BLUE ENCOUNT 新しい魅力が全開のNEW SINGLE「バッドパラドックス」インタビュー

BLUE ENCOUNT | 2019.09.11

 印象的なカッティングから、抑えを効かせつつセクシーにうねるリズムを経て、エモーショナルなギターフレーズで一気に加速するスリリングな展開に、イントロからがっちりハートをホールドされてしまった。9月11日リリースとなったBLUE ENCOUNTのニューシングル「バッドパラドックス」。現在放映中のドラマ『ボイス 110緊急指令室』の主題歌としてすでに耳にしている人も多いと思うが、今までになく大人っぽい表情の彼らに驚かされたのではないだろうか。田邊駿一(VO.& G.)のボーカリゼーションひとつとっても新しい魅力が全開の今作、初回盤のみ収録のカップリング曲はなんと椎名林檎の名曲「ギブス」のカバーも必聴だ。エポック満載のこの10枚目のシングルについて4人にとことん語ってもらおう。

EMTG:新曲「バッドパラドックス」、どエラくカッコいいじゃないですか!
田邊:ありがとうございます!
EMTG:バンドの新局面を感じさせる1曲でもありますし。これはドラマ『ボイス 110緊急指令室』の主題歌というお話から作られたのでしょうか。
田邊:実は去年からできていた曲なんですよ。ただ、歌詞は決まっていない状態だったので、そこはお話をいただいてから書きました。
EMTG:ということは去年からこういう新しいモードは生まれ始めていた?
田邊:僕の中では生まれ始めていましたね。去年の秋ぐらいからずっと、いろいろ新曲を作っていたんですけど、その曲たちがかなりいい曲揃いで。どの曲もこれまでのBLUE ENCOUNTを脱しているというか、新たなフェーズというものがあるとしたら、そっちに行ってるような楽曲が多いというか。
EMTG:確認ですが、今年の6月にリリースされたミニアルバム『SICK(S)』の曲たちはそのあとに作られたんですよね?
田邊:はい。だから自分の中で新たなブルエン像を模索している一方で、『SICK(S)』という原点に帰った作品を作りたくなったという。時系列的にはそうなりますね。
EMTG:むしろ『SICK(S)』を出したからこそ、心置きなく「バッドパラドックス」を世に放てるのかも。
田邊:それはありますね。この曲はもう胸を張って出せます!
EMTG:みなさんはこの曲をどんなふうに受け止めたんですか。
江口雄也(Gt.):最初に田邊がデモを出してきた段階で、みんなもう気に入って。これは絶対形にしたいねっていう話をしてたんですよ。しかも、その時点ですでに「サスペンス系のシリアスなドラマっぽい雰囲気があるよね」「いつかこの曲でそういう作品のタイアップが決まったらいいよね」くらいなところまで勝手に想像してたんですよ、自分たちの中で。そうしたら実際に『ボイス』のお話をいただいたので。
田邊:やたらこの時期、「これ、サスペンスなドラマのヤツだから」って言ってたよね。
江口:そう、サスペンス期があった(笑)。
田邊:“田邊サスペンス期”がね(笑)。
EMTG:シリアスなサスペンス感、大人っぽいブルエンがすごく新鮮でした。
高村佳秀(Dr.):とは言っても同じ時期に作ってた楽曲はすごくバリエーション豊富で、まだ世には出してないけど「こういう曲をブルエンが作るんだ!」って思ってもらえるような曲がたくさんありますからね。それぞれいろんな景色の見える楽曲たちが揃ってて、その中のひとつがサスペンス向けだったっていう。
辻村勇太(Ba.):それに田邊がデモを持ってきたときはそこまで大人な感じではなくて。むしろ等身大の田邊だったんですよ。そういう意味では今回、プロデューサーとして入っていただいた玉井(健二)さんにいろいろディレクションしてもらったことが大きかったですね。この大人っぽさは玉井さんの色気から来てると思うんですよ。僕らだけだったら、たぶんここまで客観視した大人な雰囲気は出し切れなかったんじゃないかな。
EMTG:外部の方を共同プロデュースに迎えるのもBLUE ENCOUNTでは初ですよね。それも新たな試みなわけで、やはりみなさんの中に“脱・ブルエン”というか、新しいフェーズに行こうという意識があったのかなとも思うのですが。
高村:でも、そんなに“ニューBLUE ENCOUNT感”を前面に出そう、みたいなものはなかったような気もします。
江口:うん。僕ら的にはいつもと変わらずカッコいいものを作りたいっていう気持ちでいたところに初めて玉井さんに入っていただいて、俺らが今まで出したかったけど出せなかった部分を玉井さんが上手く持ち上げてくれたというか。田邊の歌い方ひとつ、楽曲のコード感ひとつ、細かいところをちょっと触ってもらうだけでこんなに変わるんだって僕たち的にも驚いてるんです。
EMTG:現場での玉井さんとのやり取りはどんな感じでした?
田邊:いやもうピリピリ……。
江口:ピリピリなんて一回もしてない(笑)。玉井さんはピリピリするような人じゃない、玉井さんは常にセクシーだから(一同爆笑)。
田邊:ホント、セクシーだったよね。たぶん玉井さんは曲をセクシーコーティングするスキルを持っていらっしゃるんですよ。玉井さん自身、「いい曲って色気だよ」っておっしゃっていて。だから今回は色気を出していこうって歌録りもすごく時間をかけながら、いろんなセクシーを教えていただいたんです。
高村:いっぱい刺激をもらいました。今まで考えが足りなかったこととか、まだまだこんなにあるんだなって気づかされたし。それでも全体のほんの一部だと思うんですけど、それを知れただけで自分たちの考え方や楽曲に対するアプローチがこんなふうに変わってくるんだって実感できたのはすごく楽しかったですね。
辻村:たぶん新たな発見という意味では田邊がいちばんデカかったんじゃない? 歌い出しの“あの日”だけでも何回もいろいろ試してたり。しかも今までの田邊にない“あの日”なんですよ。
田邊:そうなんだよね。もともと僕、Aメロが始まってから歌に入ることが多かったんですよ。でもAメロに入る前に発声することによって聴いてる人の耳がハッとするんだって教えていただいて。いち早く「聴こう」っていうモードになるからリスナーが曲に集中できるって。
高村:すごい面白かったよね。そういうテクニックがあるんだ!って。
田邊:めちゃくちゃ面白かった。プリプロの段階でオケを流しながら玉井さんが実際に歌ってみせてくれたんですよ。その時点でみんな「うわぁ!」ってなったもんね、「めちゃくちゃいい!」って。あの方がすごいのは感覚じゃなくてちゃんとテクニカルに教えてくれるところ。だから誰ひとり一回も疑問符を浮かべることなく、進んでいけたんですよ。メンバー一人ひとりの毛色の違う心にもしっかり入ってきてくれて、絶対この人モテるんやろうな、と(笑)。
EMTG:そういうところも大人の色気なんでしょうね。たしかに田邊さんの歌い方もこれまでとずいぶん違っていて。特にサビで声を張らずに、ここまでファルセットで歌い通されているのが印象的でした。
田邊:かなりセクシーにやらせていただいてます(笑)。初めてなんですよ、ここまでガッツリとファルセットで歌うのって。それがまためっちゃ気持ちいいんですよね。すでにフェスのステージで披露してますけど、自分の中に溜まっていたものがファッて頭から出ていくような、浄化されるような感じで歌えるんです。レコーディングのときは、ずっとファルセットだから息が続かなくて「これ、大丈夫かな?」って心配になる瞬間もあったんですけど、ライブではまったく問題なく歌えて、早くも自分のものにできている手応えがあるんです。
EMTG:では歌詞に関してはいかがでしょう。主題歌のオファーを受けて書き始められたからか、ドラマの世界観にめちゃくちゃハマってますけども。
田邊:ハマってますよね! 我ながらそう思います。『ボイス』は韓国のドラマが原作になっていますけど、僕はもともとそのドラマを観てた人間なんですよ。生粋の刑事ドラマ好き、サスペンス好きなので、今回のお話は待ってました!というくらい渇望していて。しかも『ボイス』のプロデューサーさんが手掛けられた前のドラマも僕、観てたんです。その方の作る世界観のセンス、例えば緊張感がちゃんとある中で人間臭さもしっかり出されているところとか、勝手ながら僕らにも共通するものがすごくあるなって思っていたら、その方も僕らのライブをすごく高いテンションで観てくださっていて。
EMTG:お互い、通じ合うところがあったんですね。
田邊:そうなんです。ものを作ることに対してとても真摯な方だったので、すごくいいやり取りができました。
EMTG:じゃあ、かなりスムーズに書けたのでは。
田邊:いや、実はだいぶ難産で。最初はもっとドラマ寄りな内容だったんですよ。唐沢寿明さん演じる主人公の心情に切り込むようなイメージで書いてたんですけど、プロデューサーさんから「もっとブルエンの書きたいことを書いてくれて大丈夫です」って言っていただいて、逆に「おお?」となったというか。もともと好きなドラマなので、その世界観に入り込んで書くほうが今回の場合はアイデアもいっぱい出たんですけど、もっと自分の言葉で書いていいと言われて、じゃあ俺は何を言おう?っていう。しかも、そのやり取りが締切の前日、ホールツアーも2~3日後に迫っている頃で。
EMTG:うわ、それはなかなかに厳しい!
田邊:僕、メジャーデビューしてからは締切よりもずっと前に曲を作る人間になったんですよ。昔は全然違ったんですけど、それだと出来上がったものに自分も納得できないので、前もってしっかり作りたいなと思って。だから久々でしたね、こんなに締切間近に葛藤したっていうのは。そのおかげというわけではないですけど、あの頃の初期衝動をくすぐられたというか、ドラマの世界も大事にしつつ、自分の肉迫した感情も投影できた気はします。
EMTG:そうだったんですね。サウンドは大人っぽいのに歌詞はどこか焦燥感に駆られている感じもあるのが面白いなと思っていたんです。
田邊:だからドラマの主題歌だと思って聴いた人にはそう響くだろうし、ブルエンの新曲だと思って聴いた人にはブルエンの決意が表われてるなって感じてもらえる曲にもなったんじゃないかなと思いますね。
EMTG:そして初回盤限定のカップリング曲が椎名林檎さんの名曲「ギブス」のカバー。BLUE ENCOUNTの作品にカバー曲が収録されるのも今回が初ですよね。なぜカバーを入れようと?
田邊:今回はドラマのタイアップでもありますし、より新しいリスナーの方にも聴いてもらえるんじゃないかなって。だったら誰もがが知ってるような楽曲をカバーしたいよねって話をしていたときに、ふと口をついて出てきたのが椎名林檎さんだったんです。
EMTG:ちょっと意外だったんですよ。
田邊:ですよね。そういえば公言はしてなくて。僕、アコースティックギターを始めた理由が森山直太朗さんですし、バンドに目覚めたきっかけはELLEGARDENや10-FEETなんですけど、中学生までは歌謡曲ばっかり聴いていたんですよ。で、高校に上がる前の春休み、CDレンタルショップで初めて椎名林檎さんの楽曲に出会ったんです。もちろんヒットチャートに常に入っている方なので知ってはいたんですけど、ナース姿でガラスを叩き割ってるイメージのほうが強くて、しっかり聴いたことはなかったんですよね。でも“百見は一聞にしかず”と言いますか、ショップで『無罪モラトリアム』の1曲目「正しい街」を聴いた瞬間に「これはヤバい!」って、その場でCDを全部を借りたぐらい。
高村:高校の軽音部でもこぞってコピーしてましたもん。
田邊:カラオケでもめっちゃ歌ったし。だから今回のカバーも歌は1テイクで録りましたからね。とにかく林檎さんに届くように、という気持ちで臨みました。しかも直球勝負で男が歌う「ギブス」はこうです、っていうものをやりたかったので、演奏にしてもあえてガッツリ、リメイクしたりもせず。
EMTG:結果、「ギブス」という楽曲本来の強さにブルエンのエモさがしっかり乗っかった、素晴らしいカバーになりましたよね。これは必聴ではないでしょうか。
田邊:嬉しいです。でも本当に曲自体が素晴らしいので。なんていい曲なんだろうって歌いながらつくづく思いました。
EMTG:そんな初めて尽くしの今回のシングル、9月からスタートするライブハウスツアーでも存在感をさらに増しそうですが、もちろん演奏してくれますよね。
田邊:はい!
EMTG:「ギブス」も?
田邊:もちろん、もちろん!
高村:……ホントに?
田邊:え、やんないの?
江口:いや、あなたがやると言えばやりますよ。ただ、カップリングをやりたがらない代表だからね、田邊は。
辻村:俺も今、「もちろん!」って食い気味に言ったから「大丈夫かな?」と思って(笑)。
田邊:いやいやいや、それはやるでしょ。みんなでシンガロング!
高村:僕はやりたいけどね、純粋に「ギブス」が好きだから。
田邊:ね、やるでしょ? やるよね? やる……かな?
辻村:あ、これはやらない流れだぞ(笑)。
田邊:じゃあ、やりません!(一同爆笑) ……って、そんな終わり方ある? やらないとしても「やります!」でいいじゃないの。
江口:だから、そこはパラドックスです、っていう(笑)。
一同:お~~~~~~~~!(拍手)
田邊:綺麗に締めたね~(笑)。あとはライブに来てもらってのお楽しみ、お待ちしております!

【取材・文:本間夕子】




BLUE ENCOUNT 『バッドパラドックス』Music Video
【日本テレビ系土曜ドラマ「ボイス 110緊急指令室」主題歌】

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リリース情報

バッドパラドックス

バッドパラドックス

2019年09月11日

Ki/oon Music

1. バッドパラドックス
2. VS(HALL TOUR 2019 apartment of SICK(S)@中野サンプラザ06.21)
3. もっと光を(HALL TOUR 2019 apartment of SICK(S)@中野サンプラザ06.21)

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■ライブ情報

BLUE ENCOUNT 2019ライブハウスツアー
「B.E. with YOU」
09/25(水)千葉LOOK
10/01(火)仙台Rensa
10/02(水)石巻BLUE RESISTANCE
10/04(金)札幌PENNY LANE24
10/06(日)北見ONION HOLL
10/09(水)金沢EIGHT HALL
10/10(木)新潟LOTS
10/12(土)浜松 窓枠
10/14(月・祝)高松festhalle
10/16(水)京都MUSE
10/17(木)和歌山SHELTER
10/19(土)周南RISING HALL
10/20(日)広島CAVE BE
10/26(土)鹿児島CAPARVO HALL
11/01(金)Zepp Osaka Bayside
11/02(土)Zepp Osaka Bayside
11/08(金)Zepp Fukuoka
11/09(土)Zepp Fukuoka
11/15(金)Zepp Nagoya
11/16(土)Zepp Nagoya
11/20(水)Zepp Tokyo
11/21(木)Zepp Tokyo

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