Bentham、バンドの現在地を更新する2ndアルバム『MYNE』インタビュー!

Bentham | 2019.02.28

 多彩な魅力が詰まっている2ndアルバム『MYNE』。ライブバンドとしても定評のあるBenthamだが、レコーディングスタジオでじっくりと構築したサウンドならではの豊かな質感を存分に楽しめる1枚だ。メンバー全員がソングライティングを手掛けている各曲は、味わい深い個性を力強く示してくれる。心地よいメロディの宝庫にもなった今作は、どのようにして生まれたのか? メンバー全員が語ってくれたこのインタビューは、彼らの音楽性の源である4人の和やかな関係性も自ずと示していると思う。

EMTG:どのような作品にしたいと思っていました?
小関竜矢(Vo/Gt):デモを集める段階から「幅を出していこう」ということを話していました。
EMTG:メンバー全員が曲を書けるバンドとしての良さも、すごく出ているアルバムだと思います。「全員が曲を書けるから、俺らは日本のビートルズだ!」とか思ったりもします?
小関:それは昔からですね。
辻怜次(Ba):誰がそんなこと言ったんだよ(笑)。
小関:(笑)インディーズの時から全員が作曲をしているんですけど、それがどんどんいい形で実るようになったと思います。
辻:メンバーそれぞれ好きなものとか、音楽的な経歴が結構バラバラなんですよ。それが今回のアルバムは、自然に色濃く出ていますね。「みんな違って、ちょうどいい」っていうか、お互いに「それいいね!」って引き出し合える4人なんです。
EMTG:「音楽の方向性の違い」というような、ロックバンドがよく抱える悩みとは無縁?
小関:はい。Benthamは、「全員の音楽の方向性が寄っちゃたら解散」というバンドです。
辻:そんな理由で解散したら、みんなどう思うんだろう(笑)。
EMTG:(笑)今作を聴けば、解散とは縁がないことがよくわかります。曲調に関しても、かなり幅広いですし。
鈴木敬(Dr/Cho):ミディアムナンバー、スローナンバーも押し出しているアルバムですからね。
須田原生(Gt/Cho):収録する曲を選ぶにあたって、ジャンル分けもしました。アッパー、ミドル、スローテンポっていうバランスも考えたので。今までもそういうことは考えていたんですけど、その点をより徹底しました。
EMTG:ミディアムナンバーの「cymbidium」が1曲目なのは、意外性がありました。
小関:この曲を1曲目にしたのは、僕たちにとっても大きかったです。「変わってしまった」ではなくて、「そう! これがBenthamのいいところなんだ」って感じてもらえる曲だと思います。
EMTG:「cymbidium」は、「いい曲!」っていうシンプルな感想が、すごくしっくりきますね。
小関:ありがとうございます。いい曲によって世界が変わるなんてことはないんですけど、そういうものを作っていると「世界がひっくり返っちゃうんじゃないか?」って思える瞬間があるんです。この曲もまさにそうでした。
須田:「cymbidium」は、これをリード曲にするべきだなと僕も思いました。
小関:僕の中でこの曲は、「思春期の男の子が女性に恋をする儚い感じ」をイメージしているんです。でも、自分は30歳ですから青春っぽさはあまり出なくて。それがこの曲にとって良かったです。同世代や上の世代の人には、「こういうこともあったな」と感じてもらえるものになったと思うので。
EMTG:これは僕の勝手な解釈ですが、アルバムのラストを飾っている「夜な夜な」と「cymbidium」は対になっている印象がしたんです。
小関:すばらしいですね。「cymbidium」の歌詞の《僕》を《私》に置き換えて聴いていただくと、「ダメな男がいて」という女性側の曲になるんです。それに対して「夜な夜な」は、その男側の曲なんですよね。最初からそう決めていたわけではないんですけど、お互いにリンクさせると、男側の「こう思っていてほしい」っていう弱さとか切なさも、より感じられるのかなと思います。
須田:「cymbidium」は、音の広がり感を出すためだけのギターを入れたりもしています。今作はこの曲以外でも、何となくでしか感じられない部分にも時間をかなり費やしているんです。すごく勉強になったレコーディングでしたね。
鈴木:今回、ドラムに関しても、大中小のサイズのスタジオを使い分けて録ったりしました。スタジオによって音の響きは変わりますからね。そういう色分けも考えられたのが、すごく全体に活きていると思います。
辻:ドラムとベースを一緒に録った曲もいくつかあるんですけど、グルーヴの出し方とかもすごく考えました。10曲それぞれに全力で向き合ったことで、いろんな引き出しを開けることができましたね。
EMTG:例えば『ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル』の主題歌になった「Hope the youth」も、すごく豊かな空気感がある曲ですよ。
辻:ありがとうございます。甥っ子が、3、4歳くらいなので、喜んでくれるかなということも思っています(笑)。
鈴木:僕、「いつ出るの?」って言われました。Benthamって、たしかに怪獣っぽい名前ではありますが(笑)。
EMTG:(笑)《未来は君のモノ》って歌っていますし、子供たちにも届いてほしいメッセージがこめられていますね。
小関:はい。子供も一緒に観ている大人も、何かを感じられる曲にしたかったんです。ヒーローものって、大切なメッセージを継承していくものでもあると思うので。
EMTG:この曲を覚えた子供たちが歌ってくれたらいいですね。
小関:ぜひ歌って欲しいです。
辻:2Aの語りのところが難しいけど、カラオケとかで大丈夫かな?
小関:大丈夫だと思う。
鈴木:そこは盛り上がるところでしょ。
須田:「俺、ここ歌えんだ!」って、なってくれるはず(笑)。
小関:親子で歌ってくれたりしたら、本当に嬉しいですよ。
EMTG:「Hope the youth」もそうですけど、今作のいろんな曲は「大人になっても夢は見られる」ということを描いていますよね。例えば「ASOBI」「five」「トワイライト」とか。
小関:「five」はメンバーへの手紙のようなイメージです。「ASOBI」はメンバー全員が30代に入った今のBenthamの状態が表れています。「トワイライト」は、須田との初めての共作ですね。
EMTG:「トワイライト」は歌詞も共作ですが、お互いの思っていることを確認し合えたんじゃないですか?
須田:たしかにそういう機会にもなりました。
EMTG:交換日記のような感覚もあったり?
須田:そういうドキドキ感は、メンバーに求めていないです(笑)。
小関:「この曲、完成するかな?」っていうドキドキはありましたけどね(笑)。
EMTG:(笑)「ASOBI」と「five」の作曲は、須田さんですね。「five」は、ギターのコードの響きが気持ちいいです。
須田:「five」は、基本のコード進行的なところはシンプルにしたかったんですけど、そこに積んでいった音でいろんな響きを出しています。
EMTG:バンドサウンドとしても、とても心地いいです。
小関:パソコン上で音楽を作ることもできますけど、わざわざ大人が4人集まって音楽をやっているのって、すごく大事なことじゃないかなと思うんですよね。
EMTG:Benthamのバンドサウンドってエネルギッシュな部分もありつつ、なんか聴いていると和むんですよ。メンバー同士の関係性が表れているんですかね?
小関:どうなんでしょう? ちょっと前までは「病んでますよね?」とかよく言われて、「そうなんです。いつも部屋で膝を抱えてます」とか答えて笑いをとっていたんです(笑)。その感じは今も変わらないんですけど、何かを掴めるようになったのが曲にも出ているのかも。最近、気持ちが前向きなんですよ。ひとりだと押しつぶされるようなことも、みんなと共有しながら頑張ってきたので。このメンバー、みんなそこそこいいやつ。いやなやつがいないんです。だから変に気持ちを隠し合うこともないし、本音を言い合うようになったら、いい感じになってきました。
EMTG:「そこそこいいやつ」と言われて、みなさんはどんな心境ですか?
辻:ちょっと恥ずかしいです(笑)。しかも「そこそこ」なんですね。でも、仲はいいんです。リハーサルの後に4人で飲みに行くこともよくありますから。
須田:今回のアルバムは、そういう4人のカラーがすごく出ていますね。アルバムの構成としても、「ここでこういう曲が欲しい」っていうところで、それぞれのキャラが発揮されていますし。
EMTG:キャラという点で言うと、辻さんが作曲した曲は変化球色が強いですよね。小関さんと共作した「MIRROR BALL」もインパクトがありますし。
辻:ルーズヴェルトとかダフト・パンクの『ランダム・アクセス・メモリーズ』とか、人力の4つ打ちのエレクトロみたいな曲をよく聴いていた時期があるんです。「こういうのもありなんだ」って、すごくハッとさせられたんですよね。そういうのをBenthamでやりたいと思ったのがこの曲の始まりだったんですけど、気づいたら結構エフェクティブな音も入って、豪華な仕上がりになっていました。
EMTG:この曲、ギターソロもすごくいいですね。
須田:振り切った音作りをしています。最初、控えめにしたんですけど、みんなから「いやいや、何やってんだよ」って言われたんです。やってみたら、だんだんテンションが上がっていって、こうなりました(笑)。
EMTG:(笑)「BASSBALL」も辻さんの作曲ですが、歌詞はラジオ番組に寄せられたリスナーからのワードをもとにしたんですよね?
辻:そうです。先生(小関)が、ワードをチョイスしてくれました。
小関:「恋愛における9回、2アウト満塁」っていうお題だったんですけど、どこまで面白いものにできるのかを楽しみました。
辻:僕もリスナーに交じって投稿したんですけど、落選しました。
小関:すぐ却下(笑)。
EMTG:(笑)「SUTTA MONDA」は、鈴木さんの作詞作曲ですね。
鈴木:はい。「すったもんだってどういう意味だっけ?」っていうのを考えつつ、サビのフレーズが出てきたんです。Bentham的なものに寄せて作っていたんですけど、どんどん盛り上がっちゃって、面白い感じの曲になりました。自由にやらせてもらったので、ちょっとふざけた感じも出ていると思います。ライブでやったら、楽しそうな曲です。
EMTG:ライブといえば、4月から7月にかけて全国ツアーがありますね。今までで最長?
小関:はい。長いツアーなので、曲をじっくり熟成させることができそうですね。たくさんのみなさんに、今のBenthamを見ていただきたいです。
EMTG:ライブに来たら「そこそこいいやつ」である4人にも会えるわけですね。
辻:はい。そこそこいいやつらなので(笑)。

【取材・文:田中大】

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リリース情報

MYNE

MYNE

2019年02月27日

ポニーキャニオン

1.cymbidium
2.Cry Cry Cry
3.Hope the youth
4.トワイライト
5.five
6.ASOBI
7.MIRROR BALL
8.BASSBALL
9.SUTTA MONDA
10.夜な夜な

お知らせ

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■ライブ情報

Bentham『MYNE』リリース記念「 GOLD RUSH TOUR 2019」
04/05(金)千葉 LOOK
04/06(土)横浜 BAYSIS
04/11(木)福岡 Queblick
04/13(土)大分 club SPOT
04/14(日)熊本 Django
04/17(水)松江 AZTiC canova
04/18(木)広島 SECOND CRUTCH
04/20(土)松山 double-u studio
04/21(日)高松 DIME
04/23(火)岡山 PEPPERLAND
04/29(月・祝)KYOTO MUSE
04/30(火・祝)music zoo 神戸太陽と虎
05/08(水)盛岡 the five morioka
05/09(木)仙台 Hook
05/10(金)郡山 CLUB #9
05/17(金)札幌 BESSIE HALL
05/22(水)新潟 CLUB RIVERST
05/23(木)松本 ALECX
05/25(土)金沢 GOLD CREEK
05/26(日)富山 Soul Power
06/08(土)Live House 静岡 UMBER
06/14(金)HEAVEN’S ROCK Utsunomiya Vj-2
06/22(土)大阪 Shangri-La ※ワンマン
06/30(日)名古屋 CLUB UPSET ※ワンマン
07/15(月・祝)東京 Shibuya WWW X ※ワンマン

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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