ココロオークション、メジャー1stアルバム『Musical』は新たな未来を切り拓く渾身の1枚

ココロオークション | 2018.03.28

 ミディアムな楽曲が中心の選曲。これまで以上に風景や光景の中に自身を佇まさせてくれるサウンドや歌詞。以前にも増したダイナミズムやスケール観。ココロオークションのメジャー1stアルバム『Musical』は、そんな「自身の最も得意とする現在のスタイルで勝負してやる!」的な、静かなる意気込みも、そこはかとなく伝わってくる1枚だ。フェスやサーキットイベント全盛の現在。掴みには速い曲や躍らせる曲、キャッチーなリフレインに重きを置いた楽曲の方が有効的に映る。しかし、彼らが今回放つ楽曲たちは、それらとは違った次元のものばかり。より遠くに、より幅広く、より多くの人に届かせ、響かせるべく楽曲が門戸広く我々を歓迎してくれている。これまでのメジャーミニアルバム3部作の延長戦や集大成ともまた違った、次のフェイズのスタートラインに立った感溢れる今作。ココロオークションは更に飛躍し、幅広い人の胸に刺さり、心に残っていくべく音楽たちをここに残した。

EMTG:待望の1stフルアルバムですが、まずはこのご時世に、ほぼミディアムな曲調だったことに驚きました。
大野:特に当初は意図的ではなかったんです。「こういった音を今、鳴らしたい」、そんな想いから生まれた楽曲が、このようなテンポに行き着いたと言うか…。
EMTG:その辺りを、もう少し詳しく。
大野:今回は、よりリズムにフォーカスを当てて、言ったらグルーヴ感のある、そんな曲を作っていきたかったんです。
EMTG:そのグルーヴ感は、いわゆる一般的な踊らせたり、グルーヴィーな方面よりも、むしろダイナミズムやワイド感といった意味合いですよね?
大野:その通りです。今作の『Musical』というコンセプトにもある通り、「音楽的である」って意味でのグルーヴですね。一般的に言う、メロディとリズムとハーモニーの融合…その中でもリズムは、音楽を作ったり、芸術である上で欠かせないものですから。その音楽である為のリズムであり、グルーヴのことです。
テンメイ:その辺りは全員一致で取り組みました。アルバム全体はもとより、楽曲1曲1曲に向き合う姿勢がこのアルバムで最も頑張った面でもあったし。おかげさまで、メンバー各人が探していく中で感じたものや成長したものがハッキリと見え、それらが詰まった作品になりました。
井川:今回は、より丁寧に作り上げたかなって。テンポに関わらず。それが故にダイナミズムも出た感もあるし。全体的にとてもいいものが出来た自負があります。
EMTG:それこそ今作は、より幅広い人に届いたり、刺さったりする作品に向かい出した感がたっぷりです。でも、その辺りは逆に、昨今のフェスやサーキットイベントのシーンに於いては、命とりになる懸念もはらんでいたのでは?
大野:実は僕ら、去年1年を通して、そういったシーンでの掴みやアッパー的な曲で敵わなかった自覚があって。特に大会場のフェスでは、その辺り痛感したんです。「今のままだと届かないな…」と、現実を体感したと言うか…。そこで気づいたのは、今のシーンにどう受けるかよりも、自分たちの得意なものを研ぎ澄ませてやるしかないってことで。色々と器用に幅広いものを魅せても、逆にピンときてもらえない。そこで、自分たちの得意としている部分を改めて思い返し、今回の作風へと向かったんです。
EMTG:それがミディアムな曲やバラードであったと。
大野:そうです。サウンドにスケール観やワイド観がありつつ、歌詞は凄く身近で寄り添って、情景が見えるもの。で、今はこれで戦おうと。
EMTG:分かります。同じ不特定多数や幅広いお客さんへのアプローチも、いわゆる従来のフェス向けから、街を歩いている人に対しても耳を惹いたり、興味を持ったりへの移行の意識を今作からは強く感じました。
粟子:僕らよく「音楽は自由であるべきだよね」って話をするんです。だったらギターロックバンドであることへの誇りや自覚を持ちつつ、より楽曲が輝いたり、映えたりする方向性に向かおうと。そこから、以前からになりますが、自分たち以外の音を重ねたり、ストリングスやシンセの音を加えたりし出したんです。おかげさまで、それにより楽曲も伝わりやすくなったし、世界観はだいぶ広がりました。あと、楽曲の持つ景色も更に広がったし、それに負けないように歌詞とメロディを紡いでいくことが出来るようになったんです。だけど反面、そのやりたいことと実際に鳴っている音楽性の結果に多少のギャップを感じていたところもあって。だけど今回は、それもようやく埋められた気がしています。
EMTG:おっしゃる通り、今回はエレクトロの導入にしても、これまでの「自分たちの音楽にエレクトロの音を足しました」的なものから、それこそ融合や同居といった自然な合わさりが印象的でした。
粟子:今回は全ての音に意味を持たせましたから。その為に、あえて必要最低限の音にしたし。音は少ない方が、より各音の存在感も出るし、音も太く鳴りますからね。それがようやく具現化できたことも、大きいですね。
大野:元々そうしたかったんです。何故そうならなかったのか? は、当時は自分たちの楽器での不足や音の不安を同期や打ち込みで埋める、そんな考え方だったからで。だけど演っていくうちに、自分たちの楽器を主軸に+αの演出的に、他の音を加えても遜色のなく伝えられる自信がついてきたんです。そこをベースにシンセや打ち込みを薄くひいたり、鳴らしたりとの考え方に移ってきたんですよね。それが「自分たち以外の楽器は味付け程度で大丈夫」との自信に至らせたと言うか…。
井川:ドラムにしても打ち込みに差し替えたものもあれば、共存させた部分もありますからね。それらも上手く馴染ませられてるし。打ち込みにしても、それをけっして冷たく響かせない起用や工夫も色々としましたから。
テンメイ:かつては同期や打ち込みも、「乗せるだけ」って意識だったんで、いわゆる共存まで至ってませんでしたからね。ただ、乗せたり足されたりして鳴ってる、みたいな。だけど、それは違うだろうし、この次元を越えなくちゃいけないと常に思っていて。今作をつくって、合わせて改めてギターの存在意義も自覚できましたから。
EMTG:確かに今作は、一番前面に歌があって、その後ろにバンドサウンド、その後ろに同期や打ち込みといった具合にレイヤーのような奥行的な音の配置が伺えますもんね。
テンメイ:前には出ないけど、キチンと鳴っている、そんな意識はレコーディング中、強くありました。その辺りは録る前からイメージして挑みましたね。なのでサウンドの鳴りも、これまでとはだいぶ変わってますよ。
EMTG:それらも手伝い今回は、これまでのメジャーに移ってのミニアルバム3部作の集大成や延長線上ではなく、むしろ、それ以降の新しいフェイズ的に響きました。
粟子:まさに次の段階に行こうとしている始まりの作品との自覚が自分たちにもあります。
大野:ぶっちゃけ、当初から目指してたり、狙っていたのは今回のような音楽性だったんです。だけど、どうしてもここまで至れず。でも、ようやく今作で、その理想に更に一歩近づけました。
EMTG:粟子さん、歌詞や歌方面ではいかがでした?
粟子:みんなで精魂込めて作ったノリをどれだけ壊すことなく、曲と溶け合うように歌うか? その辺りは凄く意識して挑みました。
EMTG:全体的に表情づけや歌い方の丁寧度が、これまでとは比べものにならないぐらい上がった印象を受けました。
粟子:歌に向かう姿勢はこれまでと全く違いますね。“どうやったらサウンドやメロディと相性がいいのか?”それを各曲色々と試行錯誤しながら歌いました。分析して、トライして、キチンとどの曲も僕が歌うことに意味があるような気概で歌ったんです。それまでは自分が歌っていて気持ちいいように、自分の声が輝くように、そんな意識だったんですが、今回は、その主観的にしか見ていなかったものも、あえて客観的に見たりしながら歌いました。“自分の声で逆にサウンドを活かしてやろう”という思考に変わったというか。それが故に結果、作品の中で惹き立て合えた実感はあります。
EMTG:歌内容にしては、凄く「残り時間」みたいなものをどの曲からも感じました。
粟子:僕、寂しがりなんで、どうしても、そういった考え方をしてしまうんですよね(笑)。“ああ、残り時間がこれぐらいしかない…”とか。
EMTG:かくいう、私もです(笑)。そこから今回の各テーマに至ったと?
粟子:ココロオークションで出来ること、ココロオークションでしか出来ないことを深く考え、ここに至りました。伝えたいことは前作で掴んだので、それをどう切り取るかでしたから。おかげさまで、逆にアプローチの仕方は広がりましたよ。
EMTG:その「前作で掴んだもの」と言うのは?
粟子:「君が本当に大切にしなくてはならない今は、もう始まってるよ」的な刹那感や「この時この瞬間という大切な時間」との意味も込めて歌いたいことが分かったので、その辺りに特化してみました。やはり聴いてもらう以上、その聴いてくれる方の人生観が変わるような曲になって欲しい願いも込めて。
EMTG:この春には、これらの楽曲が映えそうな初のホールでのライヴも控えてます。その意気込みを最後に。
粟子:僕らが育ってきたのが、そういったホール向けの音楽だったりしますからね。そういったところで出来るのが光栄だし、とても楽しみです。
大野:ホント楽しみですね。幅広い人が来てくれるだろし、ライヴハウスよりも来やすいでしょうし。いかんせん立っても座っても楽しめますからね。今回の作品は特にミディアムな曲が多いので、いわゆるホール向きでもあるだろうし。なので、是非そこで自分の好きなように楽しんで欲しいですね。たとえどんな会場でも、楽曲ごとに、ここではないどこかへと曲毎に連れ出したり、景色や光景を浮かばせてみせますから。

【取材・文:池田スカオ和宏】

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リリース情報

Musical

Musical

2018年03月28日

BOGUS RECORDS

1.Entr’acte
2.砂時計
3.少年と夢
4.今日もわたしは
5.ハローグッバイ
6.星座線
7.コインランドリー
8.Interlude
9.かいじゅうがあらわれた日
10.妖精のピアス
11.フライサイト
12.景色の花束
13.musical

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お知らせ

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■ライブ情報

1st FULL ALBUM「Musical」 CD購入者特典 アウトストアライブ
04/01(日) 東京下北沢 近松
04/04(水) 大阪大阪 2nd LINE
04/19(木) 愛知名古屋 CLUB ROCK’N’ROLL

ココロオークション TOUR 2018「Welcome to the Musical」
04/21(土) SHIBUYA PLEASURE PLEASURE 〜Tour 1st day Hall Oneman〜
04/27(金) 梅田TRAD 〜Major debut 2nd Anniversary day〜
05/20(日) 高松DIME
05/27(日) 福岡Queblick
06/01(金) 神戸太陽と虎
06/09(土) 広島4.14
06/10(日) 岡山IMAGE
06/16(土) 札幌COLONY
06/22(金) 名古屋ell FITS ALL
06/30(土) 富山SOUL POWER 〜Cocoro Auction meets 夜が踊る夜〜
07/01(日) 金沢vanvan V4
07/14(土) 新潟CLUB RIVERST
07/16(月) 仙台HOOK
07/28(土) 服部緑地野外音楽堂 〜Tour Final COCORO


※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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