勢いを止めないSAKANAMON、3ヶ月連続配信リリースの全容に迫る!

SAKANAMON | 2019.03.13

 昨年、結成10周年を迎えたSAKANAMONが、今年に入ってからも勢いを止めることなく、精力的な活動を展開している。3ヶ月連続配信という形でリリースされた「コウシン」「鬼」「アフターイメージ」は、このバンドのかけがえのない魅力と新境地を絶妙に融合させた曲だ。全国ワンマンツアー中のSAKANAMONはどのようなことを思っているのか? 新曲の制作エピソードも含めて、藤森元生(Vo/Gt)に語ってもらった。

EMTG:3ヶ月連続配信をすることになった理由は何だったんですか?
藤森元生(以下、藤森):去年、10周年だったじゃないですか。いろんなありがたいお祝いの言葉もいただき、「さあ、これからどうしよう?」ということをずっと考えてたんですけど、答えはまだ出てなくて。でも、いろいろ迷ってもいる中でも、いち早く自分たちの現状をみなさんに見てほしいと思ったんです。
EMTG:1月に配信された「コウシン」に関しては、「テヲフル」や「ロックバンド」に通ずるものを感じました。内面をストレートに表現していたあの2曲のように「コウシン」も現在の気持ちを歌っているのを感じましたので。
藤森:まさにそうです。こういうのが去年、一昨年くらいからの新しいSAKANAMONなので。
EMTG:サウンドは、得意なタイプのものですよね。
藤森:はい。得意とするギターロックです。
EMTG:SAKANAMONが、ギターロックバンドとして正統派にかっこいいというのは、ファンはよく知っているところですけど、その点を再認識させられる曲です。
藤森:ありがとうございます。次のワンマンツアーは、リクエスト投票でセットリストを決めてるんです。その結果を見ても、おっしゃったところをみなさんに感じていただいているんだなって思います。
EMTG:歌詞に関しては先程言った通りですが、「テヲフル」や「ロックバンド」辺りからストレートに心情を表現するようになった理由は、何だったんですか?
藤森:何でしょうね? 書いたらこうなっちゃったっていう感じだったんですけど。でも、こういうのを書けたっていうのは、今までがあったからなんだと思います。僕は飽き症なので同じようなことはできないんですよ。抽象的なものを今までたくさん書いたことによって、シンプルでストレートなものが出てきたんでしょうね。
EMTG:「コウシン」の歌詞は、今の気持ちですよね? 自己肯定感がなかった時期を経て、改めて前に進もうとしている気持ちを感じる曲です。
藤森:「ロックバンド」でも近いことは言ってたんですけど、それよりも明確にこれからのことを歌ってます。10周年が終わりたてで、ちょっと迷ってる感じも自分で肯定してると言いますか。
EMTG:そういう曲でありつつ、遊び心を感じるのも興味深いところです。岩下の新生姜のCMソングの一節がさり気なく入っているじゃないですか。
藤森:そうなんです。数年前から岩下の新生姜さんには、すごくお世話になってて。新生姜ミュージアムでライブをさせていただいたりもしましたから。だからいつか岩下の新生姜さんの曲は書こうと思ってたんです。そういう曲が去年書き上がりまして、「新年一発目の新章にふさわしいな」と。
EMTG:サビの《新章が》が、《新生姜》に聴こえるのですが。
藤森:はい(笑)。岩下の新生姜の曲というだけではなくて、ちゃんと自分たちの曲にもしたくて。いいコラボ感が出たと思います。
EMTG:実際に何かしらのタイアップとかの曲になるんですか?
藤森:そういうわけではないんですけど、岩下の新生姜の社長さんも、この曲のことに気づいていて、ツイッターでリツイートもしてくださってます。
EMTG:こういう遊び心はSAKANAMONの大きな魅力ですが、2月に配信した「鬼」もすごいですね。鬼のことを描いているようでいながら、かなり脱線もしていく歌詞だから驚きました。
藤森:このご時世、良いことを歌詞で書かないと売れないというのがあって、それは当たり前だと思うんですけど、くだらないことを歌ってる曲の良さが忘れられてるところもあるんじゃないかと(笑)。だから一石を投じました。
EMTG:こういう和テイストなメロディは、SAKANAMONならではのものになっていますよね。
藤森:そうですね。僕、歌謡曲も好きなので。洋楽をあまり通ってなくて、文系ロックと呼ばれてたような音楽をたくさん聴いていたので、こういうものが出てくるんですかね。
EMTG:藤森さんの声質が醸し出すものもあるんだと思います。素朴な雰囲気がある声じゃないですか。
藤森:あまりおしゃれな声じゃないので(笑)。草食なんです。《お肉大好き》ですけど。
EMTG:「鬼」の歌詞の一節ですね。
藤森:はい(笑)。
EMTG:《鰐怖い でも意外と美味い》っていうのも目を引きます。昔、特典映像で鰐を食べていたことがあるのを思い出すファンもいると思います。
藤森:そうでしたね。伏線回収です(笑)。
EMTG:《蟹美味い》は?
藤森:たまたまこの時期に食べたんです。
EMTG:なるほど(笑)。「コウシン」とのギャップが激しい……。
藤森:この振り幅でズッコケてほしいなと(笑)。
EMTG:(笑)こういうギャップを時々発揮しつつも、SAKANAMONって実は良いメロディの宝庫なんですけどね。
藤森:「死んだら名曲になるだろうな」みたいなのはたくさんあるんですけど、生きてる内にそうなってほしいですね(笑)。
EMTG:(笑)次のワンマンツアーの投票結果は、ファンにとっての名曲がたくさんあることを示していると思います。例えば「花色の美少女」は、すごく愛されているじゃないですか。
藤森:そのようですね。あの曲、ライブだとそんなに盛り上がらないのに。「君の○○を××したい」とかもそうなんですけど、「意外とみんな聴きたかったんだ?」って思いました(笑)。目に見えて盛り上がる曲と較べると、こういう曲って不安になるんですよね。
EMTG:「鬼」も、実はすごくキャッチーなメロディですよね。
藤森:そうなんです。作りながら鬼が降りてきちゃったんでしょうね。
EMTG:2月配信だから、節分に合わせて鬼の曲にしたんですか?
藤森:違うんです。『デザインあ展』に行った後に「鬼が怖い曲にしよう」というのが浮かんだんですよ。僕、NHK Eテレでやってる『デザインあ』が大好きなんですけど、着目の仕方によってモノが輝くことを示してる番組なので、「鬼が怖い」っていうところに焦点を当てようと思ったんです。
EMTG:こういう視点で曲を作るっていうのは、「遊び心」と言い換えられると思うんですけど、SAKANAMONが大事にしている姿勢の1つですよね?
藤森:そうですね。僕、バランスは考えるんです。遊んでる曲を10曲とか書いたら、さすがに真面目な曲を書こうと思いますし。
EMTG:3月に配信される「アフターイメージ」は、そのバランスという点で言うと、真面目な曲ですね。作曲は森野さん?
藤森:はい。森野さんは、何年か前から「曲がない」っていう時に助けてくれるんですよ。「俺もこっそり書いてるんだ」って恥ずかしがりながら何曲か持ってきてくれるんですけど、今回もそんな感じで5曲くらい聴かせてくれました。アップテンポなタイプのいい曲もあったんですけど、「これはギリ、俺でも書けるタイプの曲かもしれない」と思って(笑)。でも、今回の曲は「新しいな」って思って選んだんです。
EMTG:作詞は藤森さんですが、もしかしたらファンへの気持ちを描いています?
藤森:おっ! そうなんですか?
EMTG:もちろんストレートにラブソングとして解釈することもできるんですけど、ファンとバンドの関係をなんとなく聴きながらイメージしたんです。
藤森:僕の中では「こういうことなのかな」っていうのはあるんですけど、具体的には決めてないです。僕も最初は「恋愛的なことの歌詞なのかな」って思ってたんですけど、今おっしゃった解釈、いいですね。
EMTG:どうなんでしょう? リスナーそれぞれの感性に委ねるべきなので、僕も解釈をごり押しする気はないんですけど。
藤森:この歌詞を書く時、最初に出てきたのは「ねじ」っていうテーマでした。そこから広げていった結果、「じゃあDIYの曲にしようかな?」とか思いつつ、「なんだそれ?」って(笑)。その時期、ちょうどIKEAに行ったんですよね。
EMTG:わかりやすい理由ですね(笑)。
藤森:そこから「なんで椅子を作るんだろう? ……この歌詞に出てくる人は上京してきたんだ」って思って広げていきました。
EMTG:物語を自分の中で思い浮かべて書いたということでしょうか?
藤森:そういうことですね。
EMTG:「コウシン」はリアルな気持ち、「鬼」は遊び心、「アフターイメージ」は物語の創作という点でも、この3ヶ月連続配信の曲は幅を示せているということなのかも。
藤森:なるほど。そういうことになりますね。僕、結構、フィクション系は苦手で、あんまり書いてこなかったんですけど、「アフターイメージ」は新しいものを書けたという感じがしてます。こういうのは、また書けるかわからないですけど。
EMTG:この3ヶ月連続配信は、2019年のスタートダッシュとしてこの上ないですね。ここからさらにアクセルを踏み締めるんですか?
藤森:俺、アクセル踏んでるのかなあ?
EMTG:そういうハッキリしない感じは、SAKANAMONとしての快調な通常運転という感じがしますが(笑)。
藤森:ガソリンは満タンに入れたんですけどね。
EMTG:ファンは、今後の活動にも期待していると思いますよ。
藤森:そうだと嬉しいです。
EMTG:SAKANAMONのファンって、根強いですからね。ライブに行くと、「すごく愛されてるバンドだな」って実感します。
藤森:1回中に入ってきてくれたらハマってくれるバンドなんですかね? でも、その「1回入る」っていうところまでが遠いんですよ。似た者同士が集まってるんですかね? なんと言うか……言葉を選ぶなあ。オタク気質の方たちというか、マニアックな……いや、センスの良い方たちが(笑)。
EMTG:(笑)「オタクで、マニアックな、センスの良い人」って、ロックリスナーとして正統派だし、SAKANAMONもそういうバンドっていうことだと思います。
藤森:そうですよね。上の世代のバンドのファンを思い浮かべても、みんなオタク気質だったと思いますから。
EMTG:今後の活動に関して具体的に決まっているのは、3月から4月にかけてのワンマンツアーですが、どんな意気込みで臨みますか?
藤森:楽しみですね。大変そうですけど。
EMTG:各公演でリクエスト投票を反映したセットリストにするわけですから日替わりメニューになるし、久しぶりに演奏する曲もあるっていうことですよね?
藤森:そうなんですよ。今、頑張って思い出してる最中です。ちゃんとやらないと……。
EMTG:やるって言っちゃいましたからね。
藤森:言っちゃったから(笑)。でも、投票してもらった結果を見て、嬉しかったんです。「ああ、わかってるねえ。良い曲に入れてるじゃないか!」って思いましたから。
EMTG:ライブに来るお客さんに伝えたいことは何かありますか?
藤森:ツアーの会場で、配信されたこの3曲のCDが買えますので、よろしければぜひ。僕、ジャケットを描いたんです。配信の時のアートワークと繋げると1枚の絵になるんですよ。描いた絵は額に入れてツアーの会場に持って行きますから。みんなに見てもらって自慢します(笑)。

【取材・文:田中大】

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リリース情報

アフターイメージ

アフターイメージ

2019年03月06日

TALTO

01.アフターイメージ

お知らせ

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■ライブ情報

SAKANAMON THE UPDATE TOUR ~BUDDY→Victor→TALTO~
03/08(金)大阪TRAD
03/09(土)名古屋UPSET
03/14(木)高松TOONICE
03/16(土)広島Cave-be
03/17(日)福岡INSA
03/21(木)仙台enn2nd
03/23(土)札幌Crazy Monkey
03/29(金)金沢vanvanV4
03/30(土)新潟 GOLDEN PIGS BLACK
04/07(日)マイナビ赤坂BLITZ

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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