ズーカラデル、初の全国流通盤となる2ndミニアルバム『夢が醒めたら』

ズーカラデル | 2018.12.20

 3ピース・ポップ・ストロングバンドを標榜している北海道在住のズーカラデル。グルーヴ感溢れる、時折シャッフルを交えた明るく牧歌的なサウンドと、カラッとした明るくキャッチーなメロディ、そしてショートスパンで次々に繰り出される楽曲が魅力の3ピースバンドだ。聴き手に余白を残している歌詞とややウェットさも交えた歌声も耳を惹くズーカラデル。前作ミニアルバム『リブ・フォーエバー』と収録曲「アニー」が耳の早いリスナーに留まり、高い評価やライブ動員数も急上昇させてきた。そんな彼らが初の全国流通盤となる2ndミニアルバム『夢が醒めたら』を発表した。ハミングやキャッチーさ、彼らのポップ・ストロングさがより活きた今作。ソングライティング担当の吉田崇展(Vo&Gt)に彼らのこれまでと、今作、そしてこれからを語ってもらった。

EMTG:もともと吉田さんは弾き語りで活動されていたんですか?
吉田崇展(以下、吉田): そんな時期もありました。でも音楽を始めたキッカケはやはりバンドからで。とは言え当時は、なかなか理想的なメンバーが揃わなかったり、調子も合わなかったりして…。そのブランクの期間ですね、弾き語りをやっていたのは。
EMTG:当時はどのようなバンド像を理想としていたんですか?
吉田:当初はクールな音楽やコアで技術的にも高い音楽性への憧れがありました。3年前にこのズーカラデルを組もうとなった際には、逆に当時の他のメンバーが明るいキャラやそんなにめちゃくちゃロックを通ってきた人間じゃなかったこともあり、「だったらよりシンプルな形で、出てきたメロディをそのまま気持ち良い形で出せるバンドにしよう」と。そこから今のスタイルへと向かい出したんです。
EMTG:おっしゃる通り、今はまさにそんな音楽性ですもんね。
吉田:歌の内容も、それまでは自分の心情の変化を主に歌ってましたが、暗いのもちょっと邪魔臭く感じて。「ドンと歌を前に出しちゃった方がいいだろう」と思わせてくれたメンバーでもあったんで。
EMTG:ズーカラデルの音楽って作品だと明るくカラッと聴こえるのに、ライブではややウェット気味に感じたんです。それはその辺りの遍歴も関係しているんでしょうかね?
吉田:ライブに関しては特に僕がMCを担当していることもあり、僕の人間性がより出ちゃってるのかもしれません(笑)。でも、自分としては、そのメロディのカラッとした部分と、僕の拭いきれない自分のキャラクターから出てくる歌詞のいい具合でのブレンドを目指していて。それが今、けっこう気持ちいい形になっているんです。
EMTG:その明るい音楽性と歌詞や歌のウェットさの上手い融合がズーカラデルの音楽性の魅力だと私には映っています。
吉田:そのブレンド具合や絶妙さが自分たちの音楽性の肝であることは自覚してます。その辺りは僕の性格にも関係していて。僕、楽しいことを「楽しい」とそのままストレートに伝えたくないタイプなんです。逆に悲しいことも「悲しいです」と主張することにもあまり面白みを見い出せなくて。そのグレーな部分を描ける人に憧れがあるんです。
EMTG:割とリリックは聴き手に委ねたり、想像させたりと、いわゆる自己解釈への余白も多いですもんね。現在の他のメンバーはどんな方々ですか?
吉田:ドラムの山岸りょうは元々吹奏楽部の出身なんです。それもあり、ドラムのスネアさばきにも長けてるし、歌うドラムを叩ける存在だなって。ベースの鷲見こうたはメタルからJ-POPまで凄く色々な音楽を聴いていて。曲も作るんですが凄く勘も冴える男なんで、この3人で上手い方向にいったとの実感はあります。
EMTG:ズーカラデルの醸し出すグルーヴはある意味、特徴的です。一人ひとりが本来のプレイ以上の動きをしてるし。3ピースながら大音量で音の寂しさを補うでもなく、だけどサウンドが充実してるという。
吉田:鷲見は3ピースバンドが今回初めてだったようなんです。そんな中、僕があまりギターソロ等を弾きたがらないので、この形態で厚みを残す為の策かなって(笑)。
EMTG:あとはサウンドやメロディの明るさに対して、歌はそこまで明るく歌い放っていない印象があります。ややウェット気味な歌い方ですよね?
吉田:歌に関してはあまり何かを意識したりはしていません。僕の歌い方が元々こうだし、自然に普通に気持ち良く歌っているだけなんです。
EMTG:リリックも独特で。リアリティがありながらも、いい意味で机上や想像で書かれている感じが凄くするんです。
吉田:僕自体、起こったことをそのまま描写することにあまり興味がないタイプで。起こったことや頭の中で考えたことを的確な形でアウトプットするために今の表現に至ってます。例えば、「なんとくイヤな感じがする」事柄を伝えるのに、「なんとなくイヤな感じがする」では明確には伝わらないじゃないですか? その人は僕と同じ体験をしているわけではないので。その「なんとなく」のニュアンスを伝えるには、どのような言葉や表現が感覚的に近いか?を探してリリックにしてます。
EMTG:今回、初の全国流通盤として2ndミニアルバム『夢が醒めたら』を発売しましたが、個人的には分かりやすく伝わりやすくなった印象を持ちました。
吉田:多くの方がそのような感想を下さるんですが、自分的にはそれは、初期の頃の「漂流劇団」や「ビューティ」のリメイクの印象からかなと捉えていて。それらの曲は、「この3人(前任ベーシスト時代)から出る、明るさや歌が前面に出る楽曲を作ろう」と定まった頃に作った曲でもあるので。あとは、前作に「アニー」という曲があって。あれも「何を言っているのか?」が明確で伝わりやすい曲だと今になって感じていて。あの曲が広く聴いてもらえたこともあり、そこを気にし過ぎず、でも逃げず、ちゃんといい曲たちで勝負したいとの想いもありました。そういった意味では、その「伝わりやすさ」みたいなものは、どこか意識していたのかもしれません。
EMTG:私も今作は、「アニー」を経たがこその楽曲群の印象があります。
吉田:今思えば、あの曲を作る際は、「みんなでめちゃくちゃ盛り上がれる曲を作ろう」との意思の下つくりましたから。結果、それが多くの人にちゃんと伝わったのはある種の自信になったし。とは言え、「アニー」で伝えたかったことは「アニー」で伝え切れたし。じゃあ、他にも言えることがあるんじゃないか? と探り探り作っていった各曲ではありました。ただ、「アニー」を機に僕らを知ってくれた人、作品を聴いてくれた人、それからライブにも足を運んでくれる人が以降極端に増えたので、そういった人たちの存在は意識するようにはなりましたね。
EMTG:今作はよりお客さんも参加可能な要素も増えましたもんね。一緒に声を合わせられたり、掛け合いが出来る箇所、またハミングが出来る場面など。いわゆる聴き手とコミット出来る曲が増えた感があります。
吉田:正直、最初から全編その辺りを狙っていたわけではなくて。気づけばそうなっていた感じなんです。ハミングにしても「一緒にハミングして欲しい」よりかは、言葉にならなかったのであえてハミングにしたら、そのキャッチーさが逆にフックになったり。そのようなタイプの曲も多くて。狙ってはいませんでしたが、一緒に参加してもらえたら嬉しいですね。みんなも僕らも楽しいでしょうし。
EMTG:さっき「ドラマーの山岸さんが吹奏楽出身」とのことでしたが、ラストの「フライングマン」ではホーンも入ってますね。個人的にはこの曲がアルバム中、最も好きでした。
吉田:その感想は嬉しいです。これはアレンジもメロディも歌詞も凄くよく書けたし、マッチしているなと自分でも感じます。実はこの曲はもともとバンドのセッションから作り始めたんです。その作り方は今回が初めてで。アレンジを進めていく中でどんどん雄大にスケールアップしていった曲で。そんな中、ホーンが欲しくなり、山岸の昔の仲間でトランペットやホーンを入れたんです。
EMTG:自分たち以外の楽器と言えば、女性コーラスも入ってますよね?
吉田:FINLANDS の塩入冬湖さんにも参加してもらいました。2曲歌ってもらい (「パーティを抜け出して」「フライングマン」)、特に「フライングマン」の歌詞が出来た時に、“これは冬湖さんに歌ってもらいたいな…”と思いついて。おかげさまで、いい感じに曲を持ち上げてもらえました。
EMTG:最後にズーカラデルの今後のビジョンを教えて下さい。
吉田:そうですね…。「こんなイベントやライブに出たい」や「もっと多くの人に観てもらいたい」「聴いてもらいたい」等ありますが、それはそれで。まずは今の、音楽を作れて、演奏が出来て、それを聴いてくれる人がいる、この環境を大切にしたいですね。これまではそんなことが無かったし、それこそ今は嬉しい環境に居れているので、「そこでキチンと音楽をやりましょう」がバンドとしての決意で。いわゆる、ちゃんと曲を作って、ちゃんと演奏をして、そのあとのことはその時その時に結果としてついて来てくれたらいいよね的な気持ちでやって行こうかなと。

【取材・文:池田スカオ和宏】

tag一覧 J-POP ミニアルバム インタビュー 男性ボーカル ズーカラデル

リリース情報

夢が醒めたら

夢が醒めたら

2018年11月21日

SPACE SHOWER MUSIC

1.ダンサーインザルーム
2.恋と退屈
3.夢の恋人
4.パーティーを抜け出して
5.漂流劇団
6.ビューティ
7.フライングマン

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BOSS  Angry Driver
BOSSとJHS Pedals (手作業で全てのエフェクターを作り上げるエフェクターブランド)が共同開発した歪み系のエフェクターです。
BOSSのBlues DriverというエフェクターとJHS PedalsのAngry Charlieという2つのエフェクターの特性を合わせ持ったもので物凄く便利で、今もメインで使ってます。
Blues Driverのジャキッとした歪みと、Angry Charlieのやや丸みを帯びた歪みを、交互に使ったり、並列して鳴らしたり、それぞれ独立して鳴らしたりが出来る用途が広いエフェクター。
これを用い、楽曲制作やライブに於いて色々な作戦が立てられるようになりました。機材やエフェクター類はYouTubeのレビュアーさんの試奏を見て買うことが多いですね。
やはり北海道だとなかなか欲しいものが順当に店頭に並ばなかったりするので。動画サイトでの試奏映像は解説も共に大変参考になってます。それを基に買うことも多いですね。



■ライブ情報

年末調整GIG 2018
2018/12/21(金)名古屋・CLUB UPSET

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2018/12/29(土)仙台PIT

KICK OFF VIVA!!! 【北浦和KYARA編】
2019/01/12(土)ライブハウス北浦和KYARA

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2019/01/19(土)マイナビBLITZ赤坂

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2019/02/16(土)札幌 SOUND CRUE

見放題東京2019
2019/03/02(土)東京新宿歌舞伎町界隈12会場

VINTAGE LEAGUE TOUR 2019
2019/03/20(水)名古屋3STAR IMAIKE
2019/03/21(木・祝)大阪Live House Pangea
2019/03/29(金)新代田FEVER

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