androp アニバーサリーイヤーの最新シングル「Koi」をリリース

androp | 2019.02.19

 今年デビュー10周年を迎え、そのアニバーサリーイヤーに突入したandrop。約1年をかけ、そこから発信される数々のトピックは、彼らのこの10年間を映し出しながらもキチンと今後が伺え次へと繋がっていくものばかりになりそうだ。
そんな中、幸先の良いスタートダッシュ的なニューシングルがリリースされる。タイトル曲の「Koi」は、話題の大人の恋愛映画『九月の恋と出会うまで』の主題歌。感動的な王道の名曲ポップスとも称せる彼ら初となる恋愛ソングだ。対してM-2にはクールでカッコイイ、日本郵便「ゆうパック」タイアップ曲「For you」を収録。こちらは打ち込みを多用しつつも彼ら的にも新しさが伺える楽曲となっている。
これまでの彼らを感じつつも新しい要素が多分に収まった今作。まさにこの記念イヤー第一弾作品にぴったりの1枚と言える。

EMTG:いよいよ10thアニバーサリーイヤーに突入しましたね。
内澤:まだまだこれからって感じですが、先日その第一弾の「HMV GET BACK SESSION」が無事終了しました。おかげさまでスタートは上々で。こうなったら、もうイケるところまで行ってやろうと(笑)。
伊藤:今はこれからのツアーや今回のシングルが出る前の準備期間って感じですね。これから夏~秋~冬と段々と忙しくなっていくのが見えているので、今はちょうどそこに向かう前の嵐の前の静けさのような時期で。夏~秋がアウトプットの期間だとしたら、今はインプットの時期とでも言うか…。なので、逆に今はそれに備えて色々と準備をしたり、吸収したり、こんな時だからこそあえて自分と向き合う時間を作ったりしています。
前田:僕の場合は今、ここまでの自分たちの活動の軌跡を実感している最中で。これからに向けてはもちろんですが、逆にこれまでも振り返れるいい期間なのかなって。ここにきてようやく、自分たちがやってきたこの9年があったからこそのこの10周年であるとの自覚も出てきて。番組にゲストに出た際も話題になるのは、その辺りだし。話していてやはり自分でもここまで色々とやってきたなと改めて気づきましたからね。もちろんそこにはみなさんや応援して下さる方々への感謝も含まれてます。
佐藤:分かる。なかなかこういった機会がないと自分たちを振り返らないもんね。どうしても何か大義名分がないと気恥ずかしかったりするし。いい意味で10周年を言い訳に色々と甘えさせてもらってます(笑)。でも、どれもこれまで応援してきてくれた方に楽しんでもらえることが前提にあって。この10周年は自分たちはもとより、これまで一緒について来て下さったり、応援して下さった方への感謝の年でもあるので。
EMTG:ちなみに先ほどの「気恥ずかしい」というのは?
佐藤:これまであまり振り返らずに前に前に進んできましたからね、僕ら。そこまで振り返って自画自賛できる感じでもなく。逆に、「今だったらこう出来るのに…」の方が強いぐらいなんで。でもせっかくの機会でもあるので、これまで振り向かずにきた部分にもあえて目を向け、しっかりと向き合ってもいいかなとは思ってます。
EMTG:そんなニューシングル「Koi」ですが。3曲とも全くアプローチも違いますが、どれもこれまでのみなさんの縮図を伺わせつつ、その最新バージョンな印象を持ちました。
内澤:3曲とも毛色も違うしアプローチも全く違いますからね。自分としても今までの経験や活動があってこその1枚になった実感はあります。
EMTG:その3種3様にしようというのは当初から?
内澤:いや、狙ってはいませんでした。作り進めていくうちに各々全く違ったアプローチになっていったんです。
EMTG:なんか良い歌を届けるためには手段を選ばないが故の3タイプになった感があります。
内澤:今回の楽曲の成り立ちがそれぞれタイアップでしたからね。映画だったり、「ゆうパック」だったり。そのコンセプトや内容によって曲を作り分けて進めた結果、こうなったというか。
佐藤:結果、各々このようなアプローチになりましたが、それぞれ段階を経て変化していき、ここに行き着いた感はあります。例えばM-2の「For you」も結果、打ち込みのサウンドになりましたが、そもそも内澤君のデモの段階では生楽器主体だったし。それをみんなで話し合ったり、制作していくうちに、このようになっていったんです。各曲その曲を最も良くしようと試行錯誤を重ねていく中で、結果こうなったと。
EMTG:いやー、それにしても「Koi」は名曲ですね。凄く王道感があります。
内澤:もう王道です。映画は純粋な大人の恋愛映画なんです。こういった感じの作品に似合う歌といえば、やはり日本では主流でもある王道のJ-POP的な楽曲だろうと。
EMTG:それにしてもandropがこんなにも王道できたのには逆に驚きました。あのandropが…って(笑)。
内澤:でも、その王道を表すのがけっこう大変で。それこそ色々と勉強しましたよ。60年代~70年代のロックやポップスから入り、それが日本でどのように育まれ、ニューミュージックやJ-POPへと変貌していったのか?とか。それらも今は王道と呼ばれていますが、当時はきっと新しかったでしょうし。それを引き継いであえて今、自分たちのフィルターを通して表してみようと。この曲の為に昔の音楽も聴き返し、そのルーツも紐解きながら、「今の新しいサウンドとしてどういったことが出来るのか?」を色々と考えながら作っていきました。目指していたのは普遍性でしたから。
EMTG:これまで進化を続けてきた中、今回のこの曲のアプローチは逆に斬新で新鮮でした。
内澤:僕らも意外性を追求していき、結果、今だとこれが逆に意外かも…となったんです(笑)。温故知新…古きを知ることによって新しいものを知る、みたいなものが生まれるんじゃないかって。
EMTG:伝えたいことはシンプルなんだけど、それがキチンとドラマティックに成立しているところがこの「Koi」の最大の魅力に感じました。
内澤:もうこれ以上ないってぐらいメロディはあえてシンプルにしてますから。シンプルで普遍的なんだけど、ドラマティックなものにしたい。そんな想いで作りました。
伊藤:この曲には凄く共感するものがありましたね。最初からそこに至る道筋はみんな一緒だったので、スムーズに作ることが出来ました。
EMTG:この曲はこれからの季節である春にピッタリですね。
前田:曲調的には昔のシティポップスとか、ニューミュージックといった質感ですからね。往年の方々のフィーリングを僕たちなりに昇華してこうなったというか。実はこの曲は鍵盤も含めて一発録りだったんです。それもあって質感等のニュアンスも当時のようになったんじゃないかな。
佐藤:この曲は映画のラストシーンのホントばっちりのタイミングで流れますからね。これも内澤君は計算していたんでしょう。
EMTG:歌内容のストレートさにも驚きました。今までこういった求愛の歌ってandropは避けてきた印象があったもので。
内澤:僕自身このバンドで、このような内容の歌をうたうとは思ってもみませんでした(笑)。今回のコンセプトでもあるストレートなもの、それとマッチしたので、恋愛を題材に書けた面もあります。
EMTG:M-2の「For you」がゆうパックとのタイアップというのにもかなり驚きました。ゆうパックといえば、人から人への手渡しの温かいほっこりしたCMの映像が浮かんできて。対してこの楽曲は打ち込みで無機質じゃないですか。
内澤:あまり先方にはお伺いを立て過ぎず進行しました。なので、初めのデモからかはかなり変えたこともあり不安ではありましたが「メンバーがカッコイイと思うことをやろう」と。
EMTG:先ほど佐藤さんがおっしゃられたデモの生楽器の方がどちらかといったら合う印象があります。
内澤:最初はそれこそバンドっぽいテイストで、抑揚があって、熱量があってってアレンジでした。それを基にメンバー間で話しているうちに熱量をそぎ落とした方がカッコイイんじゃないか?となって。ビートやシンセを全面に押し出して、ダンサブルでエレクトロの方向に作り替えていったんです。
EMTG:これまでのみなさんだと「Yeah! Yeah! Yeah!」や「Voice」、「Mirror Dance」みたいな、近いテイストの曲はありましたが、今回はちょっとそれらとも違っていますよね?
内澤:そうですね。これまでの比較的BPM早めの縦ノリが似合うタイプではなく。横ノリのゆったりとしたBPMなんだけど、静かな情熱や秘めた熱さを伝えられる楽曲にしたくて。縦ノリの4つ打ちで明るい曲は既に多くの人がやってきているじゃないですか。そんな中、やはり10周年だからこその今後に向けての挑戦もしたかったんです。なので、あえてゆったりとした中でも熱い部分が見えたり感じられる。そこから広がりに持っていける曲、そこを目指しました。
伊藤:昨今は自分が思ったこと、楽曲が良い方向に向かうとの自信が自分にあるならキチンと発言しようというのがandrop内にはあって。この曲も実は、自分から「今回は生ドラムじゃなく、打ち込みの方がいいんじゃないか」と提案したんです。
EMTG:意外です。生ドラムの方が確実にドラマーにとってのアイデンティティがあるじゃないですか。
伊藤:それこそバンドとして自分の思ったことは通した方がいいなって。そういった意味では、過去曲でいうところの「Yeah! Yeah! Yeah!」や「Voice」みたいな曲に立ち返る必要は全く無くて。今の自分たちのライブや周りを見ても、今の音楽シーンで必要なのは、そういった部分じゃないことも感じてたし。特にタイアップとなると広がりも期待でき、バンドの意思としても強く捉えられるものですからね。
内澤:特にこの曲は各々の主観を大事にして作り上げましたから。ややをもしたらそれを突き通して欲しいとこもあったんで。
EMTG:この曲の「クールだけどカッコイイ」的な要素は、従来のandropの音楽性には無かった面ですもんね?
佐藤:この曲の中ではギターが唯一、生っぽいかもしれない。あえて高揚感を出さずに、ミュートだけど、ちょっとファンキーな感じを表してみました。いわゆるギターを録るというよりかは、ギターの音色の素材を録るって感じのレコーディングで。その辺りも年末の「daily」で得た僕らの手応えみたいなもののおかげだと感謝しています。
EMTG:私も今作はどの曲も「daily」を経ないと出来ていなかった作品たちだったと感じました。
前田:この曲に関してはあえてシンセベースで弾きました。みんなが各々自分の好きなことをやりつつ、楽曲つとして昇華させていくのがバンドですから。おかげさまでかなりカッコイイ曲になったと自負してます。
内澤:それらも含めて、この10周年アニバーサリーのスタート時にはこの1枚がきっと重要になってくるんでしょうね。発売された後のお客さんのリアクションや反応も今からとても楽しみなんです(笑)。

【取材・文:池田スカオ和宏】

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リリース情報

Koi

Koi

2019年02月27日

ユニバーサルミュージックジャパン

01.Koi
02.For you

お知らせ

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■ライブ情報

-LIVE HOLIC 5th ANNIVERSARY- uP!!! SPECIAL LIVE HOLIC extra vol.3 supported by SPACE SHOWER TV
03/30(土)幕張イベントホール

JAPAN JAM 2019
05/05(日・祝)千葉市蘇我スポーツ公園

one-man live tour 2019 "daily"
05/15(水)東京 LIQUIDROOM ebisu
05/22(水)宮城 仙台darwin
05/24(金)愛知 NAGOYA CLUB QUATTRO
06/09(日)大阪 umeda TRAD
06/19(水)福岡 DRUM Be-1
06/22(土)東京 代官山UNIT

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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