常にあなたの“隣”に。名古屋発EVERLONGが自身の本質を伝えるミニアルバム『RIN』をリリース

EVERLONG | 2017.12.06

 結成から6年。不動のメンバーで活動中の名古屋のEVERLONG。メロディックを基調に、ポップでキャッチー、明るく開放感溢れる彼らの音楽性は、パンク好きのみならず幅広い層に受入れられている。  ここ数年、彼らの代名詞と言えば、やはり人気曲「POPダイバー」(2015年作)や「ヨナギ」(2016年作)に代表される、リフレイン重視のポップでキャッチー、中毒性のあるサビフレーズを擁した楽曲たちであった。だがしかし、今回のニューミニアルバム『RIN』は、その辺りからも脱皮。それらに頼らずとも自身の本質をバシッと伝えることに成功している。 より伝わりやすく、聴き手各人に気持ちを重ねさせたり、合わせたり、物語を広げたりと、常に聴き手の隣に居て、その存在を感じさせてくれる楽曲が多いのも特徴的な今作。そう、姿形はなくても彼らの歌はあなたの隣に常に寄り添い、あなたを明るく照らしてくれる。それはまるで、あなたがふとした時に思い浮かべる、あの「愛しい人」と同じように…。

EMTG:EVERLONGは、元々はツインボーカルだったんですよね?
Mitsuhiro(Vo・Ba):そうでした。当初は英語詞のツインボーカルスタイルだったんです。
Yu-ta (Gt):気づけば僕が歌わなくなってました(笑)。
Mitsuhiro:元々はYu-taも歌詞を書いてたんです。当時は歌詞を書いた方が歌う決まりで。ところが僕、英語が苦手で(笑)。作るのにも時間がかかってしょうがなかったんです。で、途中から「日本語で曲を作っちゃえ!!」と。そこからですね、思う存分自分を発揮できるようになったのは。気づけば僕ばかりが書き、歌うようになってました(笑)。
KIMU(Dr・Cho): 日本語の歌詞に移行してからは、そう小難しい歌詞じゃなくても、キチンと伝えたいことを伝えられるような表現に移ってきたんじゃないかな。
EMTG:今の歌詞やメロディは、いわゆるシンプルだけど聴き手によって色々と取れるような印象があります。
Mitsuhiro:「メロコアやパンクバンドとだけでなく、様々なバンドと一緒にライブが出来るバンドになろう」「幅広いお客さんに観てもらいたい」そんな考えの下、ここまで色々と試行錯誤しながら来ました。2016年ぐらいにそれが固まってきたのかな…。いわゆる外に対して「EVERLONGってこんなグループだよ」と言えるような、代名詞となる音楽性が。
EMTG:私がEVERLONGを知ったキッカケは、2015年に発表した「POPダイバー」という曲でした。
Mitsuhiro:あれをきっかけに幅広い人に知ってもらえるようになりましたからね。おかげさまで今でもライブでは人気曲です。でも、完成した時は賛否両論でしたよ。周りからトゲのあることを言われたり…。
EMTG:そうだったんですね。一度聴いたら一緒にリフレインしたくなるほどポップでキャッチーなフレーズ感が耳を惹きました。
Yu-ta:でもあの曲は当初、アルバムの中の1曲程度で。出来た時は新しい方向性だとは思いましたが、同時に世に出す不安もありました。
Mitsuhiro:以降、「あっ、POPダイバーだ!!」と呼ばれることも増えてきたり(笑)。だけど、あの曲のおかげで、それまで出会うことの無かった新しいお客さんに多く出会えましたからね。それまで歌詞を書くのに非常に時間がかかっていたのも、あの曲以降、伝えたいことをまとめて簡潔に、あまり時間をかけずに書けるようになって。
KIMU:今でもレコーディングの当日に歌詞が出来上がったりはしていますけど(笑)。でも、あの曲以降、幅広い人が共感したり、いいねと思える歌詞や、それを伝えるポップな方法論としての音楽性に移ってきたり、確立してきたのは事実です。 
EMTG:歌詞における聴き手との距離感も、その頃から変わり始めた覚えがあります。いわゆる、その頃を境に歌っていることも広範囲から、君と僕や、あなたと私の距離感に絞られて伝えられるようになってきたような?
Mitsuhiro:その自覚もあります。それまでは色々な言葉やテーマがある中で手を伸ばしまくり、掴みまくって作ってたんですが、「ヨナギ」(2016年作)って曲が出来た頃から、自分の見える範囲でどういったものが出来るかが絞り込めるようになったんです。物語として作れるようになったというか…。
EMTG:以後シンプルで良いメロディと、伝わりやすく情景が浮かびやすい歌詞や歌への移行が感じられます。今夏のシングルも含め、今回のミニアルバムは、逆にそのポップでキャッチーな面に頼らない作風ですよね?
Yu-ta:その辺りは自分たちでも作り終えて、“ああ今回はこういった作品になったんだ…”って感想なんです。
Mitsuhiro:見た目からもおわかりの通り、元々ポップな人間じゃないですから、僕(笑)。そういった自分の本質や素の部分も出していかないと、と。この『RIN』に関しては、それを技術の向上も含めて表現出来たし、発揮出来たんです。  
EMTG:より伝えたいこと、歌いたいことの本質に根づけたと。
Mitsuhiro:それもあって、『RIN』には「POPダイバー」のようにキャッチーでリフレインしたくなる曲があまり無いのかも。正直、迷いました。いわゆる、多くの人が求めているのは、「POP ダイバー」みたいな曲なんだろうけど、やはりあの曲は、あの曲でしかないし。いつまでもしがみついているわけにもいかない。だったら卒業して、新しい自分たちを探ったり、これだというものを提示しようと。元々今回は「シンプルでいい」と最初に決めてから作り始めましたから。
EMTG:それは?
Mitsuhiro:結果、カラフルなものや色々な種類があってもいいけど、やはり伝えたい部分を重視し、それらに合ったサウンドで勝負しようって。
Yu-ta:これまでは収録曲が7曲だったら7通りの違ったサウンドや表現をしなくちゃ不安だったんです。それがここ最近は、逆に歌の世界観に合わせたアレンジを中心にして、それによって似たような曲が出たら、それはそれでいいやって。特に今作は歌詞もシンプルで伝わりやすく、物語や光景が浮かびやすいものが多いので、アレンジやサウンドもあえてシンプルにしてみたんです。逆にちょっとずつ曲が被っていて、曲が繋がっている感を出すのも面白いかなって。
EMTG:分かります。今作はコンセプチュアルな面も擁してますもんね。
Yu-ta:アルバム1枚で大きなひとつの物語を描けていたらいいなと思ってました。
KIMU:歌がメインなのは変わらずですが、歌やボーカルが最も伝えたい箇所をより引き立てるドラミングを意識しましたね。アレンジもかなりシンプルになった分、シンプルでかっこいい、それでいて耳に残る。そんなイメージを持って叩きました。
EMTG:ドラムも全体的にタイトですが、印象深いところも多々ありますもんね。
KIMU:レコーディングにもだいぶ慣れてきたのか、かなり抽象的なリクエストでもパッとイメージが浮かんで、叩いたり演奏出来るようになったんです。特に今作はそこまで叩くのに苦労はしなかったし。やりたいことが出来つつ、それがキチンと曲にマッチする。そんな理想のドラミングが出来ました。
EMTG:歌詞はいかがですか?色々なシチュエーションや物語はあるものの、全て共通し一貫したものを感じました。
Mitsuhiro:よりシンプルに伝えた分、正直、最初は恥ずかしさもありました。「こんなにストレートで伝わりやすくて大丈夫かな?」って。だけど言いたいこと、伝えたいことはこれなんだし、あえてこの方法論で伝えてやれと。それが形や音となって表れたのが今作なんです。
Yu-ta:ここ最近は真っ直ぐな歌詞が増えたんで、ある程度予想はしていましたが、それを遥かに上回る歌詞で来ましたからね。逆に今回のメロディたちは強いものが多かったんで、これぐらい強烈な歌詞の方が両立してハマるだろうと。
EMTG:ロマンチックとセンチメンタルが合わさった歌詞が耳を惹きます。
Mitsuhiro:僕の本質をようやく伝えられました(笑)。歌詞に関してはシンプルな分、より自分を重ね合わせたり、自分なりの物語や情景が浮かびやすくなるように、あえて聴き手が楽しめる余地を残してます。そこで自分なりの解釈や受け取り方をして欲しくて。例えば、「オモイビト」にしても、恋人に限定せず、家族や親友、その他、自分のパッと思い浮かんだ、愛しいものに対しての歌だと思ってもらいたくて。曲によっては、自分の過去を振り返る人もいれば、未来に思いを馳せる人が居てもいい。結論や結果、各曲での物語の続きは聴き手に委ねてますから。
Yu-ta:歌詞もそうですが、歌表現のアップも関係してますよ。それが上がった分、逆に何をやっても大丈夫、どんなアレンジにしても歌いこなしてもらえる、そんな安心感がありました。それもあり、これまで挑戦したくても出来なかった試みも色々としてます。
Mitsuhiro:実は僕、歌の表現力を上げたくてボイストレーニングを受け始めたんです。それもあり、これまで以上に高いキーも出せるようになったし、高低の幅も出せるようになって。おかげさまで色々と試してみました(笑)。
Yu-ta:表現の幅が広がった分、むっちゃ作るのが楽しくなりましたからね。より可能性が広がった。そんな作品でもありました。
EMTG:あとは先ほど、Yu-taさんが「今回はアルバム1枚で1曲のような物語性を持っている」というのも分かります。
KIMU:曲順は僕が決めました。1曲目から順に聴いていき、最後の「ペイン」で終わってまた一曲目に戻る。そんなループ感を意識しました。
Mitsuhiro:結果、M1の「near」で歌っているあえて答えを出していない問いを、各曲を通して答え合わせをしていくイメージになりましたね。アルバムタイトルの『RIN』は、「隣」のことで。どの曲も各人が自分の気持ちや思いを重ねて、実体はなくとも実際にその思い浮かんだ人を隣に感じてもらいたくて、このタイトルにしました。この作品も同様で、是非あなたの隣に居てもらえる、居ることを感じ続けてもらえる作品になれたら嬉しいです。

【取材・文:池田スカオ和宏】

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リリース情報

RIN

RIN

2017年12月06日

LD&K

1. near
2. I
3. オモイビト
4. 卒業探し
5. セロ
6. イサナ
7. ペイン

お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

EVERLONG presents あなたの隣で歌いたいツアー2017-2018
2017/12/17(日) 千葉LOOK
2018/01/11(木) 京都MUSE
2018/01/24(水) 神戸太陽と虎
2018/01/28(日) 東京 TSUTAYA O-Crest
2018/02/13(火) 広島CAVE-BE
2018/02/17(土) 大阪2nd LINE
2018/02/24(土) 名古屋Electric Lady Land


下北沢にて’17
2017/12/02(土) 下北沢GARDEN 他

SMASH UP presents FOR THE CHILDREN TOUR
2017/12/03(日) 岡山CRAZY MAMA2ndROOM

All Found Bright Lights presents nautilus tour 2017-2018
2017/12/09(土) 渋谷TSUTAYA O-Crest

TRUST NIGHT2017 B.B STREET 20th Anniversary
2017/12/10(日) 横浜B.B STREET

HOTSQUALL×LONELINESS presents ALRIGHT!!! TOUR 2017-2018
2017/12/23(土) 北浦和KYARA

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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