眉村ちあき メジャー1stアルバム『めじゃめじゃもんじゃ』インタビュー後編

眉村ちあき | 2019.05.07

 「弾き語りトラックメイカーアイドル」眉村ちあきのインタビュー後編。メジャー1stアルバム『めじゃめじゃもんじゃ』に収録されている曲たちの制作エピソードや今後の目標について大いに語ってくれている。ライブ中にインスパイアを与えてくれる重要なアイテムとは一体何なのか? ヘチマに対する複雑な感情とは? ……などなど、今回もユニークな話が満載だが、どれも彼女のオリジナリティに密接に結びついている事柄であることが、このインタビューを読めばよくわかると思う。

EMTG:今回のアルバムには「荻窪選手権」も収録されていますが、これは既にライブで欠かせない曲になっていますね。眉村さんがお客さんの中に飛び込んでいったりして、何が起こるのかわからないところも毎回楽しみです。
眉村:私も何が起こるのかわかってないんです。その時に見つけたものでパフォーマンスしようと思ってるし。
EMTG:パフォーマンスのインスパイアを与える存在として大きいアイテムのひとつは、やはりハゲですよね?フロアにいるハゲを効果的に活用している姿には、いつも感心しています。
眉村:ハゲがいないとライブが全然盛り上がらないです。
EMTG:だって眉村さん、ハゲがいないと不機嫌になるじゃないですか。
眉村:そう!ハゲがいないと少し寂しい気持ちになります。
EMTG:ハゲの魅力って、ズバリなんでしょう?
眉村:美しさです。
EMTG:その気持ち、僕もわからなくもないですね。電車の中でいい感じのたこ焼きみたいなハゲを見かけると、青のりをかけたくなりますから。
眉村:私は「ハゲの頭にサインしたいな」っていつも思ってます。お絵かきもしたいですね。
EMTG:ハゲへの愛は、《ハゲてもハゲてなくても この気持ち変わらないよ》って歌っている「本気のラブソング」や、ボーナストラックの「ハゲ放題」からも伝わってきます。
眉村:でも、「ハゲだけが好き」というわけじゃなくて、「ハゲも好き」なんですよ。ハゲてない人ももちろん好きなんで、ハゲてない人も落ち込まないでほしいです。
EMTG:眉村さんのあらゆるマユムラー(眉村ちあきファンの呼称)に分け隔てなく与えている愛は、ものすごいですからね。
眉村:ファンの人たちは、めっちゃ常識のある人たちなんです。すごい誇りに思ってるんですよ。
EMTG:マユムラーに公式LINEで突然呼びかけてハンカチ落としとかをして遊んでいる現場は、奇跡のように温かいですからね。
眉村:優しいファンたちがいて、「この人たちがファンで良かった!」って思ってます。みんな精神年齢がとっても大人なんですよ。若い女の子も男の子もいるのに、みんな親みたいに接してくれるんです。そんなにもいい人たちだから、好きにならないわけないじゃないですか。
EMTG:「ファンが大好きです」って「仕事だからそう言ってるんだろ」って思う人が多いと思うんですけど、眉村さんがマユムラーを大好きなのは、いろんな現場を見ると本当によくわかります。今回のアルバムに収録されている「代々木公園」にも、その平和な風景が表れているじゃないですか。
眉村:本心ですからね。みんなが夢とかにも出てくるし。なんでいい人しか来ないんだろう?私は普通に生活してるだけでも痣とかができちゃうし、電車に乗るのにも苦労しちゃうし、みんなが普通にやってるのにできないことが多いんですよ。そういう私を見て、みんなは「ほっとけない!」じゃないけど、育ててるような気持ちになってくれてるんですかね?つまり子育て?(笑)。
EMTG:(笑)みんなに守られながら、すくすくと育っていますよね。トラック作りの技術的な向上も、このアルバムを聴いてすごく感じたんですけど。
眉村:ありがとうございます。『ぎっしり歯ぐき』の頃と比べて、『めじゃめじゃもんじゃ』は技術的な面でも全然違うと思います。
EMTG:「弾き語りトラックメイカーアイドル」として、全部自分で作っているというのは、改めて考えるとすごいことですよ。全部、自分でやりたいんですよね?
眉村:はい。誰かに作ってもらう方が早いのは事実だと思うんです。でも、頼んだものに納得できなかったら余計に時間がかかるし、人間と人間だからわかり合えないことも絶対にあるし、どこかでどっちかが妥協することになるけど、妥協は絶対にしたくないじゃないですか。そう考えると、自分でやるのが一番早いのかなと思ってます。
EMTG:そもそもセルフプロデュースということ自体が好きですよね?
眉村:好きです。「どんな衣装にしようか?」とか「どんな風にライブの予定を入れて、その後にこれを発表して」とか考えるのも好きだし。
EMTG:そうやって作っているトラックが斬新でかっこいいという点は、是非たくさんの人に注目してもらいたいです。「荻窪選手権」なんて、最高じゃないですか。
眉村:やったあー!「荻窪選手権」は、ファンクにしたくて、在日ファンクの「爆弾こわい」を20回くらい聴きました。ファンクの作り方がわからな過ぎたので、学ばせていただいたんです。
EMTG:「こういう曲ってかっこいい!」っていう素朴なワクワクが創作に繋がることは、やはり多いみたいですね。
眉村:はい。「代々木公園」もそうだったんです。宇多田ヒカルさんの「Automatic」とか、その頃の曲をいっぱい聴いたことがあったんですけど、4つ打ちが多かったので、そういう曲を自分でも作ってみたくなったんです。この曲と「ほめられてる!」は、自分でもすごく好きです。
EMTG:「ほめられてる!」は、鍵盤ソロもいいですね。
眉村:ちょっと不協和音にしたんです。
EMTG:「ピッコロ虫」のピアノもすごく印象に残ります。
眉村:あのピアノは、なんと適当に弾いてるんですよ。
EMTG:えええっ!
眉村:私、ピアノは弾けないんです。適当にやって「OK!」ってなって、そのまま使いました(笑)。
EMTG:眉村ちあき、恐るべし(笑)。
眉村:でも、プロのアレンジャーさんの曲を聴くと、やっぱりすごいと思います。私にはできないですから。
EMTG:プロのみなさんは逆に、「眉村さんみたいなことはできない」って思うはずです。
眉村:ピアノの弾き語りのミュージシャンの人に「「ピッコロ虫」のピアノソロは、音楽の知識がある人からするとあり得ないんだけど」って言われたことがあります。だから、「ごめん」って言いました(笑)。
EMTG:(笑)眉村さんは、不思議なひらめきがある人でもありますね。だから『ゴッドタン』に出演した際に披露したような即興ソングの「ゲロ」と「大丈夫」も、独創的なものになったのかなと思います。
眉村:即興が得意とは今も思ってないんですけど、やったら「すごい!」って言われて、「すごいんだ?」って気づいた感じです。フルーツポンチの村上さんが、「「大丈夫」の音源できないかなあ」って言ってたので、このCDをあげたいと思ってます。
EMTG:「ゲロ」も、こうして音源で聴くと、ますます感動的なんですよね。「ゲロ」っていうタイトルの曲に感動してしまう自分が許せなくもなるんですけど。
眉村:「ゲロ」っていうこの字面、ヤバいですね(笑)。
EMTG:「おじさん」も変なタイトルなのに胸に沁みます。これ、ライブで初披露した直後のマユムラーのSNSでの反応がすごかったじゃないですか。
眉村:はい。指原莉乃さんも「いいね!」してくれて、びっくりしました。
EMTG:温かい愛を感じる曲です。
眉村:そうなんです。私は愛にあふれてるんです。
EMTG:ストーリー性のある歌詞なのも新鮮です。
眉村:これはクリトリック・リスのスギムの影響なんです。クリトリック・リスの歌詞って、ストーリー性があるじゃないですか。「私もそういうの、ちょっとやってみよう!」って思って作りました。
EMTG:「ヘチマで体洗ってる」みたいなシュールな印象の曲も、実は眉村さんの中でハッキリしたストーリーとかがあるんですか?
眉村:ヘチマって、たわしになるんですよ。
EMTG:あれって、すごくザラザラしていますよね。
眉村:はい。パパがヘチマでたわしを作るんですよ。ちっちゃい頃、それで体洗われてて、「痛い! ヘチマで体洗わないで!」って言ってたのをそのまま歌にしただけ。だから私はヘチマのたわしが大っ嫌い(笑)。
EMTG:(笑)もしかしたら「奇跡・神の子・天才犬!」とかも、何らかの体験から生まれているんですか?
眉村:私、グループLINEで「ほめてよ!」ってよく言うんです。そしたらマネージャーさんが「奇跡!」って言ってきて、その次にトイズファクトリーの人が「神の子!」、その後に私の会社の人が「天才犬!」って言ってきたんです。「“奇跡!”は、ほめ言葉じゃないよ……」って思って、この曲を作りました(笑)。
EMTG:(笑)面白いエピソードが、いろいろありますね。
眉村:意外とそういうのがあるんです。
EMTG:そういう曲たちを収録したこのアルバムで、ついにメジャーの世界に飛び出すわけですが、どんな心境ですか?
眉村:「やっとここまで来たぞ!」っていう感じです。
EMTG:前回、取材させていただいた時は、海外に進出するという目標も掲げていらっしゃいましたが、さらに広い場所へと飛び出す意気込みで燃えているのでは?
眉村:はい。海外は行きます! だからみんなに「パスポートとっておいて」って言ってるんですよ。
EMTG:ツイッターで「宇宙ステーションを作りたい」って書いていたこともありましたよね。
眉村:無重力ライブをしてみたいんです。浮いたままギターを弾いて、お客さんもポヨポヨって漂いながら聴いてるみたいなことをやりたいんですよね。無重力体験部屋みたいなのがあるらしいんですけど10人くらいしか入れないらしくて、1000人くらいのキャパのところはないかなと思ってるんですけど。5億円くらいで作れるんですかね?
EMTG:僕も詳しいことはわからないですけど、特殊な仕掛けの大きな会場は5億円では無理かも……っていうか、5億円じゃ普通の会場も厳しい可能性があります。
眉村:これでも2億か5億かで迷って、背伸びして金額を言ったんですけど(笑)。
EMTG:大金として5億円を思い浮かべるところが庶民ですね(笑)。ここからどんどんビッグになります?
眉村:はい。今は失うものがないから、上しか見てないです。ビルボード1位になったら失うものしかなくなるから、違った感じになるんですかね?その時は別の仕事をするかも。
EMTG:どんな仕事をします?
眉村:ビルボード1位になったら、わらび餅屋さんになります!

【取材・文:田中 大】





眉村ちあき New Album「めじゃめじゃもんじゃ」Trailer

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リリース情報

めじゃめじゃもんじゃ

めじゃめじゃもんじゃ

2019年05月07日

TOY’S FACTORY

1.ほめられてる!
2.ピッコロ虫
3.奇跡・神の子・天才犬!
4.開国だ
5.Queeeeeeeeeen
6.なんだっけ?
7.ヘチマで体洗ってる
8.書き下ろし主題歌
9.おじさん
10.代々木公園
11.ゲロ
12.Teeth of Peace
13.荻窪選手権
14.ブラボー
15.本気のラブソング
16.大丈夫

お知らせ

■マイ検索ワード

死んだふりの名人 オポッサム

最初「死んだふりをする動物」で検索したんですよ。そしたらオポッサムが出てきたので調べました。身の危険を感じると死んだふりをするらしいです。
私、この間、死んだふりごっこみたいなのをしてたんですけど、「死んだふりごっこ」って言うのは嫌だから「オポッサムごっこ」っていう名前をつけて、「オポッサムごっこしたよ」ってツイッターに書きました。



■ライブ情報

全国ツアー「CHIAKI MAYUMURA 1st Tour めじゃめじゃもんじゃ」
5/19(日) 宮城県 space Zero
5/25(土) 福岡県 graf
3rdワンマンライブ「眉村ちあき 3rd ワンマンライブ〜東京湾へダイビング!〜」
6/4(火) 新木場STUDIO COAST

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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