN ALIVE 2017
07/16(日) いわみざわ公園

NUMER SHOT 2017
07/22(土) 海の中道海浜公園野外劇場

ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-SPECIAL LIVE HIGH! HIGH! HIGH!
08/01(火) 大阪城ホール

rockin’on presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017
08/05(土) 国営ひたち海浜公園

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO
08/11(金) 石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ

WILD BUNCH FEST. 2017
08/19(土) 山口きらら博記念公園

MONSTER baSH 2017
08/20(日) 国営讃岐まんのう公園

SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2017
08/25(金)  山梨県山中湖交流プラザ きらら

RUSH BALL 2017
08/27(日) 泉大津フェニックス

TREASURE05X 2017 -MARCH OF TIME-
09/02(土) 蒲郡ラグーナビーチ

15th Anniversary JA共済 Presents RADIO BERRY ベリテンライブ2017 Special
09/09(土) 井頭公園 運動広場

HEY-SMITH Presents OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL 2017
09/10(日) 泉大津フェニックス

イナズマロック フェス 2017
09/16(土) 滋賀県草津市 烏丸半島芝生広場

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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