大きく成長を遂げたMrs. GREEN APPLE、3作目のフルアルバム『ENSEMBLE』

Mrs. GREEN APPLE | 2018.04.18

「WanteD! WanteD!」「Love me, Love you」「どこかで日は昇る」など、おなじみのヒット曲を収録したMrs. GREEN APPLEの3作目のフルアルバム『ENSEMBLE』がついに完成! “音楽的”という究極のテーマを掲げながらも、エンターテイメント性にこだわり、マニアックな部分すらもサラリと聴かせている。これまでの爽やかなイメージを払拭するように、曲調の振れ幅もかなり大きい。とはいえ、どの曲にも彼ららしいキャッチーさがフィーチャーされており、楽しく聴けるアルバムに仕上がった。この完成度に至るまで、メンバー全員がどんな思いで作品に取り組んだのか……。その思いについては、インタビューを読んでいただいた方が伝わりやすいだろう。大きく成長を遂げたメジャーデビュー3年目の彼らの“これから”に注目すべし!

EMTG:3作目のフルアルバム『ENSEMBLE』ですが、とにかく内容が濃い! 内容に関しては昨年から構想があったそうですね。
大森(Vo・Gt):制作自体は去年の8月末から始めたんですが、その前から次の作品はもっとエンターテイメント性をフィーチャーしたものにしたいと考えていて。音楽だけじゃなく、アートワークも含めて、全体的にテーマパークのようなアルバムが作りたいなと。
EMTG:そして、大きなテーマが“音楽”だったそうですが――。
大森:そうですね。制作に入るタイミングでも、メンバーには直接“音楽的なアルバムにしたい”と伝えてました。そもそもバンド結成当時から“ジャンルにしばられない音楽をやっていきたいね”って話していたし、みんなもすんなりと受け止めてくれたと思います。
EMTG:とはいえ、ひと言で“音楽”と言われても、その定義は人それぞれですよね。
大森:アルバムの内容に関しては詳しく説明していたので、その辺は共有できていたと思うんです。ただ、わざと僕が“音楽的な”という漠然とした言葉を使ったので、たぶん音楽的という意味のとらえ方は、メンバーそれぞれにあったかもしれないですね。
EMTG:その辺はおひとりずつきいていきたいと思います。まずは山中さん、音楽的という言葉をどう解釈しましたか?
山中綾華(Dr):私は音楽的って何だろうって考えた時に、自分が今、どういう音楽を演奏しているのか、そのリズムはどこからきているのか……みたいなところから始まったんですよ。それで自分の担当楽器のルーツとか歴史を掘り下げていきました。例えば、これまで8ビートをよく叩いてきけど、そもそもハネたリズムがあって、そこから8ビートが生まれて――みたいなことを知らないと、8ビートでうまく表現できないと思うんです。やっぱり知ることは演奏する上で必要だなと実感して、いろんな曲を聴いてきました。
EMTG:いきなり掘り下げるところから始まったんですね! 藤澤さんは?
藤澤涼架(Key):僕自身、これまでキーボードではいろんな音色を使ってきたと思うんです。その上で、ひずんだギターが入ってきたら音を支える方にまわったり、差し引きっていう部分の立ち位置だったというか。でも、ピアノって、1台でいろんな表現ができる楽器だから、ちょっとしたタッチでも音色が変わるんですよ。今回はその部分を改めて見つめ直しましたね。そのためには、やっぱり基礎を掘り下げました。
EMTG:藤澤さんも掘り下げたんですか! 
大森:たぶん、僕が最初に“音楽的なアルバムにするからよろしくね”って脅しちゃったみたいなところがあって(苦笑)。それで、みんなそういう構え方になったのかなって思います。
EMTG:ということは若井さんも?
若井滉斗(Gt):そうですね。僕も音楽の歴史を調べましたし、ジャズを聴いて、ジャズギターのコード進行はどういうものなのか研究しました。これまでは大森がギターフレーズも作っていたので、自分の中の引き出しがすごく少なかったんですよ。やっぱり音楽的っていう部分を考えたら、自分から生まれるものが重要なんじゃないかと思って。
EMTG:ここまで、マジメな意見が続きましたね。残る髙野さんの意見が気になります(笑)。
髙野清宗(Ba):僕も改めて自分のポジションであるベースを見直すキッカケになりました。バンドサウンドの中でベースがどうあるべきか……もちろん今までも意識してやってきましたけど、よりいろんなジャンルの音楽を聴いたら違う発見があって。特にジャズやR&Bをよく聴いて研究してましたね。
EMTG:結果、みんなが自己探求したと(笑)。でも、『ENSEMBLE』の制作には絶対に必要なことだったはずだし、いい効果が出ていると思います。
大森:僕らBPMが速いものとか、バンドサウンドなのにシンセとか打ち込みが入った曲が多かったし、デビューした3年前は僕と若井が18歳だったこともあって、どうしても元気で爽やかなパブリックイメージが強かったんですね。もちろん、自分達にはそういう要素はあると思いますけど(苦笑)、そのパブリックイメージがあるために、実際に音楽を鳴らしていくっていうところでは、バンドにコンプレックスもあったんですよ。そこをクリアするためにも音楽的っていうテーマは必要だったんですね。いざ、“ピアノを弾いてよ”とか“ドラムを叩いてよ”とか言われた時、自分らがどれだけ音楽を楽しめるのかが大切で。でも、楽しむためにはこういう部分が足りないよねって……そんな話も各メンバーとしてきました。
EMTG:まだ若いのに、メチャメチャ本質に気づいてしまいましたね(笑)。確かにテクニックがついた上で鳴らす音楽的な遊びって、究極な楽しみだと思います。
大森:あ、それはホントにありますよね。
EMTG:そんなお話と関係あるかどうかわからないですけど、『ENSEMBLE』を聴いてアナログのアルバムっぽいなと感じたんですよ。1曲目からの流れで、しっかり聴きたくなるような。
大森:すごく嬉しいです! 実は一度アナログで録ろうかって話も出たぐらいで。さすがに、それはあまりにも挑戦的だったので実現しませんでしたけどね(苦笑)。でも、なるべく音の温かみとか、音楽のつながりを表現しようってところは意識しました。
EMTG:そもそも、アナログでこのボリュームは収まらない気がします(笑)。では、個性的な収録曲の中から、皆さんに自分にとって“音楽的な経験だった”と思えた曲を1曲ピックアップしてもらえますか?
大森:じゃあ、僕からいいですか? 「Coffee」っていう曲なんですが、もう完璧にジャズの要素を持った曲で、リリースを考えずにフワッと作ったんですよ。でも、個人的にはメロディーや歌詞で言っていることが気に入って、いつかリリース出来たらいいなと。そんな思い入れもありますし、若井がギターでは参加してなくて、カバサっていうリズム楽器を取り入れていたり……何かアルバムの中で箸休めのように心地よく、フワ~っと聴ける曲を入れたかったんですよね。今まで、高カロリーで音数の多い音楽をやってきたので僕らにとってはすごく新鮮だし、やりたかったことなんですよ。まぁ、スキルも含めて、これまではできなかったんですけどね(苦笑)。それが、みんなを追い込んだことによって出来るようになって、そこにバンドとしての成長も感じるし、新しいMrs. GREEN APPLEなのかなって思ってます。個人的にも好きな曲ですね。
EMTG:まずは「Coffee」をピックアップしていただきましたが次は――。
大森:こういうの、早い者勝ちでしょ?(笑)。
髙野:じゃあ、次いきます(笑)。僕はアルバム1曲目の「Love me, Love you (ENSEMBLE Version)」ですね。アルバムバージョンということで、イントロとアウトロが追加されているんですよ。そのセッション感っていうんですかね、まさに5人が音を鳴らしているリズムがいいなと。1発録りで録ったし、その一体感がレコーディング中もずっと感じられたので、バンドのノリが詰まった曲になったと思います。
EMTG:一発録りだったんですか!
大森:今回は割とバンドで“せ~の!”で録った曲が多いんです。やっぱり音楽的っていうからには、そういうところも含まれているのかなと。
髙野:楽しみながらやれましたね。
藤澤:僕は2曲目の「PARTY」です。さっき、ピアノだけでも様々な感情表現が出せるって言いましたけど、「PARTY」にはいろんな場面や世界観が詰まっているんですよ。それこそ各メンバーのセクションでどんなものを表現しているのか、どんなカラーを出しているのかは、みんなで共有しました。ピアノに関してはクラシカルな部分もロックに寄って力強く弾いた部分もあるので、自分のパートは細かく追求出来た気がします。
EMTG:この曲、構成も複雑ですもんね。
大森:組曲っていう概念だと思います。
EMTG:しかも、皆さん、担当楽器以外にもいろいろ挑戦されたそうで。
藤澤:綾華もドラムだけじゃなく、コンガやシンバルを使ったり、僕もフルートを吹いたり、若井もバンジョーを弾いたり……様々な楽器を使いました。あと、アコーディオンや管楽器、弦楽器の奏者の方にも参加してもらって。ホントにいろんな音が加わって「PARTY」が出来た感覚があるんですよ。そこも音楽として、とても素敵だなって思いました。
EMTG:若井さんはどうですか?
若井:僕は「REVERSE」ですね。これはHIOHOPテイストで、サウンドもデジタルで、ループミュージックなんですけど、そこに自分達がどう生の音を乗せるか……。それこそ、息の合ったヒューマングルーヴが大事だと思ったんで、レコーディング中もアイコンタクトを取ったりしてました。
EMTG:まさに音楽的な瞬間ですね。
山中:私は「They are」なんですけど、ゴスペルとかクワイアを取り入れて、フルオーケストラのようなサウンドになってるんです。みんなも、今までのバンドサウンドとは違った形で参加しました。個人的にもドラマーというよりは打楽器奏者として加わった形だったので、各々が違った立ち位置から音に参加できたんじゃないかなと。なので、それこれそが音楽的な体験だったのかなって思います。
EMTG:皆さん、しっかりバラバラに曲を選んでいただいてありがとうございます(笑)。個人的には、ラスト曲の「どこかで日は昇る(Album Mix)」が、すでに世に出ている曲とは思えないほど、このアルバムのシメにしっくりきていて印象に残ってます。
大森:映画の主題歌として去年、シングルで出したんですが、そのシングルの時とは違う色が出ましたよね。アルバムに入ることで、また違った性質が出てきたのが面白い。もちろん、シングルを出した時にはこれをアルバムの最後に……とは考えてませんでしたけど。
EMTG:さて、このアルバムがライブでどう披露されるのか気になるところですが、5月から“Mrs. GREEN APPLE ENSEMBLE TOUR!!”がスタートしますね。
大森:まさにツアーの準備を始めているところです。
EMTG:実際、どう再現するんだろうっていう曲もあるので、興味深いですね。
大森:確かに(苦笑)。「PARTY」はライブでどうこうを考えずに作った曲だし、絶賛悩み中ではあるんですが(苦笑)。ただ、アルバム自体はエンターテイメント性を掘り下げた作品なので、そこをライブにフィーチャーできたらいいなと思ってます。ただ、ライブというよりは、ショーとかサーカス……みたいなイメージで来てくださると、すごくなじみがいいのかなって.。
EMTG:アルバムの出だしも、まさにショーを見に来たっていう感じですもんね。
大森:そうなんですよ。そもそも、そういうイメージで作ったアルバムなのですからね。ライブもそんな雰囲気に出来たらいいなと思ってます。

【取材・文:海江敦士】

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リリース情報

ENSEMBLE

ENSEMBLE

2018年04月18日

ユニバーサル ミュージック

1. Love me, Love you(ENSEMBLE Version)
2. PARTY 
3. WanteD! WanteD! 
4. アウフヘーベン
5. はじまり feat. キヨサク from MONGOL800
6. They are
7. WHOO WHOO WHOO
8. スマイロブドリーマ 
9. SPLASH!!! 
10. REVERSE
11. Coffee
12. On My MiND(Album Version)
13. どこかで日は昇る(Album Mix)

お知らせ

■ライブ情報

ENSEMBLE TOUR
05/12(土)[東京]パルテノン多摩 大ホール
05/19(土)[香川]サンポートホール高松 大ホール
05/20(日)[広島]広島JMSアステールプラザ 大ホール
05/26(土)[埼玉]大宮ソニックシティ 大ホール
05/27(日)[福島]郡山市民文化センター 中ホール
06/03(日)[北海道]わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)
06/09(土)[宮城]トークネットホール仙台(仙台市民会館) 大ホール
06/15(金)[大阪]オリックス劇場
06/17(日)[兵庫]神戸国際会館こくさいホール
07/15(日)[福岡]福岡サンパレスホテル & ホール
07/20(金)[静岡]静岡市民文化会館 中ホール
07/27(金)[愛知]名古屋国際会議場センチュリーホール
08/04(土)[長野]ホクト文化ホール
~フェット・ドゥ・ラ・ルージュ~
09/08(土)[千葉]幕張メッセ 国際展示場
~ソワレ・ドゥ・ラ・ブリュ~
09/09(日)[千葉]幕張メッセ 国際展示場


J-WAVE LIVE SUMMER JAM 2018 supported by antenna*
07/16(月祝)[神奈川]横浜アリーナ

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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