THE BAWDIES 初のベスト盤 『THIS IS THE BEST』 をリリース

THE BAWDIES | 2018.04.18

 ゴキゲンなR&RバンドTHE BAWDIESが、初のベスト盤『THIS IS THE BEST』をリリースする。2019年には結成15周年・メジャーデビュー10周年を迎える彼らが、インディーズ時代を含め発表してきた作品から選りすぐった37曲と新たにレコーディングされた1曲の合計38曲を、CD2枚に詰め込んだものだ。4月18日のリリース後にスタートする全国ツアーは、来年の1月までかけて全国47都道府県を回る大規模なものになる。ROY(Vo,B)とTAXMAN(G,Vo)に、THE BAWDIESの過去・現在・未来を語ってもらった。

EMTG:ベスト盤というと、歴史のあるアーティストの足跡というイメージがありますが、メジャー10周年目という節目を前に初のベスト盤をリリースしたいという思いが、やはりみなさんにあったんでしょうか。
ROY:僕らはいつも新しいアルバムを作ることを意識してるので、これまでベスト盤を考えたことはなかったし、ベスト盤というとシングル曲が集まってるイメージだったんですけど、メジャーで10年やらしてもらってインディーズ時代から数えるとアルバム8枚、カヴァー・アルバムも入れたら9枚出てるんで、僕らを初めて知った若い世代が、どれから聴けばいいかわからないというのがある。僕らもビートルズとか初めて聴く時はベスト盤からというのがあったんで、入り口としてベスト盤が必要なのかなと。記念すべきタイミングというのもありました。
EMTG:アルバム8作からとは言え38曲はけっこうなボリュームですね。これでも曲の選択に苦労されたのでは?
TAXMAN:これでも、入れたい曲はまだあったんですよ。アルバム毎に、これは6曲でこっちは3曲じゃよくないかなとか、なるべく均等にとか考えて。
ROY:選ぶ基準は、まずシングル。次にシングルになってないけどアルバムの中で推し曲というかMVになってるもの。あとライヴの定番曲。残り1曲をどうするかは悩みましたけど。
TAXMAN:でも絞っていくとこれしかないかなって。
EMTG:TAXMANさんがヴォーカルをとってる曲も入ってますね。
TAXMAN:5曲ぐらい入ってるのかな?
ROY:僕がメインで歌ってますけど、もう一人歌えるというのは僕らの武器だと思いますし、僕の声は色が濃いので、みんな胸焼けするんですよね(笑)。そういう意味でもう一人いてくれるのはライヴでも大きい。そこはベスト盤でもちゃんと見せないとなって。
EMTG:リリース順に収録されていますが、それもこだわりが?
ROY:最後に新曲「FEELIN’ FREE」を入れたいというのがあったので。ベスト盤というと、どうしてもピリオド感が出ちゃうんですけど、そうじゃないんですよね、伝えたいのは。転がり続けて、まだまだ更新していくし引き出しがある、新しいTHE BAWDIESを見せるべきだろうと。
EMTG:未来への布石ですか。
ROY:そうですね、現時点でいうと最新作『NEW』に入ってる「THE EDGE」「45’s」2曲が現代のR&Rとして自分たちができる最新のものだと思っていて、その2曲が出来たことで、自分たちに満足できたんですね。それよりさらに進むことを見せなきゃいけないと、そこは意識しました。
EMTG:「FEELIN’ FREE」のMVも、THE BAWDIESのイメージを新たにする雰囲気がありますね。これまではストーリーのあるファニーなものが多かったと思うんですけど、今回はちょっとシリアスでミステリアス。
ROY:最近のMVを手掛けてる草野翔吾監督は映画監督なので、映画のようにストーリー性があるものを得意とするんですけど、楽曲のテーマと同じように、先に進むという新しい試みをしたいねということで、この作品ができました。
EMTG:このベスト盤で、この10年を振り返っていかがでしょう。
ROY:メジャー・デビュー以後は3作区切りと僕らは考えていて。『THIS IS MY STORY』は、NAOKIさん(LOVE PSYCHEDELICO)にプロデュースで入ってもらって、ルーツ感を持ちながら現代の音楽シーンで戦うことを意識した1枚。そこで学んだことを試しながら自由に作ったのが2枚目『THERE’S NO TURNING BACK』。この対極の2枚を1つにしたのが『LIVE THE LIFE I LOVE』ですけど、その時期に自分たちが交通事故に遭ったり、東日本大震災があったりして、メッセージ性が強くなった。ここでひとつTHE BAWDIESの形ができたかなと。ただそこで止まらず初期衝動をテーマに作ったのが『1-2-3』で、ルーツ感がまた強く出た。そしたらまた自由に作りたくなって『Boys!』が出来て、また面白いR&Rアルバムが作れたなという手応えがあったので、それを越えようと作ったのが『NEW』。で、今回のベスト盤という感じですね。
TAXMAN:THE BAWDIESのいいところって、僕らR&Rが好きでガレージが好きで、それをいかに現代の音楽と融合させるかという実験みたいのをずっとやってて、それを毎回更新できてるところかなと思う。懐古主義でもないし新しい音楽が嫌いじゃないし、毎回その実験が少しずつ発展してるので、THE BAWDIESにしか作れないオリジナル・レシピみたいなものがどんどん増えてる。それは、そもそもバンドを始めるきっかけになった、THE SONICSと出会った時の衝撃をみんなに伝えたいという気持ちに戻るというか、THE SONICSをそのまま聴かせてもよくわかんないという人たちに、僕らなりのR&Rで受け入れられるかという、一つの答えが出来たのかなと思う。その実験は続いてるから、「FEELIN’ FREE」が出来たこともあるけど、本当は早く新曲を作って新作を作りたいんですよ(笑)
EMTG:武道館公演も含め47都道府県を回るツアーが発表されていますね。
TAXMAN:全国回るツアーは前にもやったんですけど、もっと詰め込んでやってたんで、こんなに長い期間で回るというのは初めてですね。
ROY:これだけ日本のミュージック・シーンの最前線で戦わせてもらっているのはみなさんのおかげだと思いますし、今こそTHE BAWDIESの全てをぶつけていくべきかなと思っています。あと最初に言ったけど、お客さんも世代がどんどん変わってるじゃないですか。遠征とかできない人もいるからこっちから行って。これを気にR&Rを生で感じて欲しいなと思います。来てくれたら絶対楽しいと思うんで。
EMTG:年末まで休みなしというのは大変ですね。
TAXMAN:まあ、自分たちなりのツアー・スタイルみたいなのはできてるから、楽しく過ごそうと思います。得るものが大きそうというか。この前のツアーでは、せっかく全国行くんだから有名な神社仏閣に行ったりとかすればって勧めたらMARCY(Ds)が御朱印集めにハマって(笑)。僕はカレー好きなんでカレー屋巡りとか、ライヴ以外のところにも目を向けられる余裕を持ってね。
ROY:僕はマイペースなのでレコード屋を回るぐらいですけど、僕の役割として、MCでメンバーの近況報告をしなきゃいけないので、この人たちのあとをついていくと何かしら面白いことが起こるので、ついて回って。
TAXMAN:納得いかないのがそこなんですよ。一緒に厳島神社とか行ったのに、中に入ろうとしない。
ROY:建物に入ると神聖な場所だから、みんなおとなしくなって何もおきないじゃないですか。
EMTG:(笑)この10年でツアーやライヴの思い出はありますか。
ROY:いっぱいありますよ。僕らの原点というか親のようなTHE SONICSを招聘して一緒にツアー出来たこと、彼らが別れを惜しんで涙を流してくれたこと、その後の新作のSpecial Thanksの欄 にTHE BAWDIESの名前を入れてくれたことは絶対忘れられないですね。あと初めてのオーストラリア・ツアーかな。日本以外のところで自分たちの音楽が届くんだという自信を手に入れて、R&Rは素晴らしい音楽なんだと再認識して帰ってきてからの、初めてのフジロックでルーキー・ステージ。こいつら誰?みたいな人たちの前で演奏して、すごくいい反応を得られたんです。自分たちが間違ってなかったなという自信になりましたね。
TAXMAN:2010年に交通事故でツアーを中断して、復活した時の渋谷AXとかもターニング・ポイントだったな。
ROY:そうだね、やりたくてもやれない状況を体感してからの、みんなでできるってこんなに嬉しいんだっていうのはあったね。
EMTG:2011年の初武道館はどうでしたか?ステージに出る前から感激して泣いてたとか?
ROY:やっぱり、ビートルズが立ったステージに自分たちが立つというすごいプレッシャーを感じてたんですよ。でもステージに立ったら、親のような気持ちで待ってくれてるお客さんがいて。
TAXMAN:みんな見届けるために来てくれてるわけだからね。それはAXの時も同じ。それまでは自分たちが与えなきゃって気持ちだったんですけど、支えられてるのは自分たちじゃん、て。そこで見に来てくれるお客さんとの距離感が縮まった気がする。武道館も包み込んでくれる感がすごかったもん。
EMTG:このツアーもファイナルは、3回目の日本武道館ですね。
ROY:何度やっても感激は変わらないですよね。武道館をやる1月には、結成15周年でメジャーデビュー10周年に突入してるので、盛大なお祝いにしますよ。

【取材・文:今井 智子】

tag一覧 アルバム ポッドキャスト THE BAWDIES

リリース情報

THIS IS THE BEST

THIS IS THE BEST

2018年04月18日

ビクターエンタテインメント

[DISC-1]
1. SHAKE IT BABY
2. LITTLE GIRL
3. I BEG YOU (Album ver.)
4. I’M IN LOVE WITH YOU
5. MY LITTLE JOE
6. SHAKE YOUR HIPS
7. EMOTION POTION
8. YOU GOTTA DANCE
9. SO LONG SO LONG
10. KEEP ON ROCKIN’
11. I’M A LOVE MAN
12. HOT DOG
13. IT’S TOO LATE
14. KEEP YOU HAPPY
15. SAD SONG
16. B.P.B
17. A NEW DAY IS COMIN’
18. JUST BE COOL
19. LOVE YOU NEED YOU feat. AI
20. YEAH

[DISC-2]
1. ROCK ME BABY
2. LEMONADE
3. RED ROCKET SHIP
4. SING YOUR SONG
5. 1-2-3
6. NO WAY
7. NICE AND SLOW
8. LOVER BOY
9. KICKS!
10. COME ON
11. THE SEVEN SEAS
12. THE EDGE
13. 45s
14. DANCING SHOES(“NEW”ver.)
15. RAINY DAY
16. SUNSHINE
17. NEW LIGHTS
18. FEELIN’ FREE

お知らせ

■ライブ情報

Thank you for our Rock and Roll Tour 2004-2019
04/22(日)新木場 STUDIO COAST
05/08(火)千葉 LOOK
05/11(金)長野 CLUB JUNK BOX
05/12(土)富山 MAIRO
05/16(水)宇都宮 HEAVEN’S ROCK VJ-2
05/17(木)水戸 LIGHT HOUSE
05/24(木)横浜 F.A.D
06/06(水)奈良 NEVERLAND
06/08(金)徳島 club GRINDHOUSE
06/09(土)松山 WstudioRED
06/13(水)三重 M’AXA
06/15(金)福井 響のホール
06/16(土)岐阜 CLUB-G
06/21(木)山形 ミュージック昭和セッション
06/23(土)盛岡 CLUB CHANGE WAVE
06/24(日)郡山 Hip Shot Japan
06/28(木)京都 MUSE
06/30(土)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
07/01(日)米子 laughs
07/05(木)長崎 DRUM Be-7
07/07(土)熊本 B.9 V1
07/08(日)大分 DRUM Be-0
07/22(日)沖縄 桜坂セントラル
09/21(金)出雲 APOLLO
09/23(日)広島 CLUB QUATTRO
09/24(月・祝)周南 RISING HALL
09/29(土)滋賀 U-STONE
09/30(日)金沢 EIGHT HALL
10/03(水)浜松 窓枠
10/05(金)神戸 Chicken George
10/06(土)和歌山 SHELTER
10/20(土)甲府 CONVICTION
10/21(日)熊谷 HEAVEN’S ROCK VJ-1
10/25(木)仙台 Rensa
10/27(土)青森 QUARTER
10/28(日)秋田 Club SWINDLE
11/09(金)高崎 club FLEEZ
11/10(土)新潟 LOTS
11/20(火)佐賀 GEILS
11/22(木)宮崎 SR BOX
11/23(金・祝)鹿児島 CAPARVO HALL
11/25(日)福岡 DRUM LOGOS
12/01(土)札幌 PENNY LANE 24
12/02(日)札幌 PENNY LANE 24
12/08(土)高松 MONSTER
12/09(日)高知 X-pt.
12/15(土)名古屋 Zepp Nagoya
12/16(日)大阪 Zepp Osaka Bayside
[2019]
01/17(木)日本武道館


TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2018
05/26(土)新木場・若洲公園

JAPAN JAM 2018
05/04(金・祝)千葉市蘇我スポーツ公園

SPACE SHOWER TV × Monster Energy モンスターロック LIVE 2018
05/09(水)名古屋 DIAMOND HALL

OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2018
05/19(土)大阪府堺市・海とのふれあい広場

SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2018
08/31(金)山中湖交流プラザ きらら
09/01(土)山中湖交流プラザ きらら
09/02(日)山中湖交流プラザ きらら

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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