結成10周年を迎えたSAKANAMONが放つ、聴きごたえ抜群のフルアルバム『・・・』(テンテンテン)が遂に完成!

SAKANAMON | 2018.01.16

 昨年の11月に結成10周年を迎えたSAKANAMONが、フルアルバム『・・・』を完成させた。鋭い切れ味のギターサウンド、叙情的なメロディ、極上のダンスビートなど、心地よい要素が満載された1枚だ。シュールな物語、ダイナミックな妄想、斬新なアイディアも随所で発揮されている今作は、「生身の人間による表現=ロックバンド」に渦巻くフレッシュなエネルギーを堂々と示してくれる。メンバーの藤森元生(Vo・G)、森野光晴(B)、木村浩大(Dr)に、こめた想いを語ってもらった。

EMTG:10周年に関しては、どんなことを感じています?
藤森:気を張りながら10年間続けてきたわけではないんですけど、音楽が好きでやってきたら、こうなっていました。それをこれからも続けようという意思表明を今回のアルバムに収録した「ロックバンド」という曲でしています。これからもこんなノリで頑張ります!
森野:最初の頃のSAKANAMONは、「楽しい!」っていう学生バンドの延長みたいな感じだったんですよね。打ち上げで美味しいお酒を飲むだけのためにやっていましたから。
藤森:初期は「音楽居酒屋」っていう設定で、僕は「店長」だったんですよ。
木村:僕は「アルバイト」っていう設定だったんで、それが今でもむかつくんですけど(笑)。「店長(藤森)」「契約社員(森野)」「アルバイト(木村)」でした。
EMTG:そんなブラック企業だったSAKANAMONが、創業10周年ですよ。
森野:そうですね。考えてみると、かなりブラックだったなあ(笑)。
EMTG:(笑)わいわいがやがやと楽しんできた面も大きいんですね。
藤森:はい。そういうのが好きなんですよね。バナナマンとかさまぁ~ずみたいにお互いにリスペクトし合っていて、友だちみたいなノリもありつつ、本職のコントとかも面白いっていうのが。そんなバンドがいいなと思っているんです……っていうのを考えながら続けてきたわけじゃないんですけど。
森野:そうじゃないんかい!
木村:「そう思って続けてきました!」って言い切ればいいのに(笑)。
EMTG:(笑)今回のアルバム、全体像に関して「こういう1枚にしよう」っていうのは、ありました?
藤森:10周年なので10曲というのは、前作の『cue』を作った頃からなんとなく考えていました。でも、それくらいでしたね。
EMTG:切れ味抜群なサウンドを堪能できる1枚ですね。「STOPPER STEPPER」や「DAPPI」とか、ライブでも盛り上がりそうです。
藤森:その2曲は、僕のいつもの自己暗示、自己肯定、劣等感、卑屈感とかも出ている曲だと思います。
EMTG:「卑屈」って負のイメージが強い言葉ですけど、そういうものをポジティブな風味で描けるというのは、SAKANAMON節を感じるところです。
藤森:そういうのを感じて頂けると嬉しいです。何て言うんでしょう? ……端っこにいたいんです。「マッチョで王冠をつけためっちゃ強いやつがいるのに、その横にちょこんといるヒョロっとしたやつが本当は一番強い」みたいなのが、かっこいいと思っているんです。
森野:RPGの戦士じゃなくて魔法使いタイプ?
藤森:そういうことかも。鬱屈したものを抱えている人の心の支えになれたらいいですね。
EMTG:森野さんが作曲をした「凡庸リアライズ」も、アルバムの中で存在感を放っていますね。
森野:せっかくなので、藤森くんが作らないような曲にしたかったんです。ちょっとインディーロックっぽい感じのサウンドだと思います。
木村:森野くんが曲を作っている姿を見ながら、僕は「大変そうだなあ」と思っていました。移動中やリハの合間とかも、ずっとパソコンを開いて打ち込んだりしていましたからね。「そんなパソコンが好きか?」って思っていたら、曲を作っていたんです(笑)。
藤森:僕は飽き性なのでいろんな曲を書くんですけど、やったことないものをみんなで形にしてけるのというのは、とても嬉しいことです。
EMTG:新しいことを面白がれる3人であるというのは、SAKANAMONが、こうして10年間続いてきた理由の1つかも。
森野:そうですね。みんな柔軟ですから。
EMTG:例えば「乙女のKANJOU」は、柔軟な発想の極みですね。サイコロ賭博用語を使って乙女心を見事に描いているじゃないですか。
藤森:こういうのは大体思いつきです。「乙女のKANJOU」に関しては、「変拍子の曲を作ろう」っていうのがまずあったんです。
EMTG:声をかけられた外国人男性につきまとわれる様を描いた「DAVID」もすごいですね。シュール極まりない曲です。
藤森:この曲に出てくるDAVIDって誰なんですかね?
EMTG:訊かれても困ります(笑)。
木村:彼の正体は、誰もよくわかっていない曲です(笑)。
森野:これは今回の中で最後にできた曲なんですよ。だから吹っ切れているんだと思います。
EMTG:サウンドは今作中、一番おしゃれなシティポップ風味ですけどね。
藤森:都会の曲にしようと思っていたんです。僕の中でのイメージは渋谷です。もうすぐオリンピックですし、国際的な曲を作っておこうと思ったんです。
森野:彼はおしゃれな曲ほど、こういう歌詞をのせたくなっちゃうんですよね。そういう良い意味での悪い癖が出ている曲です。
木村:かっこつけようとして、かっこつけるのが恥ずかしくなっちゃうタイプなんです。
藤森:かっこいい曲でかっこいい歌詞のものは、世の中にたくさんありますからね。それに、アルバム全体のバランスを考えると、いろんなことをやりたくなるんです。いろんな種類のものを食べたくなるのと同じですよ。
EMTG:「音楽居酒屋」の店長としての心意気を感じます。
藤森:小鉢でいくつも出したいんです。
EMTG:今回、「ケーキ売りの女の子」っていう曲もあるし、デザートまで出るというわけですね。
藤森:本当だ! 計算通り(笑)。
EMTG:(笑)女の子に取り合いされる様を描いた「SYULOVER」は、ある意味、男の夢を描いていると言えるのではないでしょうか?
藤森:そうですね。前から温めていたアイディアを形にしました。ダメな男を素敵な女の子2人が取り合う画を作りたかったんです。
森野:僕は、この曲の中に出てくる藤森元生に、すごくむかついています(笑)。
木村:森野はむかつくかもしれないけど、僕はキモすぎて(笑)。現実にこんなやつがいたら直視できません!
藤森:ニートで、女の子にお金を貰って、デートの待ち合わせに来なくて……って、この男、つまりヒモだね。しかも、どっちの女の子も選べなくて、他の女の子のところに行くという。
EMTG:そういう最悪な男をゲストボーカルで参加したせんせい(東京カランコロン)とタカハシマイさん(Czecho No Republic)に取り合って頂いたわけですね。
藤森:はい(笑)。
EMTG:この曲も、サウンドと歌詞のギャップがすごいです。
藤森:ジャクソン5みたいなのをやりたかったんです。僕は曲を作る時、大抵、誰かをイメージするんですけど、参考にするために聴き込んだりはしないんです。似たものになるのは嫌なので。「STOPPER STEPPER」も、そういう作り方でした。これは、仮タイトルが「久保田利伸」だったんですよ。
森野:久保田さんとは全然違う感じの曲だけど(笑)。
藤森:うん(笑)。僕の想像の中での「久保田利伸」なんです。
EMTG:久保田さんにしてみたら、「これ、俺ですか!?」って感じでしょうね。
藤森:きっとそうでしょう(笑)。その人の声で頭の中で歌うんです。そうすると、いつもとは違うメロディが出てくるのが面白いんですよね。
EMTG:なるほど。こういう遊び心の炸裂している曲もいろいろある中で、「反照」が異彩を放っていますね。少年時代の夏の甘酸っぱい風景が伝わってきます。
藤森:曲調は我々の王道の疾走系ロックです。いい曲を狙いました。『君の名は。』の世界のような……全然違うけど(笑)。
森野:またイメージと実物と全然違うパターンだ(笑)。
木村:若い頃、モテなかったから、こういう曲ができるんだろうね?
藤森:そうだと思う。憧れ、恨み、つらみ、妬みですね(笑)。それをきれいなものに昇華したのが、「反照」です。
森野:きれいな曲でありつつ、サビが1回しかないところに天邪鬼な感じが出ていて、そこもSAKANAMONらしいのかもしれないですね。
藤森:1回しかないサビが、通り過ぎる夏な感じなんです。
森野:昔の藤森くんは、抽象的な表現が多かったんですけど、最近、変化している気がします。架空の世界を描くことによって具体的なイメージが湧く曲が増えているんですよね。「反照」もそういう曲です。
藤森:同じようなことはしたくないから、「想像して作っちゃえ」っていうモードが最近、多いんです。抱えている鬱屈した部分は、今までの曲で結構言えちゃったので。もちろん、いろいろな別の形で表現することもできるんですけど、それ以外のチャレンジもするようになっています。
EMTG:新しい作風も発揮された今作のタイトルは『・・・』。読みは『テンテンテン』ですけど、これは3人分の10年(ten/テン)という意味ですか?
木村:そういう意味もありますし、「10が3つで30」という意味もあります。
藤森:我々は今年、全員30歳になるんですよ。そして、「これから続いていくよ」の「・・・」でもあります。
EMTG:ジャケット写真も『・・・』に合わせて、ドット加工なんですね。
木村:僕、昔からドットになってみたかったんですよ。
森野:どういうこと?
木村:小学校の頃、親父をパチンコ屋から連れて帰る時に、パチンコ台の画面のドットの数字を見て、めちゃくちゃきれいだなと思ったんです。
森野:だったらドット絵職人になればいいじゃん。
木村:え?
藤森:ドット絵、子供の頃に描いたよね?
木村:……「ドットの絵が好きだったから、今回、嬉しかったです」っていう話なのに、なんで「だったらドット絵職人になればいいじゃん」って話になる? そんなにお前(森野)、性格が悪いのか(笑)。
森野:そんなつもりはないよ。
木村:しかもお前(藤森)も、「子供の頃、描いたよね?」って、話に乗っかって広げるし。
藤森:昔、5mmマス目のノートを使って、ドットの絵を描いてたなあ。
木村:人の話を聞けよ!(笑)。
EMTG:(笑)こんな3人のドキュメンタリー映画『SAKANAMON THE MOVIE ~ サカナモンは、なぜ売れないのか ~』の撮影が、10周年プロジェクトとして進行中ですね。
木村:ライブの時に「映画を撮ります!」って発表して盛り上がったのに、「サカナモンは、なぜ売れないのか」っていうサブタイトルを言った瞬間に、お客さんに爆笑されたのが忘れられません(笑)。
藤森:ギャグ要素も入ったものになるのかな?
森野:どうだろう? 清水監督(清水康彦:スペースシャワーTVで放送されたドラマ『スリーピース~とあるクソバンドが自然消滅するまで~』や、「TOWER」のMVを手がけるなど、SAKANAMONと縁が深い)は、何を考えているかわからないからな(笑)。
藤森:でも、面白くなるのは確実だと思います。
EMTG:あと、アルバムのリリース後はワンマンツアー。ファイナルの5月19日はZepp Tokyo公演ですね。
藤森:はい。Zepp Tokyoでのライブは、DVDにもなるんです。ライブが丸々DVDになるのは初めてなんですよね。
木村:やることがいっぱい見えてきているので、1つ1つのことに一所懸命向き合いたいです。今まで届かなかった人が多いので、「届けばいいなあ」っていう感じです。
森野:せっかくの10周年なので盛り上げて、今まで活動してきた結果を出せたらいいなあと思っています。
藤森:この10周年の後のことも、そろそろ考えないと……。どうしよう?
木村:暗っ! インタビューを明るく終われよ(笑)。やり直し!
藤森:ええと、いろいろ楽しみです。未来の自分のためにも頑張ろうと思います!
木村:「俺たちがSAKANAMONだ!」って、かっこつけて言え(藤森に耳打ち)。
藤森:え? ……俺たちがSAKANAMONだ! なんかまとまらないなあ(笑)。まあ、来年から聴き始めたら楽しい2018年を逃すことになるので、よろしくお願いします。

【取材・文:田中大】

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リリース情報

・・・

・・・

2018年01月17日

TALTO

1.ロックバンド
2.STOPPER STEPPER
3.乙女のKANJOU
4.DAVID
5.SYULOVER
6.凡庸リアライズ
7.テヲフル (・・・MIX)
8.反照
9.ケーキ売りの女の子
10.DAPPI

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■マイ検索ワード

藤森
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この前、テレビで『君の名は。』がテレビで放送された時、4人ぐらいと同時にLINEをしながら観たんです。楽しくて、「Blu-rayを買って、みんなで観ようかな」と。買おうかどうか、今、考えているところです。


■ライブ情報

SAKANAMON結成10周年「・・・」リリース記念ワンマンツアー “延々々”
04/05(木)[香川] 高松TOONICE
04/06(金)[広島] Cave-Be
04/07(土)[福岡] INSA
04/13(金)[仙台] LIVE HOUSE enn2nd
04/15(日)[北海道] 札幌DUCE
04/20(金)[愛知] 名古屋クラブクアトロ
04/21(土)[大阪] 梅田BananaHall
04/26(木)[新潟] 新潟 GOLDEN PIGS BLACK
04/27(金)[石川] 金沢vanvan V4
05/19(土)[東京] Zepp Tokyo

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。



SAKANAMONモバイルファンクラブ、1/17OPEN!!

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「帰ってきた ザ・サカなもんズ」

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