大阪発「青春ロックを追い続ける」ガールズ3ピースロックバンド・カネヨリマサル。デビューミニアルバム『かけがえなくなりたい』リリース!

カネヨリマサル | 2019.10.23

 大阪を拠点に活動する3ピースガールズバンド、カネヨリマサル。その不思議なバンド名の由来は下記インタビューを参照いただくとして、そのファーストミニアルバム『かけがえなくなりたい』がとてもいい。いびつな心やヒリヒリした感情が率直に綴られた歌詞と、それをポップに昇華してみせるメロディ、そしてその歌詞とメロディを強力にバックアップするパワフルなバンドサウンド。見た目からはちょっと想像できないくらい、グサグサ刺さる。初めての取材、メンバー3人にバンドの成り立ちと楽曲に込められたものを語ってもらった。11月からの東名阪でのリリースツアーも楽しみだ。

カネヨリマサル【かけがえなくなりたい】全曲トレイラー


EMTG:いしはらさん、いいTシャツ着てますね。The SALOVERSの。
いしはらめい(Ba&Cho):やった!サラバーズ、大好きなんです。
ちとせみな(Vo&Gt):ふたりでライブにずっと行っていて。それで「対バンできたらいいね」って組んだのがこのバンドなんです。
EMTG:それが結成のきっかけ?
いしはら:組んだ理由は、私がちとせの声をカラオケで聞いて、めちゃくちゃいいと思って。それで「バンドやりたいな」って言ったのに対して「やろう!」って。軽いノリで、部活の延長みたいな感じで始めたのが今に至ってます。
EMTG:「カネヨリマサル」というバンド名が不思議なんですけど……。
ちとせ:これ、「お金に勝る」とかではまったくなくて(笑)。人の名前です、カネヨリ(姓)マサル(名)、っていう。
EMTG:架空の人物の名前?
いしはら:そうです。そのとき自分たちがいちばんいいと思った名前。語感とか。英語のバンド名を付ける勇気もアイディアもなかったんで。親しみやすい、自分たちが思いつきやすいものとして人名にした……んだと思います。
EMTG:なるほど。ちなみにカネヨリマサルさんはどんな人なんですか?
ちとせ:おじさんみたいなイメージ(笑)。
いしはら:会社員とか、そういう感じです。
EMTG:まあ、キャッチーですよね。「え、なにそれ?」ってなるから。
ちとせ:でも最初はめっちゃ後悔してました。もう変えたくてヤバかった(笑)。
いしはら:え、本当に?聞いてない(笑)。
ちとせ:最初1年間ぐらいは変えた過ぎて。でもカネヨリマサルの名前で知ってもらえた人がいると後戻りできなくなっちゃって。今も変えられるなら変えたいけど、もう大丈夫です(笑)。
EMTG:(笑)。もりもとさんは2018年にバンドに加入して。それまでカネヨリマサルのことは知ってたんですか?
もりもとさな(Dr&Cho):一応、面識というか、昔やってたバンドで何回か対バンはしとって。がっつり絡みみたいなのはなかったんですけど、私、めちゃめちゃ好きだったんです。
ちとせ:ふふふ。ドラムを探してるというのを友達のバンドマンに言ってたんですよ。その人がさなちゃんとも友達で、「やりたいって言ってる子おったで」って教えてくれて。それまで挨拶するぐらいの関係だったんですけど、一緒にスタジオ入って話してみたら、友達やったかな?って思うぐらい、同類だったんです、人間として(笑)。
EMTG:フィーリングが合ったと。
ちとせ:やっぱり人間が合わないとカネヨリマサルは崩れるって思ってるんで。
EMTG:最初はいしはらさんがちとせさんの声をいいなと思って誘ったわけですよね。今メインで曲を書いているのはちとせさんなんですけど、それまでも曲を書いていたんですか?
ちとせ:高校のときぐらいからオリジナル曲に対する興味はあって。でもちゃんと形にはできてなくて、イメージだけは持ってたんです。自分やったらこういう感じにやるかなって思ってて。で、ちゃんとバンドを組むってなったら意外とできた(笑)。
EMTG:いしはらさんは、声はいいなと思ったけど彼女が曲を書くとは思っていなかったわけでしょ?
いしはら:そうですね。何も考えずに誘ったら曲を持ってきてくれて。そこまでは期待というか、予想してなかったんですけど(笑)。
EMTG:ちとせさんのなかでは自分の言葉、自分のメロディで歌いたいというのがあったんですかね。
ちとせ:最初は歌いたいことっていうのがあんまりわからなかったんですよ。曲を作るのは楽しかったんですけど、最初の半年か1年ぐらいは言葉を並べても第三者のことを歌ってるみたいな感じで。でも悔しい出来事があって。そこからバンドを本気でやろうと思って、自分が歌いたいこともわかりました。そこからは自分がほんまに感じたことしか書きたくないって思って、絶対に嘘は書かないようにしてます。もう、自分の気持ちが入っている歌じゃないと好きになれないんです。自分の歌にしたい。誰かを歌いたくないというか。
EMTG:デビューミニアルバムとして、この作品はどういうものにしたいと思っていました?
ちとせ:誰にも求められてなくて、期待もされていない、3人でやりたいから集まったバンドっていうときから作った曲が入ってて。売れるためにキラキラしたものを作ったというよりは、自分たちの今までを詰めたって感じですね。今までやってきたことを整えるためのアルバムかなって思います。イメージがすごくあったんですよ。「かけがえなくなりたい」をいちばん最後にして、ジャケットは絶対これで、っていうのが3年前くらいからあって。それを形にした嬉しさはあります。絶対作りたいと思ってました、これを。
もりもと:私はカネヨリマサルに入ってから、ふたりが録り溜めてた曲をいっぱい聴いて。それを世間に出してどういう風に聴いてもらえるんやろって、お客さんの反応が楽しみだなと思います。
いしはら:入ってる曲のほとんどが昔の曲っていうのがあるんで。自分がバンドを始めてから今までの全部なんですよ。だから「嬉しい」の詰め合せみたいな感じです。ずっと自分のいちばん近くにあった音楽が形になるっていうことがすごく幸せです。やっと形にできたと思いました。
EMTG:今作でいちばん古い曲っていうとどれになるんですか?
ちとせ:「ひらりとパーキー」ですね。2015年か2016年に作った曲で。
EMTG:いちばん新しい曲だという「NO NAME」と「ひらりとパーキー」を較べると、変わった部分より変わらない部分がすごくあるなと思うんですよね。つまりそれがカネヨリマサルにとっていちばん大事なもので、ちとせさんが音楽をやっている意味なんだろうなって。
ちとせ:人に直接言わなくてもいいことですけど、自分がほんまに思ってることを歌詞にしたら正当な形として受け入れられる、というか――。
EMTG:「正当な形」?
ちとせ:正当なというか、音楽として受け入れられる。負の感情を言っても、音楽やったら受け入れやすいじゃないですか。「NO NAME」とかも、私の「こうしたい」って気持ちをバンってぶつけた歌詞なんですよ。でもそれを直接いろんな人に言えるかっていったら言えないし、言っても意味がないことなんですけど。それは「ひらりとパーキー」も同じなんですよね。夏が終わって寂しかった気持ちを、別に人に言う必要もないけど形にしたかった。その負の感情を自分も好きになりたいんですよね、形にして。
EMTG:メンバーのおふたりに訊きたいんですけど、彼女が持ってくる曲は基本的に彼女の個人的な感情じゃないですか。それを受け取って、どういうふうに音にしていくんですか?
いしはら:彼女の曲を好きな理由として、ただ「わかる」んですよ。わからないことがない。自分も一緒に過ごしてきたんで、こういう心の変化があってこういう歌詞が出てくるというのがわかるから、理解しようと思って歌詞を読むようなことはしないです。ただそのまま受け入れてます。
EMTG:確かに、「はしる、夜」はいしはらさんの歌詞じゃないですか。でも同じじゃんって思うんですよね。言いたいことがすごく近い。

カネヨリマサル【はしる、夜】Music Video
いしはら:自然と寄っていくんですよね。一緒にいた時間が長いので。
もりもと:私も理解しようとするってことはないですね。素直に受け入れる。みなさんの気持ちやけど、自分が思うところもそこにちゃんと含まれてる感じがします。
EMTG:なるほど。カネヨリマサルの歌詞って日記っぽくもあるけど、どちらかといえば手紙みたいだなと思うんです。必ず「あなた」みたいな存在がいるじゃないですか。
ちとせ:ああ、います。
EMTG:その人に向けて言ってるんだけど、どうやらその人には届いてないみたいだとか、その人は遠くにいっちゃってるとか。届かない手紙をずっと書いているみたいな感じがありますよね。
ちとせ:その人には直接言えないから歌詞に書いているところもあると思います。「もしも」とかは特にそうかな。直接言えるような関係性やったら「もしも」はできていないと思うので。
EMTG:「もしも」の歌詞はすごいなと思って。最後に「今日もあなたに会いたいな」っていうことを言いたいがために、こんなに回りくどいことを書くのかという(笑)。

カネヨリマサル【もしも】Music Video
ちとせ:そうですよね(笑)。たぶん自分の性格がそうなんですよね。その人がいなくても私は正常に生活ができるって自分では思ってるんですけど、会いたいと思ってしまう気持ちを考え出すと、あの歌詞になる。
EMTG:人によっては「そんなの直接言えばいいじゃん」とか「LINEしちゃえば?」ってなるかもしれないけど、それはできない。
ちとせ:できないし、しない。そのほうが自分にとっていいというか、1回自分で受け止めて形にしたほうが自分のためになるんかなって思うんですよね。寂しかったら「寂しい」って直接言って終わりというよりも、溜め込んで――不幸な気持ちを知ったほうが、いい音楽になると思ってるんで。逃げたくないんです、感情から。
EMTG:「NO NAME」でまさに「わたしはもっと傷ついていたい/明るいうた歌うために」って歌っていますけど、そういうことですね。
ちとせ:はい。意識的にそうしているわけではないですけど、そうなってるんですよ、自分がもう。歌にするために負の気持ちを取り入れようっていうわけではないけど、もしそういう気持ちを取り入れても、それを相手に弾かずに自分のものにしたいっていう。
EMTG:人に言わなくてもいい気持ちを曲にすることで、その負の感情も好きになれるってさっき話してくれましたが、それをこうしてCDにして世の中に出すということについてはどういう思いがありますか?
ちとせ:わかってくれる人はいるって思ったんです。全然すごいバンドじゃないけど、「聴いて涙出ました」って言ってくれる人とかがいて。自分のために作っていた歌ですけど、今はわかってくれる人のことも歌えていたらいいなって思います。

【取材・文:小川智宏】

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リリース情報

かけがえなくなりたい

かけがえなくなりたい

2019年10月23日

D.T.O.30.

01.恋人
02.はしる、夜
03.ユースオブトゥエンティ
04.NO NAME
05.ひらりとパーキー
06.もしも
07.かけがえなくなりたい

お知らせ

■マイ検索ワード

ちとせみな(Vo/Gt)
蒙古タンメン中本
行きたいなと思って調べてて。今日行ってきました。「辛さと戦う」っていうのが、座禅組んでるみたいな気持ちになるんですよ。自分との戦いって感じで、いやなことを忘れられる。めっちゃ汗かいて鼻水止まらなくなるんですけど。

いしはらめい(Ba/Cho)
あくびが止まらない
おかしいなっていう位あくびが止まらなかったんです。検索したら質問コーナーみたいなのが出てきて。はっきり病気とは言えないですってことでした。今はだいぶ治まったので大丈夫です(笑)。

もりもとさな(Dr/Cho)
ジブリの名シーン
『ラピュタ』に出てくるトーストみたいなのを調べてて。マヨネーズを食パンの縁に乗せて、生卵を落としてトースターで焼くっていうのが出てきて、それを作って朝食で食べてました。今まではベーコンを焼いて目玉焼きを焼いて、トーストに乗せてまた焼くっていう作り方をしてたんですけど、めんどくさくて。それでたどり着いたのが『ラピュタ』のトーストです。



■ライブ情報

かけがえなくなりたい Release Tour
“マイ フェイバリット”

2019/11/07(木) 大阪BRONZE
w) OKOJO/夜の最前線
2019/12/13(金) 名古屋Party’z
※GUEST有
2020/01/17(金) 下北沢SHELTER
※GUEST有

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TRUST NIGHT 2019
10/31(木) 恵比寿LIQUIDROOM
w) KUZIRA/SAME/ニアフレンズ/moon drop/Maki

the shes gone「MORE TOUR 2019」
11/05(火) 新代田FEEVER
w) the shes gone/tonetone

BUTA FES 2019
-NAMAKEBUTA METABOLIC ROCK FESTIVAL-

11/23(土) 神戸ライブハウス6会場

下北沢にて
12/07(土) 下北沢 ライブ会場多数

Hump Back ″僕らの夢や足は止まらないツアー″
12/08(日) 恵比寿LIQUIDROOM
w) Hump Back/SPARK!!SOUND!!SHOW!!

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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