フレデリックにしか鳴らせない快作『フレデリズム2』が遂に誕生!

フレデリック | 2019.02.20

 またフレデリックが私たちの想像を遥かに超えるニューアルバム『フレデリズム2』を完成させた。「オドループ」や「オンリーワンダー」といった中毒性の高い楽曲をフレデリックのイズム(主張)として詰め込んだ初のフルアルバム『フレデリズム』をリリースしたのが2016年。あれから2年4ヵ月ぶりとなる今作にいたるまでに、フレデリックはシングル『かなしいうれしい』や、『TOGENKYO』『飄々とエモーション』といった2枚のミニアルバムで、自身のバックボーンにある音楽へのリスペクトを色濃く打ちだし、新たなジャンル感を取り入れた楽曲でバンドのイメージを更新し続けてきた。ライブに目を向けても、神戸ワールド記念ホールでのワンマンを成功させたほか、大型フェスではメインステージを埋めるバンドへと成長を遂げている。そんな飽くなき進化と挑戦のなかでリリースされる『フレデリズム2』は、メンバーの個性と遊び心が溢れ、「ダンスミュージック」という概念が持つイメージを大きく押し広げる、いまのフレデリックにしか鳴らせない快作だ。

EMTG:前作『フレデリズム』からは2年4ヵ月ぶりになりますね。
三原康司(Ba):「そんなに経ってたんだ」っていう感じですね。自分でもびっくりしました(笑)。
EMTG:『TOGENKYO』以降、新しいチャレンジを続けてきたフレデリックの集大成が今回のアルバムだと思いますが、自分たちとしてはどう思いますか?
三原健司(Vo/Gt):『フレデリズム』のときにはなかった要素もありつつ、『フレデリズム』にもあったところはより洗練されたアルバムにもなったと思います。それは昔から作品を出すときのスタンスとして変わってないんですけど、今回は昔からあった要素よりも進化した割合のほうが多いイメージなんです。それって言い方が悪くなるけど、昔からのファンを置き去りにするんじゃないかって捉えられるかもしれない。でも、いまは進化してることの良さをより強く出していけるぐらいフレデリックは良い状態になってると思うんですよね。この2年4ヵ月っていうのは、「昔からあるものを越えていくことがフレデリックの良さだ」っていう活動をしてきたから、そこは自信をもって押すことができるんです。
EMTG:その変化を象徴するのがリード曲「LIGHT」だと思います。エレクトロのサウンドを全面に出してアップリフトしていく、クラブライクな曲ですけど。
康司:これはバンドサウンドでEDMっぽいことをやりたいなと思って作ったんです。僕らが「ダンスミュージックを追求する」っていうテーマを掲げるなかで思うのが、バンドのダンスミュージックもあれば、ソロアーティストのダンスミュージックであって、それぞれ表現が違うと思うんですよ。そういうことも考えながら、やろうと思えば、この曲を完全にEDMにすることもできたと思うんですけど、そうじゃないものにはしたかったんです。
EMTG:「ロックバンド」がEDMをやる意味を出したかったということ?
康司:そこはバンドとして繊細になる部分でしたね。
健司:ただ、ロックバンドとしての概念がどうとか、ロックバンドとしてこうあるべきみたいなポリシーというより、もっと楽曲を良くするにはどうすればいいかっていうのを重視して考えることのほうが多かったんですよね。そのなかでバンドとして「もうちょっとカッティングを入れよう」みたいな判断をしながら作っていったんです。
EMTG:EDMを取り入れた曲でいうと、「YELLOW」も同じような発想で作った曲ですか?
康司:作った時期は同じぐらいですね。このころ、自分のなかで「光」をテーマにした曲を書きたいと思っていて。「生命の光」のことを黄色で表すらしいんですよ。それをイメージして作ったら、こういう感じの曲になったんです。
EMTG:「LIGHT」も「YELLOW」も現在進行形のフレデリックのモードだと思いますけど、すでにYouTubeでアップされている「LIGHT」のミュージックビデオのコメントを見ると、「フレデリックっぽくない」っていうコメントもあって。それは見ました?
健司:見てます(全員うなずく)。
EMTG:ああいう反応に対してはどう思いましたか?
康司:賛否両論は良いことだと思ってますね。これは「スキライズム」で歌ってることにも通じるんですけど、そうやって言ってもらえることは無関心ではないってことじゃないですか。僕らはそれを受け止めて、どう伝えていこうかっていうことを考えられるバンドだと思うので。むしろ、いろんな意見を聞けてうれしいです。
健司:なんとなく想定済み、みたいなところはあるんですよね。そこまで「え!? こんなこと思われるん?」とは思ってないというか。逆に、自分たちのなかでは「面白い」って言ってくれる人が多いことに驚いたぐらいなんです。
EMTG:たぶんバンドの新しいチャレンジに対してリスナーが予想以上に肯定的な理由って、いままで次々に新しいものを提示してきたフレデリックが一度も私たちを裏切らなかったこと、常に納得のいくものを作り続けてきたことの積み重ねだと思います。
健司:たしかに。ライブのMCでも「進化」っていう言葉を使い続けてることが影響してるのか、最近はお客さんの認識自体が変わってきてるなと思いますね。音楽性が広がっていくのが、フレデリックらしいって捉えてくれてるというか。それこそ『oddloop』を出したときの「人魚のはなし」とか「うわさのケムリの女の子」もそうですし、『OTOTUNE』だったら「トライアングルサマー」、『TOGENKYO』だったら「スローリーダンス」みたいに、ミュージックビデオがメインとして出している曲じゃないところにも幅を持たせてきたっていう積み重ねがあったからこそ、「LIGHT」みたいな曲で想定済み反応に対して上回っていくことができる。いまは、いままで張ってきた伏線を回収しはじめてるような状態なんですよ。広くやってたことが年数を重ねることで自信に変わっていったなと思いますね。
康司:変化を「面白い」って言える人って、いろいろなことを楽しめる人だと思いますしね。
EMTG:わかります。新境地の「LIGHT」がある一方で、「スキライズム」のほうはBPMが速くて、ループする言葉が気持ちいい、フレデリックのパブリックイメージに近い曲です。こういう曲は「オンリーワンダー」以来、ちょっと久しぶりのような気がしますが。
康司:たしかに久しぶりかもしれないですね。最初にAメロ、Bメロがきて、盛り上がれるサビがきますみたいな土台は「オンリーワンダー」とかと同じなんですけど、メッセージもサウンドもまったく違うものになってるんですよね。いろいろなことを経験したいまだからこそだせる、新フレデリックになってるというか。
EMTG:サウンドで言えば、途中に入るダブっぽい感じとか?
高橋武(Dr):そうそう、あれはめちゃくちゃ気持ちいいですよね。フレデリックらしいBPMの速い曲にダブっぽいところを入れたのは、「オドループ」とか「オンリーワンダー」ではなかった要素なんですよ。あとは、ギターソロとかもね。
EMTG:隆児くんがああいうメタリックなフレーズが弾くっていうのが……(笑)。
赤頭隆児(Gt):面白いですよね。あれは「俺、かっこいいでしょ?」じゃなくて……「俺がこれをやったら面白いかな?」の要素のほうが強いんですよ。それは、誰にでも伝わることじゃないと思うんですけど昔から聴いてくれとる人が聴いたときに、「この人、こういうことをやっちゃうんだ!?」って気づいてくれたらいいなっていう。
康司:アホやなっていう感じだよね。すごい隆児らしい。
武:あれ、すげえ好き。
隆児:でも、あんまり難しくないんですよ。初心者が最初に練習するぐらいの塩梅でやりたかったんです。聴く人が聴いたら、「むっちゃ簡単なやつやん!」ってなる。僕も初めてやった感じが出てるから、ちょっと下手なんですけど、そういう面白さを追求してるんです。
康司:最初、俺は「本当にそれでいくの?」って言ってたよね。
隆児:うん、言ってたね。
康司:やっぱり俺が曲を書いてるから、そこはすごくシビアに見るんですよ。でも、ふつうにそのままいってたら、フレデリックらしいで終わってたと思うんでけど。結果、自分にないものを入れてくれるメンバーがいることで自分を広げてくれるなと思いましたね。
武:あれは隆児くんのギターの提案の面白さもあるけど、康司くんの器の広さもあるよね。
隆児:あれを「嫌だ」って言わないっていうね(笑)。
EMTG:いまのはほんの何秒かのフレーズのことですけど、話し出すと止まらないですね。
一同:(笑)。
武:でも、ずっとこの話をできますよ。
EMTG:数秒間にも徹底的にこだわるのが、まさにフレデリズム。
康司:うん、ずっとそういうふうにい続けたいんですよね。
EMTG:ほかのアルバム曲で言うと、「CLIMAX NUMBER」はホーリーなコーラスとキラキラとしたサウンドが印象的な冬のポップソングになりましたね。
康司:モータウンビートにはそういうコーラスが合うんですよね。いままでもモータウンビートっぽい曲は「骨の舟」とかもあったんですけど、これだけポップなイメージの曲はなかなか無かったと思います。あとは季節感のある曲を書きたかったんですよね。「トライアングルサマー」っていう夏の曲はあったんですけど、冬の曲をずっと書きたかったので、このタイミングで書けて良かったです。
EMTG:あと、「エンドレスメーデー」は疾走感のあるロックナンバーですけど、サビの前のめりなドラムに不思議な違和感があるんですよね。
康司:これも、いままでなかったものを作りたかったんです。
武:ふつうにロックな曲だからこそトレートにはいきたくなくて、ドラムはずっとサビでシンコペーションをしてるんですよ。さっきの隆児くんのギターの面白さにも通じる話で。ふつうシンコペーションって1~2回連続でするぐらいがふつうなんですけど、ずっとシンコペーションしてる、そのアホっぽさがあるんです。
EMTG:ええ、面白かったです。どんどん自由に遊びを入れられるようになったり、新しい表現の幅を広げていくなかで、ひとつ自分たちのなかで貫いたものは何だと思いますか?
武:フレデリックって軸はダンスミュージックなんですよね。で、ダンスミュージックって何かって考えたときに、ディスコだけがダンスミュージックで、それ以外の音楽はダンスミュージックじゃないかって言ったら、そうじゃない。いろいろなビートとかリズム、表現のかたちを持つダンスミュージックがあると思うんです。そういう意味で、今回のアルバムはダンスミュージックの幅を広げるようなことをやってると思います。クラブミュージックが好きな人も、邦ロックというか……ふだん僕らが出るフェスにいるようなバンドが好きな人も含めて、いろいろな環境の人たちに橋渡しができるのが僕らだと思いますね。
EMTG:さっき「スキライズム」の歌詞ひとつをとっても、「いままでとはメッセージが違う」と言っていましたけど、いままでよりもストレートに言えたところが多いですか?
康司:そうですね、メッセージで言えば、今回は二面性が多いアルバムになったんです。「スキライズム」だったら、好きと嫌いですし、「LIGHT」で言えば、光と影。「かなしいうれしい」は悲しいと嬉しい、みたいな。たとえば、「スキライズム」で話すと、「嫌い」っていう言葉ってネガティブなイメージが紐づくと思うんです。でも、「嫌い」のなかには「好き」の意味もあったりする。そういうことを感じられると、もっと音楽の聴き方だったり、自分の生活が変わると思うんですよね。だから、今回のアルバムが聴く人にとって、何かひとつのイメージから解放されていくようなものになればいいなと思います。
EMTG:いまはもうアルバムを作り終えて、「やり切った!」という達成感が大きいですか?
健司:いや、もう次に向かってる最中なんですよ。
康司:ここからはライブでどんどん新曲をやっていくことになるしね。
健司:ライブでどう見せていくかがフレデリックの醍醐味なので、もう「録り終えた、じゃあ、ライブどうしよう?」みたいな段階に入ってますね。また全国ツアーもやっていくので。『フレデリズム2』を聴いた人がライブに遊びにくるまでに、「どういうライブになるんだろう?」っていう想像を超える演出を考えてます。ただただ走り続けてますね。
隆児:これは伝えるべきことじゃないかもしれないですけど……やりたいことが増えてくると、ライブでもやるのも難しくて。めっちゃ練習もしてます。
康司:ほんまにそうやね(笑)。

【取材・文:秦理絵】

tag一覧 J-POP アルバム インタビュー 男性ボーカル フレデリック

リリース情報

フレデリズム2

フレデリズム2

2019年02月20日

A-Sketch

01.LIGHT
02.かなしいうれしい
03.エンドレスメーデー
04.対価
05.逃避行
06.スキライズム
07.他所のピラニア
08.TOGENKYO
09.YELLOW
10.CLIMAX NUMBER
11.夜にロックを聴いてしまったら
12.シンセンス
13.飄々とエモーション

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

FREDERHYTHM TOUR 2019
〜飄々とイマジネーション〜

2/21(木) 東京 Zepp Tokyo
3/03(日) 沖縄 桜坂セントラル

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る