RAMMELLS “ネオ・ノスタルジー”な音楽世界を創り上げた2nd Album『Mirrors』

RAMMELLS | 2019.04.02

 RAMMELLSはグルーヴィーでスタイリッシュなブラックミュージックのテイストを漂わせつつも、決してそこだけでは語り尽くせない感覚をリスナーに噛み締めさせる。2ndフルアルバム『Mirrors』も、このバンドならではの不思議な魅力にあふれた作品となった。メンバー全員がソングライティングを手掛けていて、共作にも積極的に取り組んだ結果、独特な作風が一層加速しているという印象の1枚だ。メンバーを代表して黒田秋子(Vo・Key)が、今作についてじっくりと語ってくれた。

EMTG:どういうアルバムにしたいと思っていました?
黒田:今回はスタッフも交えながら会議を重ねたんです。たどり着いたのが、「ダンスミュージック」。だからこのアルバムは、RAMMELLSなりのダンスミュージックが、かなり入っているものになっていると思います。
EMTG:「ダンスミュージック」と言っても、アッパーな感じではなくて、もっと穏やかなテイストですよね?
黒田:はい。RAMMELLSなりのダンスミュージックです。ミラーボールが回っているようなダンスミュージックではなくて、私たちが自然に「踊れる」と思う音楽を作ってみました。
EMTG: 4人全員がソングライターである良さも表れているアルバムですね。多彩さが楽しいです。
黒田:ありがとうございます。みんなで共作もしていますからね。
EMTG:最初に完成した曲は、「Dead men & woman walking」でしたっけ?
黒田:そうです。前作がリリースされた直後くらいにできたので。
EMTG:やるせないムードを漂わせているけど熱く踊れてしまうところが、RAMMELLSならではのダンスミュージックという印象です。
黒田:ちょっと歪んだ音が入っているところもRAMMELLSっぽいかもしれないですね。
EMTG:真田さんのギターが独特なスパイスになることは、よくありますね? 
黒田:はい。彼も意図してやっているところだと思います。ベースとドラムはいいグルーヴでやってくれているので、私と真田はそれに自由にのっかることができるんですよね。
EMTG:「真っ赤な太陽」も、多彩な要素の融合を感じる曲です。
黒田:これは最初に私が簡単なデモを作って、ベースの村山がメロトロンを入れたりして、ちょっと切ない感じのサウンドにしてくれたんです。少し泥くさいテイストの日本のロックとかファンクのイメージで作り始めたんですけど、村山がすごく変えてくれました。村山のアレンジって、スタイリッシュなんです。私が投げかけたキーワードから膨らませてもらえるのって、バンドをやるならではの面白さですね。RAMMELLSは、そういう化学反応が毎回あるんです。
EMTG:「chiki-chiki odoru」も、黒田さんのワンコーラスのデモを真田さんが膨らませて完成したそうですね。
黒田:はい。デモの核となるものを残してアレンジしてくれたんです。こういうのが楽しいんですよ。やっぱりRAMMELLSって、化学反応を楽しんでいるバンドなんですね。
EMTG:R&B、ジャズ、ブルース、ソウルとか、ブラックミュージックのテイストが土台にあるイメージのサウンドにはなっていますけど、必ずしもそれを目指しているというわけではないみたいですね。
黒田:そうなんです。もともとベースとドラムがそういう音楽が好きなので、「ブラックミュージックっぽい」って言われることが多いんだと思います。でも、最初からハッキリしたものを決めてやったら、今のRAMMELLSみたいにはならないんでしょうね。そもそも狙っても、その通りになることは少ないバンドですから。
EMTG:懐かしい音楽の雰囲気を漂わせることもよくありますけど、それも自然とそうなっているんですかね?
黒田:そういうことだと思います。例えば、彦坂が持ってきた「Gone with the wind」は、アース・ウインド&ファイアーとかのイメージがあったみたいですけど、かなり違う雰囲気になっていますし。いろんな時代の、たくさんの人に知られている曲を聴きながら「大衆的って何だろう?」って考えたんですよ。「真っ赤な太陽」も、美空ひばりさんの曲を聴いてから作り始めました。
EMTG:それは意外です。この曲、タイトル以外は、美空ひばりさんの「真赤な太陽」の要素はないですよね? サウンドのテイストもまったく異なりますし。
黒田:ワードからのインスパイアだったんです。
EMTG:黒田さんの言語表現は、ユニークなところがありますよね。例えば、「Surrealism」も、日常の中でふと感じる非日常感、いろんな時空が入り混じっているような感覚を描いていて、聴きながら不思議な気持ちになりました。
黒田:この歌詞を書いた私、何なんですかね? 自分で作っておいて、そんなことを言うのも変ですけど(笑)。できあがってからそういうことを思うことが、よくあるんです。
EMTG:「Over the purple」の《君は青 僕は赤かき集め いつか照らし合おう》っていうのも印象的です。ライブでお客さんとひとつになるイメージを色彩で表現している歌詞だと解釈しました。
黒田: RAMMELLSが各地に行って出会ったファンのみなさんとか、多方面で支えてくださっているいろんなみなさんのことを思って書きました。なんで青と赤なのか、理屈としては、私もわかりません(笑)。でも、ライブの時の感覚とイメージなんですよ。
EMTG:そういう黒田さんはもちろん、他のメンバーも個性を存分に発揮しているのが、RAMMELLSというわけですね。
黒田:はい。でも、私以外は、もともとソングライティングをしない人たちだったんですよね。彦坂も、ちゃんと作るようになったのは、RAMMELLSに入ってからみたいです。
EMTG:作品を重ねる毎にメンバー各々の作風が広がっているのも、面白いところですね。黒田さんと真田さんが共作した「Dizzy Dizzy Dizzy」は、Bメロで真田さんがリードボーカルデビューしているのが新鮮でした。
黒田:彼は、もともと歌が好きなんですよ。ミスチルが好きでギターを始めたそうですし。
EMTG:黒田さんと村山さんが共作した「Echo」は、お酒が飲みたくなる曲として捉えています。《喉越し悪いウイスキー持って》っていう表現が、すごく気になったんですけど。
黒田:私、ジャックダニエルが好きなんですけど、あの独特な喉越しのことです。《喉越し悪い》って書いていますけど、あの感じがすごくいいんですよ。
EMTG:ジャックダニエルが好きなんですか?
黒田:はい。黒いラベルのジャックダニエルが一番好きです。ちょっと高めの年代物だと飲みやすいんですけど、黒ラベルの方が好きなんですよ……って、お酒の話になってる(笑)。
EMTG:(笑)そういう人から「かくれんぼ」みたいな柔らかいテイストの曲が生まれるんだから、ソングライティングって面白いですね。
黒田:そうですね(笑)これは20年前に亡くなった祖父のことを歌っています。私、おじいちゃんっ子だったので。
EMTG:この曲、童謡にも通ずる郷愁を誘うテイストを感じます。
黒田:なるほど。「かくれんぼ」とか、歌詞で使っている言葉も、そういう雰囲気を醸し出しているのかもしれないです。
EMTG:曲が真田さんと黒田さんの共作で、歌詞を真田さんが書いた「CLOUDY」も、とても優しくて温かいものを感じる曲です。
黒田:これはすごくスッと歌詞が私の中に入ってきました。真田は、意外とこの曲みたいな面がある人なんですよ。こうやって作った曲を聴いて、メンバーそれぞれのいろんな面を感じられたのも、今回、作りながら楽しかったところです。
EMTG:RAMMELLSって、やはり、ものすごくいろいろな要素を持っているバンドですね。一面だけ切り取って語れないと僕は常々感じているんですけど、普段、どういう音楽性のバンドとして紹介されることが多いですか?
黒田:その時々で違うんですけど、「ブラックミュージックを基盤としたおしゃれな音楽」っていうようなことが一番多いです。でも、「ロックバンド」って言ってくださる人も結構いるんですよね。「ライブを観ると意外とロックだね」って、よく言われますので。
EMTG:今回のアルバムも、そういうRAMMELLSの特色がすごく出ていますよ。
黒田:そうなんだと思います。「大衆的」というものを意識したと言いましたけど、その割にはRAMMELLSの変なところが出ているかも(笑)。
EMTG:(笑)気になる要素を感じずにはいられないバンドだと思います。
黒田:そうだと嬉しいです。私は自分の声がポップだと思っているので、そういうところも多くの人に届くものになっていたらいいですね。あっ、あと、「真っ赤な太陽」のMVも、ぜひ観ていただきたいんですよ。俳優の松重豊さんが出演してくださったんです。撮影の時、めちゃくちゃ緊張しました。MVに出演していただけて本当に嬉しかったです。
EMTG:このアルバムがリリースされた後は、5月に全国ツアーがありますが、どんな意気込みで臨みます?
黒田:このツアーからパフォーマンスが大きく変わりそうです。歌で見せたい箇所もたくさんあって、どういうパフォーマンスができるのか、今考えているところなんですけど、自分でも楽しみです。RAMMELLSは今後も変化していくバンドだと思うので、今の姿をぜひいろんな人に観ていただきたいですね。

【取材・文:田中 大】




<ミュージックビデオ>

RAMMELLS「真っ赤な太陽」MUSIC VIDEO

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リリース情報

Mirrors

Mirrors

2019年04月03日

日本クラウン

01. 真っ赤な太陽
02. Surrealism (読み:シュールレアリスム)
03. Over the purple
04. Gone with the wind
05. かくれんぼ
06. Echo
07. Dizzy Dizzy Dizzy
08. chiki-chiki odoru
09. CLOUDY
10. Dead men & woman walking

お知らせ

■マイ検索ワード

舌下免疫療法
「真っ赤な太陽」のMV撮影の時に話題に上がった治療法。
2年くらいかかるらしいんですけど、少しずつベロの下に注射をして、ちょっとずつ免疫力をつけていく治療法みたいです。



■ライブ情報

「Dizzy Dizzy Dizzy」
RAMMELLS Mirrors release 記念

04/16(火)eggman

Mirrors release tour
05/02(木)enn 2nd
05/07(火)代官山 UNIT
05/08(水)池下 CLUB UPSET
05/09(木)LIVE SPACE CONPASS
05/11(土)graf

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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