真のバンドとしての結束へと導いた『realize』完成までの道のりを6人が明かす。

AliA | 2019.09.18

 またしてもすさまじい熱量の作品が届いた。9月18日にリリースされるAliAの2ndミニアルバム『realize』のことだ。結成からわずか10ヵ月で東京・渋谷CLUB QUATTROでの1stワンマンライブをソールドアウト。また、この8月には台湾・香港での公演も大成功を収めるなど、ワールドワイドなスケール感でますます活躍の場を広げるAliAの勢いをそのまま反映させたかのように、1曲1曲の豊かな個性も、そこから放出されるパワーも、はっきりと抜きん出た今作。バイオリン、ピアノを擁した無二のハイブリッドロックバンドとして激走する6人に、結成から1年を経た現在の想いとともに、この強力な1枚をたっぷりと語ってもらった。9月21日からは2ndツアー「AliAliVe 2019 -realize-」も本格スタート、今の彼らを見逃す手はない。

EMTG:ますますお忙しくされているようですね。
SEIYA(Ba):毎日メンバーといます(笑)。朝イチからスタジオに入ってリハーサルして、その他いろいろやることをやって、スタジオが終わったらそのままメンバーと飯に行って。家帰って寝て、起きたらまた朝から……みたいな(笑)。家族でもここまで一緒にいないだろうっていう。
AYAME(Vo):とんでもないよね(笑)。
EMTG:7月にはバンド結成1周年を迎えられて。1年を経てバンドに対する想いの変化や、新たに見えてきたものなどはありますか?
TKT(Key):そういうことを考える間もなく時が過ぎてる気がします。でもメンバーに関しては最初のイメージから変わってないですけどね、僕からしたら。
BOB(Dr):メンバーみんなといろんなことを話せるようになってきたのは感じますね。そもそもバンドに入ってから知り合ったようなものなので。やっぱり最初の頃はお互いに若干よそよそしさがあったかもしれないんですけど、一緒にツアーを回ったりレコーディングを経験したことによって、よりコミュニケーションも取れるようになってきて。たぶん今回の作品にはそういうところも表われてるんじゃないかな。1枚目では表現できなかったもの、この1年で培われてきたものが表現できるようになったのかなって思います。
SEIYA:バンドだとかメンバーだとかっていう意識がいい意味でなくなったよね。結成当初、加入当初は「一緒に音楽をやっていく人たち」「一緒にライブをする人たち」って感じだったんですけど、これだけずっとそばにいて、人となりもわかってくると、そういうビジネスライクな意識はどんどんなくなっていって。ほんと寝てるとき以外はずーっと一緒ですから(笑)。
EMTG:今作『realize』の制作でもそうした変化や手応えは感じていました?
RINA(Vn):そうですね。2ndからはみんなの引き出しもより増えて、AliAの幅がさらに広がってきて、いろんなことに挑戦するようになってきたかなって思います。例えば「インストップデート」とか、前作だったらやらなかったような曲調にも挑戦したり、新しいことがやれてる気がする。
EREN(Gt):僕からすると、やっと少しずつやりたいことができるようになってきたっていう感じで。RINAは新しく引き出しが増えたって言ったけど、もともとやりたいことはたくさんあって、でもいきなり全部はできないじゃないですか。それが1年経って、「今だったらここまでできるかな」っていう、それをやったっていう感覚に近いです、今回は。
AYAME:私、1枚目を作っている段階で、EREN君が「次は攻撃的なアルバムにしたいよね」って言ってたのをすごく覚えてるんですよ。1枚目ってやっぱり「初めまして」だし、結成したばっかりだったので、「これがAliAです」っていう挨拶代わりみたいなものを作ろうとしていて。もちろんやりたいことはもっともっとあったけど、その段階では形にするのがなかなか難しかったりもして、だからこそ「次はやりたいよね」って。たぶん1枚目を聴いてくれた人には、次にこれを聴いて相当幅が広がったと感じてもらえるはずだし、私たち的にもすごく攻めたなって思ってます。
EMTG:相当攻めていますよね。楽曲の幅広さも然り、歌詞もより強い言葉が並んでいる印象で。1曲目の「realize」からして《僕を死なせないで》《消えたい》《もう殺したい》ってあまりに切実な……この言葉を使うのかってびっくりしましたから。
AYAME:これを書いた当時は、相当病んでたんでしょうね(笑)。正直、今書いてって言われても、たぶんこれは書けないと思います。まだ歌詞の書き方もわからなかった頃に初めて自分で書いた曲なので。当時はソロで歌っていて、ずっとひとりだったんですよ。誰かにすごく伝えたかったのに伝えられなかったっていう想いが強くて。でも、そのときの気持ちを絶対に忘れたくなくて……だから叫んでるじゃないですか、この曲。
EMTG:感情全部がむき出しになったような、すさまじい迫力です。
EREN:詳しく説明すると、初めてAYAMEのライブに行った時に一節だけ歌ってたものを、僕が広げて1曲作って、それに合わせてAYAMEが足りない分の歌詞を書き上げて「realize」という曲になったんですけど。
TKT:それが出会った初日の話で。
EMTG:ああ!ERENさんとTKTさんが千葉までAYAMEさんの歌を聴きに行った時の。
SEIYA:なけなしの2,000円をはたいて……。
全員:ははははは!(笑)。
EMTG:その翌日、バンドアレンジした音源をAYAMEさんに送ったというエピソードの曲ですよね。ということはAliAにとってすごく大事な曲じゃないですか。
EREN:いや、全部大事な曲ですよ。これができたから「よし、いける!」と思ったとかじゃなく、純粋に何かを残したいっていう気持ちだけで作ったものなので、この曲だけ特別にどうこうってことはないっていうか。
AYAME:バンドにとって、というよりは私にとって大事な曲かもしれないですね。この曲と「impulse」(1stミニアルバム『AliVe』収録)に関しては、バンドでやりたくて作った曲だったんですよ。でも、それがまさかバンドサウンドになって返ってくるとは思ってなくて、すごく衝撃を受けたし、絶対にこのバンドに入ろうって思うきっかけになった曲なので。

AliA 「realize」 MV
EMTG:2曲目の「Discord」はボーカルにオートチューンをかけたり、サウンド的にもかなり新しい試みをされてますね。
EREN:そうですね。1stにはないアプローチをしました。AYAMEの声にオートチューンをかけて内側から崩れていくような表現をしていたり、ピアノもサビ以外はほぼ弾かずにシンセだけにしたり、バイオリンはずっとリードだったのをバッキングとして歪ませて、ずっとルート弾きしたりとか。あと、SEIYAは初めてスラップしてる。
SEIYA:そうそう、2番のBメロのところ。
AYAME:あれ、かっこいいよね。
BOB:今回のアルバム、ドラムはトリガーを投入したんですけど、それもすごく大きくて。「Discord」もベースソロの裏で叩いているのがパッド系で、生のドラムではないんですね。ある意味、生々しさに電子的な要素がプラスされることでまた違った攻撃性が生まれるというか、このアルバムの中でも「Discord」がいちばんそういう曲になったかなって。
EMTG:変な話、そうした電子的要素を取り入れるのに抵抗はなかったですか。
BOB:すげえありましたよ(笑)。
全員:ははははは!(笑)。
BOB:俺は生の音でやりたいって言ったんですけど、ERENがやれって言うんで(笑)。
EREN:いや、俺は好きなんですよ? BOBのドラム。上手だし。
BOB:ありがと。上手だと思われててよかったよ(笑)。
EREN:ただ、人間らしさというか、生のグルーヴを大事にしているドラマーだからこそ、俺は真反対のことをやってほしかったんです。それがAliAならではの表現に繋がると思ったので。
SEIYA:曲一つひとつの個性をより振り切るという意味でもね。普通に生のサウンドでやってもかっこよくなるとは思うんですけど。
BOB:たしかに自分のこだわりを取っ払って純粋にいいものを作るってことに特化できたのは結果としてよかったです。新しい武器にもなると思うし。
EMTG:一方で、「ユートピア」はまたガラリと雰囲気が変わってめちゃくちゃ爽やかだし、パーティーチューンの「インストップデート」は80年代アメリカンポップスなムードが逆にすごく新鮮で。

AliA「ユートピア」MV
SEIYA:トラックをどんどん突き詰めてかっこいい音楽にしていくことばっかりやってきたからこそ、むしろそれとは真逆の「一切、突き詰めないこと」を突き詰めたのが「インストップデート」です。
EREN:僕たち、「自分はこういうふうに表現をしたい」っていう意志がすごく強いバンドだと思うんですね。なかでも俺とAYAMEは、それがブレるのがイヤで、「だったらもうやりません」ぐらいのことを言っちゃうタイプなんですけど。でも制作を進めていくなかでどんどん作品が重たくなっていっちゃったんです。そしたらある日、社長とマネージャーとエンジニアに呼ばれて「真面目すぎるんだ、お前たちは。もっとハッピーな曲もほしい」って言われて(笑)。で、メンバーと相談した結果、それも逆に尖ってるよね、やってみようって話になったんですよ。

AliA「インストップデート」MV
EMTG:具体的にはどんなふうに作っていったんです?
EREN:まずは飲もう、と(笑)。
EMTG:飲むんだ(笑)。
EREN:俺とAYAMEとTKTの3人で飲んで、ワイン5本ぐらい空いた頃に、ハッピーなシチュエーションに合うのはこれだろうなって、僕が用意していたフレーズをその場でデモ録音したんですよね。「AYAME、なんか歌ってみる?」とか「こういう感じでいいんじゃない?」とか言いながら。
TKT:そんなふうに曲を作るの、初めてだったよね。
EREN:美味しかったな、ローストビーフ(笑)。
BOB:仮タイトルが「ローストビーフ」でしたから(笑)。
EMTG:間奏のバイオリンがとてもいいアクセントになってますね。
RINA:こういうカントリーっぽいフレーズはこれまでに弾いたことがなかったので、自分にとってはかなり挑戦でした。TKTがフレーズを考えてくれたんですけど、「めっちゃ難しくしてやろう」って言われて(笑)。普段のレコーディングでは、バイオリンは大体2テイクくらいで録れるんですけど、これだけは何回も録り直させてもらったんですよ。
EMTG:そして沁み入るバラード「letter」から、「イドラ」では一転、救いのなさと不屈の希望が入り混じる混沌とした世界観に突入します。
EREN:「イドラ」に関しては、残酷なことがあっても闘志を燃やしてるような、その感じがテーマというか。例えば敵に攻められて故郷の村が燃えている、と。でも主人公の少年は「それでも俺は絶対にここで天下を獲るんだ!」と決意して立ち上がる、みたいなイメージがあったんですよね。最後に6人で歌っているところとか、みんなが一丸となって向かっていく、そんなイメージで作ったんです。
EMTG:映画やゲームのストーリーにもなりそうな壮大なイメージの下に作られたんですね。
EREN:AliAのこういう曲で僕が大事にしたいのは、非現実的な表現の中に身近さをどれだけ感じさせられるか、なんですよね。それがこういう曲をやる意味だと思うし、そうしたテーマから現代社会に結びつくことって実はめちゃくちゃ多いと俺は思っているので。
EMTG:ラスト「joker」はソフトバンクホークスの「鷹の祭典」光のセレモニーのテーマソングとして書き下ろされたとのことですが。

AliA 「joker」(live movie)
EREN:はい。求められているものに応えるだけで終わるのではなく、自分の意志をどれだけ込められるかっていうチャレンジでしたね。「かっこよくて疾走感のあるもの、アドレナリンが放出されるような曲を」というオーダーを受けて「疾走感があるってことは勢いだな。じゃあ勢いで作ろう」と思ってほぼ1日で作りました。
EMTG:それはすごい!
EREN:実は結構、急なお話だったんですよ。でも周りからも「チャンスを掴め」と言われて、これはやるべきだな、と。
TKT:で、1日でERENが曲を書いて、次の日に僕が歌詞を書きながらデモを録りに行って、その場でAYAMEに「歌って!」って(笑)。
EREN:そのまた次の日にはソフトバンクの担当の方に目の前でデモを聴いてもらってましたからね。しかも「うん、いいね!」って即OKをいただいたんです。そのときに「1回、試合を観に来たらいいよ」って誘っていただいたので、「じゃあ明日行きます!」って言ったら、本当に次の日みんなで観に行くことになって(笑)。
SEIYA:俺とかBOBはわけもわからず福岡に飛ぶっていうね(笑)。テーマソングのお話もデモ音源もそこでいっぺんに聞かされて、「そういうわけで、明日試合を観に行きます」って(笑)。
BOB:そういうところからも疾走感が生まれてます(笑)。
EMTG:実際、光のセレモニーで演奏もされたんですよね。
AYAME:こんなまだまだ駆け出しのバンドがヤフオク!ドームみたいな大きなところで歌えることなんてなかなかないですし、すごくいい経験をさせてもらいました。それをきっかけにAliAを知ってくださったホークスファンの方々も多いんですよ。本当にありがたいし、出られてよかったです。
EMTG:本当に1曲1曲の個性が豊かで、それぞれに物語があって。この『realize』という作品をどんなふうに聴いてほしいですか。
EREN:前回同様、今回の『realize』も7曲全部がいい曲だと自信を持って言えるし、どれもがリード曲だと思っているんですよ。でも世の中にはいろんな人がいて、きっとそれぞれ思ってることも違うし、好きなものも嫌いなものも人それぞれだから、このアルバムを聴いてくれた人も全部じゃなくていい、どれか1曲でも好きになってくれたり、共感して「自分はこういう人間だ」っていう気持ちになってもらえたらいいなって思うんです。自分がどういう人間なのか再認識してほしいという意味を込めて、このバリエーションの幅を作ったので。
EMTG:“realize”という単語には、“自覚する”“理解する”という意味がありますね。
EREN:はい。このアルバムを聴いた人に「自分とはどういう人間か」って思わせられたら、俺らの勝ちだと思ってます。

【取材・文:本間夕子】

tag一覧 J-POP ミニアルバム インタビュー 女性ボーカル AliA

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リリース情報

realize

realize

2019年09月18日

SLIDE SUNSET

01. realize
02. Discord
03. ユートピア
04. インストップデート
05. letter
06. イドラ
07. joker

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

AliAliVe 2019 -realize-
09/21(土) 東京 渋谷CYCLONE
09/27(金) 千葉 柏PALOOZA
09/28(土) 栃木 HEAVEN’S ROCK Utsunomiya 2/3
10/01(火) 徳島 club GRINDHOUSE
10/02(水) 高知 X-pt.
10/03(木) 愛媛 松山サロンキティ
10/06(日) 福岡 Queblick
10/07(月) 熊本 DRUM Be-9 V2
10/08(火) 鹿児島 SR-HALL
10/11(金) 神奈川 F.A.D YOKOHAMA
10/13(日) 埼玉 HEAVEN’S ROCK さいたま新都心
10/14(月・祝) 千葉 LIVE HOUSE ANGA
10/18(金) 兵庫 VARIT.
10/19(土) 広島 Cave-Be
10/20(日) 岡山 LIVEHOUSE IMAGE
10/22(火・祝) 山口 LIVE rise SHUNAN
10/23(水) 島根 松江AZTiC canova
10/24(木) 鳥取 米子AZTiC laughs
10/26(土) 三重 CLUB ROOTS
10/27(日) 岐阜 柳ヶ瀬Ants
10/29(火) 京都 KYOTO MUSE
11/03(日・祝) 宮城 仙台spaceZero
11/04(月・祝) 岩手 the ?ve morioka
11/05(火) 福島 KORIYAMA CLUB #9
11/07(木) 新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
11/08(金) 石川 金沢vanvanV4
11/09(土) 滋賀 U☆STONE
11/10(日) 静岡 浜松FORCE
11/17(日) 山梨 甲府CONVICTION
11/22(金) 香川 高松TOONICE
11/23(土・祝) 愛知 名古屋RAD HALL
11/24(日) 奈良 NEVERLAND
11/26(火) 長野 NAGANO CLUB JUNK BOX
11/27(水) 茨城 mito LIGHT HOUSE
11/29(金) 北海道 帯広Rest
11/30(土) 北海道 札幌COLONY
12/01(日) 北海道 旭川CASINO DRIVE
12/06(金) 愛知 club KNOT
12/07(土) 大阪 アメリカ村DROP
12/18(水) 東京 恵比寿LIQUIDROOM

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FM802 30PARTY MINAMI WHEEL 2019
10/12(土) 大阪 ライブハウス20会場

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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