ビッケブランカ、ダブルA面2ndシングル「夏の夢/WALK」インタビュー!

ビッケブランカ | 2018.08.04

 今年の春、全国のラジオ局で本当によく耳にしたビッケブランカの「ウララ」。メジャー1stシングルとして4月にリリースされ、6月からのツアーでもオーディエンスの期待感と興奮が爆発していた1曲だ。その「ウララ」に続く2ndシングルが、「夏の夢/WALK」。フェンダー・ローズの音色とビッケブランカらしい切り口で綴られる渚の景色が印象的な「夏の夢」と、映画「君の名は。」を制作したコミックス・ウェーブ・フィルムの最新作『詩季織々』の主題歌「WALK」のダブルAサイド。興味深いエピソードが続々と飛び出した最新作について、完成までの経緯を聞いた。

EMTG:今年4月にリリースされたメジャー初のシングル「ウララ」、反響すごかったようですね。
ビッケブランカ:ありがとうございます。ライブでのお客さんの反応とか、メディアの反応も含めて想像以上でした。嬉しかったです。
EMTG:その「ウララ」に続く2ndシングルがいよいよリリースになるわけですが。
ビッケブランカ:「ウララ」が春だったので、夏っていうテーマはひとつありました。あと「WALK」を収録することは決まっていたんですが、これ1曲をいわゆる表題曲にするっていうイメージは僕の中にはなかったんです。(シングルの表題で)バラードはまだ早い、みたいな感覚があって。「ウララ」からの流れも美しくない気がしたんですよ。春のあの「ウララ」があって、夏にバラードって。だけど、自分の中にアゲアゲの夏っていう素養がないのも知ってるので、どうしようかなって試行錯誤しながら出来たのが「夏の夢」でした。
EMTG:アゲアゲの夏の素養がない(笑)?
ビッケブランカ:マリンスポーツが好きなわけでもないし、ワーキャー言いながらみんなでバーべキューなんてやったことないですからね。そもそも好きか嫌いかすらわかんないから、そういう歌が書けないんですよ(笑)。夏をテーマにって言われても、僕、夏を知らなかった(笑)。あまりにも夏のアイデアがなさすぎて諦めようと思ったけど、いや、それでいいんじゃないかなと思ったんです。夏なんて知らずに育ってきました、そんな僕はきっとこんな恋をするのでしょう――みたいな。
EMTG:それで歌い出しが「夏なんて知らない」と。
ビッケブランカ:はい。別に夏だからって、ビーチボール膨らませて、♪君の焼けた肌に触れたくて~なんて言わなくていいじゃないかと(笑)。その時の気持ちとかわかんないし。だったら、夏を知らない人間と、そつなくこなせる女の人との交わり方をストーリーテリング的に書いてみようと思ったんです。
EMTG:ハイカットスニーカー履いている主人公、なんとなくビッケさんとかぶりますね。
ビッケブランカ:非常に自分に近いです。でも近いだけで、自分の経験とかそういうことではない。自分に近い主人公を真ん中に置いて、そいつが行動を起こしている感じ。で、女性のほうのイメージは中村アンさんです(笑)。小麦色の肌でパレオとか巻いてて、髪は結構長めでちょっと濡れてる。海で仲間とも遊べるけど、それを根っから手放しで楽しんではないんです。なんとなく物悲しさも持っている。だから、そつなくこなしてる。そういう人がフラッと来るわけですよ。普通だったら辛気臭くて遊ぶ気もなさそうな奴に話しかけたりしないでしょうけど(笑)、彼女はきっと自分に通じるものを見たんでしょうね。昔の自分を見たのかもしれないし、単純に俺の見た目が好きだったのかもしれない。
EMTG:”俺の”(笑)。
ビッケブランカ:(笑)。普段なら接することもない2人ですよ。でもそつなくこなす女の人のほうから寄ってきて、「何してるの?」でもない、「行こうよ」でも「何辛気臭い顔してるのよ」でもない。「その靴かわいいね」って接触してくると。
EMTG:映画の1シーンみたいです。ということはMVもそんなテイストで?
ビッケブランカ:いや、実は今回、こういうストーリーだけどヒロインがいないんです。そろそろ公開されているはずなんで、ぜひ見てみてください。
EMTG:ではサウンドに関してですが、今回のアレンジについては? なんだかものすごく生々しいというか、エモさを感じました。
ビッケブランカ:まず、ピアノはガツガツ鳴る感じじゃないなと。ピアノは楽器の音色としてちょっと哀愁を帯びすぎているし、ピアノって本来は哀しい楽器ですからね。あの音色は、人を涙させるほうに近い。このテンポ感でピアノを入れちゃうとあまりにもそっちになっちゃうし、かといってファンキーなピアノにするかというと個人的には好きじゃないところがあって。ピアノはもっとリズミカルなほうがいい。それで今回は初めて、エレピでレコーディングしました。フェンダー・ローズ、ちょっとはまりそうです。すごくいい楽器ですよね。もうひとつ、夏の雰囲気を出せるものとしては絶対にギターだろうと。アコギもちょっと入ってるけど、アコギの波感というよりも、エレキでもっとチャキチャキやってるイメージがあって。普通だったら「うわ、夏っぽい!」ってギターが得意な人を呼ぶところでしょうけど、この歌の主人公は夏を知らない。夏を楽しみきれない日々を送っている。だけど中村アンによって少し開けてきて、夏を知ろうとしている。そんな塩梅の歌で完璧な夏のギターを弾かれてもおかしなことになるから、主人公と同じくらいちょっとたどたどしいギターを弾いて欲しくて、いつもライブ一緒にやってる井手上誠さんにお願いしたんです。僕よりもインドアで、僕よりも夏を知らない人に無理やり「夏っぽいの弾いて」って(笑)。
EMTG:そういう音作りのエピソード、すごく興味深いです。
ビッケブランカ:そこだけ聴くって人はなかなかいないかもしれないけど、そうやってひとつひとつの音にこだわってます。ぜひ聴いてみてください。
EMTG:ではもう1曲の「WALK」ですが、こちらはアニメーション映画「詩季織々」の主題歌として書き下ろされたものですね。
ビッケブランカ:はい。最初に映像を見せてもらって、いつものように歌詞を英語でバババッと書いて、デモ出しするときになんとなく日本語にしておいたんですね。意味とかは全然なく、言葉のノリだけで。一文だけ読めばなんとなく意味はわかるけど、ストーリーとか流れは一切ない状態。歌詞は全部変える予定ですと伝えて提出したのに、すごくいいですねと。何よりも歌詞が素晴らしいですねと。
EMTG:歌詞として正式に書き上げる前の段階なのに。
ビッケブランカ:そう。何も考えずにぽとぽとぽと…って落とした日本語の歌詞が、最高ですって。でも今思えば、映像を見て心に残っていた言葉だけを使っていたから、作品との親和性が非常に高かったんでしょうね。具体的に言うと、サビの<名前などないが>とか。
EMTG:ということは、そのときのままの歌詞なんですか?
ビッケブランカ:ちょっと手直ししましたけど、ほぼそうですね。僕はいつも歌詞を最後に練りに練って書くのに、今回は語感ありきで思いついた言葉をただはめていっただけでした。(こちらの)スタッフも「歌詞、めっちゃいいね!」って言う人がすごく多くて、ひょっとして俺、いわゆる”作詞”しないほうがいいのかなって(笑)。考えない歌詞のほうがいいってどういうこと!? みたいな。でもいろんなマジックが働いて、こういう歌詞が出来上がったんです。
EMTG:ある意味、自分が書いたって感覚がないところで出来ていたような。
ビッケブランカ:そうなんですよね。たまにこういう取材で言ってますけど、<映像がペンを取って書いた曲>みたいな。正確に言うと映画尺でのデモ出しだから1番だけで、2番の歌詞はちょっと考えましたけどね。<いつだって僕はまるまって なにもかも投げ捨てるほうで>の部分などは、映画とも合いつつ、すごく自分に近しい感覚だったりします。
EMTG:映画のトレーラーの中でも人々が歩いていくシーンが印象的に使われていましたが、タイトルは、そういうところからの「WALK」でもあったんですか?
ビッケブランカ:そこも違うんですよ。<さあ歩こう歩こう歩こう>の部分ですけど、最初のデモ入れのときにたまたま<I can walk, I can walk>って歌ってたんです。語感がいいってだけで。それを何も考えず日本語にして、仮タイトルで「WALK」にしてたんです。あと今回の映画は3部作になっていて、テーマが衣・食・住なんですね。でも中国では、衣食住”行”と言うらしく、全然知らなかったんですけど、これがその<歩く>というものと近いと。先方からのオファーにはそういうことは何もなかったんだけど、たまたま<歩こう歩こう>と歌ってて、「WALK」というタイトルになって、エンディングでこの曲が流れることで、本当に偶然ですけど衣食住行が成立するっていう。これも非常におもしろかったです。
EMTG:これまでにない作り方で完成したこの曲、客観的にどうご覧になってますか?
ビッケブランカ:サビのメロディーが非常にいいなと思います。無駄がなくて、裏声に行く感じもすごくいい。このメロディーはね、結構考えたんです。でもそれを最終的に完璧にしたのは、何気なく書いた歌詞だったっていう。美しい映像と普遍的な素晴らしいストーリーの作品にこういう形で関わることができて、非常に嬉しいし誇りに思っています。
EMTG:では最後に、今回のカップリングについても聞かせてください。
ビッケブランカ:まず「夏の夢(cold water remix)」は、単純にアレンジすることが好きなので、今自分が好きなトロピカル(ハウス)系の別アレンジをしました。メロディーは変わらず、コードが変わるとこんなに世界観が変わるっていうリミックスの面白さがあります。「Black Rover(feat.SKY-HI city raven remix)」は原曲が結構ハードロックなので、ヒップホップ調にして、新しい歌詞でラップでもしようかなと思ったんですが、思いのほかアレンジで時間がかかったの(SKY-HIに)お願いしました。かなり新しい感じになってますよ。
EMTG:冬にはアルバムをリリースし、年明けからはツアーもスタートです。
ビッケブランカ:アルバムとなると、僕にとってはまた新しい遊び場なわけですよ。またいろんなことやると思うので、ツアーも含め、楽しいことになればいいなと思います。脳みそ、これでもかっていうくらいフル稼働で作りますからね(笑)。

【取材・文:山田邦子】

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リリース情報

夏の夢/WALK

夏の夢/WALK

2018年08月08日

avex trax

01 夏の夢
02 WALK(movie ver.)
03 夏の夢 (cold water remix)
04 Black Rover (feat.SKY-HI city raven remix)

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■ライブ情報

ジャイガ-OSAKA MAISHIMA ROCK FES 2018-
08/05(日)舞洲スポーツアイランド太陽の広場”ジャイガ”特設会場

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018
08/11(土・祝)国営ひたち海浜公園

緑黄色夜祭vol.8~大阪編~
09/30(日)大阪Music Club JANUS

MEGA★ROCKS 2018
10/06(土)仙台市内ライヴハウス11会場

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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