FIVE NEW OLD メジャー1stアルバム『Too Much Is Never Enough』

FIVE NEW OLD | 2018.01.31

 FIVE NEW OLDがメジャー1stアルバム『Too Much Is Never Enough』を完成させた。約2年半ぶりのフルアルバムとなる本作は、既発EPより「Stay (Want You Mine)」「By Your Side」に加え、リアレンジした「Ghost In My Place」を含む全12曲入り。彼らがここ数年挑戦してきたアーバンなポップロックというサウンドアプローチの集大成であり、さらなる一歩を踏み出した意欲作に仕上がっている。メンバーのHIROSHI(Vo, G)、WATARU(G, Key, Cho)、HAYATO(Dr, Cho)に、この自信作に込めた思いを語ってもらった。

EMTG:2017年は「WIDE AWAKE EP」「BY YOUR SIDE EP」のリリース、メジャーデビュー、初のワンマンライブ、主催イベント、ツアーと、傍目には躍進の1年だったように思います。実感としてはどうですか?
HIROSHI:自分達の活動によりフォーカスした1年でした。今まではほかのバンドのツアーに呼ばれたり、対バンすることが多かったので、ここまでFIVE NEW OLDが主軸になって動いた年はなかったですね。
HAYATO:本当にいろんなことがありすぎて。前進できた1年だったなとも思うけど、メンバーが減って3人でやっていこうってなったのもひとつの大きなポイントだったし、メジャーデビューしてまだまだ今の僕らじゃ足りてないなと思う部分もある。ここから2018年、このアルバムとツアーでより一層大きくなっていけるんじゃないかなっていう予感がしてます。
WATARU:「BY YOUR SIDE EP」でメジャーデビューして以降、1つひとつ集中して考えられる環境になったなって実感していて。ライブしかり作品制作しかり、より責任感を持つようになりましたね。いろんな人に聴いてもらうためにはどうしようかとか。
HAYATO:去年はメンバーだけで話し合うことも多かったです。喋るべきことがいっぱいあったので。
EMTG:ベーシストYOSHIAKIさんが抜けるという出来事もありました。
HIROSHI:はい。新しくメンバーを入れるんじゃなく、今はこの3人でやっていくつもりですね。YOSHIAKIが去ったことによって、ショックも大きかったですけど、そのぶん3人の絆は深くなったし、ここからチームみんなでひとつになってやっていくぞっていうモードになりました。今は、FIVE NEW OLDというバンドで何を表現していくか、どういう思いを持って音楽をやっていくか、っていうことにフォーカスしてますね。すごくポジティブな気持ちです。
EMTG:アルバムには、3人体制になってからできた曲と、それ以前の曲が混在しているんですね。詰めの作業は3人になってからだと思いますが。
HIROSHI:そうですね。もともと曲作りは、僕とWATARUでデモを作ったあと、ほかの2人に聴いてもらうっていうプロセスでずっとやってたので、デモ作りの段階でやってることは変わらなくて。だけどプリプロの段階で、全員一緒にスタジオ入ってドンッと演奏するというあんまりやらなかったことをやってみたり、3人でイーブンにやる作業が増えました。
HAYATO:もっと生身のあるバンドになりつつあるんかな、と思います。今まではどちらかというとデジタルな感じ、デスクトップ上で共有してから体に入れていくっていう制作スタイルだったんで。
WATARU:曲が持ってる以前の、もともとの3人のグルーヴというか。それが強化されたよね。
HIROSHI:技術ではないところね。また、それが自信を持って聴かせたいレベルのものにちゃんとなってるなって実感できたんです。正直、プレイヤーとして努力を重ねないといけないっていう思いばっかりが大きくなって、自分たちの魅力を再発見する機会が最近はずっとなくて。そういう意味で、もともと自分たちが持ってるグルーヴを知ることができたっていうのは大きかったし、自信につながりましたね。
EMTG:タイトルの『Too Much Is Never Enough』は直訳すると「たくさんありすぎるけど、まだ足りない」。どういう意味合いで付けたか教えていただけますか?
HIROSHI:パッと取ったら「まだまだやりたいことがある」という意味なんですけど、いろんな思いを込めてて。自分たちは今、すごく情報過多な社会の中で生きてますよね。音楽もストリーミングでたくさん聴けて、映画も見たいときに見れて。そういう状況にいると、便利すぎてかえって後回しにしたり、面倒くさくなってくるというか。いろんなものをよりどりみどり選べて、何が大事なのか簡単に見失ってしまう。そういう多様化した“Too Much”な時代に、本当に大切で、本当に実りのあるものはどうやって見つけていけばいいだろうって。すごく難しい問題で、僕たち自身も答えは出てなくて。だから“Too Much”、でもまだ足りない。そういう葛藤を表してます。本当に大切なものはどこにあるのか、それぞれにちゃんと考えていこうっていう意味も込めました。僕たちは僕たちなりの答えを見つけようとするし、聴く人も何かしらの答えを見つける足がかりになればいいなと。1stアルバム「LISLE’S NEON」以降、「GHOST IN MY PLACE EP」「WIDE AWAKE EP」「BY YOUR SIDE EP」と出して、ここに至るまでずっと僕が思ってきたのはこういうことかな。それをアルバムに詰め込みました。
EMTG:なるほど。
HIROSHI:音楽的にもそれに対するアプローチとして、過度な装飾はしませんでした。自分たちを偽るようなクオンタイズだったり、ピッチの修正だったりもなるべくせず。このバンドのコンセプトに、「One More Drip」というのがあって。僕らの音楽が、聴く人の生活を彩るエッセンシャルなものであってほしい。そういうものを届けるためには、やっぱり自分たちも余計な着飾りはしないほうがいいと思ってます。
HAYATO:作り方もすごく柔軟になったというか、どの曲も長時間はかからずにデモができてるんですよ。人に「これいいよ」って言われたことを素直に受け止めて出したという感じです。
EMTG:「Gold Plate」のサウンドプロデュースでMONJOE(DATS、yahyel)、「Liberty feat. 踊Foot Works」に踊Foot Works、リアレンジされた「Ghost In My Place (Album ver.)」に谷本大河(Sax / SANABAGUN.)、「Good Life feat. Stamp」にタイの人気シンガーソングライター・Stampと、ゲストラインナップは実に多彩ですね。
HIROSHI:「Ghost In My Place (Album ver.)」は、前作の収録曲にも参加してくれた大河がもう一度協力してくれることになって、せっかくなら大河のジャジーなサックスを生かした新アレンジにしてみようかと。踊Foot Worksは、僕たちもヒップホップをかけ合わせたような曲はやりたいなと前から思ってたのと、アルバムで日本語詞もやってみようかなという気持ちはありつつも、自分の中でぴったりくる言葉がなかなか見つけ出せずにいて。そんなとき踊Footの語感の良さとかメロディのポップさにどこかシンパシーを感じて、もともとあった「Liberty」っていう曲を一緒にやってみることにしました。
HAYATO:この曲は完全にコライトで、2バンド共同でスタジオに入ってワイワイ言いながら楽しくやれましたね。
HIROSHI:あとStampさんは、スタッフさんの紹介で知ったんですけど、僕たち自身も海を越えたいって思いがバンドとしてありましたし、今、アジアのポップスもよりオーバーグラウンドになりそうな兆しがあるので。で、どうせだったら先ほど言った、僕がこのアルバムに抱いてるテーマを理解してもらって、文化の違う人とも共有できないかなと思ったんですね。「Good Life feat. Stamp」の歌詞には『Too Much Is Never Enough』という言葉がズバリ入ってて「こういう思いなんだけどどう思う?」と聞いたら、Stampさんも同じようなことを感じてくれてて。だったらこの曲をやるべきだなと思いました。思いが海を越えてつながった、僕たちなりのアンセムだなと思う1曲です。
EMTG:ほかのアーティストと制作を共にしてみて得たものは?
HIROSHI:MONJOEも含めてみんな多種多様なやり方で。それぞれのスタイルを見られたのは面白かったですね。でも僕たちの曲に参加してくれる以上、僕たちがはっきり意思を持って伝えることは意識してました。やっぱりみんな才能にあふれてるから、こっちがちゃんと集中してないと彼らのモノになりかねないぐらい、エネルギーを持ってるので。ラフで良い雰囲気ながらも真剣な現場ではありましたね。
EMTG:曲順に関してはどう考えましたか? 私はすごい良いライブのセットリストみたいだと思ったんですが。踊れる軽快な楽曲群から始まって、7曲目「Good Life feat. Stamp」でオーディエンスとの一体感が増幅して、次のインタールード「My Sacred Chamber」からギアが変わってギターロックチューン「Halfway Home」で盛り上げ、みんなで一緒に歌えるアンセム「By Your Side」。そしてネスクトフェーズを思わせる「Gateway」で締めくくる……という。
HAYATO:かなり悩みました。肝はインタールードの「My Sacred Chamber」をどこに置くかでしたね。それでアルバム全体が変わると思ったんで。「Gateway」が絶対に最後っていうのは決めてて譲れなかった。バーンと扉が開けてちょっとした光が見える、そういうものを曲から感じて、「これは最後でしょ」ってずっと言ってました。
EMTG:アーバンなポップスはテクニックが必要ですし、今や多くの手練が活躍してますから、イミテーションだとすぐリスナーに見抜かれると思うんですね。そんな中、FIVE NEW OLDは楽曲自体もプレイも洗練されていってる印象を受けます。借り物感がないというか。
HIROSHI:僕たちは音楽を学術的に習ってきた音大卒みたいなタイプではないので、それがコンプレックスでもあったんです。でも今回、それを受け入れた上で鳴らして初めて自分たちの本当の音が出せたような気がしました。そうできるようになったのも、自分の中から生まれてきた曲を変に捻じ曲げないで表現したからだと思うんです。アルバムのジャケット写真とかアーティスト写真も、3人で普通に演奏してる姿を撮ってもらったんですよ。このグルーヴを、写真含めパッケージに残すことができて僕は一番うれしかったというか、自分たちのありのままが出せてよかったなと思います。
EMTG:前回のインタビューで「唯一無二の存在になりたい。それには覚悟も必要だと思う」というふうにおっしゃっていましたが、“このバンドにしか鳴らせない音”は以前よりハッキリ見えてきていますか?
HIROSHI:やってみて見えたという感じですね。インタビューを何本か受けて、最後の「Gateway」で次のフェーズを感じるって皆さんに言ってもらえるんですね。僕たちとしては「これが次のチャプターだよ」って提示したつもりはなくて、自分の中に当たり前にあるものを出したら皆さんが「新しい」と感じてくれただけなんですよ。だから僕らにはまだまだ見せてない一面があるってことだと思うし、自分たちが当たり前だと思ってることが意外と新鮮に受け取られるのかもしれない。そこにこそ、自分たちにしかないものが宿っているんじゃないかなっていう。それがわかったような気がします。

【取材・文:鳴田 麻未】

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リリース情報

Too Much Is Never Enough

Too Much Is Never Enough

2018年01月31日

TWILIGHT RECORDS

1. Sunshine
2. Ghost In My Place (Album ver.)
3. Gold Plate
4. Dance with Misery
5. Liberty feat. 踊Foot Works
6. Stay (Want You Mine)
7. Good Life feat. Stamp
8. My Sacred Chamber
9. Halfway Home
10. By Your Side
11. Young & Dumb
12. Gateway

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

Too Much Is Never Enough Tour
02/04(日) 新代田 LIVE HOUSE FEVER
02/09(金) 奈良 NEVER LAND
02/10(土) 京都MUSE
02/12(月・祝) 松本 Sound Hall a.C
02/17(土) 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
02/18(日) 宇都宮 HEAVEN’S ROCK VJ-2
02/24(土) 新潟 CLUB RIVERST
2月25(日) 水戸 LIGHT HOUSE
03/03(土) 札幌 SOUND CRUE
03/08(木) 高崎 club FLEEZ
03/21(水・祝) 岡山 CRAZY MAMA 2nd Room
03/24(土) 福岡 Queblick
03/25(日) 広島 Cave-Be
04/01(日) 名古屋 APOLLO BASE
04/07(土) 心斎橋 Music Club JANUS
04/14(土) 渋谷 WWW

メリーロックの恩返し2018 -repay for MERRY ROCK PARADE-
02/11(日)名古屋 E.L.L

HIROSHIMA MUSIC STADIUM -ハルバン’18-
03/11(日)CLUB QUATTRO / SECOND CRUTCH Cave Be / BACK BEAT / SUMATORA TIGER タワーレコード広島店 / アリスガーデン(11日のみ)/楽座(11日のみ)

TriangleCircle "ZERO"
03/13(火)高知ri:ver

FACE IT!!@大分club SPOT
03/15(木)club SPOT

HAPPY JACK 2018
03/17(土)熊本B.9、Django、ぺいあのPLUS’

SANUKI ROCK COLOSSEUM
03/18(日)
[有料会場]高松 festhalle、高松オリーブホール、高松 DIME 高松 MONSTER、高松 SUMUS Cafe
[無料会場]瓦町駅地下広場、786FM 香川ステージ

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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