“神泉系”バンド・フレンズの多彩な魅力が詰まった1st Full Album『コン・パーチ!』

フレンズ | 2018.07.31

 2015年6月に結成されて以来、着々と熱い支持を集めるようになったフレンズ。おかもとえみ(Vo/科楽特奏隊、ex. THEラブ人間)、ひろせひろせ(Vo・MC/nicoten)、三浦太郎(Gt・Cho/ex. HOLIDAYS OF SEVENTEEN)、長島涼平(Ba/the telephones)、SEKIGUCHI LOUIE(Dr/ex. The Mirraz)という編成から生まれている音楽は、リスナーの心を優しく潤すメロディとハーモニーの結晶だ。1stフルアルバム『コン・パーチ!』にも彼らの多彩な魅力が詰まっている。メンバーのおかもとえみ、ひろせひろせ、長島涼平、SEKIGUCHI LOUIEに、今作に対する手応えを語ってもらった。

EMTG:おかもとさんとひろせさんが一緒に作った曲を聴いた長島さんが、「バンドでやったらどう?」って言ったのが、フレンズの始まりですよね?
ひろせひろせ:まさにそれですね。
長島涼平:今回のアルバムにも入っている「ベッドサイドミュージック」が、結成のきっかけになった曲です。それを聴いた僕が「バンドにしたいな」と思って、LOUIEと太郎さんを誘いました。全員がもともと友だちだったからというわけではなく、「ベッドサイドミュージック」があったから、集まったということですね。
SEKIGUCHI LOUIE:僕は、えみそん(おかもとえみ)とはフェスで出番が前後だったりとかで会ったことはあったんですけど、ひろせとの面識はなかったです。でも、曲がすごく良かったので、ぜひやりたいなと思いました。
EMTG:つまり、音楽がみなさんを友だち同士にしてくれたということですね。
長島:そう言うとかっこいい(笑)。
ひろせ:俺とえみそんは同い年で、もともと友だちだったんです。同世代のミュージシャンと一緒にカラオケに行った時、えみそんの歌ったMISIAさんの「Everything」が、すごく良かったんですよ。俺は個人で曲を書いたり、誰かに提供したいっていうのがあったので、「えみそんと一緒にやれたらいいなあ」と。それで「1曲、一緒に作ってみない?」っていうことになったんですよね。
EMTG:どんな音楽をやりたいと思いました?
ひろせ:「テーマはどうする?」ってなった時に、俺が思いつきで「神泉系ってどう?」と提案したら、えみそんからすぐに「OK!」って返事が来ました。あまりにもあっさり返事が来たので、「もしかしたら神泉系ってもともとあった言葉なのかな?」と(笑)。その後、すぐに「ベッドサイドミュージック」の歌詞が送られてきたんですけど、俺は歌詞先行で書いたことがなかったので、それも面白かったです。
EMTG:「神泉系」って、フレンズにぴったりの言葉ですね。井の頭線の神泉駅は渋谷駅の隣ですけど、そういうエリアならではの肩肘張らなくてもいい雰囲気が思い浮かびます。
おかもとえみ:渋谷は「パーティー」っていうイメージですけど、神泉は「ちょっと落ち着いていているけどワクワク感もある」っていう場所だなと。そういうことを思い浮かべながら「ベッドサイドミュージック」の歌詞を書きました。
EMTG:フレンズは、みなさんのことをよく知っている人ほど、意外性がある編成なのも興味深いポイントです。ひろせさんがキーボードを弾いていたり、三浦さんがギタリストだったりしますし。しかも、ベーシストが3人いるバンドっていうことになるんですね(ひろせ、おかもともベーシスト)。
長島:3人がベースを弾く前衛的なバンドを始めるのかと思った人もいたみたいです(笑)。そういうバンドだったら続いていないでしょうね。もともとやっていたバンドの圧倒的な存在感のフロントマンが集まったバンドっていう感じじゃなかったのも、フレンズの丁度いいところだったのかもしれないです。例えば、えみそんはフレンズでピンのボーカルをやって、これだけの存在感を放つわけじゃないですか。前に他のバンドで同じ感じでやっていたら、違う印象だったと思います。
ひろせ:各バンドの真ん中にいる人の横にいて、連絡担当とか社交性担当とかをやっていたメンバーが集まっている感じですね。だからメンバーそれぞれにいろんな繋がりがあって、いろんなイベントに出られたのも良かった気がします。
EMTG:戦隊モノで喩えると、赤が集まったバンドじゃないっていうことですね。
SEKIGUCHI:黄レンジャーが5人集まった感じじゃないでしょうか(笑)。
EMTG:(笑)フレンズの5人でやるからこそ生まれる作風とか、何か感じていることはありますか?
おかもと:悲しいことを歌詞で描いても、最終的にはどことなく楽しいものになるという印象がしています。
ひろせ:フレンズを始めた時は、どういうことをやるか、それほど具体的に考えていたわけでもないんですけどね。メンバーそれぞれもともと他のバンドをやっていたから、1つの方向性をストイックに追求し続けることに疲れていた部分もあったのかもしれないです。活動を重ねる中でそれぞれが思うようになっているのは、「楽しいことをやりたい」っていうことで、そのために何ができるのかを考えながらやっているバンドなんだと思います。
おかもと:私にはない音楽的な発想がメンバー個々にあるので、曲が出来上がった時に、いろんな発見をすることができるのも楽しいです。
EMTG:お互いを輝かせ合っている5人という印象がします。おかもとさんと、ひろせさんの歌のコンビネーションも、そういうニュアンスですし。
ひろせ:えみそんが引き立つ曲の構成っていうこととかを考えるんですよね。「俺、鉄砲玉みたいなラップをしてるな」とか思います。
おかもと:ひろせは声がイケメンだから、私は歌詞にイケメンっぽい言葉を入れるのが好きなんです(笑)。
EMTG:(笑)みなさんそれぞれで、フレンズをやることによって生まれた新しい作風や表現方法があるんでしょうね。
SEKIGUCHI:僕も、もともとそんなにJ-POPを聴いていなかったですからね。いろいろ広がっているっていう楽しみは、ドラムを叩いていても感じます。
EMTG:フレンズの音楽には、ポップスの心地よいエッセンスが、たっぷりと反映されていますよね。例えば、「またねFOREVER」って、あからさまに良い曲じゃないですか。
ひろせ:ありがとうございます。サブスク再生のシャッフルとかで、この曲が出た時の強烈度は、結構すごいと思っています。「フレンズって、こういう曲も作るんだ?」っていう意外性も意識しています。
EMTG:この曲とか「コン・パーチ !」は、80’sポップス的な風味も感じます。
ひろせ:大きい会場でライブをすることを考えると、あの頃の曲のサウンド感って、すごく参考になるんです。
EMTG:あらゆるタイプの曲に言えることですけど、おかもとさんの歌声の輝きって、ものすごいですよね。「私は、良いシンガーだ!」という自負はあります?
おかもと:そう思えるように日夜、鍛錬しています(笑)。
EMTG:柔らかさとか透明感の中心に芯の強さみたいなのが感じられるのが、僕が素敵だと思っているポイントの1つなんですけど。
おかもと:褒めていただけると、私の両親も嬉しいと思います。
EMTG:ご両親は、歌はお上手なんですか?
おかもと:歌っているのは、あんまり聴いたことがないです。カラオケに行っても、あんまり歌わないですし。「桃色吐息」をお母さんがと一緒に歌ったのは、なんとなく記憶にあるんですけど。
EMTG:音楽一家というわけではないんですね。
おかもと:はい。でも、父方の親戚で歌劇団みたいなことをやっていた人の写真が出てきたんです。親戚でそういう人がいるっていうのを、去年ぐらいに初めて知りました。私は、そういう血を引いているんですかね? 詳しくは知らないんですけど、女優とか、歌とか、舞台とかをやっていた人らしいです。
EMTG:おかもとさんは運命に導かれて、今、こうして歌っているのかも。
おかもと:どうなんでしょう?(笑)。
EMTG:(笑)「NO BITTER LIFE」「TITLE ROLE」「Hello New Me!」とか、タイアップの曲も、すごく良いですね。
ひろせ:曲を書く時にいつも「こういうことをやりたい」っていう意志を持って作っているので、テーマをいただいた方がやりやすいタイプなんですよね。
EMTG:例えば、納豆とのタイアップのお話が来ても、フレンズならではの曲が生まれるんでしょうか?
おかもと:すぐ書けると思います。
EMTG:ベースも糸を引くようなニュアンスで弾いたり?
長島:粘りっ気のある感じなんですかね?
ひろせ:やっぱり、使うのはプレベ(プレシジョンベース)?
長島:そういうことになるのか?
おかもと:辛子入れてね。
長島:は、はい……。
SEKIGUCHI:納豆は和食ですから、僕は和太鼓みたいな音を入れるかも(笑)。
EMTG:(笑)納豆で、ここまで話が広がるメンバーたちですし、普段から柔軟なアイディアを交し合っているんでしょうね。
ひろせ:はい。「いかに遊びに対して本気になれるか?」っていうのはあります。楽しくなくなるようなことがあったら嫌だなと思っているので。自分たちにしかわからないようなことも好きなんですよ。例えば「納豆の曲だからプレベを使ってる」とか、マジどうでもいいことじゃないですか。でも、そういうのにこだわっていくのが、俺も超好きなんです。
SEKIGUCHI:言い方が正しいかどうかわからないですけど、ひろせは音楽的な大喜利センスみたいなのが、すごくあるんですよ。
ひろせ:そういうことを言われると、めちゃくちゃ恥ずかしい(笑)。
EMTG:(笑)今回のアルバムのラストには「ベッドサイドミュージック」が収録されていますが、これはやっぱり名曲ですね。
ひろせ:ありがとうございます。前までは「自分たちのイベントとかワンマンだけでやろう」っていう曲になっていたんですけど、今年の3月に全国流通盤で出したんです。やっぱ、原点の曲なので、初めてのフルアルバムに絶対に入れたいなっていうのも思いました。初めて作った曲って、ずっと特別な存在ですからね。良い意味で、この曲を越えていかなきゃいけないっていうのも思っています。
おかもと:明日が楽しくなるような曲であったら嬉しいです。次の日に仕事とかがあっても、この曲を聴いて、楽しく頑張ってもらえたらいいなっていう意味をこめた歌詞でもあるので。
EMTG:フレンズって名曲の宝庫ですよね。そういう中で、「元気D.C.T~憧れのマチュピチュ~」や「fisherman」みたいなユーモラスな曲が生まれるのも、底知れない魅力です。
おかもと:マチュピチュは魅惑の町なんです。ロマンを感じているので「元気D.C.T」に落とし込みました(昨年4月にリリースしたアルバム『ベビー誕生!』には、「元気 D.C.T~プロローグ~」が収録されている)。マチュピチュ、いつか行きたいです。
EMTG:「fisherman」は、長島さんが“長島フィッシャー涼平”名義で作曲をしていますが……。
長島:このクレジットの自分の名前を見るのが、すごく照れ臭いんですけど(笑)。
SEKIGUCHI:字面で見るとすごい(笑)。
長島:歌詞に関しては、ひろせから「年長組で書いてくれませんか?」って言われて、LOUIEと僕と太郎さんで書いたんです。全国の釣り好きに届けば良いなと思っています。
ひろせ:思ってないでしょ?(笑)。
長島:そんなことない(笑)。この曲、僕が作って、編曲でひろせに揉んでもらってこうなったんですけど、誰が作ってもフレンズっぽくなるんだなということも思いました。
EMTG:この曲、ソウルフルなコーラスが素晴らしいんですよね。
長島:これ、えみそんの無駄遣いです(笑)。
EMTG:(笑)このアルバムをリリースした後も、夏フェスも含めて、ライブの予定がたくさん決まっていますね。
おかもと:はい。私たちはライブが好きなんです。いろんな場所に行って、いろんな人たちに会いたいです。
ひろせ:秋にはツアーもあるので、来てもらえたら嬉しいです。

【取材・文:田中 大】

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リリース情報

コン・パーチ!

コン・パーチ!

2018年08月01日

ワーナーミュージックジャパン

01.常夏ヴァカンス
02.NO BITTER LIFE (サッポロビール「ホワイトベルグ」 TV CMソング)
03.コン・パーチ!
04.TITLE ROLE (2018年冬公開 映画「ヌヌ子の聖☆戦」挿入歌)
05.Hello New Me! (hummel 「hummel loves music」プロジェクトタイアップソング)
06.オールタイムラブ!
07.元気D.C.T〜憧れのマチュピチュ〜
08.またねFOREVER
09.シルエット
10.fisherman
11.街
12.ベッドサイドミュージック

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

シチュエーション・コメディ season3
09/30(日)TOKYO DOME CITY HALL
10/05(金)SENDAI CLUB JUNK BOX
10/12(金)なんばHatch
10/19(金)金沢AZ
10/21(日)長野ライブハウス J
11/02(金)名古屋ボトムライン
11/07(水)高松DIME
11/09(金)広島SECOND CRUTCH
11/11(日)福岡BEAT STATION
11/15(木)HEAVEN’S ROCK 宇都宮VJ-2
11/16(金)浜松FORCE
11/24(土)札幌ペニーレーン24

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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