Czecho No Republicが好奇心と愛に満ち溢れたEP『Odyssey』をリリース

Czecho No Republic | 2019.04.03

 Czecho No Republicが『旅に出る準備』から約1年ぶりに『Odyssey』と題したEPをリリース。カントリータッチの「STAR」、シンセ・ポップの「Everything」、アップビートな「Wake Up!」、そしてネオアコの「オデッセイ」――彼らの持ち味であるカラフルなポップ・フィーリングを生かしながら、それぞれに新たな可能性を追求した4曲が、『旅に出る準備』で高らかに謳いあげた好奇心が今回もバンドを突き動かしていることをアピール。4曲に共通する冒険の旅に出ようというメッセージは、リスナーに送るエールであると同時に昨年、5人から4人になったバンド自身の想いでもあるようだ。

EMTG:昨年10月2日にduo MUSIC EXCHANGEで、今回収録されている「Everything」を初めて聴いた時は、バンド・サウンドを意識した前のアルバム『旅に出る準備』からまたエレクトロニックなサウンドにモードが変ってきたのかなと……。
武井優心(Vo / Ba):思いきや、そうでもなかったという(笑)。
EMTG:そうそうそう。今回の4曲を聴いたら、いろいろな可能性を追求していて。その「Everything」も含め、今回、何曲ぐらい作ったんですか?
武井:10曲以上はあったのかな。その時、作りたいものや、個人的にこういうことをやりたいというものが自然に出来ていきました。過去の曲を掘り返したものもあるんですけど。
EMTG:「オデッセイ」ですね?
武井:はい。あのイントロのギター・フレーズはけっこう昔からあったんですけど、使える曲が思いつかなくて、泣く泣く寝かせていたんです。それが今回ようやく使える曲が出来たと言うか、あのイントロが合うと思ってひっぱりだしたら、ピッタリはまったんです。
EMTG:10曲ぐらい作った中から今回、この4曲を選ぶにあたっては、どんな意図、理由があったんですか?
武井:これは入れたいよねっていうメンバーの声を重視しました。
山崎正太郎(Dr):「Everything」が推し曲と言うか、この曲ありきの作品になるっていうのは、全員一致で思っていたので、それに合わせて、他の3曲をどういうふうに組み合わせていくのか話し合いになったんですよ。
タカハシマイ(Gt / Syn / Vo):でも、そんなに意見は違わなかったですね。
砂川一黄(Gt):これまではけっこうコンセプトを立てることが多かったんですけど、今回はEPだし、4曲だし。だったらとにかくいい曲を詰め込んだものにしようってことで、出来上がってきた曲の中から、もちろん組み合わせも考えましたけど、自分たちが一番いいと思う曲を入れようって。
タカハシ:その“いい”が何かってことですよね?(笑) メロディーが全曲、好きだったな、私は。
武井:音楽の基本だ(笑)。
山崎:「Everything」には武井の裏テーマとして愛があったんです。だから、「Everything」を推し曲にしたとき、全曲、愛を感じられたらいいなと俺は思って、めっちゃ推したのが「STAR」だったんです。
EMTG:「Everything」に込めたのは、どんな愛なんですか?
武井:愛というパワー、エネルギーです。
山崎:愛しているとかの愛ではなく、包み込む系です。
EMTG:そうか、愛なのかぁ。なるほど。今回の4曲には、安全なところから抜け出して、旅に出ようという想いが共通していると思うんですけど、どうしても『旅に出る準備』をリリースしてからのバンドの状況に重ねて聴いちゃうところがあって。
武井:そういうふうに聴いてもらってもいいと思います。だって、日記のようなものでもあると思うんですよ、曲っていうのは。ただ、そういうことを意識しながら書いたわけではないんですけど。
EMTG:4曲どれにもファンが聞きたかった言葉が入っているように感じましたが、それも意識したわけではない、と?
武井:もちろんネガティヴなことを歌おうというつもりはなかったですけどね。もうダメだみたいなのは、俺自身、聴きたくないし。やっぱりポジティヴなエネルギーでっていうのはありましたけど、根源にあるのは好奇心。曲の中の主人公たちは好奇心に満ち溢れているんです。
EMTG:それと「愛」?
武井:はい。愛はもう揺るぎません(笑)。過去の自分の曲の歌詞を読み返したとき、俺は一貫して「愛」と「冒険」しか歌っていないことに気づいたんです。だから、今回はそこをちょっと意識して。今までは無意識にやっていましたけど。たとえば、ラップ・バトルもいいと思うんですけど、俺らってそっちじゃないじゃないですか。俺らは陽のエネルギーでがんばるのが一番似合っていると思うから、そっちで行きたいと思いました。
EMTG:昔からそうでしたっけ?
武井:いやいや、無意識のうちに陽の曲が多かったんですけど、“Czecho No Republicは明るい。ハッピー”って言われるのが苦しかった時期もありますよ。“俺、家ではめっちゃ暗いのに、なんでそんなふうに言われるんだろう?”みたいなもどかしさはありましたし、パンキッシュでクレージーな人たちのライブを観て、うわーって憧れたこともありましたし。そんな人たちの後に俺らが出て、“かわいい”って言われると、“なんだよそれ、恥ずかしいわ”みたいな辛さは、以前はありましたけど、逆に言えば、それをやりたくてもできない人もいるわけだから、そっちに素直に従って生きていこうと思いました。
EMTG:さっきコンセプトはないとおっしゃいましたが、結果、春にふさわしい作品になりましたね。
武井:なりましたね。
EMTG:4月っていろいろ新しい生活が始まって、不安になることも多いから、そんな時に聴いたら……。
武井:門出を後押ししてあげられるんじゃないかな。
砂川:確かにエールっぽい感じもしますね。それが愛ってことなのか。
武井:そうそう、愛のパワーで(笑)。
EMTG:「Wake Up!」の歌詞に〈歪んだLove & Peace〉という一節がありますね?
武井:だって、歪んでいる時代じゃないですか。俺はそう感じますけどね。今の社会だとか、エンタメだとか、すっと飲み込めないものが多くないですか? 正義も歪んでいる気がします。
EMTG:でも、そういうことを思いながら、とげとげしい表現にならないのが今のCzecho No Republicなんですね。
武井:そこはやっぱり愛なので。説教ではないから、誰も操作はしたくないんです。その人の中では正解なわけだから。“だが、しかし俺はこう思う”ぐらいの意見なんです。だから、ツイッターで議論している人たちのやり取りを見るのがすごいイヤなんです。お互いに自分が正義だと思っているから、交わるわけないじゃないですか。そことは一線を引きたいんですよ、俺は。すべてにおいて。
EMTG:好奇心とおっしゃったとおり、4曲それぞれにいろいろな可能性を追求していますが、音楽的にどんなことをやりたかったんですか?
武井:そこまで考えていないんですよね。出来た曲をやるっていうだけで。そこは昔から変ってないです。この曲が一番似合うアレンジは何だろうとか、この曲が似合う楽器は何だろうとか、今回もそのやり方で作っていきました。メンバーが4人いるので、タカハシさんの声も含め、使えるものは全部使ってじゃないですけど(笑)、1曲1曲、それにふさわしいものにしていきました。
EMTG:どうですか? 結果、今回、バンドのどんな姿を打ち出せると?
武井:無理していない感じと言うか、肩に力が入りすぎていない感じが自然体でいいと思います。「オデッセイ」なんて、ここまでシンプルな音数のアレンジの曲、今までないかもなぐらい、ほんとにギター2本とベースとドラム以外何も入っていない。それって意外にないんですよね、俺ら。レコーディングでシンセを足したりとか、ギターをダビングしたりとかしてたから、ここまで一発録りみたいな曲は珍しい。でも、メロディーがいいから、それが一番はまったんですよね。
EMTG:「Everything」はタカハシさんのヴォーカルが聴きどころではないか、と。 
タカハシ:ライブではけっこう感情を乗せているんですけど、音源では逆に抜きました。エンジニアさんと相談して、敢えて声質をさらっと、歌いあげないようにしてみようってやってみたんです。自分の声の良さや空気感は出せたと思います。
山崎:最初はもっと感情が入ってなかったんですよ。でも、それじゃタカハシの声を生かしきれていないということになって、歌い直してみて、“どっちがいい?”って、これになりました。
EMTG:そこはエンジニアさんとバンドが意見をぶつけ合いながら、いいところに着地したわけですね。
タカハシ:みんなはライブの歌を聴き慣れているから悩んでいたけど、結果、音源としては、いいものになったと思います。歌いあげる感じよりもバンド感を出せて良かったと思います。
EMTG:ところで、この曲のMVを撮影するにあたって、いろいろなペットを募集したら、フクロウとか、リクガメとか、モモンガとか、いろいろ集まりましたね。
武井:そうですね。
タカハシ:犬は私の友人が連れてきてくれたんです。
EMTG:最後に5月11日から始まる『ツアーオデッセイ~未知との遭遇2019~』の意気込みを聞かせてください。
武井:宇宙を感じられるようなコンセプチュアルなところも若干あるので、その感じは今回限りになると思うし、もちろん他のツアーとは違うものになると思うので、楽しいものにはしたいし、「未知との遭遇」と謳っている以上は、やったことがないことにも挑戦したいし。俺がおもしろいと言っているだけじゃなくて、ライヴを観たみんなに、おもしろいと思ってもらえるものにしたいと思います。“こりゃ1本取られた!”という場面があってもいいし。今、ほんとにライブが良いヴァイブレーションでやれているので、フルのテンションで、フルのやる気で臨みたいと思っています。

【取材・文:山口智男】




<ミュージックビデオ>

Czecho No Republic 「Everything」MV

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リリース情報

Odyssey

Odyssey

2019年04月03日

murffin discs records

1.STAR
2.Everything
3.Wake Up!
4.オデッセイ

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

《ツアーオデッセイ〜未知との遭遇2019〜》
05/11(土)広島CAVE BE
05/12(日)高松TOONICE
05/17(金)仙台Hook SENDAI
05/19(日)札幌COLONY
05/23(木)福岡Queblick
05/25(土)岡山ペパーランド
05/26(日)名古屋CLUB UPSET
06/07(金)新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
06/11(火)渋谷CLUB QUATTRO
06/13(木)梅田CLUB QUATTRO

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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