ゴスペラーズ5人の個性がぶつかり合う“ケンカアカペラ”!
メジャーデビュー25周年記念シングル「VOXers」インタビュー

ゴスペラーズ | 2019.10.30

 本年12月21日、デビュー25周年を迎えるゴスペラーズが、25周年記念シングルをリリースする。
 タイトルは「VOXers(ボクサーズ)」。
 声という意味のVOXと、闘うボクサーをかけた造語だ。ヒューマンビートボックスを強く押し出した、アッパーなアカペラとなった今作。彼らがデビュー前から持っている「アカペラはバラードだけじゃない」という想いと、25年間、様々な場所で歌い続けて培ったスキルがバーストしたパワーチューンである。自己紹介というレぺゼンのスタイルをとった歌詞も含め、まさにゴスペラーズならではの1曲だ。しかしながら、サウンド的には超新境地。
 こんなゴスペラーズ、聴いたことない。
 こんなメロディ、こんなビート、こんな構成……アカペラ以外でも聴いたことがない。
 ぶつかり合う声と声が主軸にありながら、それでもハーモニーとして聴かせる駆け引きの妙。なんて刺激的なんだろう。ドキドキが止まらない。
 彼らのスピリッツが繰り出す、様々な声のパンチの数々。ゴスペラーズ、全開。さあ、25周年のゴングは鳴った。

EMTG:「VOXers」制作のスタートは?
酒井雄二:デビュー25周年ということで、新曲を作ろうとなった際、グループのアイデンティティとしてのアカペラをシングルに出来ないか、というのがあって。ゴスペラーズがデビュー当時から一貫して“ケンカアカペラ”、つまり綺麗に溶け合う美しいハーモニーではないハーモニーを提案してきていた。で、そういう曲をなんとか出せないかと。結構ギリギリまで粘りましたね。これまでも、1人1人、別のメロディを歌っている曲がいろいろあるんですけど、そういう流れを途絶えさせたくないっていう……こう…執念みたいな意識もありました。
EMTG:なるほど。
酒井:今回の曲は、ゴスペラーズが1人1人、サビで別々のパートを歌っているんです。そこを試合に見立てて、ボーカルのせめぎ合いをしている。歌詞も含めて、それぞれがそれぞれの方向に向かっている、バラバラな5人を聴いて欲しいんですね。
EMTG:5人、それぞれの個性を重視して作った曲。
酒井:そうです。個性を消す、溶けあわせるっていうのがハーモニーの一般的な認識だとしたら、そうじゃないところに向けた曲である、と。ある意味で、挑戦ですよね。本当にセルフ破壊みたいな(笑)。
EMTG:パンク精神みたいなものが、ある意味、自分たちに向かっているってことでしょうか?
村上てつや:自分たちの中にある、綺麗なハーモニーを否定しているわけじゃないけどね。
北山陽一:補足すると、綺麗なハーモニーも合わせようとして合わせているうちは、本当に合っていると言わないと思うんですよ。聴いている人は、それでも合ってるじゃんって思ってるだろう、と。だから今回の「VOXers」くらいまでやらないと、合わせないアカペラっていうのが、聴いた人に伝わらないんですよね。単純にお互いの歌をぶつけて、合わせてる。合わせようとして、それぞれの個性を削ってないっていう。ごつごつしたまま、ぶつけている。だから、まさにオルタネイティヴっていうか。俺達がやっているのはこういうことだって説明出来ている曲だと思う。
黒沢 薫:新しいですよね。実際、こういう曲、これまでなかったですし。「アカペラだからって、ウーだけじゃないんだよ」っていう、俺達の反骨精神みたいなものは、これまでずっとやってきたものではあるんだけど、なかなか伝わらなかった。だから楽曲こみで、そこがやっと出て来たなって感じです。この曲、酒井から出て来た時、悔しかったですからね。「あぁ、それがあったか!」みたいな。
村上:なかなか最近、びっくりする曲ってないんだけど、この曲が酒井から出て来た時は、びっくりしましたね。特にサビの作り方とか。
EMTG:スリリングでスピード感もある。
酒井:拮抗してる、誰もひかない感じを書きたかった。
EMTG:先日、「VOXers」をライブで初披露されてましたが、視覚で情報収集しても、何が起こっているのかわからなかったんですよね。で、再現出来ていることがすごい、と。
酒井:本当に5本のマイクでやってる、そこをやり切るのが、俺らのライブだと思うんですね。だから曲作りにおいても、昔から、再現不可のことはしない。
EMTG:その再現不可のラインが、今回はちょっと飛び越してないですか? 設計図を書いた本人としては、ギリギリまでやりなさい、みたいな思いがあったのでは?
酒井:ちょっとありましたけどね(笑)。俺が歌から、ビートボックスやって、すぐリードボーカル入るとか(笑)。でも頑張れば出来るってラインで、採用してるんですよ。
安岡 優:もちろん、今までの曲も頑張れば出来るって曲が多かったんだけど「VOXers」は、その頑張れば……のレベルが高い。音がギリギリまで詰め込まれてる。本当に次の音の直前まで音があるっていう。余ってる口が無いよね。
北山:ブレスしないでリードボーカルになって、そのまま息吸わないで次の音にいく、みたいな、ね。
酒井:今回、優しさを減らしました。
EMTG:カッコいいですね。優しさを減らしましたって言葉。
酒井:え?
村上:カッコいいか?(笑)
EMTG:だって、他のメンバーが出来るって信じてるから、優しさを減らせるんでしょう?
酒井:まぁ、それもあります。無慈悲に作りました(笑)。
EMTG:歌詞の中で、5人それぞれのカラーが登場しますね。
酒井:1stアルバム『The Gospellers』のジャケットで使われた色を引用したんです。村上が赤でチャンピオンサイド。そうすると青の安岡が挑戦者なんですけど、5角形なんで、大乱戦になる、と。そうやっていろんなことがうまく当てはまっていって、作っていった時「ボクシングがモチーフだから3分以内に終わりたい」って言ってたんですよね。そしたら、他のメンバーから「間奏が欲しいよ、例えばスキャットとかの……」って意見が出て来て。「わかった」って作っていったんです。で、ある程度、出来上がって、最初のゴングから最後のゴングまで何分になったか調べたら、ちょうど3分。ゾゾゾゾッってきました。
EMTG:ちょうど3分の曲になったのは、偶然だったと?
酒井:じつはまったくの偶然。怖いですよね~。怖いからもういじれないって言いました(笑)。
EMTG:今回、歌詞の中で、メンバーの担当カラーがあるじゃないですか。例えば、村上さんが赤。村上さんの纏わる、赤いエピソード。赤い思い出を教えてください。
村上:は?
5人:えぇえええ?(笑)
EMTG:私も質問で、闘ってみようと思いまして……すみません。お付き合いいただければ、と。
安岡:村上さん、学生時代、赤いトレンチコート、着てましたね。
北山:で、大きなラジカセ持ってて。赤いコートにラジカセで、サークルの全体大会とかに、1時間くらい遅刻して“バーン”って入って来て。1番後ろの机の上にバーンって荷物叩き付けるようにおいて。
黒沢:その姿に、後輩はびびりあげてるわけよ(笑)。
北山:なんて怖い人がいるんだ!今日はその人が来ている!どうしよう!
EMTG:都市伝説みたいですね。次、酒井さん。グリーン。
酒井:大学に進学した時、文学部だったんですけど、本当は環境問題やりたかったんですよ。そういう意識があって、アカペラ・サークルに入って……っていう(一同爆笑)。
村上:当時、バブルが終わって数年で、時代も変わって来ていて。一応、アカペラがエコだっていうのをネタとして言ってたんですよ(一同爆笑)。
酒井:バブルの後は、アカペラだって。
村上:すごい大ボラ吹いていたと思う(笑)。
EMTG:じゃあ次は、北山さんのオレンジ。
安岡:あれ、順番飛ばした?黒沢さんのイエロー飛ばされた?
EMTG:……イエローは最後にさせてください。
黒沢:みんなわかってるだろうから、言うことないしな、イエロー。俺、デビュー当時からイエローですから!
北山:僕、オレンジのダッフルコート、ずっと着てました。あと、プルートのぬいぐるみを集めていた時があって、スタジオを「オレンジ・プルート」って名前にしていた時期もありましたね。
EMTG:完璧なオレンジエピソードです。で、安岡さんがブルー。
黒沢:デビューして最初の年、ブルーのブルゾンみたいの着てなかったっけ?
安岡:あぁ!あったあった!確かにブルーだった。デビューしてすぐの夏、24時間テレビでフィリピンに行くことになって。その時に、レインコート的なものを持って来てくれって言われて。レコード会社の近くのショップで買ったの。それが質のいいもので、全然破れないし、全然劣化もしなかったから、そっから10年以上着てた。
EMTG:なるほど。
安岡:で、最後はイエロー。黒沢さんだけ、身体の中に入っていくものですね。
村上:すべてが体内にね(一同爆笑)。
黒沢:待って、待って。今、俺、思い出したんだけど。早稲田祭の後夜祭に、ゴスペラーズが出た時、衣装を買ったんですよね。ジャケットにインナーがタートルの色違いだったんだけど、僕のタートル、黄色でした!(笑)。
酒井:カレーをこぼしてもいいように黄色?
黒沢:違う違う。その当時は、まだカレーカレー言ってなかったからさ。で、今季はマスタードイエローが流行っているんですね。だから、すんげー久しぶりに、最近、イエローのタートルネック、買いました。
安岡:これでカレーうどんがはねても大丈夫(笑)。
EMTG:ありがとうございます。12月21日のデビュー記念日からは、全都道府県ツアーも始まりますね。なんと、4回目の全都道府県ツアーです。素晴らしい。
村上:まずは、こうやってまた全都道府県ツアーやれるってことが、もう本当に嬉しいですね。毎年、新作をリリースする、そしてコンスタントに全国ツアーをやるっていうのが、俺たちがファンの人に向けて出来ることだと思うんですよ。今出来るベストを尽くして新曲を作るってこととか、もはやグループのマインドに通ずることでもあって。そこを見せ続けていくっていうのが、ファンにとっても嬉しいのかなと思うし、応援してもらえるってことなのかなとも思うんです。自分たちの住んでる街に来てくれて嬉しいって言われる。この言葉が、いつでも新鮮に響くし、すごく嬉しいんですよね。
黒沢:俺たちも毎回、新鮮な気持ちでライブをしてるし、お客さんにも、いつでも新鮮な気持ちで観てもらえる存在になりたいですよね。

【取材・文:伊藤亜希】

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リリース情報

VOXers

VOXers

2019年10月30日

Ki/oon Music

01.VOXers
02.HITORI
03.Forever Love
04.抱きしめて  

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

ゴスペラーズ坂ツアー2019~2020“G25”
[2019]
12/21(土) 東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
12/23(月) 埼玉・ウェスタ川越 大ホール
12/26(木) 神奈川県民ホール 大ホール
12/28(土) 千葉・君津市民文化ホール
[2020]
01/09(木) 兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
01/11(土) なら100年会館 大ホール
01/12(日) ロームシアター京都 メインホール
01/18(土) 山口・下関市民会館
01/19(日) 岡山・倉敷市民会館
01/25(土) 山梨・東京エレクトロン韮崎文化ホール 大ホール
01/26(日) 群馬・桐生市市民文化会館 シルクホール
02/01(土) 大分・iichikoグランシアタ
02/02(日) 宮崎・向市文化交流センター
02/09(日) 香川・ハイスタッフホール 大ホール(観音寺市民会館)
02/11(火・祝) 愛媛・松山市民会館 大ホール
02/15(土) 鹿児島市民文化ホール 第一
02/16(日) 熊本・市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
02/22(土) 栃木・宇都宮市文化会館 大ホール
02/23(日) 茨城・立市民会館
02/28(金) 新潟・苗場プリンスホテル ブリザーディウム
02/29(土) 新潟・苗場プリンスホテル ブリザーディウム
03/07(土) 三重・四市市文化会館 第1ホール
03/08(日) 岐阜・バロー文化ホール(多治見市文化会館)
03/13(金) 富山・砺波市文化会館
03/14(土) 愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
03/20(金・祝) 福井市文化会館
03/22(日) 静岡市民文化会館
03/28(土) 和歌山市民会館 大ホール
03/29(日) 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール
04/11(土) 福島・いわき芸術文化交流館アリオス 大ホール
04/12(日) 山形県総合文化芸術館 大ホール
04/18(土) リンクステーションホール青森
04/19(日) 岩手・北上市文化交流センター さくらホール 大ホール
04/25(土) 北海道・函館市民会館
04/26(日) 北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru
04/29(水・祝) 秋田市文化会館
05/02(土) 徳島・鳴門市文化会館
05/03(日) 高知県立県民文化ホール オレンジホール
05/05(火・祝) 広島・上野学園ホール
05/06(水・祝) 福岡・サンパレス ホテル&ホール
05/09(土) 愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
05/16(土) 沖縄コンベンションセンター 劇場棟
05/23(土) 島根県民会館
05/24(日) 鳥取市民会館
05/27(水) 大阪・フェスティバルホール
05/30(土) 東京国際フォーラム ホールA
05/31(日) 東京国際フォーラム ホールA
06/06(土) 長野・ホクト文化ホール
06/07(日) 石川・本多の森ホール
06/13(土) 新潟県民会館
06/14(日) 宮城・仙台サンプラザホール
06/20(土) 神奈川・厚木市文化会館
06/21(日) 埼玉・三郷市文化会館
06/27(土) 長崎・島原文化会館 大ホール
06/28(日) 佐賀・鳥栖市民文化会館 大ホール
07/05(日) 大阪・フェスティバルホール

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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