BURNOUT SYNDROMES、3rdアルバム『明星』をリリース!

BURNOUT SYNDROMES | 2019.03.01

 結成10周年を迎えた2016年にメジャーデビューを飾った大阪の3人組、BURNOUT SYNDROMES(以下BOS)。以来、青春文學ロックを掲げる彼らはTVアニメ『ハイキュー!!』に起用された「FLY HIGH!!」「ヒカリアレ」やTVアニメ『銀魂.』のエンディングテーマーに起用された「花一匁」といったシングルはもちろん、『檸檬』(16年)、『孔雀』(18年)といったアルバムを精力的にリリースしてきた。そして、この2月20日、3rdアルバム『明星』をリリース。これまでもコンセプチュアルなアルバムを作ってきたBOSが今回、挑んだのは、星の王子様のエスコートによる小さな星を巡る時空を超えた壮大な旅を全10曲で物語ることだった(物語の最後には驚愕のどんでん返しが!)。

 今回は全曲の作詞・作曲を手掛けた熊谷和海(Vo/Gt)にメール・インタビュー。どんな想いの下、『明星』を作り上げたのか尋ねてみたところ、リスナーを鼓舞するアンセミックかつエモーショナルな曲の数々を、実はある意味テクニカルに、そしてプログレッシヴに作り上げる熊谷のユニークな作家性が浮き彫りに。3月2日からは、すでにソールドアウトとなっている東名阪公演を含む全国ワンマンーツアーもスタート。合わせて、その意気込みも聞いた。

EMTG:『明星』のリリース前に全曲視聴を実施して、視聴した人たちの反応は当然気になったと思うのですが、反応の数々からどんな手応えを得ることができましたか? また、トレーラーではなく全曲視聴にしたのは、なぜ? もちろん、それだけ聴いて欲しいという想いがあったからこそだと思うのですが、今回、漠然とした自信ではなくて前2作以上に聴いて欲しいと思ったはっきりとした根拠があるんじゃないかと想像したのですが、いかがでしょうか?
熊谷和海(Vo/Gt):ぶっちゃけ、「24時間限定で全曲視聴をYoutube上で行う」というのは当日知りました。僕の仕事は音源を作るまでで、そこから先のプロモーションに関してはノータッチだからです。とはいえ、その話を聞いた時「あの歌詞カード」と同時に聞いて貰うことを前提としていた僕としては、Youtube上で聴かれてしまうことが不本意であり、ショックでした。しかし、蓋を開けてみるとこのアルバムの最も大事な核の部分の前で、それと分からせずに視聴が終了するようになっておりました。ネタバレどころか、この視聴会を挟むことによってアルバムの大オチの破壊力が増したのではないかと思います。これに参加してから、改めてCDで聴いてくださった方には、僕が設定した以上の衝撃があったのではないでしょうか。むしろいちリスナーとして羨ましくなりました。
EMTG:BURNOUT SYNDROMES(以下BOS)は、これまでもコンセプチュアルなアルバムを作ってきましたが、『明星』は星の王子様のエスコートによる小さな星の旅というコンセプトの下、バンド/ミュージシャンとしての使命を改めて標榜しようというテーマがあるようですね。『明星』のテーマ、コンセプト、そして、それがどんなところから生まれたものなのか、熊谷さんから改めて説明していただけないでしょうか?
熊谷:最初はスケジュールの都合上、「星の王子さま」「あゝ」「ダーウィンに捧ぐ」を抜いた6曲のミニアルバムで良いんじゃないか? と思って作っていましたが、周囲からの「フルアルバムにしたい」という要望もあり、急遽、数年間温めていた「星の王子さま」、インディーズの頃一度録っていた「ダーウィンに捧ぐ」、次のアルバムに入れようと思っていた「あゝ」を入れることにしました。結果、これ以上ないくらいコンセプトのしっかりしたものになりました。無茶振りに対応できたのは日頃の準備の賜物であり、必要は発明の母ということだと思います。
EMTG:自分のバンドのことを歌ったと思しき「世界を回せ」から、人類の誕生を謳った「ダーウィンの捧ぐ」まで、時代、地域を超えた、さまざまな物語を歌った曲が収録されていますが、それらは文学だけに止まらない熊谷さんの博識があるからこそ実現できたものですよね? 時代、地域を超えた、さまざまな物語を歌おうというコンセプトに合わせ、いろいろな曲を書いていったのか、それともそういういろいろな曲ができたから、小さな星の旅というコンセプトでまとめていったのか、どちらなのでしょうか?
熊谷:前項で書いた通り、最初はミニアルバムにしようとしており、そこでのコンセプトが「世界各国」みたいなイメージでした。このアルバムを作るにあたって様々なシンセサイザーのバンドルを購入したこともあり、民族楽器系の音源が溜まっていました。それを利用しての「世界各国」という当初のコンセプトであり、それに「星の王子さま」というストーリーを加えてできたのが、「小さな星の旅」という今回のコンセプトです。自分が博識かどうかを意識したことはなく、いつも与えられた条件下でベストを尽くすことだけを考えています。
EMTG:いずれにせよ、時代、地域を超えた歌詞を書くことを、熊谷さんが楽しんでいるようにも思えるのですが、そういう歌詞の書き方をすると、どんなところが楽しいですか?
熊谷:楽しいというよりは、主人公を自分に設定して曲を書くのが苦手なのだと思います。リスナーとしても、すべての音楽は何らかの作品の添え物、タイアップであるべきだと思っており、歌い手の自分語りみたいなのが昔からピンとこない人間でした。しかし、全曲タイアップをつけて貰うわけにもいかないので、アルバム曲に関しては一旦自分で架空の物語のようなものを頭で作り、それの主題歌を歌うような気持ちで作っています。自分のことを歌うという発想が無いので、時代、地域を超えている感覚もまた、無いです。
EMTG:今回、時代、地域を超えることで、歌詞を書く上で、どんなメリットがありましたか?
単純に楽で、早いです。性別、種族、時代を変えた方が主人公のキャラクター設定がしやすく、それが僕の得意技なのだと思います。ただ、その得意技は今回のアルバムで出し切った感覚があり、次のアルバムではそこを敢えて抑え、また今までのものとは違う風味のものを作ろうかなと現段階では考えています。
EMTG:今回は、進化(人類学、生物学)、偉人の演説(歴史)、世界各国の剣(兵器、工芸品)、ルーヴル美術館(美術)、マージャンなどが曲のモチーフになっていますが、その他、今回、曲にはならなかったが、普段から、熊谷さんが興味を持って、掘っているものってあるんでしょうか? それらが今後、曲のモチーフなることもあるかもしれない?
熊谷:客観的な僕の知識のパラメータとして、物理化学・世界史・オカルト・芸術文化に特化していると思われます。もうちょっと現代社会にコミットしなければいけないというのを今後の課題にしています。今は引っ越し直後ということもあり、インテリアにハマっています。「こういう知識を仕入れたから使おう」ということは一度もないので、ハマったジャンルがしばらくすると自分の中で発酵し、曲として醸造されていくイメージを持っています。
EMTG:「あゝ」は、ギター(や、それを演奏する快感)を歌っているようにも思えますが、体を売る女性をテーマにしているという意味で、『檸檬』収録の「エレベーターガール」と通じるところがあります。熊谷さんにとって、それは興味のあるテーマ、モチーフなのでしょうか? そういう女性の気持ちを代弁する理由は?
熊谷:女性の気持ちは僕には一生分からないので、それらは基本的に僕の気持ちです。ただ知り合いの女の子から「あそこまで女性の気持ちをリアルに書けるのは凄い」と何度か言われたことがあるので、きっと男も女も根本は考え方は同じであり、僕が届けたい歌詞というのは恐らくそこにアプローチするものなのだと思います。性別を女にするのは、単純に「男がこういうテーマを歌うと気持ち悪い」というだけです。「女性が歌うことによってのみ格好良く聞こえるテーマ」というのがこの世にはあり、僕はそういった歌詞が好みなのです。
EMTG:歌詞の内容のみならず、これまで通り、楽曲も多彩ですが、配信リリースしたシングル「ナミタチヌ」は、EDMサウンドが印象的です。これまでEDMに影響を受けながら、それをトリオ編成のバンド・サウンドにこだわって奏でていたBOSが、「ナミタチヌ」ではバンド・サウンドにこだわらないアプローチに挑んだのは、なぜ? どんな心境の変化があったのでしょうか?
熊谷:僕はコンプレックスの塊です。それは身体的・精神的なことにかかわらず「シンセが使えない」「ピアノが弾けない」「コード理論がわからない」「ミックスダウンができない」「マスタリングができない」といった能力的な部分にも波及しています。それらをなんとか克服したくて毎日を過ごしています。その一環として「今年はシンセサイザー・コード理論・エンジニアリングに対する苦手意識を無くす」というテーマで作曲を行なったのが2018年でした。ですので心境の変化というよりは、制作環境、スタッフとの連携、知識の充実などがそれら諸問題への挑戦を可能にしたという感じです。遅かれ早かれ手を出していたジャンルだと思います。
EMTG:5曲の編曲にサウンド・プロデューサー、アレンジャーとしても活躍されているキーボード奏者のejiさんを迎えていますが、今回、サウンド・アプローチはどんなテーマが? サウンド面ではどんな挑戦がありましたか?
熊谷:前述した通り、シンセサイザーを使いこなすことが昨年のテーマでした。ただ、鍵盤楽器への大きな苦手意識があったので、アレンジャーとしては勿論ですが、アドバイザーとしてejiさんに参加していただくことが今作には必要だと感じました。シンセサイザーは一見無限に音を重ねられるので、そこの差引のジャッジをejiさんに一任し、その感覚を盗む気持ちで作業を行いました。あと、シンセを扱うにはコード理論への知識を深める必要があったので、そこも様々な手解きを受けました。大変勉強になった一年間でした。
EMTG:前2作では、いしわたり淳治さんをプロデュースに迎えていましたが、今回はセルフ・プロデュースに挑戦しています。セルフ・プロデュースでやってみようと思ったのは、なぜ?
熊谷:インディーズ時代からいしわたりさんに歌詞を中心に4年間プロデュースして頂きました。今回セルフ・プロッデュースに踏み切ったのは、「自分一人でやりたい」、というよりは「やらなければいけない」という意識の方が大きかったと思います。こう言うのもなんですが、僕には器用なところがあり、「いしわたりさんのOK」を狙って詞を書けるようになってきていました。「リスナーに届くかどうか」より「OKがでるかどうか」に重点を置き始めている自分を感じ、それはクリエイティブな意識ではないと考えました。ですので改めてもう一度自分一人でやってみる方が新たな発見があると思いましたし、そこでレベルアップしてまた再びいしわたりさんに見ていただける機会があれば、より高度なクリエイトができるのではと感じたからです。
EMTG:名刀や、それを作る名匠を題材にした「MASAMUNE」では鍛冶の槌音をインダストリアルなビートで表現したり、「国士無双役満少女」ではディススコ・サウンドにオリエンタルな旋律や音色を加えたりと、今回もさまざまなギミックでリスナーを楽しませますが、「我が家はルーヴル」のユニークさは、形容が難しいおもしろさが感じられます。この曲はサウンド的にはどんなコンセプトの下、作り上げていったのでしょうか?
熊谷:正直ユニークなサウンドを作っている感覚は一切ないのですが、強いて言うならフランスの国旗のトリコロール(赤・青・白)をイメージしたカラフルな曲ということで、エレキではなくガットギターを、ベースはスラップ奏法を、ドラムはビートというよりリフを、という派手なアレンジを採用しています。他にもイントロにはシンセの他にうっすら琴をレイヤーしたり、大げさなパンニングをフェイクに使ったりと、とにかく懐の広い、無国籍な美術館のようなイメージで音を隙間なく置いています。それでいながらそれらが同時に鳴ることは少なく、短いスパンで出たり引っ込んだりしてリズムとメロを形成するアレンジが物珍しく聞こえるのかもしれません。
EMTG:その他、サウンド面での聴きどころや、バンドおよび熊谷さん、石川(大裕 / Ba)さん、廣瀬(拓哉 / Dr)さんそれぞれの成長がどんなところに表われているか教えていただけますか?
熊谷:「星の王子さま」(の「-Overture-」および「-Fin-」)と「MASAMUNE」「我が家はルーヴル」の4曲はメンバーが一切参加していません。それぞれオーケストラの皆様と、あとは僕が打ち込みで作った楽曲です。特にそれを隠すこと無く公言し、バンドとして禁じ手に近いそれを良しとできるところに、バンドメンバー・チームスタッフ・ファンの皆様との信頼関係といった、あらゆる要素の成熟が見られるのではないでしょうか。
EMTG:アルバムの最後を飾る「星の王子さま-Fin-」では、これまでの旅が実は…という熊谷さんの心情吐露も含めたどんでん返しがリスナーを驚かせるのですが、作品を完成させるうえで、それは不可欠だったのでしょうか?
熊谷:漫画や映画には必ずと言っていいほどどんでん返しやオチがあるのに音楽にはそれがない。「それは音楽の敗北ではないか?」と常々思っておりました。コンセプトアルバムという名目を掲げる以上、その問題への挑戦は必須であると感じ、今回のような大オチを用意させて頂きました。こういった音楽の可能性もあるのでは?というのを提案し続けるのが僕の仕事だと思っています。
EMTG:タイトルを、『明星』としたのは、なぜ?
熊谷:日本では「明けの明星」、海外では「ヴィーナス」として愛される金星ですが、実際は気圧気温気候、どれを取っても太陽系で最も危険な死の星だそうです。遠目で見てる分には美しく気高く輝く一等星、しかし内情を除いてみれば空虚な地獄、というのが今回のストーリー「星の王子さま」、ひいては惨めな自分を鼓舞するために応援歌を書き続けた僕を象徴するようなワードだと思ったからです。
EMTG:『明星』を完成させ、バンドはどんなレベルに達した、という手応えがありますか? また、それによって新たな目標は見えましたか?
熊谷:長年温め続けた「星の王子さま」というアイデアを理想的な形で世に出せたことへの安堵感はありますが、バンドとしてどうこう、というのは僕にはありません。このバンドをどう扱うかはメンバーやスタッフの皆さんにお任せしています。僕はより良い曲を書くために日々研鑽するだけで、今までもこれからも目標はありません。
EMTG:3月2日からワンマンツアーが始まりますが、東名阪はすでにソールドアウト。東京と大阪では追加公演も決まりました。多くの人がツアーに期待し、楽しみにしていると思います。今度のツアーでは、どんなライブを、そしてどんなBOSの姿を見せてくれるのでしょうか? その意気込みを教えてください。
熊谷:ライブはベースの石川くんが制作担当ですので、勝手に内容について触れないようにしたいと思っています。ただ、ライブの方もアルバム『明星』に負けないくらい凝っています。しかし、チーム全員で「どうしたらより伝わるか、楽しんでもらえるか」を長期に渡って話し合い、全員で一丸となって作り上げたライブですので、必ず皆さんに『明星』とはまた一味違った未体験の感動をお届けできると信じています。どうかその目で確かめに来て欲しい、と思います。

【取材・文:山口智男】




▼BURNOUT SYNDROMESオフィシャルファンサイト「燃尽文庫」 サービス概要




URL:https://sp.burnoutsyndromes.com/(スマートフォンのみ)
開始日:2019年3月1日(金)

▼会費
[スマートフォン] 月額400円+税
※docomo、au、Softbank、クレジットカード決済に対応

▼対応OS・ブラウザ
iOS:10.0以上、Safariの最新版
Android:5.0以上、AndroidブラウザまたはGoogle Chromeの最新版
※タブレット端末、ガラホ(テンキーの付いたスマートフォン)、
らくらくスマートフォンは非対応となります。

▼「燃尽文庫」コンテンツ一覧 
□熊谷和海BLOG 「くまさん書店」
本好きなGt.&Vo.熊谷和海によるブログコンテンツ。
□廣瀬拓哉BLOG 「ひろせ美術館」
個性的なイラストを描くDr.廣瀬拓哉のブログコンテンツ。
□石川大裕MOVIE 「カワタイ倶楽部」
Ba.石川大裕が、自主企画を自由に配信する動画コンテンツ。
□RADIO/MOVIE 「燃尽劇場」
ここでしか見られない3人を、ラジオや動画でお届けします。
□OMIKUJI 「燃尽運勢」
1日1回、今日の運勢を占うことができるおみくじ。
□PHOTO 「燃尽保管庫」
アーティスト写真やライブ写真など、BURNOUT SYNDROMESの歴史を納めていきます。
□WALLPAPER 「オリジナル壁紙」
ロゴやオフショット写真などを使った壁紙を配信します。
□FAN MAIL
会員の皆様からメンバー宛てのメッセージを送信できるコーナー。
□BIRTHDAY MAIL 
お誕生日にメンバーからメッセージをお届けします。

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リリース情報

明星

明星

2019年02月20日

Epic Record Japan

1.星の王子さま-Ouverture-
2.世界を回せ
3.ダーウィンに捧ぐ
4.ナミタチヌ
5.SPEECH
6.MASAMUNE
7.あゝ
8.我が家はルーヴル
9.国士無双役満少女
10.星の王子さま-Fin-

お知らせ

■ライブ情報

全国ワンマンツアー2019
03/02(土)広島SECOND CRUTCH
03/03(日)福岡DRUM Be-1
03/10(日)大阪BIG CAT
03/16(土)愛知Electric Lady Land
03/23(土)東京LIQUIDROOM
03/30(土)宮城darwin
04/26(金)東京TSUTAYA 0-East
05/10(金)大阪BIG CAT

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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