名古屋出身の3ピースバンドMakiに初インタビュー!

Maki | 2019.08.30

 TRUST RECORDSとビクターが共同で立ち上げた新レーベル『DON’T TRUST OVER 30.』から、名古屋出身の3ピースバンド・Makiの新作シングル「Tao」がリリースされる。このレーベル移籍も含め、今まさに大変化の季節の真っ只中にいる彼らだからこそ鳴らせる「今」が浮かび上がる濃いシングルだ。過去に後ろ髪を引かれながらも、変化を受け止め、その先に向けて一歩を踏み出す――その思いを刻んだのがこの「Tao」の4曲なのだと僕は思う。これからますます注目を集めることになるだろう3人に、今作の手応えを訊いた。

EMTG:今回4曲入りのシングルということで、何かこれまでの作品と違う感覚はありましたか?
山本響(Ba&Vo):うーん、曲数が少なかったんで、変な感じはしましたね。
まっち(Dr&Cho):でも最初4曲だからって余裕ぶっこいてたでしょ?
響:一瞬で作れると思ってた(笑)。
まっち:「全然いけるっしょ!」ってずっと言ってたんですけど、いざレコーディング前になって「全然できひん……」って(笑)。
EMTG:響くん的には何がいちばん難しかったですか?
響:構成とかコード進行もそうですけど、いちばん難しかったのはメロディですかね。今回はところどころに味のある部分を作りたいなと思ったんで、今まで使ったことのないメロディのラインを使ってみようかなとか。今回4曲ともそうですね。僕自身が挑戦したことのなかったコードの運びとかを使ってメロディを作ったんで、自分の中で選ぶのに時間がかかりましたね。
EMTG:ふたりは今回のシングル、改めて聴いてどう感じますか?
佳大(Gt&Cho):「お、思ったよりもいい!」って思いました(笑)。思ってた以上にいい。スタジオで練習しているときはアンプも違うの使ってるし、結構ペラペラな音でやってるじゃん。
響:「ペラペラの音」って(笑)。
佳大:だからちゃんとなったものを聴くと改めて「おおっ!」ってなる。
響:擬音、多っ!(笑)。
佳大:日本語苦手だからさ(笑)。
まっち:レコーディング終わりましたってなったときに、響が「今回めっちゃよくできた!」って、すごくハードル上げた状態で聞かされるんですよ。だから「ああ、まあ、いいっすけど……」みたいな(笑)。
響:自画自賛が過ぎるからね。
まっち:地下にレコーディングスタジオがあって、だいたい僕は上で休憩してるんですよ。そこに響がすごい勢いで階段のぼってきて「すごくよくなった!」って。「ああ、本当?」みたいな(笑)。確かにめちゃめちゃいいんですけどね。
EMTG:今回、1枚を通して「こういう作品にしよう」っていうイメージはあったんですか?
響:今回機材が一新したっていうのもあるし、ギターとかベースの音作りもエンジニアさんとしっかり話して。「こういうCDにしたいです」って作り始めたんで、今までの作品のなかでもいちばん突き詰めて作ったのが今回のシングルかなというのはありますね。
EMTG:その「こういうCD」というのはどういう方向性?
響:方向性でいうと「ドカンといこう!」みたいな。迫力とか。
まっち:強い!って感じ。
響:塊!みたいな。今回内容もバラバラですけど、総じていうなら「最強のシングル作ろうぜ」ってテンションでした。培ってきたもの全部出したCDにしましょうって感じでしたね。
EMTG:確かにそういう感じはします(笑)。内容の部分はどうですか? 今回ある時期にわーって曲を作るなかで、そのときのモードとか気分が反映されているところもあると思うんですが。
響:結構、作っている時期はナイーブで。いつも曲を書き始めたりすると心がモヤモヤっとする、ザワザワっとするっていうか。些細なことでもいらっときたりしちゃうんです。だから自分はポジティブな曲とかあんまり書けなくて、全部ネガティブになっちゃうんですけど、そのネガティブなりにも何かひとついいことがあったらいいなっていうのが、この4曲は共通しているんだろうなと聴き直すと感じますね。
EMTG:その「モヤモヤする」っていうのは何に対してモヤモヤしちゃうんですか?
響:うーん……学校やめてからも結構時間が経ちましたし、生活のリズムとかも変わってきて。バンドとバイトしかやることないぞってなったときに、意外と学生に戻りたかったりするのかなって考えたりしますし、バンド活動が忙しくなって久しぶりにバイトに行くと「バイト楽しいな」って思ったりするし。そういうことに対してモヤモヤするというか、考えるというか。
EMTG:なるほど。今回の4曲、いろいろなことが変わっていく、変わりつつある瞬間の気分がよく出ている気がして。今まであったものがなくなったり終わったりして、新しいものが始まっていく、その狭間で生まれた曲たちっていう感じがするんですよね。
響:ああ……今年22歳になるんですけど、同い年で就職したり、今年就活してるとか、そういう人もいるなかで、自分はこの先どうなってるのかなと思います。地元の友達とお酒飲んだりしても「あの頃は楽しかったね」って話になるじゃないですか。そういうときも「あの頃からみて自分ってどう見えるんだろうな」とか考えたり。周りとの関係性でも、昔仲良かったのに今仲良くない子とかもいますし、昔生きてたのに今死んじゃった人もいますし。そういうのは、今回シングルを作るにあたっていろいろ考えたなと思いますね。
EMTG:たとえば「エバーグリーン」で「さよならティーンエイジャー」って歌っていますけど、ティーンエイジって響くんにとっては結構前のことじゃないですか。それを今歌ったのはどうしてですか?
響:なんでですかね。いつも曲作るときはぱっと思い浮かんだ言葉で歌ったりして、それを変えていくことが多いんで。なんで「ティーンエイジャー」が出てきたのかはわからないですけど、やっぱ心の底から戻りたいって思ってるんですよね(笑)。
まっち:高校生見るたびに「高校生に戻りてえ~!」って言うんですよ。
響:好きな女の子のスカートが短い時期っていうのもそうですし、税金とかそういうのもない(笑)。とやかく言われないじゃないですか。そういう何も知らなかった頃に戻りたいって、ちょっと世の中のことを知ったからこそ思いますね。なんか俺、60歳とかになっても「高校生に戻りたい」とか言いそうだな(笑)。
まっち:言いそうだなー(笑)。
EMTG:でも、いろいろ変わって歳を取っていくじゃないですか。そうやって変わっていくことに対してはどう思うんですか?
響:そこは、今の自分としては「ああ、変わってきてるなあ」みたいな感じなんですよ。で、時間が過ぎてから「変わったんだ」に変わるというか。今自分が体験していることに頭が追いつかないんですよね。
EMTG:たとえばバンドをやっていて、お客さんが増えていったりすることに対して、未来への希望みたいなものは感じたりしない?
響:うわあ、微妙っすね、それ(笑)。なんか、難しい。そこまで気が回らないタイプなんですよ。
EMTG:でもその変化って肌で感じるものじゃないですか。そういうものが曲に影響を及ぼすっていうことはあると思うし、それが今回のシングルには表れているような気がするんです。
響:そうですね。何に影響を受けたかはわからないですけど。作ってるときは必死で、自分のなかのさじ加減で決めてるんですけど、できたものを改めて聴いて、昔の自分が作ってた曲とは変わったなっていう印象は受けますね。言葉選びも変わりましたし、曲としての雰囲気も変わったなって思います。前作ったCDとかだと、自分が出したいことが前面に出ている感じというか、直線的というか……なんて言えばいいんですかね、正直者っていうときれいに聞こえちゃうんでアレなんですけど――。
まっち:単純。
響:単純! 単純明快な曲、聴いたらわかる、みたいな。聴いて考える間もなくわかってしまう曲っていうのもめちゃめちゃいいなと思うんですけど、今回は聴いて歌詞を読んで考えてわかることもあるのかな、っていうCDになってるんじゃないでしょうか。
EMTG:今回のシングルっていろんなものが変わっていく季節を象徴していると思うんですよ。「ストレンジ」で「いつからか 変わる事が/濁る事と同じなんだろう?」って歌っていますけど、今まであったものが、何かが起きて変わって、そこから一歩踏み出していくみたいな感じ。それって今Makiが置かれている状況とも重なるなと思います。
響:ああ……「ストレンジ」のその歌詞は、バンド活動をしていてずっと思っていたことで。風潮かもしれないですけど、いつからか変わることがめちゃめちゃダサくて、変わらない心を持っているのがかっこいい、みたいなのがあるけど、いや、変わることもかっこいいでしょって思うんで。
EMTG:うん。響くんが話してくれた「高校生に戻りたい」みたいなモラトリアムな気分はあっても、そうは言っても大人になっちゃうし、選挙にも行かないといけないし税金も払わなきゃいけない――ってなっていくじゃないですか。その「しょうがないけどやらなきゃいけない」っていうのをなんとか肯定しようとしている感じがしますよね。
響:ああ、それはありますね。そういう時期なのかもしれないっす。
EMTG:そんな作品に「Tao」っていうタイトルをつけたのはどうして?
響:これはあとから付けたんです。テーマにしていることをパッと出したらおもしろくないなって思っちゃうんで、だから聴いて初めてわかるぐらいでいいのかなって。で、どうしようかなと思っていて。大学で哲学の授業を受けてたんですよ。そこで宗教の話が出てきて、「道教」の教えで「道(タオ)」っていうのがあったんですよ。その「道」というのは結局自分で考えないといけないっていうことで。だったら自分の考えていることだからこれでいいかなって。
EMTG:一般的に「道」って「生きる指針」みたいな意味合いで受け取られているじゃないですか。
響:そうですね。
EMTG:そういう意味でも、Makiがここから進んでいく方向を指し示すシングルなんじゃないかなと。
響:これからそう言います(笑)。
まっち:いいのもらったな。
響:そう、「生きる道」なんですよ。これからそう言うことにします(笑)。

【取材・文:小川智宏】





<MUSIC VIDEO>
Maki「ストレンジ」

tag一覧 J-POP シングル インタビュー 男性ボーカル Maki

リリース情報

Tao

Tao

2019年09月04日

D.T.O.30.

1.ストレンジ
2.斜陽
3.エバーグリーン
4.1997

お知らせ

■マイ検索ワード

響(Ba/Vo)
ヒカルの碁
最近好きで、ずっと見てます。『ヒカルの碁』読んでるだけでめっちゃ頭いいふうに見えません?

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電動スケボー
意外と高くないんですよ。5万とか6万で買えるんです。スケボーが電動ってよくない?時速30km出るはずだよ、確か。

まっち(Dr/Cho)
あいみょん コード進行
おもしろくないのしかない(笑)。俺、検索履歴が残らない設定にしてるんですよ。



■ライブ情報

Maki 1st single 「Tao」Release tour
「大三元」


白編:10/06(日) 渋谷TSUTAYA O-CREST
w) Hakubi/ザ・モアイズユー

發編:10/19(土) 大阪BRONZE
w) TETORA/and more..

中編:10/27(日) 名古屋APOLLO BASE
w) POT/Mr.ふぉるて

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TRUST TOUR 2019
08/30(金) 福岡 小倉FUSE
w) KUZIRA/THE NOiSE/moon drop/カネヨリマサル
08/31(土) 出雲APOLLO
w) KUZIRA/moon drop/THE NOiSE/カネヨリマサル
09/06(金) 上越EARTH
w) POT/EVERLONG/SAME/KUZIRA/SideChest
09/08(日) 金沢GOLD CREEK
w) POT/EVERLONG/SAME/KUZIRA/カネヨリマサル
10/31(木) 東京 恵比寿LIQUIDROOM
w) KUZIRA/moon drop/カネヨリマサル/SAME/ニアフレンズ

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SHABA だいちゅきツアー2019 FINAL
09/01(日) 京都GROWLY
w) SHABA/the satellites/LOOKLIKE/The Last Growing/がんばれアダルトビデオ/Ameとタマムシ/あいう/ヴォイスクラッカー/+1BAND

TETORA わんぱくツアー
09.11(水) 神奈川 横浜F.A.D
w) TETORA/DETOX

TOKYO CALLING 2019
09/14(土) 新宿ライブハウス13会場

アルコサイト 逆風を力に変えろツアー
09/20(金) 石川 金沢van van V4
w) アルコサイト/マチカドラマ/プッシュプルポット/and more...

Atomic Skipper
"平成のあとがき"Release Tour Final

09/21(土) 静岡UMBER
w) Atomic Skipper/CASANOVA FISH/+1BAND

KAKASHI pre.『灯火祭 2019』
10/26(土) 群馬高崎ライブハウス5会場

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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