BUZZ THE BEARS約5年ぶりのフルアルバム『THE GREAT ORDINARY TIMES』リリース

BUZZ THE BEARS | 2018.06.06

 BUZZ THE BEARSがフルアルバム『THE GREAT ORDINARY TIMES』をリリースした。2016年10月に10周年を記念したベストアルバム「BUZZ THE BEST」を発表。その後も精力的にライブ活動を展開してきた3人は、約5年ぶりのフルアルバムとなる本作の制作にあたって「自分たちのなかにあるものをもう一度、しっかり出してみよう」(越智健太/Gt&Vo)というテーマを掲げた。“自分たちのなかにあるもの”の中心はもちろんメロディック・パンク。スピード感に溢れた2ビートとエモーショナルなメロディがひとつになったパンクチューンは、まさに彼らの真骨頂だ。さらに“普通の日々こそが偉大なのだ”を意味するタイトル通り、日常の素晴らしさ、美しさを描いた歌も絶品。新たな傑作をモノにした3人に訊いた。

EMTG:ニューアルバム『THE GREAT ORDINARY TIMES』リリース、おめでとうございます!
(※インタビュー取材はリリース日である5月23日(水)実施)
桑原智:ありがとうございます。昨日からTwitterで感想をあげてくれてる人がいて。嬉しいですね。
池田大介:CDショップの方から「こんなふうに(店頭で)展開しています」という写真がアップされてたり。
越智健太:誕生日の朝みたいな気持ちです。お祝いしたいですけど、今日は(リリース日のプロモーションのため)ちょっとムリかな(笑)。
EMTG:BUZZ THE BEARSらしいメロコアチューンがたっぷり楽しめるアルバムですよね。
越智:そこを意識して作ったところはありますね。自分らのなかにあるものを堂々と出そうっていう。ベストを出して、また歩き出すタイミングだったし、「俺らはこういうバンドです」ということを改めて広めたいという気持ちもあったので。バンドを組んだ当時に好きだった音楽をさらに掘り下げるというか。
桑原:うん。ベストアルバムの後のツアーのときから「次のアルバムはどうする?」という話をしていて。
池田:メンバー3人がちゃんと同じ方向を向いて制作に臨めたと思います。
EMTG:目指すべきアルバムのビジョンが明確だった、と。曲作りも順調でした?
桑原:いままでの制作と比べると、気負わずやれたかなと。「そのフレーズ、いいね」みたいな感じで、いい意味でノリでやれたんですよ。しっかり考えてやるのもいいんですけど、考えすぎると楽しくない瞬間もあって。「本来、楽しいことをやっているはずなのに、それはちょっとおかしいやろ?」という気持ちもあったんですよね。楽しく作ったほうがライブでも気持ちよくやれるし、聴いてくれる人にも伝わりやすいと思うんですよね。
越智:もともとの素材(原曲)が良かったんですよ、今回。「うーん、これはどうかな…」という曲をアレンジで良くするのは大変やけど(笑)、「これはいい!」というところから始まると、その後も良いアイデアがどんどん出て来て、相乗効果が生まれるというか。メンバー全員がそういう感じだったと思います。
池田:確かにアイデアは出やすかったよな。完成したときのイメージも浮かびやすかったし。
EMTG:音楽的なルーツに立ち返ることで、バンド本来の楽しさ、醍醐味を掴み直したのかも。『THE GREAT ORDINARY TIMES』、つまり“何でもない普通の日こそが素晴らしい”というタイトルについては?
池田:スタジオに書いてあった英語のフレーズなんですよ。それを見た越智くんがピンと来て、「これタイトルにしよう」って言い出して。
越智:スタジオのトイレに書いてあったんですけどね(笑)。新しいアルバムを作ることが決まって、「どういうアルバムにしようか?」ってみんなで話し合って。さっき言ったみたいにやりたいことはハッキリしてたんですけど、同時に「また自分のなかから絞り出さないとあかんのか。あの苦しみがまた始まるんやな」という気持ちもあったんですよね。でも、よく考えると、CDを出せるってすごいことじゃないですか。
池田:うん。
越智:初めて全国流通のCDを出したときはめちゃくちゃ嬉しかったし、逆にCDがなかなか出せなかった時期は精神的にもすごくキツくて。そうやって振り返ってみると、当たり前のようにアルバムを出せるいまの状況って本当にすごいことなんだなと。そこから「当たり前だと思っている日々が素晴らしいんだ」ということを歌おうと思ったんです。『THE GREAT ORDINARY TIMES』という言葉はいまの自分たちの精神状態にピッタリだったんですよね。トイレに書いてあったっていうのも、俺らっぽいっていうか、おもしろいかなと(笑)。「もう1回、ここからやってやる。負けへんぞ」みたいな気持ちもあるし。
EMTG:10年以上バンドを続けていること自体、当たり前じゃないですからね。
池田:そうなんですよね。大阪から東京まで車で移動してライブをやるのも、じつは普通じゃないことなので。そのやり方で全都道府県行きましたからね、僕ら。
越智:ホンマやな。仲間のバンドのなかには、事情があって辞めてしまってヤツらもいるし。ちょくちょく対バンして、「ここが良かった、あそこがダメだった」って話して。それが当たり前だと思ってたけど、じつはそうじゃないんですよね。
桑原:しかもBUZZ THE BEARSはメンバーも変わってないですから。それもすごいことだなって、改めて感じますね。
越智:この話を掘り下げていくと、みんなが優しくなれそう(笑)。
EMTG:本当にそうですね。バンドマンだけではなく、すべての人の日常が奇跡だと思うので。「FAR AWAY」「WOLF MAN」などのアッパー系メロコアチューンもいいですが、日本語の歌詞がしっかり伝わる曲も印象的でした。たとえば大切な人との日常を描いた「最低で身勝手なメロディ」もそうだし。
越智:日常をイメージしました。それだけで十分なはずなのに、「もっともっと」って欲しがってしまう……という歌です。
桑原:レコーディングで演奏したときもグッと気持ちが入りましたね。まだライブではやってないですけど、きっとお客さんにも伝わるんじゃないかなと。
池田:特に日本語の歌詞は、自分が励まされたりしますからね。昔の曲でも、演奏してるときに「こういう意味の歌詞やったんやな」ってわかったりするので。
EMTG:アルバムの最後に入っている「Cocoa」も歌詞にグッとくるタイプの曲だと思います。ずっとそばにいてくれた存在に対する思いが込められている曲だなと。
越智:この曲だけ作り方がぜんぜん違うんですよ。歌詞を先に書いて、そこからメロディやアレンジを作っていったので。
池田:新鮮でしたね。ふだんは歌詞が分からない状態で制作していることが多いから、とにかくサウンドをカッコ良くすることに集中してるんですよ。「Cocoa」は歌詞に沿ったアレンジなので、そこは完全に違いますよね。
桑原:すごくイメージしやすかったし、3人とも仕事も早かったです(笑)。
池田:この歌詞を読んで、尖ったアレンジにしようとは思わないですから。優しくて温かい感じに自然と向かっていったというか。
EMTG:越智さんの個人的な感情から生まれた曲だと思いますが、聴いていると自分の人生や生活と重ねてしまうんですよ。
越智:そう言ってもらえると嬉しいですね。ライブハウスでもお客さんに「あの曲を聴いて、こんなことを思いました」みたいな話をされることがよくあって。そうやって共感してもらえたり、自分と重ねてくれてると「作って良かったな」と思えるので。
EMTG:歌の強さがしっかり込められていることで、メロコア・ファン以外の音楽リスナーにも届く作品になっていると思います。
池田:フルアルバムを作るときは、バラードだったり、アコースティックだったり、ちょっと違うテイストの曲を入れたくなるんですよね。速い2ビートの曲ばかりだと、何が何だかわからなくなりそうなので(笑)。
越智:うん。アルバムの真ん中あたりにバラードっぽい曲があると、全体が聴きやすくなるというか。
桑原:さっきも言った通り作ってるときは”メロコア、パンク”を意識してたんですけど、みんなが通ってきた音楽の要素が自然と混ざって、こういう仕上がりになりました。これが“僕ららしい”ということなんだと思います。
EMTG:6月からはアルバムを引っ提げたツアーがスタート。新曲だらけのツアーになりそうですね。
桑原:まだライブでやってない曲ばっかりですからね。ツアーのなかで新曲がどう育つか、すごく楽しみです。
池田:「こんな感じになるやろうな」というイメージはあるけど、実際にやってみないとわからないので。ただ、いいツアーになるやろうなという自信はあって。
越智:うん。いいアルバムが出来たと思ってるし、僕らも気に入っていて。新曲も「どや!」という気持ちでやれると思うし、ツアーが楽しみでしょうがないです。

【取材・文:森朋之】

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リリース情報

THE GREAT ORDINARY TIMES

THE GREAT ORDINARY TIMES

2018年05月23日

ビクターエンタテインメント

1. FAR AWAY
2. CRAZY MISSION
3. ロメオとジュリエット
4. 10YEARS
5. ORANGE
6. ふぇすてぃばるまん
7. WOLF MAN
8. 最低で身勝手なメロディ
9. IRA IRA
10. GOOD LUCK
11. ホーム
12. FOREVER ONE
13. Cocoa

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お知らせ

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■ライブ情報

BUZZ THE BEARS「THE GREAT ORDINARY TIMES」RELEASE TOUR “NOT ORDINARY TIMES”
06/03(日)[千葉]千葉LOOK
06/09(土)[埼玉]熊谷HEAVEN’S ROCK
06/10(日)[茨城]水戸LIGHT HOUSE
06/24(日)[愛知]豊橋club KNOT
07/01(日)[新潟]新潟RIVERST
07/16(月・祝)[宮城]仙台enn 2nd
07/21(土)[神奈川]横浜F.A.D
07/22(日)[長野]松本ALECX
08/17(金)[大阪]堺東club massive
09/01(土)[京都]京都MUSE
09/02(日)[神戸]太陽と虎
09/08(土)[北海道]札幌DUCE
09/15(土)[岡山]岡山IMAGE
09/16(日)[広島]広島CAVE-BE
09/17(月・祝)[山口]周南rise
09/29(土)[香川]高松DIME
11/03(土・祝)[愛知]名古屋RAD HALL
11/04(日)[福岡]福岡Queblick
11/09(金)[大阪]心斎橋FAN J TWICE
11/16(金)[東京]渋谷TSUTAYA O-WEST
11/17(土)[東京]渋谷TSUTAYA O-WEST(ワンマン)

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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