THE ORAL CIGARETTES、「ワガママで誤魔化さないで」インタビュー

THE ORAL CIGARETTES | 2019.03.13

 昨年リリースしたアルバム『Kisses and Kills』を掲げ、全国ツアーを行っていたTHE ORAL CIGARETTES。昨年12月からアリーナ規模の会場を中心に『Arena series~Directly In a wide palces~』を展開中だが、アリーナシリーズ・ファイナルの横浜アリーナ公演の直前、ニュー・シングル「ワガママで誤魔化さないで」をリリースした。話題のTVアニメ『revisions リヴィジョンズ』のオープニングテーマとなっているこの曲で、彼らはまた次のフェーズに突入したように思える。これまでの彼らとは違う、変化球に満ちたポップサウンドを投げてきたのだ。まさに、これまでの殻をぶち破ったかのような潔い楽曲といえるだろう。この進化がこの先もたらすものとは何か。まずは、楽曲に向かう姿勢にどんな変化が生じたのか、メンバー4人に訊いた。

EMTG:毎度オーラルの新譜は楽しみにしてます! 今回のシングル「ワガママで誤魔化さないで」はTVアニメ『revisions リヴィジョンズ』のオープニングテーマですね。楽曲としてはもともと作りためていた曲だったのか新たにゼロから作り上げたのか、どちらだったんですか?
山中拓也(以下、山中):音自体はもともとあって、歌詞はアニメの世界観に寄せました。
EMTG:これまでのオーラルの壁をまたひとつ超えたような印象があります。音色も華やかですし。
山中:今まであまり入れてなかった音を入れたかったし、よりポップにっていう部分を意識しました。ロックバンドの視点というより、さらにポップにっていう思いが強かった気がしますね、今回は。だから、曲の運び方も聴きやすく、タイトルもわかりやすくして――。とにかく“ポップ”っていう部分に意識を置きました。オーラルなりのポップって何だろうみたいな。
EMTG:ああ、わかります。だから“タイアップもついているし、「アグレッシヴにライブでアガる曲をやるか!」っていうのとはちょっと違う気がしますね。
山中:ライブでグチャ~ってなるように作ろうとか考えなくなりましたね、最近は。
EMTG:確かにそういう曲じゃないですね。ギタープレイに関しては、レコーディングのたびに新たな引き出しが開いているように感じますが――。シゲさん(=鈴木重伸)、そこはいかがですか?
鈴木重伸(以下、鈴木):よりポップにっていうテーマが最初にありましたからね。Bメロなんて、ギターも歌メロに合わせて弾いているんですけど、それまで自分ではあまりやってこなかったことなんですよ。でも、メロディーを引き立たせることも考えながら弾けたので、新鮮でした。制作すればするほど新鮮なことが増えてきてますね(笑)。
EMTG:まさやん(=中西雅哉)はどう取り組みましたか?
中西雅哉(以下、中西):振り幅が広い曲でしたね。歌にも寄り添いつつも、その隙間をどう埋めようかなって考えていたら、メッチャ手数が多くなってました(苦笑)。でも、ドラムとボーカルだけのパートを最初に作っている時に、その出だしだけでオーラルだなってわかるというか。
EMTG:イントロはドラムとボーカルだけでリズミカルに突入していくんですよね。こういうの、新鮮です。
中西:拓也が歌えばオーラルなんやなっていう安心感のもと制作できたし、拓也自身もAメロのノリやリズムのイメージを最初から持っていたんで、そこはわかりやすかったです。
EMTG:じっくり聴いていくと、かなり面白い……ひょっとしたら難しい曲展開なのに、それがポップに聴こえるのは、すごいと思いました。
中西:急にブレーキ踏むみたいな瞬間があったりしますからね(苦笑)。
EMTG:あきらくん(=あきらかにあきら)は、どう曲と向き合いましたか?
あきらかにあきら(以下、あきら):今、言っていただいたように、展開がすごく多いんですけど、わかりやすい曲だし、やっぱりメロディーがすごく強いからポップになったし……ホントにお茶の間に広げられるメロディーの曲だなって。しかも、オープニングテーマという形でアニメとコラボできるのも嬉しかったですね。拓也も歌詞の内容を、アニメにしっかり寄せてくれたし。たぶんオーラルの姿勢として、世間に向くタイミングの曲なんだろうなって実感してます。僕らも昔よりレベルが上がってきたし、多くの人に(曲を)届ける難しさも味わったしね。こんなに頑張っても届かないのかっていう悲しい思いもしてきた中で、じゃあ、ここまでポップに振り切ったら、いろんな人に届くのか……とか、これでどれだけ多くの人の心をつかめるのかとか、いろいろ考えました。それぐらいこの曲に賭けてます!
EMTG:届きますよ!
あきら:ホントに届いて欲しいですね。ただ、今までオーラルを聴いたことがない人にも届くような自信はああります。自分達にとっての大きな一歩になればいいなと思いますね。
EMTG:さらに、そんな心意気を強く感じるのがPVなんですけど、カッコいい仕上がりの上に拓也くんが華麗なダンスを披露しているのに驚きました!
山中:そもそも普通のPVを作っても面白くないので……。実は今年あたりから音楽だけを伝えるだけのバンドじゃなく、カルチャーを伝えるバンドでありたいっていう思いを表に出しているんです。それって、前からずっと思っていたことなんですけどね。でも、言わないと伝わらないし、やらないと伝わらないから、PVからやっていこうと思って。今回は“アート”“ファッション”“音楽”がテーマなんです。“ファッション”を8つの部屋で見せて、その中に“音楽”のストーリーを盛り込む……で、ちゃんと作品 として映像でもキレイに見せられるように作りたいという話を制作サイドとしました。映像そのものは、部屋がスライドして絵が移動していくんですけど、ロックスターがワガママしまくるサマを描いていて、右に移動していけばいくほど人が離れていく部分を表現しているんですね。これをやりたいと思った時に、“じゃあ、どうやって疾走感を出そうか”“どうやってカルチャー感を出そうか”って考えたときに、ダンスもカルチャーだし、僕がもともと好きだったのもHIPHOPで、HIPHOPと言えばブレイクダンスじゃないですか。じゃあ、ロックスターもそれをやっていいんじゃないかって。これもひとつのカルチャーの発信の仕方かなと。しかもこの先、絶対ダンスを踊るロックスターが増えると思うんですよ。じゃあここで自分は先にやっちゃおうかって。それで頑張って練習しました。友達にダンサーがいるので、2週間みっちり教えてもらいました。
EMTG:ロックでも踊れる曲はたくさんありますから。いや~、とにかくカッコよかったです! カルチャーというキーワードで言うと、カップリングの「Color Tokyo」にもカルチャーの匂いを感じますね。特に“東京”という街がテーマですし。
山中:カルチャー感は意識しました。わかってもらえる人にわかってもらえればいいかなっていう気持ちも少しあって。全員に届けようというよりは、さらにコアな人に届けばいいかなっていうか。でも、これからオーラルが見せていくのは、たぶんこの「Color Tokyo」みたいな世界観だと思うんです。これがしっかり広がって、認められる状況を自分達で作っていきたいんですよね。リスクとか危険なところを通して、本質的な部分に気づかせる歌詞にするのがオーラルの強みなので。
EMTG:とはいえ、サビはポップだし、しっかりオーラル節だなと思いますよ。
山中:あと、「Color Tokyo」の歌詞に関して言うと、最初関西から来た僕らが見ていた東京ってすごく怖くて、何の魅力もなくて、ただ白黒にしか写っていなかったんですね。その東京が、自分達がいろんなところを経験して場数を踏んで成長したことで色づいて――今年は僕らが東京に来てちょうど5年経つんですけど、5年目の自分達で色づいてきた東京を描きたかったし、もっと自分達の街にしていきたいっていう思いを詰めました。存分にカルチャーを取り込んだ曲ですね。
EMTG:ホーンセクションも含め、いろんな音色が入ってますけど、最初と最後にアナログ盤のノイズで入ってるのも凝ってますね。「Like the Music」の方はアッパーなサウンドなので、ライブでも盛り上がりそうです。
山中:「Like the Music」に関しては、自分の中の光とか闇とか愛を音楽を通してどう伝えるかを書いた楽曲です。等身大で、今伝えたいことをただ伝えたっていう感じですね。
EMTG:では、カップリングについても、各メンバーの意見を聞かせてください。
鈴木:「Color Tokyo」はデモが上がってきたタイミングで、すごい曲やなって。プリプロをやり出した時に拓也が歌詞を上げてくれてたんですけど、僕が他の作業をやっている時にあきらが来て“これは歌詞を読んだ方がいい。曲の見方が変わる”って。で、歌詞を読ませてもらったら、緑でも紫でも、色の中にもいろんな暗さがあるんだなって感じたんですよ。ギター以外の音も考えたし、そういう面白さが詰まった曲です。
中西:「Color Tokyo」はシンプルに向かいましたね。レコーディングでもどんどんシンプルになっていきました。
EMTG:実はこの曲でもいろんな音が鳴っているんですが、どこか昔っぽい音の重なり方をしているというか――。
山中:正解です(笑)。90年代とか、そこら辺のロックバンドを意識して作りましたね。
EMTG:やっぱり(笑)。
山中:ギターソロもゴリゴリに出しているし、イメージとかノリも込みで、すごくカオスなものにしたかったんですよ。今のバンドがどうあるのかとか、昔のレジェンド達が培ってきた歴史だとか、そういうことも全部込みで作ってたので。
EMTG:あきらくんは先ほど、「Color Tokyo」の歌詞について、かなり強い印象を持ったようですが。
あきら:これは何でしょうね……すごく感動したし、カップリングにしたくない気持ちも強くて。だから、カップリング曲だと僕は思ってないんです(笑)。この曲のトラックがまずカッコよくて、これをデモで聴いた時に、“こういうのをやるんや!”って拓也が覚悟を決めたことにも驚いたし。で、仕上がった歌詞を見てさらに感動して。この曲は僕らの可能性に彩りを加えられた曲だと思うんですよ。こういうことを詰め込める環境が揃ったのかなって、自分達の活動を肯定してくれる曲なんじゃないかな。仕上がったサウンドを聴いても、ホントに満足のいくものができて……。僕は推し曲だと思ってます!  「ワガママで誤魔化さないで」以上の(笑)。
EMTG:どの曲も個性が際立ってますもんね。さて、まもなく『Kisses and Kills Tour 2018-2019』の『Arena series~Directly In a wide place~』の大詰め、横浜アリーナ公演(今月17日)が迫ってきましたね。ベタですが意気込みをひとつ……。
山中:最近、あまりライブのことを考えなくなっちゃいました。いい音楽鳴らしてたら、いいお客さんがついてきてくれるはずだっていう――1周回ってそこに至った気がします。もちろんライブで盛り上げるのも大切だけど、いい曲作ってステージでいい演奏をして、お客さんには好きに踊ったり聴いたりしてもらえたらいいかなって。それが本来あるべき姿なんじゃないかな。あと、僕らはライブでいろんな可能性を大きくしてきたバンドだった気がするんですね。だから逆に、音源に対してはあまり評価を受けてなかったのかなというところもあって。自分達も以前はライブを意識して楽曲を作るところに意識を向けていたわけですけど……。でも、そのタームは終わったなと思いますし、より自分達の音楽を聴いてもらえるように、より深く掘ってもらえるようにシフトチェンジしたいから、ライブがどうこうより、どういう曲を作ってどういうバンドにしていくのかを考えてますね、今は。
EMTG:逆にますます楽しみですね。いい景色を期待してます!

【取材・文:海江敦士】

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リリース情報

ワガママで誤魔化さないで

ワガママで誤魔化さないで

2019年03月13日

A-Sketch

01. ワガママで誤魔化さないで
02. Color Tokyo
03. Like the Music
04. ワガママで誤魔化さないで(Instrumental)

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

Kisses and Kills Tour 2018-2019
Arena series 〜Directly In a wide place〜

03/17(日)横浜アリーナ<Kisses and Kills Tour>

BKW!! Premium Party ~最初の晩餐~
03/19(火)恵比寿LIQUIDROOM <BKW!! Premium Party>
03/21(木祝)六本木EX THEATER ROPPONGI <BKW!! Premium Party>

LIVE HOLIC extra vol.3
03/29(金)幕張LIVE HOLIC

HEY-SMITH 「Life In The Sun TOUR」
04/13(土)松山WStudioRED
04/14(日)広島CLUB QUATTRO

石川テレビ 開局50周年 POP HILL in KANAZAWA
04/27(土)金沢POP HILL in KANAZAWA

FM802 30PARTY SPECIAL LIVE 紀陽銀行 presents REQUESTAGE 2019
04/29(土)大阪城ホール

VIVA LA ROCK 2019
05/03(金/祝)さいたまスーパーアリーナ

rockin’on presents JAPAN JAM 2019
05/05(日)千葉市蘇我スポーツ公園

METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2019
05/18(土)METROCK 大阪特設会場
05/26(日)新木場・若洲公園

LOVE MUSIC FESTIVAL 2019
06/02(日)幕張メッセイベントホール

カローラ福岡Presents NUMBER SHOT 2019
07/20(土)海の中道海浜公園

THE ORAL CIGARETTES主催泉大津フェニックス2daysイベント(仮)
09/14(土)泉大津フェニックス
09/15(日)泉大津フェニックス

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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