あいみょん ファーストフルアルバム 『青春のエキサイトメント』 をリリース

あいみょん | 2017.09.11

 8月にリリースされた3rdシングル「君はロックを聴かない」が全国42のラジオ局でパワープレイなどを獲得し、その存在感ある声と言葉を日本中に放ってきたあいみょん。注目度も期待度も文句なしに高まっている彼女が、いよいよフルアルバムをリリースする。タイトルは『青春のエキサイトメント』。興奮の瞬間と衝動の行方を見事に描き出した、記念すべき1stアルバムだ。

EMTG:いいアルバムが出来上がりましたね。日常生活に支障が出るくらい、耳から離れてくれません(笑)。
あいみょん:うわ、嬉しい(笑)。ありがとうございます。
EMTG:今回がメジャー1stアルバムになるんですよね。
あいみょん:はい。1枚目っていう重要さみたいなものは感じつつも、ものづくりという意味ではインディーズの時と変わらない気持ちで臨みました。デカデカとしたコンセプトがあるわけでもなく。そういうのは出来上がってからのことやと思ってるので、とりあえず今は自分がやりたいように、いいなと思う曲、いいなと思うジャケット…って進めていったら、この『青春のエキサイトメント』というアルバムが出来ました。
EMTG:エキサイトメント、つまり青春は興奮であると。
あいみょん:そうです。曲を書いている時って、目には見えないし自覚もないけど、たぶん一種の興奮状態にあるんですよ。「いい歌詞が浮かんだ!書かな!」って。夢中になって興奮してる、それって自分にとってはすごい青春なんです。
EMTG:その状態こそが。
あいみょん:音楽やってる今はめちゃめちゃ青春やし、青春の中で起きてる興奮の中からこういう曲たちが生まれましたよっていうのが今回のアルバム。青春は興奮やし、興奮してる時は青春してるってことやって思ってます。全裸でプールに忍び込むとかピンポンダッシュとかも、興奮してるからやるわけじゃないですか(笑)。
EMTG:たしかに(笑)。
あいみょん:そういう謎の興奮状態ってすごい青春やなって思うし、青春って言ってしまえば全部可愛く聞こえてしまうあのズルさが好きなんです。「あれも青春やったな」って言えば、たとえ悪いことでもなんかキレイなことのように聞こえるし。
EMTG:まだまだ青春の真っ只中と言っても過言ではない年齢なのに、すごく冷静にとらえてるんですね。
あいみょん:私自身、学生の頃にちゃんと青春してなかった気がするんですよ。もっといたずらしたり、先生困らせるくらいの悪さすればよかった(笑)。
EMTG:それって、あいみょんが大家族の中で育ったっていうのも影響してるんじゃないですか?
あいみょん:下の子って、上を見て育つじゃないですか。うちは上3人が女なんですけど、私たち3人ともアホなんですよ(笑)。そんな上を見て弟が「こういうもんなんや」って思わんように、勉強とか全く出来んかったけど、世間一般のルールというか、人様に迷惑かけたらあかんよねみたいな話はよくしてました(笑)。
EMTG:なるほど(笑)。あいみょんの同世代は、今大学生とか社会人1年生くらいですか。
あいみょん:そうですね。自分が19歳くらいの時は、大学って何しに行くんやろ?って思ってたし、目標もなく飲み歩いてばかりで大学行く意味あんの?とか思うような人もいたけど(笑)、今となっては、大学生活も経験してみたかったなと思いますね。安いからってずっと焼酎飲んでるみたいな大学生の飲み方とかも、それはそれでいいなあって(笑)。
EMTG:まさに青春という名の魔法がかかった状態ですね(笑)。でも今の自分には、音楽を作る上での衝動という青春があると。
あいみょん:ありますね。今回Hi-STANDARDのツネさん(恒岡 章/Dr.)やThe Birthdayの藤井さん(藤井謙二/Gt.)とか、自分が学生の頃から聴いてた人とも一緒にやらせてもらってるんですけど、みんな音楽に対してまだまだ研究してたりして、あぁ、これも青春なんかなって思ったりもしました。ありがたいし、いい経験させてもらってるなって思ったけど、こういうの家族に話したところで何も伝わらなくて(笑)。
EMTG:どれだけすごいことかが(笑)。
あいみょん:そう。そこだけは悔しかった(笑)。でももっと言うと、今回「君はロックを聴かない」が全国42局でラジオパワープレイになったんですけど、それも家族にとっては「だから何?」なんですよ。リアリティーがないから。
EMTG:実際、そうかもしれないですね。
あいみょん:だから私が今いちばんやりたいのは、たとえばデカい音楽番組に出るとか、分かりやすい形での親孝行や家族孝行なんです。その後で、「憧れてきたんだ」をツネさんと2人でせーのでやったことのスゴさとかを分かってくれたらいいなって(笑)。
EMTG:同感です。1曲目の「憧れてきたんだ」のこの空気感、最高でした。
あいみょん:倉庫で歌ってるみたいな感じでツネさんと2人、「行きますよ!」でガッとやったんです。音程とか外れてるところもあるけど、それもそのまま。レコーディング、すっごく楽しかったです。この曲は、このアルバムにおける「むかしむかし、あるところに」というようなもの。私は役者、アート、音楽、いろんなものや人に憧れてきてこういう曲たちが生まれたんですっていうプロローグ。前書きみたいなものですね。
EMTG:そしてデビュー曲にもなった「生きていたんだよな」から本編が始まるみたいな。
あいみょん:ほとんどが、この1年で出来た曲です。「ふたりの世界」と「漂白」はライブでもやってて、音源化して欲しいっていうファンの声が特に高かったんですよね。
EMTG:<死んだ後に天才だったなんて死んでも言われたくない>と歌われる、6曲目の「いつまでも」はどういうきっかけで生まれたんですか?
あいみょん:上京したての頃です。ここ(=所属レコード会社)で話すのもなんですけど(笑)、その頃って、家族いるのになんで上京しなあかんねんって思ってる、時間縛られてる、お金ない、でも曲作らなあかんっていう状態で、なんかもう「何やってんねやろ」と思ってたんです。こんだけ曲作ってても、結局死んだ友達がどうとか、むかし貧乏でさとか歌えば売れる世の中なんかな?もちろんそういうことを歌うことを全て否定してるわけではないけど、それって同情でしかないかもしれへん。その曲の素晴らしさとかじゃなくて、この人かわいそうとか、乗り越えるために頑張って曲作ったんやなとか思われてるだけじゃないのかなって。
EMTG:モヤモヤしますね。
あいみょん:今って、そういうところで評価される世の中なんかなって思ったんです。ゴッホは死んだ後に「ひまわり」で評価されましたけど、死んだ後に評価されたってゴッホは何もわかってないわけで。それは悔しいから、自分は絶対生きてるうちに天才って言われて死にたいってこの時期ほんま思ってたんです。死んでから天才って言われるなんて、家族がいちばんショック受ける。そんなことになるくらいなら、今どれだけけなされてもクソみたいとか言われてもいいから、生きてるうちに天才って言われたんねん!って。8曲目の「風のささやき」もたしか同じ頃に作った曲です。
EMTG:「風のささやき」では、<頑張れなんて言うなよクソが 死に物狂いで生きてんだ>とありますね。
あいみょん:私は音楽を仕事と思ってないし、楽しいからやらせてもらっているって思ってるから、「頑張って」とか言われると「何を知ってんねん」って思ってたんです。音楽は頑張れじゃない。頑張れって言われて生まれるものはないって。だってもともとは、みんな音楽って趣味で始めてるわけですからね。今はもう「頑張れ!」って言われたら素直に「ありがとう!」ってなるけど(笑)、あの頃はほんまに”今の音楽”に対してすごくいろいろ思ってた時期でした。あ、ちなみにこの「風のささやき」って、たまたま家に飾ってるオムニバスのレコードのタイトルから取ったんです。多摩川かどこかで拾ったやつ(笑)。いい言葉やなあって思って使いました。
EMTG:そんなエピソードも(笑)。しかしエピローグ的な佇まいの「漂白」まで全11曲、どれも密度が濃いです。
あいみょん:ストックは200曲ぐらいあるので、最初「この曲はシングルでいつか出したい」とか何とか言ってたんですけど、スタッフさんから「いつ死ぬかわからへんのに、出し惜しみしてどうするん」って。寝かしといて別の機会に出したとしても、その頃にはファンの熱は覚めてるかもしれへんから、今いちばんいいと思うものを入れようって言われてすごく納得したんです。
EMTG:そういう覚悟と心意気の選曲だったんですね。
あいみょん:音楽歴でいうと全然短いと思うんですよ。急に音楽の世界に入って、インディーズ1年やってメジャーデビュー。知らんことも多かったし、だんだん音楽のことを知っていくからこそ思うこととかもあってーー人間関係のこととか。上京して1年、ひとりになる時間が多い中でいろいろ考えてきたことが詰まってますね。
EMTG:1stアルバムを作り終えた今、ここからどういうものが伝わるといいなと思います?
あいみょん:音楽をやってる存在として、とにかく”認識”してほしいって思う。さっき言ったみたいに死んだ後に天才とか言われたくないけど、でも音楽はここに残していきたい。今って、名曲が残らへん時代やって思うけど、長く愛されるようなもの、残る音楽を作らへんとってずっと思ってるので、そのためにもまずはちゃんと”認識”されたいなと思ってます。

【取材・文:山田邦子】

tag一覧 あいみょん J-POP 女性ボーカル アルバム インタビュー

リリース情報

青春のエキサイトメント

青春のエキサイトメント

2017年09月13日

ワーナーミュージック・ジャパン

01 憧れてきたんだ
02 生きていたんだよな
03 君はロックを聴かない
04 マトリョーシカ
05 ふたりの世界
06 いつまでも
07 愛を伝えたいだとか
08 風のささやき
09 RING DING
10 ジェニファー
11 漂白

お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

あいみょん『青春のエキサイトメント』発売記念 “ミニライブ&サイン会”
09/15(金) 名古屋パルコ西館1F 特設イベントスペース
09/18(月) 阪急西宮ガーデンズ 4階スカイガーデン・木の葉のステージ
09/23(土) キャナルシティ博多 B1Fサンプラザステージ

あいみょん”青春のエキサイトメント” SPECIAL LIVE
09/13(水) 原宿アストロホール

TOUR2017「excitement of youth」
10/14(土) 心斎橋Music Club JANUS(※SOLD OUT)
10/28(土) 渋谷WWW X(※SOLD OUT)

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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